ワクワクして楽しめるエレクトロポップアルバム
Title:BRAT
Musician:Charli xcx
2022年にリリースした前作「Crash」が、イギリスのチャートで1位、全米チャートでも7位を記録するなど、大ヒットとなったイギリスの女性シンガーソングライター、Charli xcx。もともと、イギリスのレイブシーンで活躍していたミュージシャンだそうで、もともとJusticeのようなフレンチ・エレクトロのミュージシャンたちからの影響を公言しているとか。今回のアルバムもイギリスチャートでもアメリアビルボードチャートでもベスト10を記録。また、各種メディアでも高評価を記録しているなど、注目のアルバムとなっています。
個人的に彼女、Charli xcxのアルバムを聴いたのは本作がはじめてなのですが、確かに一言で言えば、難しいこと抜きで楽しめる、聴いていてとても心地よいエレクトロのアルバムだったと思います。
まずアルバム冒頭の「360」は、まずは軽快でリズミカルなエレクトロポップからスタート。まずはアメリカのR&B系ポップの流れを組むような、ある意味、今どきなポップチューンからスタートするのですが、続く「club classics」はタイトルの通り、クラブ系の王道を行くような疾走感あるトランシーなエレクトロチューン。聴いていて思わず身体が動き出しそうなナンバーとなっています。
その後も、基本的には軽快なエレクトロアレンジを主軸に置きつつ、「Talk Talk」や「Apple」のような軽快な歌を聴かせるようなタイプの楽曲を聴かせてくれたかと思えば、「Von dutch」や「Rewind」、「Mean girls」のような疾走感ある強いエレクトロビートを前面に押し出して、よりクラブ寄りの楽曲を聴かせてくれたりと、クラブシーンに軸足を置きつつ、広くポップフィールドで活躍する彼女らしい構成のアルバムになっています。また、「I might say something stupid」や「So I」のようなしんみり聴かせるミディアムチューンも間に挟んでおり、アルバムの中でほどよくチルアウトできる展開にもなっています。
基本的に最初に書いた通り、難しいこと抜きで楽しめるエレクトロポップが並んでおり、聴いていてワクワクしてくるような楽曲が大きな魅力。その分、正直なところ目新しさはありませんし、作風的にも挑戦的といったものもあまり感じません。ただ、それを上回る楽しさがこのアルバムでは感じられるのは間違いなく、それがこのアルバムが高い評価を得ている大きな要因であるのでしょう。
個人的にも年間ベストクラスに楽しめたアルバムだったと思います。クラブシーンで活躍している彼女なだけに、クラブや、あるいはライブでこれらの曲を聴けたらとても楽しめそうだし、軽くトリップできそうだなぁ、ということも感じます。広いリスナー層にお勧めできそうな楽しいエレクトロポップアルバムです。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Forever/BON JOVI
デビュー40周年を迎えた彼らが、約4年ぶりにリリースしたニューアルバム。いつも通りの王道的なハードロック路線といった感じで、良くも悪くも安心して聴ける作品。あえて言えば、ちょっと爽やかにポップにまとまった感じもあって、若干今風にアップデートされているのかな、といった感もあるのですが、基本的にはいままでのBON JOVIの路線から大きく変わるものではありません。良くも悪くも大いなるマンネリといった感も。
評価:★★★★
BON JOVI 過去の作品
Lost Highway
THE CIRCLE
GREATEST HITS-THE ULTIMATE COLLECTION
What About Now
Burning Bridges
This House Is Not For Sale
2020
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