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2024年6月21日 (金)

豪華なゲストの参加でちょっとオルタナ色も

Title:Ohio Players
Musician:THE BLACK KEYS

毎作、昔ながらのロックンロールサウンドを奏でるアルバムを聴かせ、ルーツ志向のロックンロールファンを大喜びさせてくれるTHE BLACK KEYS。ここ最近は、1、2年に1作というハイペースでのアルバムリリースが続いていましたが、本作も前作から約2年というインターバルでのニューアルバムとなっています。ちなみに今回のアルバムタイトルの由来は、言わずと知れたファンクバンドの名前から取られたもの。同じオハイオ州出身の彼らにとっては尊敬すべき大先輩といった感じでしょうか。ここらへんも彼ららしさを感じます。

今回のアルバムの大きな特徴は、なんといっても豪華なゲスト陣でしょう。まずはBeck。14曲中実に7曲に参加しており、特に「Paper Crown」ではフューチャリングとして名を連ねています。本作ではコーラスのほか、オルガンやギターでも参加。楽曲自体はブラック・キーズらしいガレージのサウンドを聴かせてくれるのですが、ラッパーのJuicy Jが参加している他、スクラッチ音などを入れてきたり、全体的にはオルタナティブ系の匂いを感じさせてくれる楽曲で、ルーツ志向のブラック・キーズとはちょっと方向性が異なるだけに大きなインパクトとなっています。

さらに話題のゲスト陣といえば、かのノエル・ギャラガーも参加。「On the Game」ではギターやバックボーカルに名前を連ねている他、作曲としても参加。ミディアムテンポのグルーヴィーなロックナンバーは、どこかノエル・ギャラガーらしさを彷彿とさせる楽曲に。こちらも、ルーツ志向のブラック・キーズのナンバーとは微妙に異なる方向性が楽しく、アルバムの中でのインパクトとなっています。

とはいえ、アルバム全体としてはいつものブラック・キーズと同様、力強いギターサウンドを軸としたオールドスタイルのロックンロールを聴かせてくれます。軽快なギターロックナンバー「Beautiful People(Stay High)」、強いギターリフでグルーヴィーに聴かせるハードロック風の「Live Till I Die」など、ロックンロールなナンバーが続き、最後は力強いミディアムチューン「Everytime You Leave」で締めくくられます。

ファルセットボーカルも入ってメロウな「Don't Let Me Go」やトライバルなビートが印象的な「Please Me(Till I'm Satisfied)」など、楽曲にはバラエティーも感じさせますが、レトロな雰囲気のポップチューン「You'll Pay」や同じくレトロでムーディーなギターロックナンバー「Fever Tree」なども含め、全体的にオールドスタイルのロックンロールナンバーという点ではアルバム全体、しっかりと統一感のある内容に仕上がっています。

Beckやノエル・ギャラガーの参加により、サウンドとしては若干、オルタナティブロック色も感じさせる部分もあり、オールドスタイルのブラック・キーズの音の、ちょうどよい隠し味的な要素ともなっています。そこが新機軸と言えるほどの内容にはなってはいないものの、ただ一方でいつもながらもブラック・キーズという印象もあり、いい意味で安心して聴けるアルバムになっていたようにも感じました。ロック好きにとっては、無条件で安心して楽しめる傑作。心地よいロックンロールを楽しめる1枚でした。

評価:★★★★★

The Black Keys 過去の作品
EL CAMINO
"Let's Rock"
Delta Kream
Dropout Boogie


ほかに聴いたアルバム

New Strategies For Modern Crime Volume 1/Prefuse 73

Prefuse_newstrategies1

アメリカのエレクトロニカミュージシャン、スコット・ヘレンのソロプロジェクト、Prefuse 73の約6年ぶりとなるニューアルバム。全体的にゆっくり、メランコリックな作風の曲調が特徴的で、曲によっては不穏さを感じたり、またムーディーさを感じたりとバリエーションが。また全体的にジャジーなアレンジの曲も多く、全体的に「大人な雰囲気」という印象を受ける作品になっていました。

評価:★★★★

Prefuse73 過去の作品
Everything She Touched Turned Ampexian
The Only She Chapters

Reasonable Woman/SIA

オーストラリア出身の女性ポップスシンガーSIAの約3年ぶりとなるニューアルバム。相変わらずユーモラスなジャケットが目を惹きます。エレクトロのアレンジで分厚いサウンドを聴かせるスタイルもポップで心地よいのですが、メロディーラインは、このユーモラスなジャケットとは異なり、比較的メランコリックなもの。そのためワクワクなポップというよりも、哀愁感漂わせる感じになっています。このジャケと分厚いエレクトロサウンドなので、もうちょっとワクワクするようなポップソングの方が・・・とは思ってしまうのですが。

評価:★★★★

SIA 過去の作品
Music – Songs from and Inspired by the Motion Picture

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