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2024年2月

2024年2月29日 (木)

TREASUREの活躍が目立つ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

現在、来日公演中の韓国の男性アイドルグループがベスト3のうち2作ランクインです。

まず1位初登場が、そのアイドルグループTREASURE「REBOOT-JP SPECIAL SELECTION-」。CD販売数1位、ダウンロード数13位。先日リリースされたミニアルバム「Reboot」に日本語曲などを加えた日本限定の企画盤となります。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上6万9千枚で2位に初登場。直近は、同作のオリジナル「Reboot」で、輸入盤のリリース日の関係でランクイン2週目で7万9千枚を売り上げて1位を獲得しており、1位獲得時の売上枚数よりは減少しています。そして「Reboot」の方も今週5位から3位にアップ。5週ぶりのベスト3返り咲きで、通算6週目のベスト3ヒット&通算14週目のベスト10ヒットとなっています。

2位には同じく韓国の女性アイドルグループLE SSERAFIM「EASY」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数1位。オリコンでは同作が初動売上10万7千枚を獲得し、1位初登場。前作「UNFORGIVEN」の初動8万8千枚(1位)からアップしています。

続いて4位以下の初登場盤では、まず4位にロックバンドSUPER BEAVER「音楽」がランクイン。CD販売数4位、ダウンロード数2位。約2年ぶりとなるフルアルバム。オリコンでは初動売上3万2千枚で3位初登場。前作「東京」の初動2万枚(4位)からアップ。活動開始から19年目のそろそろベテランの域に入るバンドですが、ここに来て人気がアップしてきています。

5位にはLDH所属の男性ダンスグループBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「Back&Forth」が初登場。CD販売数5位、ダウンロード数8位。オリコンでは初動売上2万5千枚で4位初登場。前作「PASS THE MIC」の初動9千枚(8位)よりアップしています。

6位初登場はハロプロ系女性アイドルグループつばきファクトリー「3rd-Moment-」。CD販売数6位、ダウンロード数5位。オリコンでは初動売上2万枚で5位初登場。前作「2nd STEP」の初動1万5千枚(3位)からはアップ。

8位にはTrickstar「あんさんぶるスターズ!!アルバムシリーズ 『TRIP』」がランクインしています。CD販売数8位、ダウンロード数17位。男性アイドル育成ゲーム「あんさんぶるスターズ!!」のキャラクターソングCD。オリコンでは初動売上1万3千枚で8位初登場。同シリーズの前作、紅月名義による「あんさんぶるスターズ!!アルバムシリーズ 『TRIP』」の初動1万枚(7位)からはアップ。

最後9位にはVivid BAD SQUAD「Vivid BAD SQUAD SEKAI ALBUM vol.2」がランクイン。CD販売数9位、ダウンロード数4位。スマートフォン向けリズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」に登場するアイドルグループによるアルバム。オリコンでは初動売上8千枚で9位初登場。前作「Vivid BAD SQUAD SEKAI ALBUM vol.1」の初動1万8千枚(2位)からダウン。同シリーズの前作、MORE MORE JUMP!「MORE MORE JUMP! SEKAI ALBUM vol.2」の初動4千枚(11位)からはアップしています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2024年2月28日 (水)

Creepy Nutsとtuki.の強さが目立つ

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

ここ数週のヒット曲はCreepy Nutsとtuki.の強さが目立ちますが、今週もその傾向が続きました。

まず1位はCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が今週もキープ。これで1位は5週連続。ダウンロード数は2週連続、ストリーミング数も5週連続の1位を獲得。ラジオオンエア数は7位から10位にダウンしたものの、カラオケ歌唱回数が9位から7位にアップ。さらに今週、YouTube再生回数が19位に初ランクインを記録しています。

またtuki.「晩餐歌」は先週から変わらずの3位。ただ、ストリーミング数は5週連続の2位、YouTube再生回数も3週連続の1位をキープしているほか、カラオケ歌唱回数は2週連続の2位をキープ。ダウンロード数だけ7位から9位にダウンしていますが、まだまだ強さを感じさせる結果となっています。これで13週連続のベスト10ヒット&6週連続のベスト3ヒット。Creepy Nutsとtuki.の2強体制はしばらく続きそうです。

そこに割り込んで2位にランクインしたのは秋元康系女性アイドルグループ、櫻坂46「何歳の頃に戻りたいのか?」。CD販売数1位、ダウンロード数11位、ストリーミング数4位、ラジオオンエア数74位、YouTube再生回数67位。こういう10代20代の頃には考えもしなかったことを、10代20代の女の子に歌わせるあたり、おやじ臭の悪臭がプンプンしてしまうのですが、ここらへんが秋元康らしい感じがします。オリコン週間シングルランキングでは初動売上43万3千枚で1位初登場。前作「承認欲求」の初動44万9千枚(1位)からダウン。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず4位にOCTPATH「OCTAVE」がランクイン。CD販売数及びラジオオンエア数2位。吉本興業所属の男性アイドルグループ。オリコンでは初動売上5万8千枚で2位初登場。前作「Sweet」の初動4万8千枚(2位)からアップ。

8位にはロックバンドSPYAIR「オレンジ」が先週の19位からランクアップし、ベスト10に初登場。2022年にボーカルのIKEが脱退。バンド存続も危ぶまれていましたが、新ボーカルYOSUKEが加入し、現在に至っている彼ら。本作は映画「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」主題歌となっており、ヒットを記録しています。ダウンロード数3位、ストリーミング数8位、ラジオオンエア数21位、YouTube再生回数13位。

今週の初登場曲は以上。次にロングヒット曲ですが、まずYOASOBI「アイドル」Ado「唱」。今週は「アイドル」5位、「唱」6位とそれぞれ先週と同順位をキープ。「アイドル」はストリーミング数3位は先週から変わらず。YouTube再生回数が6位から4位とアップしています。「唱」はYouTube再生回数2位は先週と変わらないものの、ダウンロード数が4位から5位にダウンしています。これで「アイドル」は46週、「唱」は25週連続のベスト10ヒットとなっています。

Mrs.GREEN APPLE「ケセラセラ」は7位から9位にダウン。ストリーミング数は5位から7位、YouTube再生回数も8位から9位にダウン。ただこれでベスト10ヒットは通算21週目となっています。

そしてまだしぶといのがVaundy「怪獣の花唄」で、今週も先週と変わらず10位をキープ。ストリーミング数は9位から10位にダウン。ただ、カラオケ歌唱回数は今週も1位をキープ。これで通算57週目のベスト10ヒットとなっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2024年2月27日 (火)

BBC Sound Of 2022獲得ミュージシャン

Title:HEAVEN KNOWS
Musician:PinkPantheress

今回紹介するのは、今、もっとも注目を集めるイギリスの女性シンガーソングライター、PinkPantheress。もともとTikTokで楽曲をアップし、注目を集めていたのですが、2021年に「Break It Off」「Pain」がヒット。ネクストブレイクの登竜門として知られるBBCの「Sound Of 2022」を獲得。さらにはIce Spiceと組んでリリースした「Boy's a liar Pt.2」がビルボードチャートで3位にランクインするなど大ヒットを記録。本作はそんな彼女が満を持してリリースしたデビューアルバムとなります。

まず楽曲としてはウィスパー気味のキュートなボーカルによる軽快なポップソングが大きな魅力。1曲目「Another life」はちょっとロウファイ気味のメランコリックなメロディーラインが大きなインパクトとなっていますし、先行シングルでもある「Mosquito」も哀愁たっぷりのメロに彼女のキュートなボーカルがピッタリとマッチ。全体的にポップでキュートなポップソングが並んでおり、ヒットポテンシャルは十分。洋楽を普段聴かない層でも楽しめそうな、インパクトのあるポップチューンが並んでいます。

もうひとつ彼女の大きな特徴であり魅力でもあるのが、ちょっと懐かしい印象もあるドラムンベースのリズムを取り入れている点でしょう。前日の「Another life」や「Mosquito」も、軽快なリズムに懐かしさを感じさせますし、「Nice to meet you」なども、まさに懐かしさを感じさせるドラムンベースのサウンドのダンスチューンに仕上げています。「Capable of Love」なども、エレクトロサウンドを前面に押し出したメランコリックなナンバーになっているのですが、こちらもどこか懐かしさが漂うサウンドに、いい意味で耳なじみやすさを感じます。今の若者世代だけではなく、アラフォー世代あたりにも訴求しそうな魅力的なポップチューンとなっています。

そしてラストを飾るのが大ヒットを記録した「Boy's a liar Pt.2」。こちらもドラムンベースを取り入れた軽快なリズムに、ローファイ気味のキュートなメロとボーカルが魅力的なナンバー。Ice Spiceのラップパートとのバランスもバッチリです。

ただ、懐かしいドラムンベースのリズムといっても、あまり「古臭さ」のようなものは感じません。ともすれば、今の時代にしっかりとアップデートしたサウンドにも感じました。そういう意味でも、若い世代はもちろん、アラフォーやさらに上の世代でもなじみやすいポップソング。またメロディーも比較的しっかりとしていい意味での分かりやすさがあるので、広い層が親しめそうな歌を聴かせてくれるアルバムになっていました。このアルバムは、イギリスでもまだ最高位28位と大ブレイクとは至っていないようですが、アルバムの評価は上々のようで、今後のさらなるブレイクが期待できそう。日本でも今後、その名前を聞く機会は増えそう。これからが非常に楽しみなミュージシャンです。

評価:★★★★★

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2024年2月26日 (月)

現在進行形としてジャズを取り上げる入門書

今日は、最近読んだ音楽関連の書籍の感想です。

今回読んだのは、一般的に知識ゼロの人が最初のとっかかりとして読むようなジャズの入門書。音楽評論家でジャズ喫茶「いーぐる」の店主である後藤雅洋氏監修の「ゼロから分かる!知れば知るほど、面白い ジャズ入門」です。

この手の初心者向け「ジャズ入門」はいろいろと出版されています。どうもジャズというと、同じポップスでもロックやらHIP HOPやらとは異なり取っつきにくいという印象があり、入門書的な本はよく出ていますが、そのうちの1冊といった感じでしょうか。ジャズに対して知識ゼロの人でも取っつきやすいように、ジャズとは何かという点からスタートし、ジャズの歴史、ジャズのスタイルの紹介、さらにはジャズのレジェンドの紹介に、ジャズのスタンダードナンバーと続いていきます。ここらへん、基本的な「入門書」といった感じの構成となっています。

入門書としてちょっとユニークなのが、最初に「ジャズの世界を感じよう」として、ジャズが取り上げられている映画やマンガ、本が紹介されている点でしょうか。ある意味、ともすれば取っつきにくいという印象のあるジャズという世界の入り口として、なじみやすそうな映画やマンガ、本をジャズの入り口として紹介しているのは面白い試みのように感じます。映画では、以前ヒットした「スウィングガールズ」が取り上げられていたり、マンガでは、以前、映画を当サイトでも紹介した「BLUE GIANT」も紹介されています。

個人的には、ジャズについてはジャズ・ジャイアントと呼ばれるミュージシャンのアルバムについては一通り聴いていますし、決して「初心者」ではないのですが、今回あらためて本書を読むと、あらためてジャズの世界を詳しく知ることが出来る1冊にもなっています。ただ、その上で本書の特徴であり、かつ個人的にあらためて同書を読んでみようと思ったきっかけとなったのが、1章をつかって「21世紀のジャズとジャズマン10」として、現在進行形のジャズの世界を紹介している点でした。

ジャズの入門書というと、どうしてもハード・バップやモード・ジャズあたりでおしまい。マイルスやコルトレーン、せいぜいチック・コリアあたりまで、というのがほとんど。ここ最近、注目のジャズプレイヤーが続々と登場している状況にも関わらず、この手の入門書では取り上げられることはほとんどありません(入門書という性質上、評価が固まった「レジェンド」しか取り上げようがない部分はあるのですが・・・)。ただ本書では、カマシ・ワシントンやロバート・グラスパーといった、今、大きな注目を集めているジャズミュージシャンたちもしっかりとフォロー。私も、「現代の」ジャズシーンについて興味があったので同書を読んでみましたし、特に今の世代にとっては、むしろこの現代のジャズミュージシャンの方が、取っつきやすい部分も大きいのではないでしょうか。

ただ一方、マイナス点としては、ジャズの音楽的な構造の説明があまり詳しくなされていなかった点。ジャズのテーマやアドリブについての説明があまり詳しくなく、ジャズを聴きはじめようとする初心者にとっては、ジャズの楽曲の「お約束」的な部分がちょっとわかりにくなったような感じがします。名曲を1、2曲取り上げて、スタンダードなジャズの「聴く」ポイントを詳しく説明してもよかったような気もします。

もうひとつ、マイナス点として大きく気にかかった点は、ジャズ評論家にありがちな「ジャズ至上主義的なスノッブ臭」を感じてしまった点でした。ジャズを「最強音楽」と言ってしまっている点、まあ、ジャズをアピールするための誇張表現としてわからなくはないのですが、ただ『「プログレッシヴ・ロックがジャズ的要素を取り入れてロックの表現力を広げた」という人はあまりいないと思うんですよ。ロックはロックのまま。でもジャズがプログレ要素を取り入れると「ジャズの表現力」は確実に広がる』(p16)という言い草はさすがにいただけません。ロックが60年代に様々なジャンルを取り入れて、一気にその世界を広げたのは、ポピュラーミュージック史では常識中の常識。いかにもジャズをロックの上と見る、ジャズ評論家にありがちなスノッブ的な腐臭を強く感じる部分が随所にみられて、かなり気になりました。ロックリスナーにアピールすべき「入門書」として、この手の表現には気を付けるべきだと思うんですけどね。ジャズというジャンルは、ロックに比べて人気面で劣り、クラシックに比べて芸術面で劣るため、一種のコンプレックスからジャズ評論家はスノッブ的な方向に行きがち。後藤雅洋氏は、他の著書も読んだことがあり、比較的、この手のスノッブ臭は薄いタイプと思っていたのですが、非常に残念です。

そんな点、気になる部分はあったのですが、入門書としてはよくまとまっている1冊だと思います。特に昔のジャズのみ目を向けるのではなく、ちゃんと現在進行形の音楽としてジャズを取り扱っている点はおもしろかったですし、現在のジャズミュージシャンについては、あらためてチェックしてみたくなりました。また、最終章ではジャズ喫茶やライブハウスについても紹介されており、機会があればジャズ喫茶とか足を運んでみたいかも・・・。前述の通り、ジャズを他のジャンルより上と見ている、醜いスノッブ臭が気にかかる部分はあったのですが、それを差し引いても、ジャズに興味がある方は最初の1冊としてチェックしてみてもよい本だと思いました。

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2024年2月25日 (日)

美メロに複雑なリズムがからむ

Title:Knower Forever
Musician:KNOWER

今日紹介するアルバムは、既に先日発表した、2023年私的ベストアルバムでも洋楽4位にランクインしており、既にその時に取り上げた作品となります。ドラマーであり、プロデューサーやシンガーソングライターとしても活躍しているLouis Coleと女性ボーカリストGenevieve Artadiとのデゥオによるアルバム。ルイス・コールのソロアルバムと同様、ジャズやソウルの要素を取り入れたポップなメロディーは、日本で言うところのシティポップやAORといったジャンルにカテゴライズされるような、あか抜けた感じのサウンドと歌がとても心地よい作品に。しかし一方、そんな中に、複雑なサウンドやリズムが加わり、独特な個性を醸し出している点が大きな特徴となっています。。

