The Chemical Brothers、健在
Title:For Tha Beautiful Feelings
Musician:The Chemical Brothers
イギリスを代表するエレクトロ系ミュージシャンであり、日本でも高い人気を誇るグループThe Chemical Brothers。彼らの約4年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。毎回、ダンスミュージックの安直なブームにのらず、彼ららしい路線を追及し続けるThe Chemical Brothers。今回もそんな彼ららしい独特な路線を感じつつも、一方ではThe Chemical Brothersとしては「らしさ」を感じさせるアルバムになっていました。
オープニングに続く2曲目「Live Again」はフレンチポップのシンガー、Halo Maudがボーカルで参加。ロック的な要素も入った高揚感あるサウンドがケミブラらしいのですが、その中でHalo Maudのメランコリックさを感じる声が入ってくるあたりで独特のサウンドを感じさせます。一方「No Reason」は途中に入る掛け声にちょっとベタさを感じるミニマルなテクノチューン。ある意味、わかりやすい高揚感は魅力に感じますし、続く「Goodbye」は、ダイナミックなビートがケミブラらしくも、サイケさも感じるエレクトロサウンドは独自性も感じさせます。
後半の軸となっているのがBeckが参加した「Skipping Like A Stone」。スペーシーなサウンドにメロディアスなポップが重なったサウンドがこれまたユニークさとユーモラスさも感じさせる曲。「Feels Like I Am Dreaming」も力強いビートにダイナミックさを感じさせる、こちらはThe Chemical Brothersの王道とも言える楽曲となり、リスナーを一気に盛り上げるナンバーに。そしてラスト「For That Beutiful Feelings」は再びHalo Maudが参加。彼女のボーカルを聴かせつつ、ゆっくり力強いビートが奏でられるナンバーで、高揚したリスナーをゆっくりと落ち着けるチルアウト的なナンバーでの締めくくりとなります。
このようにエレクトロダンスミュージックを奏でつつ、全11曲、バリエーションを感じさせる展開も魅力的なナンバー。正直なところ、決して目新しいという印象はないのですが、The Chemical Brothersらしさを感じさせるダンスチューンの連続に、ファンならずとも素直に楽しめるアルバムになっていたと思います。The Chemical Brothersの健在ぶりを感じさせるアルバムでした。
評価:★★★★★
The Chemical Brothers 過去の作品
Brotherhood
Further(邦題:時空の彼方へ)
HANNA
Born In The Echoes
No Geography
Surrender(20th Anniversary Edition)
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