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2024年2月20日 (火)

日本でももっと売れそうですが・・・。

Title:This Is Why
Musician:Paramore

今回も2023年ベストアルバムの後追い企画。年間ベストアルバムを集計したサイトAOTY2023年年間ベストアルバムにランキングされたアルバムのうち、まだ聴いていなかった1枚。今回聴いたは、同サイトで15位にランクインしていたアメリカのロックバンド、Paramoreのニューアルバム「This Is Why」です。

Paramoreというバンドは2008年のグラミー賞で最優秀新人賞にノミネートされた他、2015年にはシングル「Ain't It Fun」がグラミー賞の最優秀ロックソング賞を受賞するなど、高い評価を受けているほか、2013年にリリースされたアルバム「Paramore」が全米及び全英1位を獲得するなど、高い人気を誇っています。ただ、正直日本では知名度という面からも、あまり高いものではない印象があり、かくいう私も彼女たちのアルバムをこれが初めてだったりします。

ただ、アルバム自体はむしろ日本でもかなり受け入れられそうな印象があります。Paramoreというバンドは、女性ボーカルによるエモロックバンド。エモロック自体、メランコリックなメロディーラインは日本人受けしやすそうなもの。さらに彼女たちの大きな特徴はボーカルが女性という点。ヘイリー・ウィリアムスのボーカルは、清涼感があり、いい意味での聴きやすさがあります。そういう意味でも今後、もっともっと日本でも知名度が上がりそうな印象もあります。

今回のアルバムに関しては、特に前半については正統派なギターロックバンドといった印象。ギターサウンドを前に押し出した、ほどよくヘヴィーなサウンドが特徴的。アルバムはいきなりタイトルチューンの「This Is Why」からスタートしますが、サビでは力強いギターリフ主導のリズミカルでメランコリックなメロが特徴的。サビはインパクト十分で一度聴いたらしっかりと耳に残ります。続く「The News」も疾走感あるギターロックで、こちらも力強さを感じつつ、メロディーラインを含めて、しっかりとインパクトを感じさせる楽曲となっています。さらに中盤の「You First」も力強いバンドサウンドとメランコリックにポップなメロが印象的なナンバーとなっています。

一方、後半にはミディアムテンポで、より歌を聴かせるようなメランコリックな楽曲が並びます。後半の「Liar」はまさにボーカル、ヘイリーのメロウなボーカルが冴える、ミディアムテンポのナンバー。ラストの「Thick Skull」もゆっくりとメランコリックに歌い上げるボーカルが印象的。ラストらしくスケール感のある仕上がりのサウンドとなっています。

ある意味、わかりやすいサビや哀愁感あるメロディーライン、ほどよくヘヴィーなバンドサウンドと、ともすればJ-POP的にすら感じられるParamoreの音楽。いい意味でインパクトもあり、ポップスさとヘヴィーさのバランスもとれたアルバムになっており、日本でも十分なヒットポテンシャルを感じさせます。もちろん、各種メディアで上位にランクインしてきたのも納得の名盤。日本でももっとヒットしてもいいと思うんですけどね。普段、洋楽を聴かないリスナー層にもおすすめしたい1枚です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Pink Friday 2/Nicki Minaj

彼女のデビューアルバム「Pink Friday」の続編的な位置づけでリリースされた、彼女の約5年ぶりとなるニューアルバム。前半はリズミカルなトラックに彼女のラップが載るスタイルの曲が並び、一方、後半はシンディーローパーをサンプリングした「Pink Friday Girls」や、ちょっとレトロでメロディアスな「Super Freaky Girl」など、よりポップでメロディアス、かつバラエティーに富んだ曲が並ぶ展開に。全22曲70分というボリューミーな内容ながらも、全編、ポップで聴きやすく、さらにはちょっとダレはじめる中盤以降、バラエティーに富んだ構成になっていることからも、最後まで飽きずに楽しめる内容となっていました。

評価:★★★★★

Nicki Minaj 過去の作品
Pink Friday
Pink Friday:Roman Reloaded
Queen

Mehari/Mohamed Lamouri

Mehari

こちらも2023年のベストアルバムを後追いで聴いた1枚。Music Magazine誌ワールドミュージック部門で第9位を獲得したアルジェリア出身でパリ在住のシンガーによる新作。かなり癖の強いだみ声に、エキゾチックで哀愁たっぷりの歌をゆっくり聴かせます。ほぼ全編、メランコリックな曲の連続で、ちょっとムード歌謡曲の様相もあり、そういう意味では日本人にとっても耳なじみやすいかも。その哀愁感あふれるメロディーにだみ声もピッタリとマッチしています。

評価:★★★★

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