イントロ的なタイトルチューンを挟み、事実上の1曲目とも言える「I'm The President」から、まずはそんなKNOWERを象徴するような作品になっています。メランコリックなメロディーラインがとにかく心地よい。特にサビの部分の半音ずつ下がるメロディー展開が、かなり切ない雰囲気となっており、個人的には壺。ほどよくR&B風のサウンドや、途中に入るジャジーなピアノソロも心地よいのですが、特に特筆したいのはラストにさりげなくくわえられているルイス・コールのドラム。かなりテクニカルな複雑なドラムプレイが隠し味のように加わっており、なにげない彼の主張を感じさせます。

それに続く「The Abyss」も疾走感あるエレクトロサウンドが耳を惹く作品。微妙にファンキーなリズムも心地よく、こちらも乱れることのないハイテンポなドラムプレイに魅了される楽曲に。「It's All Nothing Until It's Everything」も爽やかさを感じる歌がとてもポップにも関わらず、変態性を感じるドラムプレイが強烈なナンバー。さらっと聴くと、爽やかなAOR風の楽曲ながらも、この強烈なドラムプレイが強いインパクトを放っています。

後半も、「Do Hot Girls Like Chords?」はいきなりノイジーなギターリフが登場し、むしろハードロック的にすら感じる楽曲。ただ、Genevieve Artadiの清涼感ある伸びやかな歌は変わらず。またここでもルイス・コールの力強いドラムプレイが目立ちます。「It Will Get Real」も主軸となるのはポップで爽快な歌なのですが、こちらもその歌にからむドラムとシンセのサウンドが非常に個性的。思わずサウンドの妙に聴き入ってしまいます。

一方、聴きどころはそんなリズムやサウンドだけではありません。メロディーラインも実に美しい調べを聴かせてくれています。メロディーという面で印象的だったのが中盤の「Same Smile,Different Face」で、フォーキーで美しいメロディーが実に魅力的。カーペンターズを彷彿とさせるような暖かみのある歌を聴かせてくれています。サウンドは基本的にシンプルなストリングスで、ここに変態的なドラムプレイは入っていません。またラストの「Crash The Car」もミディアムテンポの伸びやかなボーカルで美メロを聴かせてくれる楽曲。しっかりKNOWERの持つメロディーラインの魅力を感じさせてくれます。

まさにサウンドやリズムの妙とメロディーラインの美しさ、さらにジャズやファンク、ソウルのグルーヴ感が絶妙にマッチした傑作アルバム。既に年間ベストにランクインしているように、2023年を代表する傑作だったと思います。心地よいサウンドとメロディーに酔いしれたい1枚です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Hackney Diamonds(Live Edition)/The Rolling Stones

昨年10月にリリースして世界中で話題沸騰となったローリング・ストーンズのニューアルバム「Hackney Diamonds」。そのリリースからわずか2ヶ月、リリース前夜の2023年10月19日に、アメリカ・ニューヨークの「Racket NYC」で行ったシークレットライブの模様を収録したライブアルバムをつけた2枚組のLive Editionがリリースされました。1枚目は「Hackney Diamonds」そのままですし、正直、ファンに同じCDを2度買いさせるような戦略は、かなりいかがなものかと思うのですが・・・。ただライブの方は、今なお現役感が全く衰えていないパワフルなボーカルが魅力的。ラストの「Sweet Sounds Of Heaven」では原曲同様、Lady Gagaが登場するのですが、彼女のボーカルも力強く、印象に残ります。ライブ盤の中身の方は申し分なし。ただ、ちょっとこの売り方はどうかなぁ・・・と思うので1つマイナスで。

評価:★★★★

The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
Some Girls LIVE IN TEXAS '78
CHECKERBOAD LOUNGE LIVE CHICAGO 1981(邦題 ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ1981)
(MUDDY WATERS&THE ROLLING STONES
GRRR!
HYDE PARK LIVE
Sweet Summer Sun-Hyde Park Live
Sticky Fingers Live
Blue&Lonesome
Ladies & Gentlemen
ON AIR
Voodoo Lounge Uncut
Honk
The Rolling Stones Rock and Roll Circus
A Little Bang (Bigger Bang Tour EP)
GRRR Live!
Licked Live In NYC
Hackney Diamonds

Soit la nuit,Soit le jour/Bourrasque

Soit-la-nuitsoit-le-jour

長らく続いていた2023年のベストアルバムの後追いシリーズ。今回が最後となります。Music Magazine誌ワールド・ミュージック部門で10位を獲得した作品。フランスはオルシタニア地方のデゥオの作品のようですが、ネットでも日本語で詳しく説明したサイトがありません・・・。ただ、アラビア風の音楽と、西洋のトラッドを融合したような作品が非常にユニーク。エキゾチックな独特の音楽性が耳に残る作品でした。

評価:★★★★★

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2024年2月24日 (土)

突如ブレイクの男性シンガーソングライター

Title:劇場
Musician:なとり

昨年、デビューシングル「Overdose」が大ヒットを記録し、一躍注目を集めたシンガーソングライターのなとり。ひらがなのみの名前といい、メランコリックな曲調といい、アニメジャケを用いているスタイルといい、てっきりボカロP出身のミュージシャンかと思いきや、経歴的にはTikTokへの動画投稿がスタートのようです。ネット発のミュージシャンが人気を博しだして久しいのですが、ネット発のスタイルもいろいろなタイプが今後、発生してきそうです。

楽曲的には、基本的にジャズをベースとしたポップソングが特徴的。1曲目「劇場」もホーンセッションも入ってジャジーな雰囲気を醸し出しているメランコリックなナンバー。最初、咳払いからスタートするのですが、ライブ録音的な雰囲気を狙っているのでしょうか。大ヒットを記録した「Overdose」も打ち込みでリズミカルなサウンドをベースとしつつ、エレピやベースラインはジャジーな雰囲気が漂っています。「金木犀」もテンポのよいファンクジャズ風のナンバーになっています。

一方で、そんなジャジーな曲調の中に「エウレカ」のような、エッジの効いたギターサウンドを軸としたロック風のナンバーや「夜の歯車」のような、アコギでしんみり聴かせるようなナンバーも含まれています。ただ、全体的にはジャジーでムーディーな雰囲気のナンバーを軸としたAORといったイメージでアルバムは統一されています。

なとりというミュージシャンは、現時点で素性があきらかにされていない、いわば「謎のミュージシャン」的な存在。もちろん私も今回のアルバムではじめてなとりというミュージシャンを詳しく知ることとなりました。そしてアルバムを聴いてみた感想としては、良くも悪くもJ-POP的なシンガーといった印象。ジャズの要素が強いとはいえ、全体的にポップソングの中の「ジャズ風」というイメージで抑えられていて、ほどよくロックやファンクなどの要素も取り入れている、この雑多で表面的な音楽性は、いかにもポップミュージシャンといった感じがします(この「表面的」という表現は、必ずしも悪い意味では使っていません)。

ただ、アルバムを通じて聴いた印象としては、まず最近のミュージシャン、特にネット発のミュージシャンにありがちなのですが、まずメランコリックなメロに頼りすぎ。また、楽曲の雰囲気としてはバリエーションが少なく一本調子になっているという点は非常に気にかかりました。この点はマイナス要素。一方でメロディーラインとしてはインパクト十分で、ジャズの要素も上手く取り入れて楽曲の雰囲気に大きなプラスとなっています。この点は、音楽づくりの上手さを感じさせます。総じて、よく出来たポップスアルバムに仕上がっていたと思います。

もっとも、似たようなタイプの曲が多いだけに、今後、ヒットが続くのか、「Overdose」の一発屋で終わってしまうのか、今後が勝負といったところでしょうか。「Overdose」以降の配信シングルはいまひとつヒットしていないのが気に係るのですが・・・。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

心に響くフォークソング -イムジン河 (URC銘曲集2)

URC音源復刻に合わせてリリースされたコンピレーションアルバムの第2弾。今回は、このタイトルの通り、メランコリックな心に響くフォークソングが並ぶ作品に。五つの赤い風船の「遠い世界に」やミューテーション・ファクトリーの「イムジン河」、金延幸子の「み空」、赤い鳥の「竹田の子守唄」など、特に美しく郷愁感のある琴線に触れるようなメロディーラインが特徴的な曲が並んでいます。若干、曲の背景的な部分をオミットして、メロディーラインという観点のみに着眼した点が気になる部分はあるのですが、それはそれとしてURCのフォークのひとつの魅力を集約したコンピレーションアルバムと言えるかもしれません。URCの代表曲を大づかみしたい方には、以前紹介した「URC銘曲集1」と合わせて聴くと、ちょうどよいのかもしれません。

評価:★★★★

URC銘曲集-1 戦争と平和

○/いきものがかり

人気の面では、一時期に比べるとすっかり落ち着いてしまった感のあるいきものがかりですが、楽曲面で言えば、むしろここ最近が一番脂ののった時期なのでは?とすら感じさせるアルバムが続いています。前作「WHO?」もポップアルバムの傑作に仕上がっていましたが、続く本作も、ポピュラーミュージシャンとしてしっかりと壺をついた丁寧な仕上がりぶりが耳を惹く1枚に。一時期ほどの派手な作風ではないのですが、しっかりとインパクトのある、変に奇をてらわないポップチューンが並んでいます。王道のポップスといった感じですが、いい意味で安心して聴ける作品になっていました。

評価:★★★★

いきものがかり 過去の作品
ライフアルバム
My Song Your Song
ハジマリノウタ
いきものばかり
NEWTRAL
バラー丼
I
FUN! FUN! FANFARE!
超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~
WE DO
WHO?

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2024年2月23日 (金)

海外からのインスピレーション

Title:Worldfly
Musician:ビッケブランカ

今回のビッケブランカのアルバム、なかなかユニークな試行が施されています。今回のアルバム、CDオンリー盤と、CD3枚組+DVD/Blu-rayという組み合わせのバージョンの3パターンが用意されているのですが、ユニークなのはCDオンリー盤の方。こちら、「ラジオ盤」ということで、曲間にトークが挿入されて、まるでラジオを聴いているような感覚で楽しめるアルバムとなっています。・・・といっても、ご存じの方も多いかと思いますが、このスタイル、彼、オリジナルの趣向という訳ではありません。Creepy Nutsが、毎回、アルバムでは「ラジオ盤」と称して、曲間にトークを入れるスタイルの音源をリリースしていました。「誰も真似してくれない」と嘆いていたのですが、まさかこういう形で真似するミュージシャンが出てくるとは・・・。正直、あまりトークが得意なタイプのミュージシャンではないので、このスタイルでのCDリリースは、ちょっと驚いています。

さて、今回の作品、オリジナル音源の方は6曲入りのEP盤となっています。昨年、多くの海外公演を実施した彼。今回のEP盤は、その海外での活動で受けたインスピレーションを楽曲に反映したのだとか。今回、曲の間のトークで、どの国からインスピレーションを受けたのか、話題にしているのですが、ひょっとして、このような情報を広く提供したかったからこそ、このような「ラジオ盤」というスタイルを取ったのかもしれません。

ただ、残念ながら、「海外からのインスピレーション」と言われても、いわばその現地の音楽に影響を受けたような痕跡は皆無。良くも悪くもいつものビッケブランカらしいポップとなっています。ここらへん、日本のポップシンガーにはよくありがちな話ではあるんですよね・・・ワールドミュージックを好んで聴いている立場からすると、物足りなさを感じてしまうのですが。

全体的には、どちらかというと今どきのサウンドを取り入れたビッケブランカらしいメランコリックでメロディアスなポップチューンが並んだアルバムになっています。メランコリックなミディアムチューン「Bitter」からスタートし、エレクトロなダンスチューンはちょっとK-POPっぽさも感じる「Snake」。続く「Sad In Saudi Arabia」はタイトル通り、サウジ・アラビアを訪れた時に受けたインスピレーションを楽曲に反映したもの。この曲に関しては、妖艶な雰囲気にアラビア系の音楽の影響は感じられますが、全体的にはメランコリックなポップチューンというスタイルに大きな変化はありません。

ピアノをバックに軽快でかわいらしいポップソングを聴かせてくれる「Luca」に、スケール感ある「革命」はライブでは既に定番曲になっている、いかにも盛り上がりそうなナンバー。バンドサウンドにホーンセッションも入る賑やかなサウンドも楽しいポップチューンに仕上がっています。そしてラストを締めくくるタイトルチューン「Worldfly」はピアノ弾き語りで歌い上げる、1分というクロージング的な曲。いかにも締めくくり的な曲なのに、その後にトークが入ってくる点も「ラジオ盤」ならでは、でしょうか?

そんな訳で、「海外からのインスピレーション」というテーマ性はともかく、楽曲的にはいつものビッケブランカらしい、楽しくポップ、その中でほどよく今どきなサウンドを取り入れたインパクトのあるポップアルバムに仕上がっていました。熱心なファン以外は、正直、トーク部分のない、ストリーミングで聴けばよいと思うのですが(だからこそ、あえてCD盤をラジオ盤にしたのでしょうが)、ビッケブランカらしいポップソングを楽しめる良作でした。

ちなみにライブ音源の方は、昨年7月31日に東京のZepp Divercityでのライブの模様を収録したもの。こちらもベスト盤的なライブで、ビッケブランカのライブの楽しさが伝わってくる音源となっています。合わせてお勧めの作品です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

OFF THE WALL -ELLEGARDEN TRIBUTE-

ELLEGARDENに影響を受けたという、7組のミュージシャンたちがELLEGARDENの曲をカバーしたトリビュートアルバム。若干、「本当に影響を受けたの?」といった感じの方もいるのですが・・・。基本的にはヘヴィーなバンドサウンドによるシンプルなカバーアルバムに。ポップスバンドのマカロニえんぴつの「高架線」のカバーで、ボーカルががんばってシャウトするなど、意外と骨太なロックに仕上げているカバーも印象的。無難といえば無難な出来なのですが、エルレのファンも参加ミュージシャンのファンも、ある意味安心して楽しめる1枚ではあると思います。

評価:★★★★

moonriders「FUN HOUSE years」BOX/ムーンライダーズ

彼らがファンハウスに在籍していた1994年から1997年のアルバム、シングルをまとめたボックスセット。ムード歌謡曲にカントリー、レゲエやエレクトロサウンド、ハードロックにサイケ、沖縄民謡まで様々な音楽を取り込みつつ、どこかシニカルで、醒めた感じの作風がユニーク。デビューから約20年経った時期の作品で、当時としてはデビュー20年のバンドといえば、大ベテランとみなされていたのでしょうが、ベテランらしい安定感がありつつも、どこか「大御所」的になることを拒否したような自由さを感じさせる作風になっていました。

評価:★★★★★

ムーンライダーズ 過去の作品
Ciao!
moonriders Final Banquet 2016 ~最後の饗宴~
It's the moooonriders
Happenings Nine Months Time Ago in June 2022

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2024年2月22日 (木)

和製K-POPグループにLDH系が続く

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週1位を獲得したのは、和製K-POPグループとも言うべき男性アイドルグループ。

今週1位を獲得したのはINI「MATCH UP」。韓国発のオーディション番組「PRODUCE 101」の日本版「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」から誕生した男性アイドルグループによる2枚目のアルバム。CD販売数1位、ダウンロード数2位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上24万7千枚で1位初登場。前作「Awakening」の初動24万枚(1位)から若干のアップとなっています。

