緊張と弛緩のステージ
MOROHA VS 芸人ツアー 無敵のダブルスツアー2024
会場 名古屋ReNY Limited 日時 2024年5月31日(金) 19:00~
はじめてMOROHAのライブに足を運んできました。もともと、以前、一度MOROHAのワンマンライブのチケットを確保していたのですが、MCのアフロに体調不良によりライブ中止。そして、そのリベンジ(?)として今回のライブツアーに足を運びました。今回のライブツアーはタイトル通り、お笑い芸人との対バンというちょっと異色のスタイル。名古屋公演での対バン芸人はななまがりで、個人的には完全に初耳の芸人。そのため、最初はどうしようかちょっと躊躇したのですが、やはりMOROHAのライブを見てみたいという理由が半分。逆に、普段、あまり見ることのないお笑い芸人のライブもちょっと見てみたいという気持ちも半分。ライブに足を運ぶことにしました。
会場の名古屋ReNY limitedも今回、はじめて足を運ぶライブハウス。松坂屋の地下というちょっと意外なロケーション(でも考えてみればクワトロもパルコの中か・・・)。非常にきれいなライブハウスだったのですが、ただ入口から会場までの動線が無駄に長く、その点はちょっとマイナスかなぁ。
さて、19時をちょっとまわったところで最初はお笑い芸人、ななまがりのステージがスタート。比較的小柄な森下と、大柄で声が大きいのが特徴という初瀬という2人の芸人によるコンビ。寄席に行った時に色物の漫才のステージは何度も見たことがあるのですが、お笑い芸人のコントをステージで見るのははじめてかも。最初は漫才からスタートし、その後はショートコント気味の短めのコント2本と、通常の長さのコント1本の計4本。最後のコントはエロネタ満載の、テレビでは見れないような、ライブならではのコントで、思いっきり笑わせてもらいました。
大体、コントが30分くらい。その後は待望のMOROHAのステージのスタート。ステージは向かって右手に台がセットされ、その上にUKがあぐらの姿勢でアコギをかけて演奏しつつ、左手にマイク片手のアフロが力強いラップを聴かせてくれるスタイルでのパフォーマンスとなっていました。
ステージは「チャンプロード」からスタート。ある意味、ライブ、特にこの対バンライブにもピッタリの曲からの幕開けとなります。そのまま「それゆけ!フライヤーマン」「革命」と続きます。途中、ながまがりのコントのネタも入れて、若干の笑いも取りつつも、基本的にはUKのアコギのみをバックに、アフロの力強いラップが会場に響く、緊迫感のあるステージとなっていました。
ここでMCに入ります。どのようなMCになるのか、ラップと同じく、いろいろと熱く語るMCになるのか、注目していたのですが、MC自体はアフロとUKがそれなりに笑いを取りつつ、会話するような「普通の」MC。緊迫感ある曲に対しての弛緩のようなパートとなっており、MCがライブの中でちょうどよいバランスになっていたと思います。このMCでは、芸人と組んだこのライブイベントの意義として「生きることについてばかり歌ってきた自分たちのスタイルを破るため」といった趣旨の発言をしており、確かに緊迫感あるMOROHAのステージに、対極にある「笑い」というお笑い芸人のコントというバランスの妙が非常にユニークに感じました。
続いては、最初「森下さんの元彼女からの手紙です」という今回の対バンに合わせた小ボケをかましながら「拝啓、MCアフロ様」へ。さらに「命の不始末」「Salad Bowl」と熱いパフォーマンスが続いていきます。その後は再びMCを挟み、終盤は新曲。「やめるなら今だ」と名付けられた曲は、タイトルとは逆に、アフロの音楽活動への熱い思いを語った、MOROHAらしい曲。最後は「愛してる」というかなりストレートなタイトルの、これまた彼らしいラブソング。約1時間程度のパフォーマンスとなり、幕を閉じました。
今回、はじめて彼らのステージを見たのですが、その緊迫感あふれるステージは、ある意味予想通り。ただ一方、予想以上に耳を惹かれたのが、UKのギターの方。ステージ上にセットされた台の上で、静かにギターをつむぐそのスタイルは、かなりストイックに感じましたし、何よりもそのテクニカルな演奏に、思わず見入ってしまいました。
そしてステージ上はふたたびななまがりが登場。再び短めのコント3本、途中、森下の着替えに時間がかかるということで初瀬の「なんでも断定する男」というネタで場をつないだ後、ラストにコント1本を披露してくれました。この最後のネタは、メンバーの2人が別の世界線でコントを行うというスタイルが独特でかなりユニーク。こちらもかなり笑わせてもらいました。
最後はMOROHAの2人とななまがりの2人がステージに集まり、トークショー。さらには最後はアフロが出したMOROHAに関した質問に対して、UKとななまがり2人がユニークな回答を返すという「大喜利」を行いました。UKもがんばって回答していましたが、ななまがりの2人の回答はユニークで、ここはさすが芸人の底力といった感じでしょうか。最後4人でのコーナーが約45分程度。ステージが終わったのは10時ちょっと前でした。
そんな訳で、ななまがりのライブが計1時間程度、MOROHAのライブが1時間程度、最後の4人でのトークで1時間弱の計3時間弱というボリュームたっぷりのライブイベントとなっていました。ななまがりのライブもなかなかおもしろかったですし、なによりもMOROHAのその緊迫感あふれるステージが素晴らしかったです。アフロのMCももちろんですが、今回のライブではじめて、UKのギタープレイのすばらしさにも気が付かされました。正直、3時間のステージならば、もうちょっとMOROHAのパートを長く聴きたかったなぁ、というのはありましたが、ななまがりの笑いと、MOROHAのラップのバランスが前にも書いた通りに絶妙で、非常におもしろいイベントになっていたように感じます。
また、MOROHAのライブには是非とも足を運びたいです。次はワンマンで、もうちょっとたっぷり見てみたいかも。緊迫感あり、笑いありの非常に楽しいイベントでした。
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