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2024年4月 5日 (金)

懐かしさを感じられるシンプルなメロディーが魅力的

Title:Loss of Life
Musician:MGMT

アメリカはブルックリン出身のロックバンドMGMT。2007年にリリースされたアルバム「Oracular Spectacular」が高い評価を受け、続くアルバム「Congratulations」がビルボードチャートで2位を獲得する大ヒットを記録。ただ、その後は徐々に人気も落ち着き、バンドも一時、活動休止に。その後、活動再開を経て、本作や約6年ぶり。少々久々となるニューアルバムのリリースとなりました。

インディーロックバンドとして高い評価を受ける彼ら。そのバラエティー富んだ、凝ったサウンドが大きな特徴であり魅力。ただ、加えて彼らの最大の魅力なのは、シンプルで、どこか懐かしさも感じられるポップなメロディーラインでしょう。今回のアルバムも、まず先行シングルにもなっている「Mother Nature」がまず素晴らしい。ちょっと切なさを感じさせる美しいメロディーラインが耳を惹くナンバー。イントロ的な1曲目「Loss of Life(part2)」に続き、この曲がはじまると、グッとアルバムに耳が惹きつけられ、そしてその美しいメロディーに強く魅了されます。

続く「Dancing In Babylon」はフランスの女性シンガーソングライター、エロイーズ・ルティシエによるソロプロジェクトChristine and the Queensをヒューチャーした作品。こちらも男女デゥオのボーカルを上手くいかしたポップなメロディーラインが耳を惹きます。「Nothing To Declare」も、胸がキュンとなるようなフォーキーなメロディーラインが大きな魅力。そのほかの曲も全体的に、美メロと称されるようなポップなメロが魅力的な楽曲が並んでいました。

その美しいメロディーラインを彩るのが、ドリーミーさを感じられるサイケな要素も加わったバンドサウンド。前述の「Mother Nature」も、中盤からノイジーなギターサウンドでダイナミックに聴かせてくれますし、カントリーロック風の「Bubblegum Dog」もダイナミックなメロディーラインをベースとしつつ、様々な音をサンプリングし、分厚いサウンドが魅力的。「Phradie's Song」もフォーキーなメロを彩るサイケでドリーミーなエレクトロサウンドが魅力的ですし、終盤の「I Wish I Was Joking」もドリーミーなエレクトロサウンドに彩られたメランコリックなポップチューンに仕上がっています。

基本的にメロディアスでポップなメロディーとダイナミックさも感じさせるバンドサウンドという組み合わせで、シンプルなギターロック、かと思いきや、ところどころに覗かせるドリーミーでサイケなサウンドが彼らの個性となっており、大きな魅力ともなっている本作。一時期はかなりサイケ寄りにシフトしたものの、活動再開後の前作「Little Dark Age」はポップ寄りに再びシフト。今回のアルバムも、前作同様、比較的ポップ寄りで、いい意味で聴きやすいアルバムに仕上がっていたと思います。前作に引き続き、ポピュラーミュージシャンとしての彼らの魅力を感じさせる傑作でした。

評価:★★★★★

MGMT 過去の作品
Oracular Spectacular
CONGRATULATIONS
MGMT
Little Dark Age

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