2位3位にはLDH系の男性ダンスグループTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEが2枚同時にリリースしたベストアルバム「16SOUL」「16PRAY」が、それぞれ2位3位に並んでランクイン。CD販売数もそれぞれ2位3位と並びましたが、ダウンロード数は「16SOUL」が24位、「16PRAY」が29位と若干差がついています。オリコンでは「16SOUL」が初動6万枚、「16PRAY」が初動4万7千枚で、2位3位にそれぞれ初登場。こちらも販売枚数に若干差がついています。初動売上は直近のオリジナルアルバム「ROUND&ROUND」の初動4万3千枚(3位)よりいずれもアップしています。

続いて4位以下の初登場盤ですが、まず4位に現在、活動休止中の西野カナ「ALL TIME BEST~Love Collection 15th Anniversary~」がランクイン。CD販売数4位、ダウンロード数9位。タイトル通り、デビュー15周年を記念してリリースされたオールタイムベスト。オリコンでは初動売上2万9千枚で4位初登場。直近のオリジナルアルバム「Love it」の初動7万9千枚(2位)からは大きくダウン。ただ、もう約7年前のアルバムで、CDをめぐる状況が大きく変化していますので、この結果は仕方ないでしょう。

6位には三浦大知「OVER」がランクイン。CD販売数及びダウンロード数共に6位。約5年7ヶ月ぶりの久々のアルバムとなります。オリコンでは初動売上1万5千枚は前作「球体」の初動1万7千枚(5位)からダウンも、リリースのインターバルを考えると健闘した感じでしょうか。ただ、彼が既に36歳という事実に驚いています・・・。

8位初登場は甲斐田晴「DOLCE」。CD販売数7位、ダウンロード数12位。バーチャルライバーグループにじさんじに所属するバーチャルYouTuberのデビューミニアルバム。オリコンでは初動売上1万6千枚で5位初登場。

9位には韓国の人気俳優、チャン・グンソク「Day dream」がランクイン。CD販売数9位、ダウンロード数8位。オリコンでは初動売上1万1千枚で10位初登場。前作「Blooming」の初動1万6千枚(7位)からダウンしています。

初登場最後は10位に松田聖子「SEIKO JAZZ 3」がランクイン。CD販売数8位、ダウンロード数17位。彼女の代表曲をジャズアレンジでカバーした企画盤の、タイトル通り第3弾。オリコンでは初動売上7千枚で11位初登場。直近のオリジナルアルバム「SEIKO MATSUDA 2021」の初動1万9千枚(4位)からダウン。同シリーズの前作「SEIKO JAZZ 2」の初動8千枚(11位)からは若干のダウンとなっています。

一方、ベスト10返り咲きも。まず元ジャニーズ系アイドルグループTravis Japan「Road to A」が先週の68位から7位に大幅ランクアップ。6週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。これは全英語詞のアルバム「Road to A-Global Edition-」が配信リリースされた影響。特にダウンロード数が67位から1位に一気にランクアップしています。ただ、元ジャニーズ系については、例のジャニー喜多川の不祥事の内容を考えると、本格的に海外に出て行けるとは到底思えないのですが。

またロングヒット盤として、K-POPの男性アイドルグループTREASURE「Reboot」が7位から5位にアップ。今週も来日公演での売上が加味された影響のようです。これでベスト10ヒットは通算14週目となりました。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2024年2月21日 (水)

ヒット曲2曲に新曲が・・・

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は新たなロングヒット候補2曲に新曲がからむチャートとなりました。

1位はCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が獲得。これで4週連続1位獲得。ストリーミング数が4週連続1位を獲得したほか、ダウンロード数も先週に続く1位を獲得。ラジオオンエア数も7位にアップしているほか、カラオケ歌唱回数も9位を獲得。歌唱難易度はかなり高いと思うのですが、やはりそれだけに挑戦心を煽られるのでしょうか。中毒性も高い曲なので、まだまだヒットは続きそう。

tuki.「晩餐歌」は今週ワンランクダウンの3位。ただストリーミング数は4週連続の2位。YouTube再生回数も先週から変わらず1位をキープしているほか、カラオケ歌唱回数が「アイドル」と逆転し、2位にアップしています。これで12週連続のベスト10ヒット&5週連続のベスト3ヒットとなっており、こちらもロングヒットを続けています。

そしてその2曲に割って入ったのが元ジャニーズ系アイドルSnow Man「LOVE TRIGGER」が2位にランクイン。CD販売数1位、ラジオオンエア数3位、YouTube再生回数7位。テレビ朝日系ドラマ「恋する警護24時」主題歌。オリコン週間シングルランキングでは初動売上119万2千枚で1位初登場。前作「Dangerholic」の初動86万9千枚(1位)からアップしています。

さらに4位にはもう1曲新曲。宇多田ヒカル「何色でもない花」がランクインしています。ダウンロード数2位、ストリーミング数40位、ラジオオンエア数1位、YouTube再生回数10位。こちらはフジテレビ系ドラマ「君が心をくれたから」主題歌。ストリーミング数がかなり低いのが気にかかるのですが・・・。

そんなロングヒット曲2曲に新曲2曲がからむチャートになりましたが、一方、2023年を代表するヒット曲勢は、今週YOASOBI「アイドル」が4位からワンランクダウンの5位、Ado「唱」が3位から6位にランクダウンとなり、両者の順位が逆転しています。「アイドル」はストリーミング数3位、YouTube再生回数6位は先週から変わらないものの、前述の通り、カラオケ歌唱回数が「晩餐歌」と入れ替わる形で3位にダウン。一方、「唱」はストリーミング数4位、YouTube再生回数2位は先週から変わらず。新曲2曲については、来週以降のロングヒットが厳しそうなので、来週、他に新曲がなければ再びランクアップはしそうです。

ただ、この2曲を追い越す可能性のある新曲が今週8位に初登場しており、それがOmoinotake「幾億光年」。TBS系ドラマ「Eye Love You」主題歌に抜擢され、話題となっている島根出身の3人組バンド。本作が2枚目のシングルなのですが、先週の13位からランクアップし、ベスト10入り。ダウンロード数10位、ストリーミング数7位、ラジオオンエア数11位、YouTube再生回数25位。R&Bやソウルの影響を受けたポップというスタイルはOfficial髭男dismと近いものを感じるのですが、出身もヒゲダンと同じ島根。今後のさらなるヒットとなるのでしょうか。

新曲はもう1曲。9位にWOLF HOWL HARMONY「Frozen Butterfly」がランクイン。LDHの男性ダンスグループの2枚目となるシングル。CD販売数2位、ラジオオンエア数4位ながらもダウンロード数39位、その他は圏外となり、総合順位ではこの位置に。オリコンでは初動売上3万8千枚で2位初登場。前作「Sweet Rain」の初動7万1千枚(5位)からダウンしています。

さて、新曲は以上。そのほかのロングヒット曲では、まずMrs.GREEN APPLE。今週「ナハトムジーク」は12位にダウン。一方、「ケセラセラ」は5位から7位にダウンしたものの、ベスト10をキープ。ストリーミング数は4週連続の5位。YouTube再生回数も7位から8位にダウン。カラオケ歌唱回数は4週連続の7位。これでベスト10ヒットは通算20週となりました。

そしてしぶといのがVaundy「怪獣の花唄」で今週は7位から10位にダウンしたもののベスト10はキープ。カラオケ歌唱回数は8週連続の1位。ただしストリーミング数は8位から9位にダウンしています。これで通算56週目のベスト10ヒット。

一方、King Gnu「SPECIALZ」は今週、ついに11位にダウン。ベスト10ヒットは24週連続でストップ。ただし、ストリーミング数は先週と変わらず6位をキープしていますので、来週以降の返り咲きもありえそうです。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2024年2月20日 (火)

日本でももっと売れそうですが・・・。

Title:This Is Why
Musician:Paramore

今回も2023年ベストアルバムの後追い企画。年間ベストアルバムを集計したサイトAOTY2023年年間ベストアルバムにランキングされたアルバムのうち、まだ聴いていなかった1枚。今回聴いたは、同サイトで15位にランクインしていたアメリカのロックバンド、Paramoreのニューアルバム「This Is Why」です。

Paramoreというバンドは2008年のグラミー賞で最優秀新人賞にノミネートされた他、2015年にはシングル「Ain't It Fun」がグラミー賞の最優秀ロックソング賞を受賞するなど、高い評価を受けているほか、2013年にリリースされたアルバム「Paramore」が全米及び全英1位を獲得するなど、高い人気を誇っています。ただ、正直日本では知名度という面からも、あまり高いものではない印象があり、かくいう私も彼女たちのアルバムをこれが初めてだったりします。

ただ、アルバム自体はむしろ日本でもかなり受け入れられそうな印象があります。Paramoreというバンドは、女性ボーカルによるエモロックバンド。エモロック自体、メランコリックなメロディーラインは日本人受けしやすそうなもの。さらに彼女たちの大きな特徴はボーカルが女性という点。ヘイリー・ウィリアムスのボーカルは、清涼感があり、いい意味での聴きやすさがあります。そういう意味でも今後、もっともっと日本でも知名度が上がりそうな印象もあります。

今回のアルバムに関しては、特に前半については正統派なギターロックバンドといった印象。ギターサウンドを前に押し出した、ほどよくヘヴィーなサウンドが特徴的。アルバムはいきなりタイトルチューンの「This Is Why」からスタートしますが、サビでは力強いギターリフ主導のリズミカルでメランコリックなメロが特徴的。サビはインパクト十分で一度聴いたらしっかりと耳に残ります。続く「The News」も疾走感あるギターロックで、こちらも力強さを感じつつ、メロディーラインを含めて、しっかりとインパクトを感じさせる楽曲となっています。さらに中盤の「You First」も力強いバンドサウンドとメランコリックにポップなメロが印象的なナンバーとなっています。

一方、後半にはミディアムテンポで、より歌を聴かせるようなメランコリックな楽曲が並びます。後半の「Liar」はまさにボーカル、ヘイリーのメロウなボーカルが冴える、ミディアムテンポのナンバー。ラストの「Thick Skull」もゆっくりとメランコリックに歌い上げるボーカルが印象的。ラストらしくスケール感のある仕上がりのサウンドとなっています。

ある意味、わかりやすいサビや哀愁感あるメロディーライン、ほどよくヘヴィーなバンドサウンドと、ともすればJ-POP的にすら感じられるParamoreの音楽。いい意味でインパクトもあり、ポップスさとヘヴィーさのバランスもとれたアルバムになっており、日本でも十分なヒットポテンシャルを感じさせます。もちろん、各種メディアで上位にランクインしてきたのも納得の名盤。日本でももっとヒットしてもいいと思うんですけどね。普段、洋楽を聴かないリスナー層にもおすすめしたい1枚です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Pink Friday 2/Nicki Minaj

彼女のデビューアルバム「Pink Friday」の続編的な位置づけでリリースされた、彼女の約5年ぶりとなるニューアルバム。前半はリズミカルなトラックに彼女のラップが載るスタイルの曲が並び、一方、後半はシンディーローパーをサンプリングした「Pink Friday Girls」や、ちょっとレトロでメロディアスな「Super Freaky Girl」など、よりポップでメロディアス、かつバラエティーに富んだ曲が並ぶ展開に。全22曲70分というボリューミーな内容ながらも、全編、ポップで聴きやすく、さらにはちょっとダレはじめる中盤以降、バラエティーに富んだ構成になっていることからも、最後まで飽きずに楽しめる内容となっていました。

評価:★★★★★

Nicki Minaj 過去の作品
Pink Friday
Pink Friday:Roman Reloaded
Queen

Mehari/Mohamed Lamouri

Mehari

こちらも2023年のベストアルバムを後追いで聴いた1枚。Music Magazine誌ワールドミュージック部門で第9位を獲得したアルジェリア出身でパリ在住のシンガーによる新作。かなり癖の強いだみ声に、エキゾチックで哀愁たっぷりの歌をゆっくり聴かせます。ほぼ全編、メランコリックな曲の連続で、ちょっとムード歌謡曲の様相もあり、そういう意味では日本人にとっても耳なじみやすいかも。その哀愁感あふれるメロディーにだみ声もピッタリとマッチしています。

評価:★★★★

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2024年2月19日 (月)

アラビア系とエレクトロの融合

Title:ASAP inşallah
Musician:Ya Tosiba

Yatosiba

今回もまた、各種メディアの2023年の年間ベストアルバムを後追いで聴いた1枚。今回はMusic Magazine誌の「ロック(ヨーロッパ他)」部門で1位を獲得したアルバムです。ノルウェー育ちでアゼルバイジャンにルーツを持つヴォーカリストのZuzu Zakariaと、フィンランドの電子音楽家でプロデューサーのTatu Metsätähtiによるユニットで、2010年にフィンランドで結成されたユニット。これが2枚目のアルバムとなるようです。

全体的にアラビア系の音楽からの影響を強く感じさせる歌に、強いエレクトロビートが載るスタイルが非常に独特といった印象を受けます。まず1曲目「Pul」は非常にトライバルで荒々しさを感じるエレクトロビートからスタート。ただ歌は軽快でポップで、ある種のキュートな内容に仕上がっています。ただ、そこから「Yarə Məni」「Xudayar Təsnifi」と、こぶしを利かせた歌でエキゾチックに聴かせる、アラビア系の影響を感じさせる曲が続きます。さらに「Mənəm」は妖艶なサウンドもいかにもアラビア的な楽曲に。エキゾチックさあふれる歌やサウンドも大きな魅力となっています。

一方で「İn Muğam」ではスペーシーなエレクトロサウンドが流れていたり、「Bu Pişik」はヘヴィーなエレクトロビートのトラックにラップが重なる、HIP HOP的な曲になったりと、要所要所にエレクトロサウンドが楽曲への大きなインパクトとなっています。ラスト前の「Qoy」もいかにもアラビアンな妖艶なこぶしを利かせたウィスパー気味のボーカルを聴かせつつ、ヘヴィーなエレクトロビートが特徴的。ラストを締めくくる「Gelu」もドリーミーに味付けされたサウンドは、サイケ的な要素も感じられ、Yo Toshibaの独自性の大きな要素となっていました。

ボーカリストのZuzu Zakariaは、前述の通り、アゼルバイジャンにルーツを持つボーカリストだとか。アゼルバイジャンというと、あまりアラビア系というイメージはないのですが、調べてみるとイラクに隣接しており、民族的にはトルコと結びつきが強いのだとか。国教もイスラム教であり、アラビア系との結びつきが強い地域ということがわかりました。Ya Tosibaの音楽は、そんなZuzuのルーツに起因しているのでしょう。

ただ、とはいってもアルバム全体を流れる強いエレクロビートはトライバルやアラビア系的な要素も強いものの、全体としては西洋のエレクトロやテクノからの影響も強く感じられ、そういう意味でアラビア系音楽になじみのないリスナー層でも聴きやすいリズムを奏でているように感じました。ワールドミュージックの範疇に入りそうなサウンドを奏でつつも、同時に私たちになじみのあるロック、ポップスの音も奏でている、そんなユニークなアルバムでした。

そんな訳で、広いリスナー層にもおすすめできそうなアルバム。また、エキゾチックさあふれる、こぶし利いたメロディーラインは、意外に日本人の耳にはなじみやすいかもしれません。Zuzuのボーカルもキュートで耳を惹かれますし、年間1位も納得のアルバム。おすすめです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

