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2024年6月11日 (火)

美しいメロが魅力的なポップスアルバム

Title:Nonetheless
Musician:PET SHOP BOYS

途中、ベスト盤のリリースなどを挟みつつ、約4年ぶりとなるPET SHOP BOYSのニューアルバム。今回、2012年の「Elysium」以来となるParlophoneからのリリース。また、プロデューサーとして新たに、ゴリラズなども手掛けるジェームズ・フォードを起用し、ある意味、新たな一歩となるアルバムとも言えるかもしれません。

・・・が、新たなとはいってもPET SHOP BOYSとしてのスタイルは今回のアルバムでも全く変わっていません。先行シングルにもなったメランコリックでリズミカルなエレクトロチューン「Loneliness」からスタート。爽快さを感じるエレクトロポップチューン「Feel」、PET SHOP BOYSらしい祝祭色も感じるダンスチューン「Why Am I Dancing?」へと続いていきます。

率直に言って、良くも悪くもいつも通りのPET SHOP BOYS。新鮮味という意味ではほとんどありませんが、一方では安心して楽しむことが出来ます。大いなるマンネリとも言えるのかもしれませんが、それでも聴いていて古臭さのようなものを感じず、毎回、十分に「傑作」と言えるアルバムを楽しむことが出来るのは、1にも2にも彼らの書くメロディーラインが非常に優れてポップだからでしょう。

その上で言うと、今回のアルバム、最初に聴いた時はここ最近のアルバムの中では今一つではないか、と感じました。これと言って核になるようなフックの効いたメロディーがなく、全体的に地味に感じられたためです。しかし、もう一度このアルバムを聴くと、やはりPET SHOP BOYSらしい珠玉のメロディーラインを楽しめる傑作アルバムであることに気が付きました。

例えば中盤の「Dancing Star」も、哀愁感あるメロディーが実に美しく胸をうつエレクトロダンスナンバーになっていますし、「A New Bohemia」もエレクトロアレンジながらも暖かみを感じさせるメロディーラインが実に魅力的。「The Schlager Hit Parade」も軽快で明るいメロディーラインが耳を惹きます。

終盤も悲しげでムーディーなメロが耳を惹く楽曲が並びます。ラストを飾る「Love Is The Law」も、まさに哀しみたっぷりのメロディーが印象的なナンバー。アルバムの最後にほどよい余韻を残しながらアルバムは幕を下ろします。

最初は地味さを感じ、ピンとこなかったアルバムですが、やはり2度3度聴くと、PET SHOP BOYSらしい美しいメロディーラインを聴くことが出来る魅力たっぷりのアルバムだと感じました。ちなみにCDでは2枚組でDisc2は「Futuremore」というタイトルで、過去作のリメイクが収録。こちらはエレクトロアレンジがグッと今の音にアップデートされており、2024年の楽曲としてよみがえっています。こちらも要チェックでしょう。

そんな訳で、目新しさは正直感じません。ただ、そのマイナス点をはるかに上回る魅力的な歌を聴くことが出来るポップスの傑作だったと思います。大ベテランの彼らですが、いまだにその実力に衰えを感じさせません。彼らのその才能にあらためて舌を巻くアルバムでした。

評価:★★★★★

PET SHOP BOYS 過去の作品
Yes
ULTIMATE PET SHOP BOYS(邦題:究極のペットショップボーイズ)
The Most Incredible Thing
Elysium(邦題 エリシオン~理想郷~)
ELECTRIC
SUPER
Agenda
Hotspot
Monkey business
My Beautiful Laundrette
SMASH~The Singles 1985-2020


ほかに聴いたアルバム

Hyperdrama/Justice

オリジナルアルバムとしては約8年ぶりとなるフランスのエレクトロデゥオ、Justiceのニューアルバム。時にはスペーシーに、時にはファンキーに聴かせるエレクトロのビートが魅力的。メロディーラインはメランコリックに聴かせる曲が多く、フレンチらしい洒落たポップにまとめあげているのも魅力的。いつもながら、といった感じもするものの、Justiceらしいエレクトロポップを聴かせてくれる作品でした。

評価:★★★★

JUSTICE 過去の作品
CROSS
Woman
Woman Worldwide

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