往年を彷彿させる陽気なパンクアルバム
Title:SAVIORS
Musician:GREEN DAY
約4年ぶりとなるGREEN DAYのニューアルバム。今回のアルバムの大きな特徴が、プロデューサーのロブ・カヴァロと再びタッグを組んだ作品であるということ。GREEN DAYの名前を世に知らしめた1994年の「DOOKIE」と、ロック史に残る名盤としてその名も高い「American Idiot」のプロデューサーとしてその名前を知られる彼。バンドとタッグを組むのは2012年にリリースされた「¡Uno!」「¡Dos!」「¡Tré!」の3部作以来、久々のタッグとなります。
そんな彼らのニューアルバムは端的に言ってしまうと、これぞGREEN DAY!!とうれしくなってしまうアルバムという点でした。前作「Father of All Motherfuckers」があまりGREEN DAYらしくない楽曲の多い作品となっていましたので、その反動とも言えるかもしれません。1曲目「The American Dream Is Killing Me」も軽快でポップなパンクチューンで、いきなりGREEN DAYの王道を行くようなナンバーからスタート。続く「Look Ma,No Brains!」も同じく、疾走感あってパンキッシュな楽曲。「Bobby Sox」はミディアムチューンなのですが、力強いバンドサウンドとポップなメロも、これまたGREEN DAYらしいナンバーとなっています。
その後も「Coma City」「Strange Days Are Here to Stay」などの疾走感あるパンキッシュなナンバーが目立ちます。ここらへんのパンキッシュな楽曲に関しては、むしろここ最近のGREEN DAYというよりも、「DOOKIE」あたりの最初期のGREEN DAYの作風を彷彿とさせるほど。サウンドも、ともすればビリーのボーカルも、ともすれば若々しさすら感じられ、90年代のGREEN DAYに戻ったかのような錯覚すら陥らせます。
そのほかも「Dilemma」のような、ヘヴィーなギターサウンドを聴かせつつ、メロは至ってポップな作品を聴かせてくれたり、まさにタイトルそのもの、オールドスタイルなガレージパンクに仕上げた「Living in the '20s」のような曲があったり、全体的に陽気なロックンロールナンバーを聴かせてくれるような作品になっています。一方では「Father to a Son」のようなストリングスを取り入れて分厚いサウンドを優雅に聴かせるミディアムチューンもあったりして、しっかりとベテランバンドとしての音楽的な幅を感じさせる部分も垣間見れます。
また、1曲目「The American Dream Is Killing Me」などタイトルそのままですが、アメリカの現状を皮肉ったような社会派な曲もチラホラ見受けられるもも、「Amecian Idiot」以降のGREEN DAYの路線もしっかりと引き継がれているように感じます。
往年のGREEN DAYらしさを引き継ぎつつ、一方ではしっかりと「今」のGREEN DAYらしさを感じさせる作品。ただ、90年代を彷彿とさせるパンキッシュな楽曲は、間違いなくGREEN DAYが好きなら壺に入りそうなナンバーですし、その他も、歌詞の内容はともかく、サウンド的には基本的には陽気なロックンロールナンバーに仕上げているあたり、GREEN DAYの魅力がしっかりと伝わってくるアルバムに仕上がっていました。申し分ない傑作アルバム。とてもワクワクした彼ららしい素敵なロックンロールアルバムでした。
評価:★★★★★
GREEN DAY 過去の作品
STOP DROP AND FALL!!!(FOXBORO HOTTUBS)
21st Century Breakdown
AWESOME AS F**K(邦題:最強ライヴ!)
UNO!
DOS!
TRE!
爆発ライブ~渋谷編
DEMOLICIOUS
Revolution Radio
Greatest Hits:God's Favorite Band
Father of All Motherfuckers
BBC SESSIONS
ほかに聴いたアルバム
keep it goin xav/xaviersobased
まだ日本ではほとんど知名度はないようですが・・・現在、若干20歳の、ニューヨーク出身のラッパーによる作品。メロウさを感じさせるエレクトロ主体のトラックにメランコリックなフロウが印象的。エレクトロサウンドは、それなりに音を詰め込みつつも、必要最低限の音を使っているからでしょうか、どこかシンプルさも感じさせます。ラップにもメロディアスさを感じさせ、全体的にはどこかドリーミーな印象も。心地よく聴くことが出来るHIP HOPの良作でした。
評価:★★★★★
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