VIDA/Omara Portuondo

Vida

かの「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」にも参加した、キューバのレジェンド的歌姫の最新作・・・なのですが、彼女、なんと御年93歳!!それで新作を出してしまうそのバイタリティーにも驚かされますが、さらに驚かされるのは、この年齢にも関わらず、ボーカルにそんな年齢のことを一切感じさせないこと。ムーディーで感情たっぷりに聴かせるボーカルは色気すら感じられ、年齢を隠して聴けば、30代や40代あたりでも通用しそうなくらい。ちなみに本作はミュージックマガジン誌「ラテン」部門で1位を獲得した作品で、私もそのため後追いで聴いてみたのですが、1位も納得の傑作でした。

評価:★★★★★

BelaguⅡ/Dayang Nurfaizah

Belagu2

こちらも年間ベストアルバムを後追いで聴いた1枚。こちらもMusic Magazine誌ワールドミュージック部門で第7位にランクインしていたアルバム。マレーシアで大人気のR&Bシンガーが、ブダベスト・スコアリング交響楽団と組んでリリースしたアルバム。オーケストラアレンジのメロウなサウンドに、エキゾチックで伸びやかなボーカルが重なります。日本のムード歌謡曲にも通じそうなあか抜けた感のあるポップス。すんなり私たちの耳にもなじみそうな作品です。

評価:★★★★

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2024年2月18日 (日)

ライブの予習として最適なライブベスト

Title:絆(Kizuna)
Musician:QUEEN

全国5か所6公演で多いに盛り上がったQUEEN+ADAM LAMBERTの来日ツアー。私も昨日のライブレポートに記載した通り、東京ドームライブに参加し、そのパフォーマンスに大興奮して帰ってきました。本作は、その来日公演を記念してリリースされた、日本限定のライブベストアルバム。人気投票によって選ばれた全16曲のライブパフォーマンスが収録されたアルバムとなっています。

そんな人気投票によって選ばれたベスト的な選曲なだけに、言うまでもなく今回の来日公演ではじめてQUEENに触れるような人たちに対する予習として最適なアルバム。かく言う私も、今回の公演ではじめてQUEENに触れる・・・訳ではもちろんありませんが、アルバムを全部チェックしているような熱心なファンでもないため、このライブアルバムで予習してライブに挑みました。

先日のライブも、東京ドーム全体が大盛り上がりのパフォーマンスだったのですが、事前にこのライブアルバムを聴いて感じたのは、やはりQUEENはスタジアムレベルで映えるような曲が多いなぁ、ということでした。このアルバムでも「SOMEBODY TO LOVE」からはじまり「DON'T STOP ME NOW」「BOHEMIAN RHAPSODY」、さらには「RADIO GAGA」「WE WILL ROCK YOU」「WE ARE THE CHAMPIONS」など、スタジアムレベルのライブで盛り上がりそうな曲が並びます。ここらへんのスケール感、ダイナミズムさがQUEENの大きな魅力であり、それはこのライブアルバムでも強く感じましたし、また先日のライブでも実感したことでした。

一方でどうしても比べてしまうのは、ボーカル。言うまでもなく本作はフレディー・マーキュリーによるボーカルであり、先日のライブツアーのアダムランバートとは異なります。こうやってあらためてフレディーのボーカルを聴くと、やはりどこか漂う色気と、そして男らしい力強さが同居した、彼しか持ちえない個性は、まさに異彩を放っているといってもいいでしょう。アダム・ランバートも非常に魅力的で力のあるボーカリストなのは間違いありませんが、どうしてもフレディーと比べてしまうと・・・とは思ってしまいます。

まさにQUEENの魅力を知るにはピッタリのライブベストアルバム。ライブツアーは終わってしまいましたが、事前の予習としてはピッタリのアルバムだったと思います。来日記念盤なので、今後、コンスタントに入手できるかどうかは不明なのですが、興味のある方は、今のうちに是非。

評価:★★★★★

QUEEN 過去の作品
Bohemian Rhapsody(The Original Soundtrack)
Live Around The World(QUEEN+ADAM LAMBERT)

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2024年2月17日 (土)

大迫力のパフォーマンス

QUEEN+ADAM LAMBERT THE RHAPSODY TOUR

会場 東京ドーム 日時 2024年2月13日(火)19:00~

今回は、あのQUEENのライブに行ってきました!!

Queen1

場所は東京ドーム。今回は東京での仕事があったので、ここまで足を伸ばしました。

(ライブで東京ドームに来たのは、調べたら2001年のジュディマリ解散ライブ以来、実に23年ぶり(!)です。まあ、その後、野球見には来てるけど)

もちろん、すごい人、人、人。会場の中もアリーナ席からスタンドまで人がビッシリで、あらためてQUEENの(特に日本での)人気のすごさを感じます。

Queen2

ステージ上に設置された檻があがると、メンバーが登場するという凝った演出から19時ちょっと過ぎにライブはスタート。オープニングの「Machines(Or `Back to Humans`)」から、いきなり序盤、代表曲の「Radio Gaga」へ。続く「Hammer to Fall」の後、まずは「トーキョー!!」と盛り上げます。

Queen3

会場にはセンターステージももうけられ、「Bicycle Race」では、アダム・ランバートが大きな銀色のバイクに乗って歌ったりもしていました。

その後は「I was Born to Love You」。これは日本向けの選曲ですね。会場はかなり盛り上がります。さらに、「I Want It All」の後は、ブライアン・メイがひとりで、センターステージへ向かいます。

Queen4

ここでなんとブライアンは日本語でMC!かなり流ちょうな日本語で挨拶をして、会場を盛り上げていました。その後は彼のボーカルで「Love of My Life」へ。ギターでしんみり聴かせるのですが、途中、モニターにフレディーマーキュリーの姿が。彼と2人で歌うような、ちょっと粋な映像の演出がされました。

これに続いては、「手をとりあって」。日本語詞の曲で、これも日本向けの選曲ですね。途中、バックモニターには歌詞が流れ、会場全体が合唱となっていました。

Queen5

その後は、ロジャー・テイラーの若き日のティンパニをプレイする画像が流れ、そのままセンターステージのドラムでロジャー・テイラーのドラムソロへ。御年70歳を超えていることが信じられないくらいの力強いドラムプレイで会場を沸かせます。

後半は「Under Pressure」や「Tie Your Mother Down」などが続き、さらには再びブライアンのギターソロへ。かなり力強いギタープレイをじっくり聴かせます。途中、ドヴォルザークの「家路」(日本では「遠き山に日は落ちて」)などをしんみりとギターで聴かせてくれたりして、しばし、そのギタープレイに耳を傾けました。

そしてなんといっても盛り上がったのは終盤。簡単なメンバー紹介から、ラストは「Don't Sotp Me Now」「Somebody to Love」「The Show Must Go On」と彼らの代表曲の連続に会場のテンションは一気にあがります。そして本編ラストはお待ちかねの「Bohemian Rhapsody」へ。途中、オペラ的な歌唱部分では、オリジナルメンバー4人のミュージックビデオが登場し、昔のメンバーが歌っているかのような演出がなされていました。

もちろん、その後は盛大なアンコールへ。再び会場が暗くなると、最初はモニターにフレディー・マーキュリーの姿が映し出され、彼によるコール&レスポンスで会場を盛り上げます。

メンバーが登場し、「We Will Rock You」で会場は盛り上がります。さらに「Radio Ga Ga」が再び披露され、ラストは「We Are The Champions」で締めくくり。会場全体で大合唱となり、一体感を覚えつつ、約2時間10分のステージが幕を下りました。

Queen6

正直なところ、QUEENについては過去のアルバムをすべて聴いているような熱心なファン・・・・・ではないのですが、それでもやはり代表曲の連続に大興奮のステージ。特にこのようなスタジアムライブで映えるようなスケール感のある曲が多く、特に本編終盤からアンコールにかけてはテンションが上がりまくりなステージでした。

また、アダム・ランバートのボーカルも楽曲に非常にマッチしていたと思います。非常に力強いパワフルなボーカルでありながらも、どこか中性的。なおかつ声色に癖のないボーカルなだけに、原曲のイメージをさほど壊さないでQUEENの曲を歌い上げていたように感じます。また本人も、あまりフレディー・マーキュリーを意識しないで、自然体のスタイルで歌っていた、そんな印象を受けました。

なによりもステージの構成として、あまり必要以上にフレディーを意識させないような構成になっていたように思います。途中、フレディーの映像が登場するシーンはあったものの、比較的短いもので、かつ大型のスクリーンではなく、サブスクリーンのみに映るような構成。あくまでもフレディーを懐かしがるのではなく、現役ミュージシャンであるQUEEN+ADAM LAMBERTのステージであるという事実を、強く印象付けるようなステージになっていました。

非常にカッコいいパフォーマンスで、大満足の約2時間。QUEENの2人は、御年70歳を超えているとは思えないパワフルなプレイを聴かせてくれましたし、アダム・ランバートのボーカルも魅力的。QUEENの音楽の世界を堪能したライブ。その実力を遺憾なく感じさせてくれるステージでした。

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2024年2月16日 (金)

AOR、R&B好きは必聴の作品

Title:Real
Musician:Vini Vercillo

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今日紹介するアルバムも、2023年の年間ベストに選ばれたアルバムを後追いで聴いた1枚。今回はMUSIC MAGAZINE誌ブラジル部門で年間1位を獲得した、現在21歳のブラジルのシンガーソングライター、Vini Vercilloのデビューアルバム。ジョルジ・ベルシーロの息子として話題を呼んでいるそうですが、残念ながらジョルジ・ベルシーロを知らない・・・。日本ではあまり知られていないのですが、本国ブラジルでは大人気を誇るミュージシャンだそうです。

そんな訳でブラジルミュージックのシンガーソングライターなのですが、おそらく何も情報なしに聴き始めたら、一般的にブラジルというイメージはほとんど受けないでしょう。彼の奏でる音楽は、ソウルミュージックやR&Bに影響を受けた、いわば典型的なAORといったイメージ。かなりあか抜けた都会的な楽曲となっており、ブラジルミュージックになじみのないリスナーでも、全く抵抗感なく楽しめるアルバムになっています。

タイトルチューンの「Real」はファルセットボイスをいれつつ、メランコリックなメロディーラインを美しく聴かせてくれますし、「Viva o Que Te Resta」などはテンポのよいバンドサウンドが入り、インパクトも十分。「Somos Nos/To Call Love」は郷愁感あるメロとサウンドが日本人にも耳なじみやすそう。「Imprerfections」もファルセット気味のボーカルで切なくも美しく歌い上げるメロディーラインが強い印象を受けますし、ラストも「Will Be Mine」もテンポよくメランコリックに聴かせる正統派のAORナンバーで締めくくってくれます。

ちょっとおもしろいのは、英語と(おそらくは)ポルトガル語の曲がともに収録されている点。後半は英語詞の曲が並ぶのですが、特に前半はポルトガル語の曲がメインとなっており、英語と異なり私たちにとってはあまり耳なじみない言語であるだけに、これはこれでエキゾチックな雰囲気を感じて、アルバムのひとつのインパクトとなっています。

メロウなR&B色の強いAORなので、日本で言えば、SING LIKE TALKINGや清水翔太あたりが好きな方なら、間違いなく気に入るアルバムだと思います。ブラジルミュージック部門で年間1位というのも大納得の傑作アルバム。あまりブラジルミュージックになじみのない方でも、AORやR&Bが好きならぜひとも聴いてほしい1枚です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Work Of Art/Asake

Asake

こちらも2023年のベストアルバムを後追いで聴いた1枚。こちらは同じくMUSIC MAGAZINE誌「ワールドミュージック部門」で第5位を獲得したアルバム。ナイジェリアのミュージシャンによる2枚目のアルバムなのですが、前作「Mr Money with the Vibe」はビルボードチャートで最高位22位と、ナイジェリア人ミュージシャン史上最高記録を達成。本作もビルボードチャートでは最高位20位を記録するなど、ナイジェリアの世界的スターとなっています。基本的にリズムはアフリカらしいトライバルなサウンドながらも、メロディーラインはトライバルな要素を感じつつも、あか抜けたAORの要素も強いメロディーを聴かせてくれており、確かにビルボードでも上位にランクインしそうなヒットポテンシャルを感じます。日本でも今度、注目が集まってくるのでしょうか。

評価:★★★★

Models/Lee Gamble

Models

こちらも同様に、MUSIC MAGAZINE誌「エレクトリック・ミュージック」部門で1位を獲得したアルバム。ロンドンを拠点に活動する電子音楽プロデューサーによる新作。「実験の鬼才」と言われているそうで、かなり複雑なエレクトロサウンドが特徴的。このアルバムも、曲によって様相の異なる7曲によって構成。複雑な音世界を作り出しているものの、全体的にはどこか不気味でドリーミーなサウンドが特徴的。ダウナーさを感じるエレクトロサウンドの世界に耳を惹かれるアルバムです。

評価:★★★★★

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2024年2月15日 (木)

ライブの影響で大きくランクアップ

今週のHot Albums

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来日公演の影響で順位を大きく伸ばすというのはK-POP勢によくあるケースですが、今週はあの人気ミュージシャンのアルバムが来日公演に合わせて大きくランクアップしています。

ただ、まず1位はK-POP勢。男性アイドルグループSEVENTEEN「SEVENTEEN HEAVEN」が先週の2位からランクアップ。昨年11月1日付チャート以来の1位返り咲きとなっています。オリコン週間アルバムランキングでも今週、7万4千枚を売り上げて1位獲得。これは、2月6日より、同作購入者対象によるオンラインイベント開催がアナウンスされた影響の模様。これで通算8週目のベスト10ヒット&通算4週目のベスト3ヒットとなりました。

ちなみにSEVENTEENはベストアルバム「SEVENTEEN JAPAN BEST ALBUM『ALWAYS YOURS』」も先週から変わらず4位にランクインし、2枚同時ランクインとなっています。こちらも今週で通算8週目のベスト10ヒットとなっています。

2位にはChroNoiR「Wonder Wander World」が初登場でランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数1位。にじさんじ所属のVTuber「叶」と「葛葉」のユニットによる2作目。オリコンでは初動売上4万3千枚で4位初登場。前作「UP 2 YOU」の初動2万6千枚(3位)よりアップしています。

3位初登場はPRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」。CD販売数3位、ダウンロード数49位。韓国のオーディション番組「PRODUCE 101」シリーズの日本版「PRODUCE 101 JAPAN」の第3弾となる女性アイドル発掘オーディション番組に使われた楽曲をまとめたアルバム。オリコンでは初動売上5万3千枚で2位にランクインしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にロックバンドザ・クロマニヨンズ「HEY!WONDER」がランクイン。CD販売数5位。当然のようにダウンロード、ストリーミング配信は行っていません。オリコンでは初動売上1万6千枚で6位初登場。前作「MOUNTAIN BANANA」(2位)から初動売上枚数は横バイ。

6位には紅月「あんさんぶるスターズ!!アルバムシリーズ 『TRIP』」が初登場。CD販売数6位、ダウンロード数16位。男性アイドル育成ゲーム「あんさんぶるスターズ!!」のキャラクターソングCD。オリコンでは初動売上1万枚で7位初登場。同シリーズの前作、UNDEAD名義による「あんさんぶるスターズ!!アルバムシリーズ 『TRIP』」の初動2万1千枚(2位)からダウンしています。

初登場最後は8位。MORE MORE JUMP!「MORE MORE JUMP! SEKAI ALBUM vol.2」がランクイン。CD販売数11位、ダウンロード数3位。スマートフォン向けリズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」に登場するアイドルグループによるアルバム。オリコンでは初動売上4千枚で11位初登場。同シリーズの前作、ワンダーランズ×ショウタイム「ワンダーランズ×ショウタイム SEKAI ALBUM vol.2」の初動6千枚(8位)からダウンしています。

さて、冒頭に書いた、来日公演に合わせたランクアップですが、まずはおなじみのK-POP勢。現在、来日ツアー中の男性アイドルグループTREASURE「Reboot」が先週の58位から7位に大きくアップ。3週ぶりのベスト10返り咲きを果たしています。これでベスト10ヒットは通算13週となりました。

そしてもう1枚。世界的に大人気な女性シンガー、Taylor Swiftの2022年にリリースしたアルバム「Midnights」が先週の76位から9位に大きくランクアップ。2022年11月9日以来のベスト10返り咲きを果たしています。2月7日から10日にかけて東京ドームで来日公演を行った彼女。今回のランクアップは、この来日公演の影響によるものと思われます。ちなみに彼女の2014年のアルバム「1989」も、リメイク版のテイラーズ・ヴァージョンが今週13位までランクアップしています。

しかし彼女の人気はすごいですね。来日公演で東京ドーム4daysですか。東京公演しか組まれていないということもあるのでしょうが、日本では久しく洋楽が売れない、と言われている中、東京ドームを4日間、客を入れられる人気を獲得している点、洋楽不人気というのはどこの話だ、とすら思ってしまいます。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2024年2月14日 (水)

四つ巴(?)の戦い?

