HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024
会場 Aichi Sky Expo 日時 2024年7月19日(金)18:30~
宇多田ヒカルのライブに、はじめて参加してきました!今から25年前、「Automatic」で衝撃的なデビュー。当時は本場アメリカのR&Bに勝るとも劣らない、天才ミュージシャンの誕生とかなり騒がれ、当サイトでも常連の方が軒並み宇多田ヒカルを推してくるという、当時の音楽ファンの間ではかなりの衝撃だったことを今でも覚えています。それはら早くも25年。もともとあまりライブを数多くこなすタイプではないので、いつもチケットは争奪戦になるのですが、今回は見事、抽選に当選!25年目にして初となる念願のライブ参加となりました。
会場はAichi Sky Expo。セントレアのすぐ脇にある大きな展示場です。今回、はじめて足を運んだのですが、ちょっと遠い・・・。とはいえ、都心から特急を使えば40分弱なので、そんなに極端に遠い場所ではないのですが。このホールAが今回の会場。基本的に展示場なので、客席はフラットなので、ちょっと後ろの方からは見にくいつくりになっています。ただ、これだけの広さとしては音は悪くなく、ほとんど気になりませんでした。ただ、キャパは6,500人と、宇多田ヒカルの人気を考えると、ちょっと狭い会場という印象。ナゴヤドームくらい普通に埋めれるでしょうが・・・「音」などを考えると、あえてこの程度の会場を選んだということでしょうか。
この日は日本人のライブとしては珍しく(とはいえ最近増えてきてはいるのですが)写真・動画撮影可のライブ。定時を約10分程度経過したところでライブスタート。ただちょっとユニークだったのは、客電が消えて、いきなりスタート、という通常の形ではなく、前のモニターが少しずつ動き出したかと思えば、いつの間にかライブがスタートしていた・・・といった演出がなされていました。そして宇多田ヒカルが登場!本物だ!!と感動しつつ、さらに1曲目は、なんと「Automatic」のカップリングの「time will tell」からスタート。かなり意外な選曲にちょっとビックリしつつ、25年前に彼女の曲をはじめて聴いたことを思い出してしまいました。
続く「Letters」ではちょっと歌詞を間違えるなど、ライブならではのハプニング(?)もありつつ、選曲は、ベスト盤リリース直後のツアーということでベスト盤に収録されている彼女の代表曲を入れつつ、ベスト盤に入らなかった曲も、むしろ積極的に選曲されているというスタイルのセットリストに。序盤では「Wait&See~リスク~」や「In My Room」など、懐かしくも、「そういえばベスト盤に収録されていなかったな」といった曲を懐かしく感じながら聴いていました。
基本的には原曲に沿った形のアレンジだったのですが、ただその中でもちょっと歌いずらかったのでしょうか、「For You」などは若干ピッチが下がっているアレンジも。また、前半では「Distance」は原曲よりテンポがあげられていたり、「traveling」では、より強いビートのドラムが入っていて、踊りやすくなっていたりと、ライブならではのアレンジも要所要所に聴かせてくれました。
ステージ演出は全体的に比較的シンプルな感じ。中盤にはおなじみ「First Love」もしっかり聴くことが出来ましたし、セットリストは基本的に過去の曲から最近の曲という時系列に沿った形になっており、彼女の25年の歩みを知ることが出来ました。途中では何か所かMCを挟んでいたのですが、彼女、曲の雰囲気とは異なり、意外とほんわかした雰囲気の天然ボケ気味のMCで、「ここ、周りに水がいっぱいあるけど、これ海なんだよね?」なんていう、「いや、すぐわかるじゃん!」という天然ボケ気味のMCも飛び出して、かわいらしいという印象も受けました。
さらに中盤では、ベスト盤に入っていなかったもののちょっと意外な「ぼくはくま」も披露。彼女の曲の中でもちょっと異質な曲なので、セットリストに組み込んできたのは意外だったのですが、ちょっと箸休め的に、かわいらしく聴かせてくれました。
その後は「Keep Tryin'」や「Kiss&Cry」を聴かせてくれた後、マイクスタンドの前に立ち、力強くそして感情たっぷりに「誰かの願いが叶うころ」をしっかりと聴かせてくれました(写真↓)。
