« ちょうど1年マイナス1日ぶりのリリース | トップページ | これは問題作では・・・? »

2024年3月 9日 (土)

ビリーのライブの魅力を実感

Title:Live Through The Years -Japan Edition-(邦題 ビリー・ザ・ベスト:ライヴ!)
Musician:Billy Joel

1月に待望の来日公演が実施され、久々の来日に多いに盛り上がったBilly Joel。残念ながら東京ドームのみのライブで、日程の都合も合わず、来日公演に足を運ぶことは出来ませんでした。さて、そんな中紹介する本作は、来日と彼の出世作であるアルバム「Piano Man」のリリース50周年を記念したライブベストアルバム。もともと配信限定でのリリースだった「Live Through The Years」をベースに再構成した日本独自企画のアルバムだそうで、彼の過去の代表的なライブパフォーマンスが収録されているアルバムとなっています。

ビリー・ジョエルと言えば、いわゆるポップフィールドのミュージシャン。それだけにライブ盤といっても通常のベストアルバムとアレンジ等に大きな変化はなく、ロックのミュージシャンと比べて、ライブであることの特殊性は薄い・・・そういう印象も受けます。確かにアレンジとしてはライブといっても通常のアレンジと大きな差はなく、そういう意味ではベスト盤と同じような感覚で聴けるアルバムではありました。

ただ一方、本作ではライブの雰囲気がかなりダイレクトに伝わってくる作品になっています。例えばDisc1に収録されている「Pressure」は、会場での観客の歓声がすごいことになっており、それに応じたようにビリーのステージもさらに力強いものになっています。またラストを飾る「Piano Man」も同様。大歓声の中でのパフォーマンスとなっており、観客の大合唱も収録。ライブ会場の盛り上がりがそのまま伝わるようなパフォーマンスになっています。ビリーのライブならではの雰囲気、ライブ自体の楽しさが伝わってくる、そんなアルバムになっていました。また、楽曲によってはMCもそのまま収録されている曲もあり、ライブの雰囲気を伝える大きな要素となっていました。

ライブパフォーマンスは、ほぼ録音順に収録。冒頭を飾る「Captain Jack」はコロンビア・レコードとの契約のきっかけとなったフィラデルフィアのWMMR FMでの1972年のパフォーマンスの模様ということで、若々しさと、どこかぎこちなさを感じさせるパフォーマンスが今となっては逆に新鮮。Disc1収録の「Just The Way You Are」は、彼が人気絶頂だった時期の、ニューヨークのナッソー・スタジアムでの凱旋ライブだそうで、彼の歌声にもどこか強い自信が感じられます。

その後も1987年のモスクワでのライブや2008年のニューヨーク、シェイスタジアムでのパフォーマンスなど、過去にライブアルバムとしてリリースされている代表的なライブ音源からも収録。最新は2008年12月のオーストラリアのシドニー・スーパードームでのパフォーマンスのようですが、この時期の彼のパフォーマンスには、初々しさを感じる70年代のパフォーマンスとは異なり、一種の貫禄を感じさせるパフォーマンスとなっており、初期の作品との聴き比べも楽しいところです。

過去のライブアルバムに収録されているパフォーマンスもあれば、本作が本邦もしくは世界初収録のライブ音源もあるのですが、どれも魅力あふれるパフォーマンスであり、ビリーのライブの魅力を存分に感じることの出来るライブアルバムになっていました。本当に、先日の東京ドームライブ、行きたかったな、とあらためて残念に感じてしまった作品。また、是非とも日本に来てください!次回こそ・・・。

評価:★★★★★

BILLY JOEL 過去の作品
LIVE AT SHEA STADIUM
She's Always a Woman to Me:Lovesongs
A Matter of Trust: The Bridge to Russia
Live Through the Years
JAPANSESE SINGLES COLLECTION-GREATEST HITS-
Live At Yankee Stadium


ほかに聴いたアルバム

Live In London/Christone "Kingfish" Ingram

直近のオリジナルアルバム「662」がグラミー賞を受賞し、現在、最も注目を集めるブルースミュージシャン、Christone "Kingfish" Ingramのライブアルバム。昨年6月6日に、ロンドンのクラブ、ザ・ガレージでのライブの模様を収録した1枚。かなり力強いギターのサウンドを聴かせてくれるライブパフォーマンスで、まさにジャケット写真の通り(?)の迫力満点のパフォーマンスを聴かせてくれています。ブルージーなギターながらも、全体的にはロックテイストが強い印象。新世代のブルースミュージシャンとして、今後、さらなる注目を集めていくのでしょうか?

評価:★★★★

|

« ちょうど1年マイナス1日ぶりのリリース | トップページ | これは問題作では・・・? »

アルバムレビュー(洋楽)2024年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ちょうど1年マイナス1日ぶりのリリース | トップページ | これは問題作では・・・? »