今週のHot100

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新たなロングヒット2曲と、昨年からのロングヒット曲2曲がからみ、ヒットチャートは四つ巴(?)の戦いになってきています。

まず1位はCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」がこれで3週連続で1位を獲得。ストリーミング数が3週連続1位を獲得していますが、今週はそれに加えて、ダウンロード数も2位から1位にアップ。残念ながら公式ではアニメのOPムービーのみアップされており、MVがアップされていないのでYouTube再生回数はカウントされていないようですが、MVが公開されれば、さらなる上積みもありそう。

そして2位もtuki.「晩餐歌」が先週から同順位をキープ。ストリーミング数は3週連続の2位。さらに今週、ダウンロード数も7位から6位に、さらにYouTube再生回数が2位から1位にランクアップしました。これで11週連続のベスト10ヒット&4週連続のベスト3ヒット。どちらもストリーミング数以外のチャートが若干弱かったのですが、それ以外のチャートも着実にランクアップしてきており、今後、2024年を代表するヒット曲になりそう。どちらも今年の紅白出場は既に濃厚か?

そしてそれに追随するのがAdo「唱」YOASOBI「アイドル」で、今週も「唱」は3位、「アイドル」はワンランクアップの4位となっており、この4曲が四つ巴(?)の争いを続けています。「唱」はストリーミング数が先週と変わらず4位。YouTube再生回数は3位から2位にアップ。一方、ダウンロード数は10位から12位にダウン。これで23週連続のベスト10ヒット&通算21週目のベスト3ヒット。「アイドル」はストリーミング数3位、カラオケ歌唱回数2位は先週から変わらないものの、YouTube再生回数は5位から6位にダウン。一方、ダウンロード数は20位から18位に若干のアップ。こちらはこれで44週連続のベスト10ヒットとなります。

さらにそれに続くのがMrs.GREEN APPLE「ケセラセラ」5位、「ナハトムジーク」6位は先週と変わらず。「ケセラセラ」はストリーミング数で3週連続の5位。ただし、YouTube再生回数は6位から7位、ダウンロード数も24位から29位にダウンしています。これで通算19週連続のベスト10ヒットに。一方「ナハトムジーク」はダウンロード数は19位から28位にダウンしていますが、ストリーミング数は先週から変わらず6位、YouTube再生回数が11位から8位にアップしています。

ロングヒット勢はさらに続きます。7位にVaundy「怪獣の花唄」が先週の9位からランクアップ。カラオケ歌唱回数は7週連続の1位、ストリーミング数も8位をキープ。これで通算55週目のベスト10ヒットとなります。さらにここにきてしぶといKing Gnu「SPECIALZ」は7位から8位にワンランクダウンながらもベスト10をキープ。ストリーミング数がここに来て7位から6位にアップ。これで24週連続のベスト10ヒットとなります。

そして今週、唯一の初登場曲が9位初登場、吉本興業所属の男性アイドルグループOWV「BREMEN」が獲得。CD販売数1位、ダウンロード数82位、ラジオオンエア数12位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上2万1千枚で1位初登場。前作「Let Go」の初動1万8千枚(4位)からアップしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2024年2月13日 (火)

アラビア音楽の入門的にも

Title:Jarak Qaribak
Musician:Dudu Tassa&Jonny Greenwood

イスラエルで高い人気を誇るシンガーソングライター、Dudu Tassaが、RADIOHEADやThe SmileのギタリストとしておなじみのJonny Greenwoodと組んで話題となった1枚。今回も、2023年にリリースされたアルバムの中でベストアルバムとして評価された曲を後追いで聴いた作品で、本作はMusic Magazine誌ワールドミュージック部門で第6位にランクインした作品となります。

今回のアルバムタイトル「Jarak Qaribak」という意味は「あなたの隣人はあなたの友人」という意味だそうで、また、今回、曲毎に様々なミュージシャンとコラボしているのですが、こちらも多国籍な人材を集めている点が特徴的。1曲目「Djit Nishrab」に参加しているAhmed Domaはエジプト、「Taq-ou-dub」に参加しているNour Freteikhはパレスチナ、「Leylet Hub」に参加しているMohssine Salaheddineはモロッコ、「Ahibak」に参加しているSafae Essafiはドバイ、「Ya Mughir al-Ghazala」のKarrar Alsaadiはイラクと、まさに中東の様々なミュージシャンが参加したアルバムとなっています。

このアルバムタイトルといい、国境を超えて様々なミュージシャンたちが集まった企画といい、どうしても考えてしまうのは現在、中東で起こっているイスラエルとイスラム原理主義組織、ハマスとの武力紛争の件。この状況で考えると、今回の企画はどうしてもこのような中東情勢に対するメッセージを想像してしまうのですが、今回のアルバムに関しては、そういった政治的な意図はないとか。ただ、政治的な意図はなくても、やはり中東地域の平和の願いを込められているようには感じてしまいます。

楽曲の方は、典型的なアラビア音楽といった印象。基本的にはシンセサイザーの音色を使っているのですが、妖艶さを感じるアラブのサウンドとメランコリックなこぶしを利かせた歌が印象的。ただ、そんな中でも参加したミュージシャンに寄っている部分があるのでしょうか、様々な音楽性も垣間見れます。例えばモロッコのミュージシャンMohssine Salaheddineの「Leylet Hub」は、より勇壮さを感じられるボーカルが印象的ですし、「Ya Mughir al-Ghazala」はよりエキゾチックさが際立つサウンドが特徴的です。

RADIOHEADのJonny Greenwoodのアルバムということで、普段、アラブ系の音楽になじみのないリスナーが多くこのアルバムにも耳を通していると思うのですが、そんな方々への入り口的な音楽としては最適なアルバムといった感じ・・・といっても私自身、そうたくさんアラブ系の音楽を聴いているわけではないのですが・・・。ちなみに曲の最初に曲名と参加しているミュージシャンのアナウンスがあり、この点も広いリスナー層を意識しているのでしょうか。

ただこのアルバムがユニークなのは、やはりJonnyがギターで参加しているからか、微妙に西洋のロック的な雰囲気がスパイスのように配置されている点でしょう。ロック、ではありませんが「Ashufak Shay」はクラシカルなピアノの音色からスタートしますし、「Ya 'Anid Ya Yaba」のエレクトロビートとギターの組み合わせも西洋的。ほかにもところどころで聴かせてくれるJonnyのギターの音色は、ロック的ながらも、アルバムの中でちょうどよいスパイスとして個性を与える役割をしているように感じました。

そんな訳で、いい意味でアラブ音楽の入門的にも聴きやすいアルバムになった本作。Jonny Greenwoodの名前に気になったロックファンにもおすすめできるアルバムだと思います。エキゾチックで妖艶なアラビア音楽の魅力を楽しめる、そんな作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Mutations/Faizal Mostrixx

こちらも上記と同じく、Music Magazine誌年間ベスト「ワールドミュージック」部門で第4位にランクインしたアルバム。東アフリカのウガンダで人気を博するエレクトロミュージシャンの新作。トライバルなエレクトロビートがかなり独特。東アフリカの音楽をふんだんに取り込みつつ、リズミカルなエレクトロビートを交えて構成されたサウンドはかなりユニークで耳を惹きます。かなり作りこまれたサウンドは、直感的なリズムにゆだねるだけではなく、かなりクレバーなものも感じ、じっくりと聴きたくなるような魅力も。高評価も納得の傑作でした。

評価:★★★★★

The Omnichord Real Book/Meshell Ndegeocello

こちらも同じくMusic Magazines誌年間ベストより、こちらは「ジャズ」部門で1位を獲得したアルバム。90年代初頭から活動を続け、グラミー賞に10回もノミネート経験もある、アメリカのベテランシンガーソングライターの新作。「ジャズ」にカテゴライズしつつも、エレクトロやファンク、R&Bなど多岐なジャンルからの影響を受け、アコギ1本での歌モノから、メランコリックな作品、ファンキーでグルーヴィーなナンバーにダイナミックなロック風の曲など、バリエーション豊富な作品が特徴的。正直、あまり「ジャズ」っぽさは感じず、むしろネオソウル的な様相も感じられる作品になっていました。

評価:★★★★★

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2024年2月12日 (月)

貴重な音源ではあるが・・・。

Title:LAST STAGE
Musician:ジャックス

1960年代の後半に活躍。リアルタイムでは売れることはなかったものの、サイケデリックロックを取り入れた音楽性が高く評価され、今では伝説のバンドとして日本のロック史上に大きな痕跡を残したバンド、ジャックス。今回、完全未発表となるライブ音源が発掘されCD化。大きな話題となりました。

2枚組となっている本作。1枚目は1969年8月10日に中津川で行われた第1回全日本フォークジャンボリーのステージを、ほぼ全曲収録したライブ音源。これが彼らの正真正銘のラストステージとなったそうですが、いままで音源は残されていないと言われていたそうですが、音源が見つかったようで、今回、初CD化されました。さらに2枚目の方はその2週間前。1969年7月に東京の護国寺天風会館で行われた第5回ジャックス・ショウの模様をおさめた音源。こちらも今回初CD化となる貴重な音源となります。

いまから55年も前のステージとなる今回の音源ですが、その熱量がいまでも伝わってくるような非常にカッコいいプレイが垣間見れる音源となっています。まずDisc1。彼らの代表曲ともなる「からっぽの世界」「遠い海へ旅に出た私の恋人」などはフリーキーでサイケデリックな演奏が迫力満点。さらに後半の「マリアンヌ」「裏切りの季節」のダイナミックなバンドサウンドも印象的。終盤の「第五氷河期」は彼らと親交の深かったバンド、休みの国の曲なのですが、切なさを感じるメロディーラインが耳に残ります。

Disc2でもホーンセッションも入ったダイナミックなバンドサウンドが印象的な「ロールオーバーゆらの助」、さらに2度演奏されている「堕天使ロック」も迫力あるサウンドを聴かせてくれます。ちなみにこちら、そのうち1つは歌詞の異なる「幻の兄弟ヴァージョン」と呼ばれるものらしく、貴重な音源となっているそうです。

ただ、そんな貴重な音源を収録したライブアルバムなのですが、如何せん、音が非常に悪いのがかなりのマイナスポイント。どういう状況での録音なのか不明なのですが、当時の録音技術ではこれが限界だったのでしょう。例えばDisc1では「地獄の季節」などかなり音のバランスが悪いですし、Disc2でも1曲目の「堕天使ロック」などは、バンドサウンドは迫力満点なのですが、ボーカルが後ろに下がりすぎていて、ギリギリ聴こえるという程度になってしまっています。

現在のAI技術を使えば、おそらくかなりクリアになるようにも思うのですが、さすがにそこまでの技術は使用できず。正直、商品化できるかどうかかなりギリギリなレベルだと思いますし、だからこそ今まで表に出てこなかったのかもしれません。また、これだけ音が悪いだけに、率直にこのアルバムを広くお勧めできるか、と言われるとかなり微妙。ジャックスに興味を持った場合に、彼らのデビューアルバムであり代表作である「ジャックスの世界」をお勧めしたいところ。どちらかというとコアなファン向けのアルバムだと思います。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

4/the band apart(naked)

the band apartのアコースティック形態の別名義バンドthe band apart(naked)のタイトル通り4枚目となるアルバム。基本的にアコースティックのサウンドでメランコリックに聴かせるポップチューンがメインとなっており、いままでとさほど大きな差はないいつも通りのアルバム・・・とはいえ、軽快なサマーソングの「図書館の幽霊」や、ファンキーなリズムが特徴的の「クライシャドウ」など、アコースティックなサウンドの中でのバリエーションも。卒なさは感じさせるものの、しっかりと魅力的なポップスを聴かせてくれるアルバムでした。

評価:★★★★★

the band apart 過去の作品
Adze of penguin
shit
the Surface ep
SCENT OF AUGUST
街の14景
謎のオープンワールド
1(the band apart(naked))
Memories to Go
前へ(□□□ feat.the band apart)
2(the band apart(naked))
20years
POOL e.p.
3(the band apart(naked))
Ninja of Four

ROBIN HOOD STREET/guca owl

Gucaowl

2023年のベストアルバムを後追いで聴いた1枚。本作はMusic Magazine誌「ラップ/ヒップホップ[日本]」部門で1位を獲得したアルバム。guca owl(グカール)は大阪・東大阪市出身の男性ラッパー。最近、注目を集めるラッパーの一人らしく、ミディアムテンポで哀愁たっぷりのトラックをバックにラップするスタイルが特徴的。日常に立脚したちょっとシニカルさも感じられるリリックも魅力的。今後のさらなる飛躍が期待できそうなラッパーです。

評価:★★★★★

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2024年2月11日 (日)

Adoのボーカリストとしての実力を実感

Title:Adoの歌ってみたアルバム
Musician:Ado

昨年の紅白出演時のパフォーマンスも大きな話題となったAdoの初となるカバーアルバム。Adoに歌ってほしいボカロ曲とJ-POP曲を公募し、リクエストの中から選曲した全10曲を収録しています。このアルバムに関してまず言いたいのは、2曲目に収録されている「飾りじゃないのよ涙は」のカバーが絶品。この曲を聴くだけでも本作を聴く価値があるということです。

Adoというと、「歌が上手い」という枠組みで語られることの多いボーカリストです。ただ、いままで率直に言って、彼女は上手いことは上手いかもしれないですが、歌の表現力という面では今一つ。よく日本では、単純に声量があってピッチがあっていれば「歌が上手い」扱いされる傾向にあります。ただ本来、歌の上手い下手は表現力が重要なファクターであり、ピッチがあっているというのは当然のこととして、声量については歌が上手い必須の要素ではないと思っています。実際、Adoの歌は、とにかく「声量」を聴かせる曲が多く、前作「ウタの歌」で聴かせてくれたバラードは表現力不足。Adoの歌の上手さは若干疑問符がついていました。

しかし、本作に収録されている「飾りじゃないのよ涙は」のカバーはまさに絶品。緩急をつけた、色っぽさすら感じられるボーカルは彼女のボーカリストとしての表現力の高さをしっかりと感じることが出来ます。この曲、原曲は言わずと知れた中森明菜。彼女のボーカリストとしての実力も言うまでもありませんが、Adoも彼女に勝るとも劣らない力量を持ったボーカリストだということがはっきりと認識できました。

