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2024年4月19日 (金)

新たな雰囲気を感じさせる傑作

Title:Your Favorite Things
Musician:柴田聡子

前作「ぼちぼち銀河」では、いままでのアコースティックベースのポップスを基軸としながらも、ホーンセッションを取り入れたファンキーな作風の曲も登場するなど、新境地とも言えるアルバムを作成。デビュー10年目にして、いまなお進化を続ける柴田聡子。本作は、その前作から約1年9ヶ月ぶりとなるニューアルバムですが、ここに来て、さらに柴田聡子の楽曲に変化が生じた作品が誕生しました。

まず1曲目「Movie Light」からして雰囲気がガラリと変化しています。ピアノとギター、ストリングスを取り入れたメロウなサウンドが耳に行く楽曲。アコースティックベースのポップスというスタイルは、いままでの彼女の方向性を維持した作品とも言えるのですが、ゆっくりとメロウに聴かせるR&Bの作品となっており、いままでの彼女とは方向性の異なる作風となっています。

続く「Synegy」も同様にギターでテンポよいメロウなR&Bチューン。ちょっとファンキーさもあるリズムも特徴的。「白い椅子」もグルーヴ感を覚えるベースラインのサウンドが耳に残る、今風のソウルチューンに。終盤の「素直」「Your Favorite Things」もメロウな歌を聴かせるナンバーとなっており、全体的にメロウなソウルやR&Bの志向が強くなったアルバムに仕上がっています。

方向性としてはネオソウルへの志向を感じる今回のアルバム。ただ、この志向は、一時期ヒットシーンの中でもひとつの流れとなっていましたが、SuchmosやNulbarichといった人気ミュージシャンたちの活動休止によって、若干停滞気味にも感じます。もっとも彼女のこのアルバムに関しては、ネオソウルへの志向を感じつつも、デビュー以来の柴田聡子らしい作風もしっかり感じられており、雰囲気が変化したとはいえ、本作でもしっかりと柴田聡子らしさを感じることが出来ました。

ほかにも「Kizaki Lake」ではギターのアルペジオを聴かせる幻想的な楽曲が耳を惹きますし、「Side Step」は柴田聡子流のディスコチューンを聴かせてくれたりとバリエーションもあり、柴田聡子の音楽性の広さ、その実力を感じさせる構成にもなっていまいた。

前作「ぼちぼち銀河」では、デビューから10年を経て、はじめてオリコンでチャート50位圏内に入るというヒットを記録。さらに本作では自己最高位を更新するなど、ここに来て、徐々に人気を増している感のある彼女。ようやくその実力と人気が徐々に合致してきた感もあり、その理由も十分にわかる傑作アルバムだったと思います。それだけに、今後もさらなるブレイクも期待できるかも?これからも彼女の活躍が楽しみになる1枚でした。

評価:★★★★★

柴田聡子 過去の作品
柴田聡子
愛の休日
がんばれ!メロディー
ぼちぼち銀河

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