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2024年3月 8日 (金)

ちょうど1年マイナス1日ぶりのリリース

Title:印象万象有象無象
Musician:パスピエ

前作からちょうど1年ぶりにリリースされたパスピエのニューアルバム。ここ4作、ぴったり1年マイナス1日のインターバルでリリースするというユニークな形態を続けており、2020年12月9日にリリースされた「synonym」からスタートし、2021年12月8日にリリースされた「ニュイ」、2022年12月7日には「ukabubaku」がリリースされ、そして本作のリリース日は2023年12月6日。狙ったリリースパターンとはいえ、ちょうど1年マイナス1日のインターバルで4作リリースし続ける、その創作意欲は買うことが出来るかと思います。これがいつまで続くのでしょうか・・・。

ただ、そのリリースパターンを維持するためか、それともこれがパスピエなのか、良くも悪くも似たようなタイプの曲が続いています。今回のアルバムも、彼女たちらしいバラエティーを加えた軽快なエレクトロポップという方向性は同じ。良い意味で言えば、非常に安心して聴けるパスピエらしいポップチューンが並びます。悪く言えば、意外性がない、といった感じなのですが。

ジャジーなアレンジにホーンセッションも加わってアバンギャルドな雰囲気のある「化石のうた」からスタートし、スペーシーなエレクトロサウンドでメランコリックなメロとダンサナブルなリズムが特徴的な「SAYONARA HEAVEN」、エキゾチックな雰囲気の「ならすならせば」と続いていきます。

その後も、哀愁メロを加えて歌謡曲テイストの強い「上海と宇宙」、バンドサウンドを加えてダイナミックなサウンドが特徴的な「cube」、四つ打ちのエレクトロビートのテクノ色の強い「選択詩」と続いていきます。そして、アルバムの中でひとつの核となっているのがインパクトのあるダンスチューン「バジリコ」でしょうか。先行シングルでもあった本作はディスコテイストのリズムに、バンドサウンドを加えた力強いビートが特徴的。アルバムの中でもインパクトの強い楽曲となっています。

そんなエレクトロサウンドを中心に、バラエティーのあるポップチューンを聴かせてくれるのはいつもと同様。ただ、あくまでもポップなメロを主軸としているため、いい意味での万人受けといった要素を感じさせます。逆に、前作でも書いたのですが、もうちょっとぶっとんで欲しいと感じてしまう点、パスピエが大ブレイクできない大きな要因なのかもしれませんが。

今回のアルバムに関しては、あえていえばジャジーな要素も感じる曲が多かったようにも思います。1曲目の「化石のうた」や「上海と宇宙」、そしてラストを飾るのは賑やかなポップチューン「GOKKO」ですが、エレクトロピアノにちょっとジャジーな要素を感じさせます。今回のアルバムの、ちょっとした隠し味のように機能していたように感じました。

今回もパスピエらしさを感じさせる1枚。いい意味で安心して聴けた一方、やはりもうひとつ殻をぶち破ってほしい部分も感じます。また、次は12月5日に新作が聴けるのでしょうか。この1年マイナス1日のリリースパターンを続けるのは、ある意味、すごいとは思うのですが。

評価:★★★★

パスピエ 過去の作品
ONOMIMONO
演出家出演
幕の内ISM
娑婆ラバ
&DNA
OTONARIさん
ネオンと虎
more humor
synonym
ニュイ
ukabubaku


ほかに聴いたアルバム

ザ・クロマニヨンズ ツアー MOUNTAIN BANANA 2023/ザ・クロマニヨンズ

タイトル通り、「ザ・クロマニヨンズ ツアー MOUNTAIN BANANA 2023」からのライブ音源を収録したライブアルバム。終始、軽快なロックンロールナンバーが並ぶご機嫌なライブアルバム。正直、楽曲としては大いなるマンネリに近いのですが、純度の高いロックンロールチューンは、聴いていて素直に楽しくなってきます。彼らのライブも一度行きたいのですが・・・。

評価:★★★★★

ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
Oi! Um bobo
ACE ROCKER
YETI vs CROMAGNON
ザ・クロマニヨンズ ツアー2013 イエティ対クロマニヨン
13 PEBBLES~Single Collection~
20 FLAKES~Coupling Collection~
GUMBO INFERNO
JUNGLE9
BIMBOROLL
ラッキー&ヘブン
レインボーサンダー
PUNCH
ザ・クロマニヨンズ ツアー PUNCH 2019-2020
MUD SHAKES
SIX KICKS ROCK&ROLL
MOUNTAIN BANANA

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