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2024年8月 6日 (火)

バラエティー富んだ明るいポップアルバム

Title:SLITS
Musician:YUKI

約1年4か月ぶりとなるYUKIのニューアルバム。前作「パレードが続くなら」は、ソロデビュー20周年を迎えた彼女が、20周年イヤーの最後にリリースしたオリジナルアルバムでした。そこから約1年4か月。ソロの区切りの年を超えた彼女の新たにスタートする第1歩となる本作ですが、今回もそんな新たな一歩にふさわしい、彼女らしいバラエティーの富んだ明るいポップの並ぶアルバムに仕上がっていました。

まずアルバムは、明るいエレクトロポップ「Now Here」「雨宿り」からスタート。トラックメイカーのU-Key zoneによるエレクトロポップで、その明るい雰囲気は、アルバムの冒頭を飾る楽曲としてピッタリでしょう。さらに同じくトラックメイカーの前田佑によるスペーシーなエレクトロチューン「流星slits」と続き、アルバムの序盤は明るい雰囲気のエレクトロナンバーが耳に残ります。

そこから続く「Hello,it's me」はCMソングともなった明るく爽やかなポップチューン。ホーンセッションも入り、微妙にファンキーなリズムも加わっているのも耳を惹きます。軽快で明るいナンバーは実にYUKIらしさを感じます。かと思えば「ユニヴァース」はピアノも入った伸びやかに歌い上げるメロディアスなミディアムチューンですし、「追いかけたいの」は疾走感あるギターロックのナンバーと、まさに1曲毎に異なるタイプの楽曲が次々と展開していく構成となっています。

このバラエティー富んだ展開は最後まで続きます。後半の「One,One,One」は音数を絞った今風のエレクトロポップチューンを聴かせてくれたかと思えば、続く「友達」では一転、アコギでしんみり聴かせるフォーキーなナンバー、「パ・ラ・サイト」はヘヴィーなギターリフからスタートするオルタナ系のギターロックナンバーと、最後の最後までバリエーションに富んだ楽曲が続きます。

そして最後の「風になれ」はホーンセッションやピアノも入った賑やかで明るい祝祭色のある楽曲で締めくくり。最初のエレクトロチューンとはまた異なった形で明るさを感じさせる楽曲でアルバムは締めくくられます。

バラエティー豊かで全体的に明るいポップチューンが並ぶアルバムになっており、良くも悪くもつかみどころのない展開も含めてYUKIらしさを感じさせるアルバムになっていました。ただ、やはり楽しいポップチューンの連続で素直にワクワクできる作品だったと思います。ソロデビューから20年超。女性に対して失礼ながら50代を超えた彼女ですが、明るいポップチューンにはベテランらしからぬ若さを感じさせる一方、ベテランらしい安定感もしっかりと感じされる作品でした。

評価:★★★★★

YUKI 過去の作品
five-star
うれしくって抱きあうよ
megaphonic
POWERS OF TEN
BETWEEN THE TEN
FLY
まばたき
YUKI RENTAL SELECTION
すてきな15才
forme
echo(Chara+YUKI)
Terminal
YUKI 20th Anniversary The Singles Collection 2002-2022「Tears of JOY」
YUKI 20th Anniversary Coupling + Remix Collection 2002-2022「Ode to JOY」
パレードが続くなら

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