その他にはJ-POPでは優里の「ドライフラワー」、椎名林檎「罪と罰」、TK from 凛として時雨の「unravel」をカバー。ボカロ曲ではHoneyworks「可愛くてごめん」、てにをは「ヴィラン」、ピノキオピー「神っぽいな」などに挑戦しています。ただ、J-POP曲を含め、彼女のボーカル込みでやはり「飾りじゃないのよ涙は」が頭ひとつもふたつも出ている印象が。ただ「飾り~」は言わずとしれた日本ポップス界の名曲中の名曲中ですから、これと比較するとどうしても分が悪いのかもしれません。

ただ、全体的には「ドライフラワー」を除くと、彼女のパワフルなボーカルを生かそうとした曲がメイン。彼女もそれに答えるように、目いっぱい、その声量あるボーカルを生かしたカバーとなっています。ただ、結果としてやはりボーカルを前に押し出そうとしすぎて若干大味な印象を受けるカバーとなっていました。一方、「ドライフラワー」のようなミディアムテンポのナンバーについては、これまた絶品。同曲についてはともすれば原曲以上では?というほどの泣かせる名カバーに仕上がっていたと思います。

ボカロ曲に関しては、シニカルで、今どきの言葉をそのまま取り入れたユニークな歌詞が耳に残るのですが、正直、あまり歌の表現力を必要としないような曲調の曲が多く、そういう意味でもAdoのボーカリストとしての力量を十分に引き出しきれていない感じも印象も受けました。正直なところ、「飾りじゃないのよ~」のような、哀愁たっぷりの歌謡曲的ナンバーのカバーをもっと聴きたかったなぁ。

とはいえ、総じて力強いAdoのボーカルを聴くことの出来る満足度の高いカバーアルバムで、何よりもAdoのボーカリストとしての実力をしっかりと実感できるアルバムになっていたと思います。また第2弾、第3弾も期待したいところです。

評価:★★★★★

Ado 過去の作品
狂言
ウタの歌 ONE PIECE FILM RED


ほかに聴いたアルバム

景色一空/空気公団

Keshikiikkuu

約2年半ぶりとなる空気公団の新作。タイトルの「景色一空」とは四字熟語の「万里一空」から考えた造語で、「空はつながっている。同じように楽しさも悲しさもすべて。そして生と死も。私たちの暮らしは営まれ、どこかの空の下で悲しみに暮れ、またどこかの街では恋人たちが笑い合っている」というテーマ性を持ったアルバムになっているそうです。基本的には空気公団らしい、アコースティックギターやピアノを軸として、メランコリックに聴かせる暖かい雰囲気のポップが並んでいます。決して目新しさはないのですが、いい意味で安心して聴ける作品が並ぶアルバムに。素直に空気公団らしさを満喫できる作品でした。

評価:★★★★★

空気公団 過去の作品
空気公団作品集
メロディ
ぼくらの空気公団
春愁秋思
LIVE春愁秋思
夜はそのまなざしの先に流れる
くうきにみつる(くうきにみつる)
音街巡旅I
こんにちは、はじまり。
ダブル
僕の心に街ができて
僕と君の希求

9BIT/QUBIT

「打上花火」や「ステップアップLOVE」のヒットでおなじみの女性ラッパーDaokoが、相対性理論の永井聖一らと組んだ5人組バンドQUBITのデビューアルバム。エレクトロサウンドも取り入れたバンドサウンドは、キュートでポップでありつつも同時にパンキッシュという音楽性が魅力的。どちらかというと、相対性理論の変形といった印象も受けるのですが、このポップでパンキッシュな音楽性に、キュートなDaokoのボーカルがピッタリマッチしており、こちらも魅力的。これからの活躍が楽しみなバンドです。

評価:★★★★★

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2024年2月10日 (土)

待望の初ヤバT

ヤバイTシャツ屋さん “BEST of the Tank-top” 47都道府県TOUR 2023-2024

会場 Zepp Nagoya 日時 2024年2月5日(月)18:30~

Yabat1

以前から一度ライブを見てみたかったバンド、ヤバTことヤバイTシャツ屋さんのライブに行ってきました!会場はZepp Nagoya。2デイズが完売ということで、かなりの人の入り。さらに最近、私が足を運ぶライブは、やはり客層が同年代というケースが多いのですが、この日は20代から30代がメインの客層。ただ、意外と同年代以上のファンもチラホラ見受けられて、そういう意味では「肩身が狭い」という感じにならなかったのは幸いでした。

最初はこの日のゲスト、ROTTENGRAFFTYの登場となりました。定時通りの18時半スタート。最初は「PLAY BACK」からスタート。ズシリと重いヘヴィーなサウンドが鳴り響きます。ロック好きとしては、やはりこのヘヴィーなサウンドには胸が高まります。その後も「D.A.N.C.E.」と続き、さらにヤバTの「週10ですき家」のカバーも披露。ロットンのステージは約40分程度。最後は「金色グラフティー」「秋桜」と盛り上げて、ステージを去りました。途中のMCでは「ヤバTを紅白へ連れて行きましょう!」というヤバTへのエールも登場。ここらへん、何年か前にヤバTが紅白出場内定として報道されつつ、結局、出場できなかった「事件」に由来するのでしょうか?

そして19時半ころから待望のヤバTが登場します。ライブはいきなり「Tank-top in your heart」「ちらばれ!サマーピーポー」とスタートし、会場は一気にハイテンションに。会場のルール上、ダイバーの登場はないものの、前方では肩車して盛り上がっているファンも。さらに序盤で「ハーピーウェディング前ソング」も登場し、会場は大いに盛り上がりました。

その後はMCへ。MCではジブリパークの話に。「となりの山田くん」やら「コクリコ坂」やら、いわばマイナーなジブリ作品の架空のアトラクションを作り上げてネタとしていました。ジブリの最新作「君たちはどう生きるか」のアトラクションはあるのかなぁ?というネタフリからヤバTの最新作「BEST」へと、上手くつなげていました。

さらに「どすえ~おこしやす京都~」から、ロットンがカバーしていた「週10ですき家」へ。そしてそのまま逆にロットンのカバー「D.A.N.C.E.」に流れ込む・・・かと思いきや、ここでトラブル発生。ドラムマシーンのトラブルが生じたらしく、演奏はストップ。復旧までしばらく生じた時間で、何故かたくやとありぼぼで時間つなぎになぞかけで時間をつぶしていた他、途中、ひょっこりロットンのメンバーが顔を覗かすなんていうハプニングも。トラブル対応に5分程度を費やし、ようやくロットンの「D.A.N.C.E.」へとなだれ込みました。

後半は「喜志駅周辺グラフティー」や「肩 have a good day」へ。「肩 have~」のラストでは、ボーカルの上手さを売りにしている女性ボーカリストが、バラード曲の最後でやりがちな、マイクなしで完全アカペラで歌い上げるパフォーマンスで盛り上げます。

そして一気に終盤へ。「Blooming the Tank-top」から「あつまれ!パーティーピーポー」「Tank-top Festival」「かわE」さらには「NO MONEY DANCE」「Give me the Tank-Top」と一気になだれ込みます。終盤はまさに一気に最高潮へ。私もテンションが上がりまくりで盛り上がりました。

本編終了後、もちろんアンコールへ。やがてメンバーが登場すると、もりもりから「重要な告知」という話が。どうせネタだろう、と思いつつ聴いていたのですが、物販で、スタッフがクレジットカードの決済機をグッズに紛れて渡してしまったそうで、「だれか間違えて持っていませんか」という、比較的マジに重要な告知でした(笑)。ってか、見つかったんでしょうか??

アンコールでは舞台上でみんなで写真撮影。ロットンも登場し、みんなで写真撮影となります。アンコール一発屋や「ヤバみ」から。この曲に限り動画撮影OK、30秒までならSNSにアップ可というお達しが!さっそく携帯を掲げて動画撮影となりました。

Yabami

さらに5月に行われる志摩スペイン村貸し切りでのワンマンライブに因んで、スペイン村のテーマ曲「きっとパルケエスパーニャ」へ。名古屋では昔、CMもバンバン流れていたので、おなじみのナンバーですね。「名古屋の人が来なくて、誰が来る~~!!」と叫んでいました。個人的にも行きたいのですが、さすがに土日まるごと行くのは、家庭の都合上、厳しいなぁ・・・。そしてラストは「無線LANばり便利」で締めくくり。最後の最後まで大盛り上がりのステージ。終了後もメンバーはしばらく舞台上にのこり、タオルやギターピックなどを客席に投げ入れ、最後はもりもりだけ残ってご挨拶、そして締めくくりとなりました。

ライブは終了したのは21時頃。ヤバTとしては約1時間半程度のステージでした。正直言うと、Zepp Nagoyaという会場、一般的に音が悪く、この日のステージも率直に言って、音があまりよくなりステージだったのは残念でした。ただ、それを差し引いても、熱狂的なライブパフォーマンスが非常に楽しく、終始、盛り上がったステージ。特にベスト盤リリース後のステージということもあり、代表曲連発のライブで、終始、聴きどころばかり。とても楽しいライブでした。

以前から一度行きたいと思っていた念願のヤバTのライブでしたが、文句なしに楽しめたライブ。非常に満足の行くステージにお腹いっぱいとなりました。予想通りでしたが、彼らのステージはやはり楽しいなぁ。是非とも、また足を運んでみたいです!

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2024年2月 9日 (金)

より羊文学の魅力を強く感じる

Title:12 hugs(like butterflies)
Musician:羊文学

前作「our hope」がいきなりベスト10ヒットを記録。一気に人気バンドの仲間入りを果たしたオルタナ系ロックバンド羊文学。前作から約1年8か月ぶりとなるアルバム「12 hugs(like butterflies)」もビルボードチャートで9位を記録するなど、前作に引き続き大ヒットを記録。その人気を確固たるものとしています。

ただ、率直に言うと、この羊文学。なぜここまで売れたのかちょっと不思議な感じもします。いや、それはネガティブな意味ではありません。むしろポジティブな意味で。彼女たちの音楽性は決してわかりやすいポップスロックのバンドではありません。むしろオルタナ色の強いギターロックであり、メロディーラインについても決してわかりやすいフックが効いている訳ではありません。

あえて言えばそんな中でも前作「our hope」は、比較的わかりやすいメロディーラインが流れているギターロックを聴かせてくれていました。ある種のベタさを感じましたし、そういう点が売れた理由なのかな、とは感じたりしました。しかし今回の新作に関しては、よりオルタナ色が強くなり、前作で感じたベタさは後退。むしろオルタナ系ギターロックが好きな音楽ファンが好んで聴きそう、というイメージを強く感じる作品となっています。

オープニング的な「Hug.m4a」もアコギ1本でしんみり聴かせる、冒頭の取っ掛かりとしては「実験的」と感じられるスタートとなっていますし、続く「more than words」も、アニメ「呪術廻戦 渋谷事変」のエンディングテーマという好タイアップ曲でありながらも、ファルセットボーカルで聴かせる疾走感あるギターロックは、「売れ線のアニメソング」とはちょっと異なる、彼女たちらしさをしっかりと維持した作品となっています。

特に、それに続く「Addiction」はノイジーなギターリフが前面に押し出された、シューゲイザー系からの影響を強く感じる作品になっていますし、「countdown」はガレージロックからの影響がストレートなヘヴィーなバンドサウンドに耳が行きます。さらに「Flower」も最初はメランコリックな歌を聴かせつつ、後半はノイジーでダイナミックなバンドサウンドが一気に前に押し寄せる作品となっており、ヘヴィーなサウンドを聴かせてくれます。

あえて言えばNTTドコモのCMソングになった「永遠のブルー」はポップなメロディーが前面に出ており、売れ線的なものも感じます。ただ、全体的には80年代以降のオルタナ系ギターロック、シューゲイザーやグランジなどの影響を強く受けたバンドサウンドに、ボーカル塩塚モエカのファルセットも多様したハイトーンで幻想的なボーカルの対比がユニークで、かつ、「売れ線」とは一線を画した独自の音楽性を感じます。そんなバンドの魅力が、前作に比べて本作はグッと前に出ていたように感じました。

人気アニメやらCMのタイアップがついたり、そこらへんの「事務所の力」も売れた要因のひとつかもしれませんが、ただ、その事務所のプッシュに見合うだけの実力の持ったバンドだと思います。ただ、彼女たちのようなバンドが売れたのならば、クラムボンだったり、赤い公園だったり、もっと売れてもよかったと思うんだけどなぁ。ここらへんはタイミングというのもあるのでしょうが。正直、前作「our hope」では、さほど個人的に羊文学にはまらなかったのですが、本作ではグッとその魅力を感じることが出来ました。

評価:★★★★★

羊文学 過去の作品
our hope


ほかに聴いたアルバム

THE UNION/Awich

Theunion

最近、女性ラッパーとして急速に注目を集めているAwichのニューアルバム。力強いラップからメランコリックな歌モノまで、一言でHIP HOPといってもバリエーションの多い作風が特徴的。「Burn Down」のようにメッセージ性の強い歌詞も特徴的。「RASEN in OKINAWA」のような沖縄音楽的な要素も入っている作品も魅力的。力強さと優しさが同居するような作風が彼女ならでは、といった感じでしょうか。

評価:★★★★★

喜哀/OMSB

Kiai

前作「ALONE」から約1年5ヶ月ぶりとなるSIM LABのトラックメイカー、OMSBの新作は8曲入りのミニアルバム。全体的には今回は哀愁漂うトラックが印象に残る作品。統一感のある仕上がりとなっています。リリックも、そんなトラックにピッタリとマッチし、日常を描きつつ、哀愁感漂う雰囲気なのが特徴的。特に物語性ある「Tenchi」のリリックは大きなインパクトに。またタイトルチューン「喜哀」「Memento Mori Again」のように、どこか前向きなメッセージ性あるリリックの作品も目立ち、メランコリックな雰囲気ながらも後味の良さを感じさせるアルバムになっていました。

評価:★★★★★

OMSB 過去の作品
Kitajima "36" SubLaw
Think Good
Alone

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2024年2月 8日 (木)

非アイドル系の新譜が目立つ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は、新譜にアイドル系以外が目立つチャートとなっています。

まず1位はTHE JET BOY BANGERZ「PHOTOGENIC」。LDH所属のダンスグループ。こちらは、どちらかというと「アイドル系」の枠内でしょうが・・・。本作がデビューアルバムとなります。CD販売数1位。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上4万9千枚で1位初登場となっています。

2位には韓国の男性アイドルグループSEVENTEEN「SEVENTEEN HEAVEN」が先週の3位からワンランクアップ。SEVENTEENは「SEVENTEEN JAPAN BEST ALBUM『ALWAYS YOURS』」も今週、先週の14位から4位にランクアップし、6週ぶりのベスト10返り咲きを果たしています。ここに来ての返り咲きの理由がいまひとつ不明なのですが・・・。

そして3位には非アイドル系。ケツメイシ「ケツノポリス13」が初登場でランクイン。CD販売数3位、ダウンロード数1位。毎回、ジャケット写真は沖縄の首里城をバックに撮影しているのですが、ご存じの通り、現在、首里城は工事中。今回も、工事中の建屋をバックに撮影されています。が、「12」と比べると工事は進捗しており、この工事状況の変化が貴重な記録になるかも??ちなみに完成は2026年だそうで、次のアルバムは完成後になるのか、もう1枚、工事中の首里城になるのか、楽しみ(?)なところです。オリコンでも初動売上2万2千枚で3位に初登場しています。前作「ケツノポリス12」の初動2万1千枚(3位)より微増。

