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2024年8月 2日 (金)

2024年上半期 洋楽ベスト5

今年も、既に7か月が経過しました。上半期の私的アルバムベスト5、まずは洋楽編です。

5位 Liam Gallagher & John Squire/Liam Gallagher & John Squire

聴いた当時の感想は、こちら

ご存じ元oasisのカリスマ的ボーカリスト、リアム・ギャラガーが、同じくカリスマ的な人気を誇り、oasisのルーツの1つでもあるバンド、ザ・ストーン・ローゼズのジョン・スクワイアと組んでリリースしたアルバム。まさに夢のタッグとも言える組み合わせ。基本的にジョン・スクワイアの書いた楽曲をリアムが歌うスタイルなのですが、やはりローゼズに影響を受けているからでしょうか、リアムのボーカルもピッタリマッチ。正直、そのままoasis+The Stone Rosesといった感じの曲調は「ベタ」という印象を受け、それ故に評価はあまり高くないようですが、個人的にはかなり壺にはまった作品でした。

4位 What Now/Brittany Howard

聴いた当時の感想は、こちら

現在、活動休止中のバンド、Alabama Shakesのボーカリストによるソロ2枚目のアルバム。バンドとしても毎回、高い評価を誇る傑作をリリースし続け、ソロとしても前作「Jaime」も高い評価を得た傑作をリリースした彼女。ジャズ寄りで、あえてAlabama Shakesと差をつけてきた前作に比べ、本作はソウルにロックを融合させたAlabama Shakesの路線をそのまま引き継ぐような作品になっていましたが、それだけに力強く表現力豊富な彼女のボーカルを存分に生かした傑作になっていました。

3位 Cowboy Carter/Beyonce

Cowboycarter

聴いた当時の感想は、こちら

いかにもアメリカなジャケット写真も目をひくBeyonceの新作は、彼女があえてカントリー音楽に向き合ったという作品。とかく保守白人層の音楽とみなされるカントリーに、彼女があえて挑んだ作品で、彼女自身はこのアルバムを「カントリー」ではなくあくまでも「Beyonceのアルバム」と語っています。分断が目立つアメリカにおいて、あえてその分断を乗り越えようとする力強い主張を感じさせるアルバム。もちろん、楽曲自体のクオリティーも言うまでもありません。間違いなく2024年を代表する作品と言える内容でした。

2位 BLEACHERS/Bleachers

聴いた当時の感想は、こちら

現在は売れっ子プロデューサーとして活躍しているジャック・アントロノフによるソロプロジェクト。もともとは、かつて注目を集めたロックバンドfun.のメンバーだったそうで、今回、Bleachersとしての作品ははじめて聴いたのですが、fun.はリアルタイムで聴いたことがあり、ポップでインパクトのあるメロを書くバンドだったということを覚えています。そんな彼のソロとしての新作は、まさにそのfun.の時代を彷彿とさせるかのような、陽気でポップなメロディーに加えて、fun.時代にはちょっと一本調子に感じられた音楽性がグッと進化し、バラエティー富んだ作風が大きな魅力となった傑作アルバムに進化。傑作のポップアルバムに仕上がっていました。

1位 Hovvdy/Hovvdy

聴いた当時の感想は、こちら

アメリカのシンガーソングライターデゥオによるアルバム。胸にキュッと響いてくるような美しいメロディーラインは魅力のデゥオなのですが、2人ともソングライターであるが故の、微妙な音楽性の違いがまたアルバムに幅を持たせて大きな魅力となっています。特に楽曲によっては、TEENAGE FANCLUBっぽさを感じさせる部分もあり、個人的にはかなり壺にはまりまくった1枚。エレクトロを取り入れたサウンドはシューゲイザーからの影響も感じられ、とにかくメロディーとサウンドの美しさに惹かれまくった傑作でした。

そんな訳で上半期ベスト5を並べると

1位 Hovvdy/Hovvdy
2位 BLEACHERS/Bleachers
3位 Cowboy Carter/Beyonce
4位 What Now/Brittany Howard
5位 Liam Gallagher & John Squire/Liam Gallagher & John Squire

ほかのベスト5候補は

Wall Of Eyes/The Smile
SAVIORS/GREEN DAY
TANGK/IDLES
I Got Heaven/Mannequin Pussy
The Collective/Kim Gordon
Bright Future/Adrianne Lenker
ONLY GOD WAS ABOVE US/Vampire Weekend
Funeral for Justice/Mdou Moctar
BRAT/Charli xcx
Night Reign/Arooj Aftab
A Drema Is All We Know/The Lemon Twigs

上半期はかなり傑作のリリースが多かったと思います。特にベスト5に入れなかったものの、Mannequin Pussy、Kim Gordon、Charli xcx、Arooj Aftabは、通常の年ならば余裕でベスト5に入れていたほどの傑作だったと思います。ただ一方では、頭ひとつとびぬけたような傑作はなかったような気が。そういう意味では、1位を選ぶのみ逆の意味でちょっと難しくなってしまった感もありました。下期もさらなる傑作の誕生を期待したいところです!

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コメント

上半期(2024 So Far)の一推しは、Still House Plants(SHP)の《If I Don​’​t Make It, I Love U》(Bison 2024)。
スネア、バスドラ、ハイハットだけのドラムス、胸に抱えた左利きストラトキャスター、そしてJess Hickie -Kallenbachのソウルフルなヴォーカルに圧倒されるポスト・ロック。
オレンジ色のレヴァを押すとCDがスライドするトリガー・ケース(e-slimcase)仕様^^

「The Quietus Albums of the Year So Far 2024」(https://www.albumoftheyear.org/list/2284-the-quietus-albums-of-the-year-so-far-2024/?s=asc)第8位。
《Double Negative》(Sub Pop 2018)で泣いた野田努(https://www.ele-king.net/review/album/011384/)、
『「教授」 と呼ばれた男』(筑摩書房 2024)を書いた佐々木敦(https://x.com/sasakiatsushi/status/1800370476973441304)も絶賛しています。

投稿: sknys | 2024年8月 4日 (日) 12時41分

>sknysさん
おすすめありがとうございます。Still House Plants、機会があればチェックしてみたいです!

投稿: ゆういち | 2024年12月 3日 (火) 22時50分

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