これは問題作では・・・?
Title:OVERTURE
Musician:MAMALAID RAG
2000年代前半に「現代のはっぴいえんど」的な呼び名で一躍注目を集めたソフトロックバンド、MAMALAID RAG。一時期はメンバーが脱退し、活動休止、さらにはボーカル田中拡邦のソロプロジェクトとして活動を進めていましたが、結成20周年を機に、オリジナルメンバーの江口直樹と山田潤一郎が復帰。さらに結成20周年記念盤として、オリジナルアルバムとしては約6年ぶりとなるニューアルバムをリリースされました。
さて、MAMALAID RAGについては、以前からアルバムを何回か紹介してきました。以前から大滝詠一やキリンジからの影響が顕著に感じられる部分があり、MAMALAID RAG独自の個性の薄さは気になりつつも、爽やかなソフトロック路線で繰り出されるグッドメロディーには非常に惹かれるものがありました。
ただ、今回のアルバムに関して、1曲目「Summer Days」でいきなり飛び込んできたのは、「え?大江千里??」という印象。雰囲気も完全に80年代の大江千里らしい感じですし、はっきり言えばサビの部分は「YOU」にそっくり・・・。気になりつつも、これ1曲だけだったら、80年代のEPIC風に寄せてきたアルバムということで、むしろ個人的にはほほえましさすら感じてしまうのですが・・・。
7曲目「Balloon」は完全に渡辺美里の「跳べ模型ヒコーキ」。「跳べ模型ヒコーキ」をそのまま歌えてしまうくらいフレーズになっており、歌詞も微妙に似ています。9曲目の「I Miss You」も同じく渡辺美里の「きみに会えて」にソックリ。さすがにちょっとこれは・・・と思っていると、一番ひどかったのがラストの「きみがきみでよかった」で、完全に渡辺美里の「すき」と一致しています。メロディーラインもさることながら、アレンジも寄せていて、イントロのドラムのフィルインも一致していますし、
個人的に楽曲のパクリについては、必要以上に目くじらを立てるつもりはないのですが、さすがに同じアルバムに、同じ80年代EPIC界隈でこれだけ似ている曲が並んでいるというのは、さすがに怒られるレベルだと思います。ちょっとこれは・・・・・・。
このパクリという事例を除けば、アルバム全体としてはむしろ悪くないと思います。全体的に80年代のEPIC界隈に寄せたようなポップチューンが並んでおり、個人的にもむしろ好きなタイプの方向性になっていましたし、爽やかなソフトロック路線はMAMALAID RAGらしさも感じられました。ただ、これだけ似たような曲の事例が続くと、上の曲以外に関しても自分が知らないだけで、大江千里のなんかの曲のパクリではないか、と疑ってしまいます・・・。
幸か不幸か、あまりヒットしていないだけにこの件についての指摘は、Xで1件、ポストが見つかった程度でほとんどされていないようです。ことさら取り上げて騒ぎ立てるつもりは毛頭ないのですが、こういう話はこれが最後にしてほしいのですが・・・。
評価:★★
MAMALAID RAG 過去の作品
the essential MAMALAID RAG
SPRING MIST
LIVING
Day And Night Blues
So Nice
The Best of MAMALAID RAG 2009~2018 Vol.1
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2024年」カテゴリの記事
- コミカルさも感じるテクノが心地よい(2024.10.07)
- 「お茶の間」対応(?)(2024.10.04)
- すごみを感じる最期のパフォーマンス(2024.10.01)
コメント