2023年年間ベストアルバム(洋楽編)その1
今年も恒例、年間私的ベストアルバム。今日から4日間にわたってお届けします。まずは洋楽編。
10位 The Death Of Randy Fitzsimmons/The Hives
聴いた当時の感想は、こちら
The Hives完全復活!!そう高らかに叫びたくなってくるようなスウェーデンのガレージロックバンドによる約11年ぶりとなるニューアルバム。バンドの初期衝動をそのまま体現化したシンプルなガレージロックに、ポップなメロディーラインが大きな特徴の彼ら。2001年にリリースした「Your New Favorite Band」にどっぷりはまってしまったのですが、同作ほどの初期衝動はそれ以降のアルバムから徐々に消えていき、そしてバンドも活動休止となってしまいます。そんな彼らが復活!その最新作はバンドとしての初期衝動が復活したといって過言ではない作品となっており、The Hivesの魅力を遺憾なく発揮した傑作となっていました。
9位 Did you know that there's a tunnel under Ocean Blvd/Lana Del Rey
聴いた当時の感想は、こちら
最近はアルバムの積極的なリリースが続き、さらにアルバムをリリースする毎に傑作アルバムという脂ののった状態である彼女。古き良きアメリカをイメージするような、レトロな雰囲気漂わせるポップソングが魅力的な彼女ですが、本作はそんなレトロというイメージ以上に純粋に「歌」で勝負をかけるような作品に。HIP HOPやエレクトロの要素を取り入れつつも、基本的にシンプルな歌で勝負をかけた作品なのですが、彼女の曲やボーカルの美しさ、優しさに魅了される、そんな傑作に仕上がっていました。思わず聴き惚れてしまう、そんな傑作です。
8位 After the Magic/Parannoul
聴いた当時の感想は、こちら
最近は日本のみならず世界を席巻しているK-POP勢ですが、そんなアイドルポップとは一線を画する韓国のミュージシャンが彼。宅録系ミュージシャンであるParannoulは、シューゲイザーの正統な継承者といっても過言ではない作品が魅力的で、作品を埋めつくすギターのホワイトノイズの嵐とキュートでポップなメロディーラインに魅了されること間違いなしのアルバムとなっています。歌が韓国語という点も、ちょっと異世界感があってシューゲイザーの世界にマッチ。シューゲイザー好きはまずは聴くべき1枚です。
7位 Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua/Ana Frango Eletrico
聴いた当時の感想は、こちら
ブラジルで活躍している25歳のシンガーソングライターによる最新作。ブラジルの現代音楽の中で最も注目を集めるシンガーのひとりだそうですが、ブラジル音楽的な要素を加味しつつ、ソウルミュージックやラウンジ、ファンクの影響を感じるメロディアスなポップソングが魅力的。ブラックミュージックを取り込みつつ、ほどよくおしゃれであか抜けた都会派ポップというイメージは、日本で言うところの渋谷系を彷彿とさせる部分もあります。ワールドミュージックのカテゴリーに入るような作品ですが、幅広いリスナー層にお勧めできる作品です。
6位 Heavy Heavy/Young Fathers
聴いた当時の感想は、こちら
スコットランドのエディンバラ出身の3人組HIP HOPユニットによる最新作。カテゴリー的にはHIP HOPにカテゴライズされるようですが、HIP HOPというよりもロックやR&B、ゴスペルにトラッドまで取り入れたごちゃまぜの音楽性が魅力的。非常に自由度の高いポップソングを聴かせつつ、ブラックミュージックのグルーヴ感も同時に感じさせてくれる作品となっています。この、ある意味「こだわりのない」自由度の高い音楽性は、イギリスならではといった感じもするグループ。様々な音楽性を取り入れた音楽だからこそ、最後まで全く飽きることなく楽しめる作品となっていました。
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コメント
Ana Frango Eletricoのアルバムはデジパック仕様の輸入盤(Mr Bongo 2023)を入手しましたが、ディスコ路線には腰が抜けました。
《Little Electric Chicken Heart》(Risco 2019)の方が良かったと思います。
「猫と呼んでね」というタイトルが大型ネコ科写真集『ほぼねこ』(辰巳出版 2023)とニャンクロニシティしているのには笑ったけれど^^
投稿: sknys | 2024年2月 4日 (日) 12時16分
>sknysさん
Ana Frango Eletricoは今回はじめてアルバムを聴いたのですが、「Little Electric Chicken Heart」も聴いてみたいです!
投稿: ゆういち | 2024年3月10日 (日) 11時54分