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2024年4月 6日 (土)

懐かしさを感じさせる音楽

Title:The Past Is Still Alive
Musician:Hurray for The Riff Raff

アメリカ・ニューオリンズを拠点として活動を続ける女性シンガーソングライターAlynda Segarraによるソロプロジェクト、Hurray for The Riff Raffの約2年ぶりとなるアルバム。彼女のアルバムを聴くのは前作「LIFE ON EARTH」に続く2作目となります。前作でも書いたのですが、彼女はこのプロジェクトをアメリカーナ(=アメリカのルーツ音楽)のプロジェクトと位置付けているとか。前回のアルバムでも比較的シンプルなサウンドの楽曲が並んでいましたが、今回のアルバムは前作以上にシンプル。さらに言えばフォーキーな楽曲が並ぶ作品となっています。

さて、彼女の音楽は上にも書いた通り、アメリカのルーツ音楽をたどるような作品となっています。特にアメリカ人にとって、心のふるさとを感じさせるような楽曲が多いのでしょう。ただ同時に、私たち日本人にとっても、聴いていてどこか懐かしく、ホッとできるような作品が多かったように印象を受けました。

そんなことを感じた第一の理由が、アルバムを聴き始めてすぐに訪れます。1曲目「Alibi」のイントロのギターの音色から、聴いていてどこか懐かしさを感じますし、直ぐにはじまる彼女の歌も、暖かく懐かしさを感じさせます。続く「Buffalo」はアコギでしんみり聴かせるフォークの楽曲なのですが、こちらもメランコリックなメロディーラインが郷愁感を覚える作品となっています。

基本的にはその後も、アコースティック色の強いシンプルなアレンジの、フォーキーな楽曲が続きます。3曲目「Hawkmoon」以降の中盤はバンドサウンドを押し出した、比較的「ロック」な作品が並ぶのですが、7曲目「Hourglass」以降の後半は、再びアコースティックなサウンドをバックにメランコリックに聴かせるフォーキーな作品が並び、その優しさにあふれる歌にしんみりと聴き入るような楽曲が並んでいます。

率直に言ってバラエティーという観点で言えば、前作以上にシンプルで似たようなタイプの曲が並ぶアルバムになっていました。ただ、メロディーラインはどこか懐かしく、暖かさを感じる歌声がとても魅力的。そのため最後まで全く飽きることなく、その歌に魅了されるアルバムになっていました。「古き良きアメリカ」が彼女のひとつのテーマなのでしょうが、私たちにとっても懐かしさを感じさせる本作。もちろん、同じ人間として、同じような音やメロに同じような郷愁感を抱くというのもあるのですが、ただ、昔からこういうアメリカ由来の音楽に慣れ親しんでいるから、というのも大きな理由な感じもします。それはともかく、広い層の方が楽しめるアルバムだと思います。素直なポップソングが聴きたい方、フォークロックが好きな方には是非ともお勧めしたいアルバムです。

評価:★★★★★

Hurray for The Riff Raff 過去の作品
LIFE ON EARTH

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