そろそろブレイクしていいと思うのですが。
Title:ミーンミーンミーン☆ゾーンゾーンゾーン
Musician:マハラージャン
スーツ姿にターバンとかなりインパクトのあるいで立ちに、その名前が、一度聴いたら忘れられないようなインパクトのある男性シンガーソングライター、マハラージャン。ただ、その楽曲は、コミカルさを含みつつ、ファンクやソウル、シティーポップの要素を取り入れた音楽性が魅力的。かなり強いフックの効いたメロディーラインもあって、楽曲自体も、彼自身のインパクトに負けないくらいのインパクトのあるミュージシャンで、個人的には、今、もっとも注目しているミュージシャンの一人。今回紹介するのは、そんなマハラージャンの、4枚目となるフルアルバムとなります。
今回のアルバムも、そんなユニークさがありつつ、インパクトのあるポップチューンが並ぶ作品に仕上がっています。1曲目「蝉ダンスフロア」は、長く土の中で過ごす蝉への讃歌を、ディスコのリズムで歌った曲。続く「ラジオネーム オフトゥン大好き」も、タイトル通りの布団の気持ちよさを歌ったナンバーなのですが、この曲は水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミが参加したエレクトロダンスチューン。作詞作曲はマハラージャンとケンモチヒデフミの共作なのですが、途中の言葉の使い方とか、まさに水曜日のカンパネラを彷彿とさせるような部分もあったりするのが楽しいところです。
「波際のハチ公」も、軽快でリズミカルなシティポップの楽曲。ストレートな表現ではないのですが、あのハチ公が海に出かけるストーリー・・・なのでしょうか。アルバムのタイトルチューン的なナンバーなのが中盤の「ゾーンに入ってます。」で、「ゾーンに入る」という今どきの言葉を用いつつ、メランコリックで力強いピアノロック調の楽曲なのが特徴的。アニメタイアップのついた「くらえ!テレパシー」はいい意味でタイアップ曲らしい、爽やかで疾走感のあるポップチューン。エレクトロサウンドやピアノ、バンドサウンドも取り入れた賑やかなサウンドも楽しい楽曲に仕上がっています。
そして毎回、彼のアルバムのラストはカバー曲で締めくくっているのですが、今回のカバー曲はブラックビスケッツの1998年の楽曲「タイミング」。テレビのバラエティー番組から誕生した楽曲なのですが、今から聴くと、かなりファンクの色合いも強い楽曲で、マハラージャンの楽曲にもピッタリとマッチするようなカバーになっています。アラフィフ世代にとっては、懐かしさを感じつつ楽しめるカバーになっていました。
楽曲にインパクトもあるし、音楽性としてもソウルやファンクを取り入れた楽曲にはミュージシャンとしての実力を感じさせますし、ユーモアセンスも楽曲の音楽性を邪魔しない範囲で、ほどよいインパクトを与えていますし、いい意味でヒットポテンシャルのあるミュージシャンだと思います。確かに注目されているミュージシャンではあるのですが、もっともっと売れてもいいと思うのですが・・・。その名前やいで立ちがインパクトありすぎて、変なコミックミュージシャンだと思われて、逆に邪魔をしているのかなぁ。うーん。今回も文句なしに年間ベストクラスの傑作。是非とも聴いてみてください!お勧めです!!
評価:★★★★★
マハラージャン 過去の作品
僕のスピ☆なムン太郎
正気じゃいられない
ほかに聴いたアルバム
不器用な私だから/ヤングスキニー
本作にも収録されている「ベランダ feat. 戦慄かなの」がTikiTokチャートで1位を獲得するなど、人気上昇中の4人組バンドのEP盤。その大ヒットした「ベランダ」は、最近、よくありがちなミディアムテンポのラブバラードナンバーで、ちょっと保守的すぎる傾向は気になるところ。そのくせ、本作に収録している「精神ロック」ではやけに自分たちのロックなスタンスを前に押し出しているので、そこのギャップに違和感も覚えます。後半はロック色が強い作品が並ぶだけに、バンドとしてはもうちょっとロックな方向性に行きたいのでしょうか。メロにもそれなりにインパクトあるし、悪いバンドではないとは思うのですが、最近、この手のバンドはよくありがちだな、とも思ってしまった部分も。
評価:★★★★
CANDLE SONGS/a flood of circle
全5曲入りのミニアルバム。表題曲でもある「キャンドルソング」は、アジカンの後藤正文プロデュースということでも話題に。a flood of circleのアルバムは、ポップとヘヴィーの差が激しく、ポップ路線の時は駄作が多い、というイメージがあります。しかし、今回のアルバムは全体にポップ寄りの作品になっていたのですが、ベタなJ-POP的なメロディーに陥っているような違和感もなく、ヘヴィーなロックと同じ延長線上で楽しめるような、ロックだけどポップなアルバムに仕上がっていました。
評価:★★★★
a flood of circle 過去の作品
泥水のメロディー
BUFFALO SOUL
PARADOX PARADE
ZOOMANITY
LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL
FUCK FOREVER
I'M FREE
GOLDEN TIME
ベストライド
"THE BLUE"-AFOC 2006-2015-
NEW TRIBE
a flood of circle
CENTER OF THE EARTH
HEART
2020
GIFT ROCKS
伝説の夜を君と
花降る空に不滅の歌を
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