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2024年6月24日 (月)

ライブの楽しさを感じさせる高揚感あふれる作品

Title:Funeral for Justice
Musician:Mdou Moctar

今回紹介するのは、前作も紹介したアフリカはニジェール共和国出身の4人組バンド、Mdou Moctar(エムドゥ・モクター)の最新作。前作「Afrique Victime」が世界的なヒットを記録(イギリスのナショナルチャートでなんと最高位36位を記録!)し大きな話題となり、その後、世界ツアーを実施。そのツアーの締めくくりとして作成したのが今回のアルバムとなるそうです。

彼らはいわゆる「砂漠のブルース」の流れを組みバンドの一組。Tinariwenなどに代表する、アフリカのサハラ砂漠周辺に居住するトゥアレグ族の奏でる音楽で、ブルースと似たような音を奏でることから、そのような呼ばれ方をしているそうです。前作では、「砂漠のジミヘン」などという呼ばれ方をしているという話や、エディ・ヴァン・ヘイレンのギターをルーツとしている、ということを書きました。本作も、同作のツアー後に制作されたということもあり、基本的には前作と同じような流れを組むような作風。ハードロックにルーツを感じるようなヘヴィーなギターサウンド、砂漠のブルースを彷彿とさせる哀愁感あふれる歌、そしてトライバルなコールアンドレスポンスという構成が大きな特徴となっています。

アルバムの1曲目に配されたタイトルチューン「Funeral for Justice」などがまさにその典型例と言えるかもしれません。アルバムを聴き始めると、いきなりガツンと来るヘヴィーなギターのリフからスタート。全編、ハードロックをルーツとするようなヘヴィーなギターリフが鳴り響く中、哀愁感漂う歌とコールアンドレスポンスという構成。Tinariwenに代表される砂漠のブルースの音楽にハードロックの要素を加え、よりダイナミックとした楽曲を聴かせてくれます。

続く「Imouhar」も最初はトライバルな雰囲気漂う合唱からスタートするのですが、途中に入る「ギュイーーン!」というギターのソロからスタートし、一気にハードロックなバンドサウンドを聴かせる構成に。ここらへんのギターサウンドはハードロックが好きならかなり壺に入りそう。3曲目の「Takoba」は静かにしんみり聴かせるナンバーで、ちょっと中休み的な展開となるのですが、「Sousoume Tamacheq」は再びヘヴィーなギターリフが展開されるハードロック的な楽曲。いかにもハードロックなギターソロなども入り、こちらもヘヴィーな演奏が楽しめます。

途中、「Imajighen」のようなダウナーなナンバーも入りつつ、全体的にはダイナミックなバンドサウンドで力強く聴かせる曲がメイン。ラスト前「Oh France」は、まさにこのアルバムの締めくくりといってもよい迫力のあるサウンドが特徴的で、中盤で聴かせてくれる高揚感は、ライブで聴くと、軽くトリップできそう。ライブツアーの締めくくりとして完成したという作成の経緯があるからでしょうか、ライブではかなり盛り上がりそうな高揚感のあるアルバムとなっていました。

前作と同様、ワールドミュージックというカテゴリーですが、ロックリスナーにも楽しめそうな、いや、ロックリスナーにこそお勧めしたい傑作アルバムだったと思います。トライバルな要素もライブの高揚感をちょうどよく演出している感もありますし、とにかく気持ちよいアルバムでした。ライブも一度体験したいなぁ。

評価:★★★★★

Mdou Moctar 過去の作品
Afrique Victime


ほかに聴いたアルバム

The Dooper/Sam Gendel&Sam Wilkes

気が付いたら新作をリリースしている状態のワーカホリックぶりが目立つSam Gendelの新作は、ベーシストSam Wikesとのデゥオ。基本的に哀愁感たっぷりのSam Gendelのサックスがメインとなっているアルバムで、ベースラインについて特段目立つような作風ではないのですが、バックで静かになっているSam Wikesのベースが何ともいえない味わいを生み出している、そんな作品でした。ちなみに2024年はデゥオ・アルバムをリリースしているそうで、以前もFabiano do Nascimentoとのデゥオアルバムを紹介しましたが、本作が第3弾・・・第3弾?いつのまに、第2弾をリリースしていたの??まだ今年も半分終わっていないのに、もう3枚目ですか・・・相変わらずのワーカホリックぶり。ここまで来ると、全アルバムをチェックしたくなるなぁ(笑)。

評価:★★★★

Sam Gendel 過去の作品
Satin Doll
AE-30
Superstore
blueblueblue
AUDIOBOOK
The Room(Fabiano do Nascimento&Sam Gendel)

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