その後は一度、彼女はステージから退場。会場のモニターにはアニメ映像が流れます。おそらく大学か何かの講義を聴いている宇多田ヒカルの頭のねじが文字通りはずれて、その頭のねじに乗って、くまがいろいろと旅をするというようなアニメ。宇多田ヒカルの空想の世界を表現していたのでしょうか。そしてアニメが終わると、彼女は、かなり派手で奇抜なコスチュームに身を包み再登場。ステージにセットされた高い台の上に登って「BADモード」を歌い上げました(写真↓)
概ね発表順のセットリストなだけに、後半は比較的最近の曲が並びます。「いままでで一番『ありがとう』の気持ちを込めた」という「花束を君に」からラストは「何色でもない花」「One Last Kiss」へと続き、本編ラストは「君に夢中」へ。ラストに盛り上がる曲を並べる、といった感じではなく、あくまでも25年の歩みを聴かせる、というセットリストを最後まで貫き、ステージは一度幕を下ろします。
もちろん盛大なアンコールへ。やがて再び宇多田ヒカルが登場し、アンコールがスタート。まずラスト1曲目は「Electricity」へ。その後のMCではメンバー紹介へ。この日のサポートメンバーはキーボードの1人を除いてすべて外国人プレイヤーといった構成で、彼女のネイティブ張りの英語もチラッと聴かせてくれたりもしました。
そしてラストの曲は、まさに宇多田ヒカルはここからスタートした、という「Automatic」へ!さらになんと黄色の椅子がステージ上にセットされ、そこに座っての歌いだしという演出になっていました(写真↓)。
これ、ファンなら当然知っているかと思うのですが、「Automatic」のPVに沿った演出。当時、このPVは繰り返しいろいろな媒体で流れていたため、まさに天才少女はこの椅子に座って歌い始めた、ということを強く覚えています。25周年ラストの最後の演出を、彼女にとっての「スタート」で締めくくるというのは、かなりグッとくる演出でした。
ライブは約2時間半弱。21時ちょっと前に終了。かなりボリューミーなステージで、かつヒット曲を網羅的に披露してくれ、かなり満足度高め。あっという間の2時間半で、やはり宇多田ヒカルの曲は素晴らしいな、と感じたライブでした。
今回、初の宇多田ヒカルライブとなった訳ですが、まず1点目に感じたのは、やはり宇多田ヒカルの歌の上手さ。もともと彼女の歌唱力には定評がありましたが、やはり安定感と声量に関しては光るものがあります。さらに年齢に伴って表現力も加わり、その歌唱力に磨きがかかったように感じます。あらためてシンガーとしての彼女の実力を感じたステージでした。
2点目に、25年の彼女の歩みを実感できるセットリストだったのですが、25年を経て、その才能に衰えを感じさせない点にあらためて驚かされました。デビュー当初は、「本場のR&B」的なもてはやされ方をした彼女ですが、現時点においても最新のポップミュージックをフォローし続けており、むしろ楽曲のクオリティーは今も最高水準を維持。ともすれば最高傑作は最新作の「BADモード」では?とも思っていますし、25年間、その才能を維持し続ける彼女に、今回のライブで過去の代表曲を聴いてあらためてそのすごさを感じてしまいました。
そして3点目。観客の層が若い・・・。普通、25年間活躍しているミュージシャンのライブというと、どうしても年齢層がそれなりになるのでしょうが、この日のステージの主な年齢層は20代から30代がメイン。極端に若くもないものの、予想していたよりも年齢層は低めで、おそらく「Automatic」の衝撃を知らないだろうなぁ、という層も少なくありませんでした。逆に、それだけ今なおファン層をアップデートし続けているという意味で、その点も彼女のすごさを感じてしまいました。
そんな訳で、あらためて宇多田ヒカルのすごさを感じた今回のステージ。はじめて見た彼女のステージでしたが、やはり足を運んでよかったと実感し、非常に高い満足度を持って会場を後にすることが出来ました。これからもチケットを取るのはやはり至難の業だとは思うのですが、またぜひともライブに足を運びたいなぁ。
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