続いて4位以下の初登場盤です。まず5位にmilet「Anythime Anywhere」がランクイン。CD販売数6位、ダウンロード数2位。日テレ系アニメ「葬送のフリーレン」エンディングテーマである表題曲を含む4曲入りのEP盤。オリコンでは初動売上1万1千枚で7位初登場。直近のオリジナルアルバム「5am」の初動1万7千枚(4位)からダウンしています。

6位にはKen Yokoyama「Indian Burn」がランクイン。CD販売数5位。ご存じ、ハイスタのギタリストによる約2年半ぶりのソロアルバム。オリコンでは初動売上1万2千枚で6位初登場。前作「4Wheels 9Lives」の初動1万5千枚(2位)からダウン。

そして10位にはQUEEN「絆 KIZUNA」がランクイン。CD販売数11位、ダウンロード数50位。現在、アダム・ランバートをボーカルに迎えて来日公演中のQUEEN。昨年末の紅白歌合戦にも出場し話題となりましたが、本作は来日記念盤としてリリースされた日本独自企画のライブベスト盤。オリコンでは初動売上5千枚で13位初登場。前作は前回の来日記念盤「GREATEST HITS IN JAPAN」で、同作の初動1万枚(7位)からはダウンしています。

また今週はベスト10圏外からの返り咲き組も。まず羊文学「12 hugs(like butterflies)」が先週のランク圏外から8位にランクアップ。8週ぶりのベスト10返り咲きを果たしています。これは先日リリースされたアナログ盤の影響によるランクアップとなります。

また、韓国の男性アイドルグループNCT127「Fact Check」が先週の22位から9位にランクアップ。昨年の11月22日付チャート以来、11週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。これは現在、来日公演中でライブ会場での売上が加味されたものと思われます。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2024年2月 7日 (水)

1位2位は2週連続

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

2024年を代表する大ヒットとなるのでしょうか。

今週1位は先週から変わらずCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」。ストリーミング数は先週から変わらず1位。ダウンロード数も4位から2位に再度アップ。ラジオオンエア数は7位から9位にダウンしたものの、先週から引き続きの1位獲得となっています。さらに2位も先週と変わらずtuki.「晩餐歌」がランクイン。こちらもストリーミング数は先週と同順位の2位をキープしたほか、YouTube再生回数も4位から2位にアップ。ダウンロード数こそ6位から7位にダウンしてしまいましたが、これで10週連続のベスト10ヒット&3週連続のベスト3ヒットとなりました。今後、この2曲がロングヒットを記録していくのでしょうか。ただ、ストリーミング数以外の順位がちょっと弱いようにも感じるのですが。

その2曲に抜かされる形になったものの、まだまだ強いのがAdoとYOASOBI。今週、Ado「唱」は5位から3位にアップ。2週ぶりのベスト3返り咲きとなりました。ストリーミング数4位、YouTube再生回数3位は先週から変わらず。ダウンロード数も12位から10位にアップ。これで22週連続のベスト10ヒット&通算20週目のベスト3ヒットとなりました。一方、YOASOBI「アイドル」は先週から変わらず5位をキープ。こちらもストリーミング数3位、YouTube再生回数5位は先週から変わらず。ダウンロード数は16位から20位にダウン。こちらはこれで43週連続のベスト10ヒットとなります。長らくデッドヒートを繰り返している両曲。先週は順位が逆転しましたが、今週は再び、「唱」が「アイドル」を抜き返しました。

続いて4位以下の初登場曲ですが、8位に秋元康プロデュースの女性アイドルグループ僕が見たかった青空「卒業まで」が初登場。CD販売数1位、ラジオオンエア数2位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上3万1千枚で2位初登場。前作「青空について考える」の初動2万4千枚(2位)からアップしています。

一方、ロングヒット曲ですが、まずMrs.GREEN APPLE「ケセラセラ」が今週8位から5位にアップ。ダウンロード数は17位から24位にダウンしたものの、ストリーミング数は先週と変わらず5位、YouTube再生回数も7位から6位にアップ。これで通算18週目のベスト10ヒットとなりました。ただし先週3位にランクインした「ナハトムジーク」は今週6位にダウン。Mrs.GREEN APPLEは今週も2曲同時ランクインとなりましたが、順位は入れ替わる結果となっています。

その他では、King Gnu「SPECIALZ」は10位から7位に再びアップ。土俵際の粘りを見せました。ダウンロード数は31位から36位にダウンしたものの、ストリーミング数は先週から変わらず7位。YouTube再生回数は11位から10位にアップしています。これで23週連続のベスト10ヒットとなりました。

さらにVaundy「怪獣の花唄」が11位から再び9位にランクアップ。2週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。カラオケ歌唱回数は今週も1位でこれで6週連続。ストリーミング数も先週と変わらずの8位をキープ。これでベスト10ヒットを通算54週に伸ばしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2024年2月 6日 (火)

ビール片手に心地よく・・・

キセル ワンマンツアー2024「春隣」

会場 名古屋JAMMIN' 日時 2024年1月26日(金)19:00~

Kiseru_live

2024年、最初のライブは、キセルのワンマンライブを名古屋伏見のJAMMIN'に見に行きました。キセルのワンマンライブを見るのは、2001年に下北沢のCLUB Queで行われた彼らの東京での初ワンマン以来、実に23年ぶり!その後もインストアライブなどで何度か彼らのステージは見ているのですが、ワンマンライブという形態では、かなり久しぶりのキセルのライブとなりました。

会場は椅子を置いたステージで、客の入りはそれなりなのですが総勢でも100名程度といった感じ。ただ、その分、のんびりとライブを楽しむことが出来ました。19時10分くらいにまずはキセルの辻村兄弟が登場してきます。

まず最初は「夕凪」からスタート。兄豪文はギター弾き語りでゆっくりと、弟友晴はフルートを吹きながらの2人のみのステージでまずはのんびりスタート。2曲目ではキーボードのサポート、野村卓史が参加。「山をくだる」「柔らかな丘」と続いていきます。このキーボードがなかなかジャジーな雰囲気となっており、特に「柔らかな丘」では原曲に比べてかなりジャジーな雰囲気のアレンジに。一味違った演奏を楽しめました。

この日、豪文の前にはドラムがセットされていたのですが、MCを挟んで続く「私は知らない」ではドラムを叩きながらの歌を聴かせてくれるスタイルを披露してくれました(本人曰く「C-C-Bスタイル」だそうです)。さらにMCでは、千種駅のホームでの立ち食いのお店でお酒が飲めるという話に。千種駅なんて話題が出たのがちょっと意外でしたが、そういえば、駅のホームにある立ち食いきしめんの店って、お酒も提供していたっけ・・・と思い出しました。なるほど、駅のホームでのちょっとした飲み、なかなかよさげですね(笑)。

その後はまだCD化されていない「草葉の陰より」という曲やインスト曲なども披露。またサポートは一度下がり、2人に戻って「島根」を聴かせてくれました。その後のMCでは、この日、なんと友晴は彼の楽器であるミュージックソウを忘れた、という話に。そういえば彼のトレードマークのはずなのに今日は演奏しないのかな、と思っていたのですが、まさか忘れたとか(笑)。名古屋中を探したそうですが、入手できなかったそうです。比較的、珍しい楽器ですからね・・・。

続いての「君の犬」では、ミュージックソウならぬフルートでの演奏。さらにはっぴいえんどの「しんしんしん」のカバー、再びサポートを加えて3人での「たまたま」へと続きます。その後はMCを挟んで後半戦へ。「富士と夕闇」や「ひとつだけ変えた」などを披露し、本編ラストは「タワー」で締めくくりました。

その後はもちろんアンコールへ。アンコールでは、なんと友晴が、忘れたと言っていたミュージックソウ(らしきもの)を持って登場し、観客から歓声があがります。なんでも、サポートの野村卓史の知り合いに名古屋で板金工をやっている人がいて、ミュージックソウの形状を聞いて、急遽、それに似たものを作ってもらったのだとか。もっとも、出来たからといって上手く音が出るとは限らないため黙っていたそうですが、実際に届いて演奏してみると、ちゃんと演奏できる代物となっていたため、アンコールではこのミュージックソウもどきを持っての登場となったそうです。

実際、アンコール後のMCで披露した演奏は、本物と比べて違和感ない音色を出していました。さすがプロの仕事だ・・・。このミュージックソウもどきの演奏で、「くちなしの丘」へ。さらにアンコールではこの日のツアータイトルにちなんで作った新曲「春隣」を披露。さらにラスト1曲(曲名はわからず・・・)でこの日のステージは終了。約2時間強のステージとなりました。

かなり久々のキセルのステージだったのですが、非常に素晴らしいステージでした。特に前半は、ビールを飲みながら心地よくステージを眺めていたのですが、このちょっと酔った中で聴くキセルの音楽が、この上なく心地よい!とても気持ちよく演奏を楽しむことが出来ました。さらにこの日はサポートのキーボードの影響もあってか、原曲に比べてよりジャジーな雰囲気の強いパフォーマンスになっているように感じました。このオリジナル音源とはまたちょっと異なる演奏も大きな魅力と言えるでしょう。とても素晴らしいステージでした。

あらためてキセルの魅力を実感できたステージ。本当にもっと売れてもいいミュージシャンだと思うんですけどね。まあ、自分もかなり久しぶりのステージだっただけに、人のことは言えないのですが・・・。それだけに、次はもっと短いスパンで、またワンマンライブに足を運びたいなぁ。本当に心地よさを感じる、時間が過ぎ去るのがあっという間に感じた2時間でした。

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2024年2月 5日 (月)

2023年年間ベストアルバム(邦楽編)その2

昨日に引き続き年間私的アルバム邦楽編。今日は5位から1位までです。

5位 12/坂本龍一

聴いた当時の感想は、こちら

2023年はミュージシャンの訃報が相次いだことが話題となりました。その一人が坂本龍一。癌の闘病生活の末に、昨年、惜しまれつつこの世を去りました。その彼が最期にリリースしたアルバムが本作。闘病時期の日記のように、日付を記したタイトルの曲が収録されている曲は、アンビエントの作品が並びます。ひとつひとつの音を丁寧に紡ぐその姿は、最後の最後までミュージシャンとして挑戦を続ける坂本龍一の矜持を感じされます。なお、アメリカのPitchforkでの年間ベストで40位にランクインするなど、世界的な評価も高く、「世界のサカモト」の姿を見せつけた傑作ともなっています。

4位 1STST/TESTSET

聴いた当時の感想は、こちら

もともとは高橋幸宏を中心としたバンドMETAFIVEが、小山田騒動や高橋幸宏の体調不良により活動を休止。その派生グループとしてメンバーの砂原良徳とLEO今井を中心に結成された新バンドがTESTSET。本作は、そのデビュー作となります。一流のプレイヤーたちが揃ったTESTSETの魅力は、基本的にはエッジの効いたファンキーなサウンドが最高にカッコいいのですが、さらにそこにのるLEO今井のボーカルのカッコよさが際立ちます。彼のボーカルはいわば非常に端正で、ともすれば「ベタ」と表現されるものなのですが、それがファンキーなサウンドにピッタリとマッチ。素直にそのカッコよさを楽しめる傑作に仕上がっていました。

3位 e o /cero

聴いた当時の感想は、こちら

純粋に完成度の高さという観点で言えば、おそらく2023年の最高傑作と言えるアルバムでしょう。ceroのバンドとしては実に5年ぶりとなるニューアルバム。もともと、ジャズやHIP HOPをベースにジャンルレスな音楽を奏でてきたバンドである彼らでしたが、今回はネオソウル、AOR、ジャズ、エレクトロ、ダンスミュージックなど様々な要素を自身の音楽に取り入れたジャンルレスな音楽性が魅力的。その様々なジャンルがどれも最高レベルの水準の音を奏でているあたり、バンドの圧倒的な実力を感じさせます。バンドのさらなる高みへの到達を感じさせる傑作でした。

2位 感覚は道標/くるり

聴いた当時の感想は、こちら

2023年最大の音楽ニュースのひとつが、間違いなくオリジナルくるりの再集結でしょう。2002年に脱退したくるりのオリジナルメンバーのドラマー森信行がくるりの最新アルバムに参加。オリジナルメンバー3人でのアルバム制作は大きな話題となりました。その最新アルバムは、くるりのバンドとしての側面、スリーピースバンドとしての魅力を織り込んだ作品となっています。楽曲を作り込むというよりも、バンドセッションの中で生み出されたような曲が並ぶ今回のアルバム。3人組バンドだった初期くるりを彷彿とさせつつ、ただ一方では初期くるりとは異なる、年月を経て成長した3人だからこそ生み出せる、あらたなくるりの姿がありました。文句なしの傑作です。

1位 RABBIT STAR★/水曜日のカンパネラ

聴いた当時の感想は、こちら

上半期で1位を獲得した水曜日のカンパネラが年間ベストでも1位を獲得!水カンの1位獲得は、2年連続1位となった2016年の「UMA」以来3作目!ただ、ボーカルがコムアイから詩羽に代わり、どうなるのか心配していたのですが、今となっては既に水カンのボーカルは詩羽以外考えられなくくらいのはまりようで、全楽曲が傑作という、とんでもないアルバムに仕上がりました。上半期にも書いたのですが、ケンモチヒデフミの衰えない才能のすごさに改めて感嘆してしまう傑作アルバム。ちなみに本作はEP盤で、まだ詩羽としてのアルバムは未発売。来るべきフルアルバムにも期待せざる得なくなってきます。

あらためて1位から10位を並べると・・・

1位 RABBIT STAR★/水曜日のカンパネラ
2位 感覚は道標/くるり
3位 e o /cero
4位 1STST/TESTSET
5位 12/坂本龍一
6位 映帶する煙/君島大空
7位 miss you/Mr.Children
8位 大人の涙/マカロニえんぴつ
9位 タオルケットは穏やかな/カネコアヤノ
10位 夢中夢-Dream In Dream-/cornelius

ほかのベスト盤候補は・・・

あのち/GEZAN with Million Wish Collective
今の二人をお互いが見てる/aiko
イノセント/スガシカオ
夜汽車を貫通するメロディヤ/中川敬
no public sounds/君島大空
Sonicwonderland/上原ひろみ Hiromi's Sonicwonderland
8/ROTH BART BARON
Almost there/GRAPEVINE
日本民謡珍道中/民謡クルセイダーズ

上半期は不作ぶりが目立ったものの、年間通じてみると、なんだかんだ言っても多くの傑作が揃った1年になったように思います。今年もまた、たくさんの素晴らしいアルバムと出会えますように!

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  
上半期
2021年 年間1  上半期
2022年 年間1  上半期
2023年 上半期

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2024年2月 4日 (日)

2023年年間ベストアルバム(邦楽編)その1

洋楽編に引き続いて、年間私的ベストアルバム、今日明日は邦楽編です。

10位 夢中夢-Dream In Dream-/cornelius

聴いた当時の感想は、こちら

率直に言うと、一時期はミュージシャン生命が断たれるのではないか、と心配したcornelius。無事、ニューアルバムがリリースされたことにはほっとしています。ただ、新作リリースに際しても、別にネット上が炎上する訳ではなく、メディアの取材を受けていましたが、それに関しても何か騒ぎになる訳ではなく・・・一体、あの何なんでしょうね、といった感は否めません。新作はそんな騒動が影響を受けたのでしょうか、より内面に向き合ったアルバムに。サウンド的には従来の路線を引き継いだものなのですが、よりポップな歌モノのアルバムに仕上がった点が特徴的。今回も期待通りの傑作に仕上げてきました。

9位 タオルケットは穏やかな/カネコアヤノ

聴いた当時の感想は、こちら

最近、女性ソロシンガーの活躍が目立ちますが、そんな中でも個人的にはもっとも注目している女性シンガーソングライター、カネコアヤノの新作。バンドサウンドを前に押し出したロッキンなアレンジと、しっかりと聴かせるフォーキーなメロディーラインの対比がユニークなのですが、今回のアルバムはいつも以上にギターサウンドやバンドサウンドを前に押し出したロック色の強い作品に仕上がっています。前作に比べると、バリエーションという観点では一歩下がるのですが、その分、楽曲全体の統一感を覚える作品に。今回も文句なしの傑作でした。

8位 大人の涙/マカロニえんぴつ

聴いた当時の感想は、こちら

あまり音楽に詳しくない人から「最近のおすすめを教えて」と言われることがよくあるのですが、正直、なかなか難しい質問だったりします。比較的万人受けしつつも、音楽的なクオリティーも高い、最近、人気上昇中のミュージシャンとなると、誰をお勧めするのか、非常に迷ってしまいます。ただ、現時点において、おそらくそんな質問に対してまずはお勧めできるであろうミュージシャンがマカロニえんぴつ。いい意味でのJ-POP的要素が強いインパクトあるメロディーラインにバリエーションのある音楽性、なによりも良質な「歌」を聴かせてくれるバンドで、ここ数作、勢いのある傑作が続きましたが、本作はそんな中でも彼らの到達点とも言える傑作に仕上がっていました。幅広いリスナー層にお勧めできる名盤です。

7位 miss you/Mr.Children

聴いた当時の感想は、こちら

2022年にメジャーデビュー30周年を迎えたミスチルが、約2年10か月ぶりにリリースした新作。本作はメンバー4人だけがプライベートスタジオに集結し録音したアルバムとなったそうですが、結果として全体的にシンプルな作風かつメロディアスな曲が並びます。おそらく日本でトップクラスの人気を誇る彼らなだけに、ここ最近のアルバムはまさに「大物ミュージシャン」として求められるようなスケール感のある作品が続きましたが、本作は、ミスチルの「コア」な部分を掘り起こしたアルバムとも言えるでしょう。なにより、このシンプルな作風は個人的に私が中高生の頃の作風すら彷彿とさせる傑作に。あらためてミスチルの魅力を実感できた作品でした。

6位 映帶する煙/君島大空

聴いた当時の感想は、こちら

カネコアヤノの項に「女性シンガーソングライターが」と書いたのですが、男性シンガーソングライターも注目株が続々と登場しています。君島大空も間違いなくその1人。ハイトーンボイスを軸に、アコースティックギターやバンドサウンド、エレクトロやサンプリングなどを自在に用いる音楽性が魅力的。自由度の高い音楽性ながらも、そのボーカルやメロディーラインでしっかりとまとめあげる統一感も覚えることが出来ます。ちなみに2023年は「no public sounds」というアルバムをもう1枚リリース。こちらも傑作に仕上がっていました。今、もっとも勢いのあるミュージシャンの一人と言って間違いないでしょう。

明日は5位から1位!

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2024年2月 3日 (土)

2023年年間ベストアルバム(洋楽編)その2

昨日に引き続き、私的年間ベストアルバム。今日は洋楽編の5位から1位の紹介です。

5位 False Lankum/Lankum

Falselankum

聴いた当時の感想は、こちら

アイリッシュ・フォークにロックの要素を取り入れて高い評価を集めているバンドLankum。ワールドミュージックにカテゴライズされるようなミュージシャンでありつつ、ポップシーンでも高い評価を受けた1枚となっているのですが、その理由は納得。アイリッシュ・フォークを軸にしつつ、ヘヴィーロックやサイケの要素を取り入れた独特の音楽性が魅力的。一方、フォークというカテゴリーにおいてもアコギのみで美しいメロディーを聴かせるシンプルな曲もあったりして、バンドとしての懐の深さを感じさせます。高い評価が納得の傑作アルバムです。

4位 KNOWER FOREVER/KNOWER

ドラマーであり、プロデューサーやシンガーソングライターとしても活躍しているLouis Coleと女性ボーカリストGenevieve Artadiとのデゥオによるアルバム。Louis Coleは直近のアルバム「Quality Over Opinion」が2022年の年間私的アルバムの10位にランクインしていますが、基本的には、同作と同じような方向性ながらも、女性ボーカリストを入れたことにより、よりポップスさが増した感じが。エレクトロを軸としつつ、ジャズやファンク、さらに超絶なドラムプレイも聴かせてくれるなど、凝ったサウンド構成の中、メロディーは至ってキュートでポップ。年末、ギリギリのリリースでしたが、一気にはまった傑作アルバムでした。

3位 the record/boygenius

聴いた当時の感想は、こちら

それぞれがソロミュージシャンとしても活動しているPhoebe Bridgers, Julien Baker, Lucy Dacusから結成されたスーパーグループ。それぞれがリードボーカルを取り、リードボーカルを取った曲には基本的にそれぞれの作った曲が歌われます。3人とも、オルタナ系という共通項はありつつ、微妙に音楽性が異なる3人。それにも関わらず、アルバム全体としてしっかりとした統一感があるのは不思議なところでありつつ、なおかつそれぞれのメンバーの実力も感じさせます。3人のメンバーの相性の良さも感じさせるアルバム。末永く活動を続けてほしいなぁ。

2位 10,000 gecs/100 gecs

聴いた当時の感想は、こちら

100 gecsはアメリカのハイパーポップデゥオによる新作。エレクトロやハードコア、HIP HOPやスカなどを取り交ぜた様々なポップチューンがつまったアルバムとなっており、何でもありな感じがとにかく楽しく、聴いていて素直にワクワクするようなアルバムに仕上がっています。アルバム全体も10曲入り27分弱というあっという間の展開も楽しさに大きなプラスの要素。「おもちゃをひっくり返したような」というちょっと陳腐な表現がピッタリくる、誰もが楽しめそうな、そんなポップアルバムの傑作でした。

1位 Rat Saw God/Wednesday

聴いた当時の感想は、こちら

上期1位だったWednesdayのアルバムが、そのまま年間アルバムでも1位獲得。同バンドのギタリストMJ Lendermanのアルバム「Boat Songs」は昨年の年間ベストの3位でしたが、今年は本体の方が見事1位獲得です。シューゲイザーや80年代インディーロックの影響をダイレクトに受けたサウンドに、一方ではカントリーのサウンドを融合させ、シューゲイザー直系でありつつもWednesdayらしい独自性を感じさせるアルバムに仕上がっています。文句なしの年間1位の傑作アルバムでした。

あらためてベスト10を振り返ると・・・

1位 Rat Saw God/Wednesday
2位 10,000 gecs/100 gecs
3位 the record/boygenius
4位 KNOWER FOREver/KNOWER
5位 False Lankum/Lankum

6位 Heavy Heavy/Young Fathers
7位 Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua/Ana Frango Eletrico
8位 After the Magic/Parannoul
9位 Did you know that there's a tunnel under Ocean Blvd/Lana Del Rey
10位 The Death Of Randy Fitzsimmons/The Hives

ほかの年間ベスト候補作として・・・

Ever Loser/IGGY POP
This Stupid World/Yo La Tengo
Desire,I Want to Turn Into You/Caroline Polachek
Dogsbody/Model/Actriz
First Two Page of Frankenstein/The National
Multitudes/Feist
But Here We Are/Foo Fighters
THE BALLADS OF DARREN/blur
softscares/yeule
Nothing Lasts Forever/TEENAGE FANCLUB
GUTS/Olivia Rodrigo
Changing Channels/Pangaea
The Land Is Inhospitable and So Are We/Mitski
Selvutsletter/Lost Girls
ASAP insallah/Ya Toshiba

今年も素直に傑作アルバムが多い1年だったと思います。ここ最近、豊作の年が続いており、シーン全体として活性的・・・なのですが、日本だといまひとつ洋楽が売れていないのは残念。傑作アルバムは多いのですが。

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  上半期
2021年 年間1  上半期
2022年 年間1  上半期
2023年 上半期

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2024年2月 2日 (金)

2023年年間ベストアルバム(洋楽編)その1

今年も恒例、年間私的ベストアルバム。今日から4日間にわたってお届けします。まずは洋楽編。

10位 The Death Of Randy Fitzsimmons/The Hives

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The Hives完全復活!!そう高らかに叫びたくなってくるようなスウェーデンのガレージロックバンドによる約11年ぶりとなるニューアルバム。バンドの初期衝動をそのまま体現化したシンプルなガレージロックに、ポップなメロディーラインが大きな特徴の彼ら。2001年にリリースした「Your New Favorite Band」にどっぷりはまってしまったのですが、同作ほどの初期衝動はそれ以降のアルバムから徐々に消えていき、そしてバンドも活動休止となってしまいます。そんな彼らが復活!その最新作はバンドとしての初期衝動が復活したといって過言ではない作品となっており、The Hivesの魅力を遺憾なく発揮した傑作となっていました。

9位 Did you know that there's a tunnel under Ocean Blvd/Lana Del Rey

聴いた当時の感想は、こちら

最近はアルバムの積極的なリリースが続き、さらにアルバムをリリースする毎に傑作アルバムという脂ののった状態である彼女。古き良きアメリカをイメージするような、レトロな雰囲気漂わせるポップソングが魅力的な彼女ですが、本作はそんなレトロというイメージ以上に純粋に「歌」で勝負をかけるような作品に。HIP HOPやエレクトロの要素を取り入れつつも、基本的にシンプルな歌で勝負をかけた作品なのですが、彼女の曲やボーカルの美しさ、優しさに魅了される、そんな傑作に仕上がっていました。思わず聴き惚れてしまう、そんな傑作です。

8位 After the Magic/Parannoul

聴いた当時の感想は、こちら

最近は日本のみならず世界を席巻しているK-POP勢ですが、そんなアイドルポップとは一線を画する韓国のミュージシャンが彼。宅録系ミュージシャンであるParannoulは、シューゲイザーの正統な継承者といっても過言ではない作品が魅力的で、作品を埋めつくすギターのホワイトノイズの嵐とキュートでポップなメロディーラインに魅了されること間違いなしのアルバムとなっています。歌が韓国語という点も、ちょっと異世界感があってシューゲイザーの世界にマッチ。シューゲイザー好きはまずは聴くべき1枚です。

7位 Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua/Ana Frango Eletrico

聴いた当時の感想は、こちら

ブラジルで活躍している25歳のシンガーソングライターによる最新作。ブラジルの現代音楽の中で最も注目を集めるシンガーのひとりだそうですが、ブラジル音楽的な要素を加味しつつ、ソウルミュージックやラウンジ、ファンクの影響を感じるメロディアスなポップソングが魅力的。ブラックミュージックを取り込みつつ、ほどよくおしゃれであか抜けた都会派ポップというイメージは、日本で言うところの渋谷系を彷彿とさせる部分もあります。ワールドミュージックのカテゴリーに入るような作品ですが、幅広いリスナー層にお勧めできる作品です。

6位 Heavy Heavy/Young Fathers

聴いた当時の感想は、こちら

スコットランドのエディンバラ出身の3人組HIP HOPユニットによる最新作。カテゴリー的にはHIP HOPにカテゴライズされるようですが、HIP HOPというよりもロックやR&B、ゴスペルにトラッドまで取り入れたごちゃまぜの音楽性が魅力的。非常に自由度の高いポップソングを聴かせつつ、ブラックミュージックのグルーヴ感も同時に感じさせてくれる作品となっています。この、ある意味「こだわりのない」自由度の高い音楽性は、イギリスならではといった感じもするグループ。様々な音楽性を取り入れた音楽だからこそ、最後まで全く飽きることなく楽しめる作品となっていました。

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2024年2月 1日 (木)

今週もアイドル勢が並ぶ中・・・

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週のアルバムチャートもアイドル勢が並ぶチャートとなっています。

まず1位はスターダストプロモーション所属の女性アイドルグループ超ときめき♡宣伝部「ときめく恋と青春」がランクイン。CD販売数1位、ダウンロード数22位。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上2万9千枚で1位初登場。直近のミニアルバム「ハートギュッと!」の初動1万2千枚(5位)からアップ。フルアルバムとしての前作「ときめきがすべて」の初動4千枚(26位)からもアップ。

2位初登場はUNDEAD「あんさんぶるスターズ!!アルバムシリーズ 『TRIP』」。CD販売数2位、ダウンロード数13位。男性アイドル育成ゲーム「あんさんぶるスターズ!!」のキャラクターソングCD。オリコンでは初動売上2万1千枚で2位初登場。同シリーズの前作、ALKALOID名義による「あんさんぶるスターズ!!アルバムシリーズ 『TRIP』」の初動2万2千枚(5位)から微減。

3位には韓国の男性アイドルグループSEVENTEEN「SEVENTEEN HEAVEN」が先週の36位からランクアップし、ベスト10返り咲き。昨年12月27日付チャート以来、5週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。今回、いきなりベスト10返り咲きを果たした理由はいまひとつ不明ですが、何かの販促キャンペーン等の影響とは思われます。

続いて4位以下の初登場盤ですが、まず4位に韓国の男性アイドルグループTWS「Sparkling Blue」が初登場でランクイン。CD販売数4位、ダウンロード数37位。こちらがデビュー作のミニアルバムとなります。オリコンでは初動売上1万7千枚で3位初登場。

5位初登場は筒井順政「『呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変』オリジナル・サウンドトラック」。CD販売数5位、ダウンロード数30位。TBS系アニメ「呪術廻戦」のサントラ盤。オリコンでは初動売上9千枚で5位初登場。

6位にはワンダーランズ×ショウタイム「ワンダーランズ×ショウタイム SEKAI ALBUM vol.2」がランクイン。CD販売数7位、ダウンロード数5位。スマートフォン向けリズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」に登場するアイドルグループによるアルバム。オリコンでは初動売上6千枚で8位初登場。同シリーズの前作、Vivid BAD SQUAD名義による「Vivid BAD SQUAD SEKAI ALBUM vol.1」の初動1万8千枚(2位)よりダウンしています。

8位初登場は手越祐也「絆-KIZUNA-」。CD販売数9位、ダウンロード数4位。元ジャニーズ系、NEWSの元メンバーで、現在はフリーランスとして活動している彼の2枚目となるミニアルバム。オリコンでは初動売上4千枚で9位初登場。直近作のフルアルバム「CHECKMATE」(4位)から横バイ。3作連続初動売上が4千枚となっており、完全に固定ファン相手となっているのでしょうか。

こんな感じでアイドル系が並ぶ中、なんと!9位初登場となったのがZAZEN BOYS「らんど」!ご存じ、向井秀徳率いるロックバンドも、実に約11年4か月ぶりとなるニューアルバムがベスト10入り。CD販売数12位、ダウンロード数3位。オリコンでは初動売上4千枚で13位初登場しています。

また今週、ベスト10返り咲き組として、King Gnu「THE GREATEST UNKNOWN」が先週の14位から10位にランクアップ。3週ぶりのベスト10返り咲きを果たしています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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