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2023年9月 2日 (土)

久々のスキヤキナゴヤ!

スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド 名古屋2023

JUPITER&OKWESS/Sabalikan

会場 TOKUZO 日時 2023年8月28日(月)19:00~

毎年、富山県南砺市で行われているワールドミュージックのフェスティバル、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド。その派生イベント、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド 名古屋に出かけてきました。以前は毎年実施されていたのですが、2017年を最後に(コロナ禍とは関係なく)しばらく実施されていなかったイベント。ただ、コロナ禍が無事明けたこともあって、久しぶりにスキヤキ名古屋も復活。個人的には2017年には足を運ばなかったので、2016年以来、7年ぶりに足を運んできました。

まず最初に登場したのは、Sabalikanというグループ。愛知・岐阜を中心に活躍する西アフリカのジャンベという楽器の奏者、野口UFO義徳が、西アフリカで、いわば吟遊詩人のような役割を果たすグリオの後継者であり、元マリの国立舞踏団のパーカッショングループのりだーだったDramane Diabateと組んだユニット。そこに同じくパーカッショニストのMAYUとギタリストの武藤裕志を加えた4人組のユニットでした。

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3人のパーカッショニストによるトライバルで力強いリズムが印象的。ポリリズムなパーカッションにギターの音色が重なるという、独特のサウンドが特徴的でした。この日披露した音楽は主にマリの民謡だそうで、いずれもパワフルなリズムが気持ちよい楽曲でした。Dramane Diabateは、最初、西アフリカの太鼓、ジャンベを叩いていたのですが、後半は同じく西アフリカの楽器、ドゥンドゥンに持ち替えてのプレイに。彼はもともとこちらのドゥンドゥンの方が本職らしく、むしろドゥンドゥンに持ち替えてからの方が本番(?)のように、これでもかというようにドゥンドゥンを叩きまくっていました。まさに、水を得た魚のよう!Dramane Diabateのドゥンドゥンをベースとしたパワフルなパフォーマンスを見せ、約1時間のステージの幕が下りました。

そして続いて登場したのはJUPITER&OKWESS。ボーカルのジュピター(ジュピテール)ことジャン=ピエール・ボコンジはコンゴの首都キンシャサで20年以上活動を続けているミュージシャン。blurのデーモン・アルバーンによるプロジェクト「キンシャサ・ワン・ツー」にも参加していたほか、2013年にリリースしたアルバム「HOTEL UNIVERS」も大きな評判となりました。彼らは前日までスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドに参加。その後、名古屋に移動して、この日のステージとなりました。

実は彼らのステージを見るのは今回がはじめてではなく、これが2回目。2014年にもスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドのために来日しており、その時のステージを目撃しました。非常に素晴らしいステージで、個人的に2014年のベストライブの2位にあげたほど。それだけにこの日のステージもとても楽しみにしていました。

メンバーが登場して演奏をスタートすると、会場の空気がグッと変わりました。前に出ていたSabalikanのステージも良かったのですが、それを明らかに上回るテンションの高いリズミカルな演奏。それまで椅子席に座っていた客がほぼ全員立ち上がり、メンバーと共に踊り始めました。私も同じだったのですが。

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メンバーはジュピターを含めて5人組。ジュピター自身は非常にやせ型の長身で、その柔軟な体を生かしてステージ上で踊りまくっています。ちなみになぜかドラムスがプロレスマスクをかぶり、やけに目立っていたのも印象的でした(笑)。

楽曲はアフリカ的なトライバルなリズムにのるものの、バンド編成を見ればわかるように、基本的にはギター&ベース&ドラムスというロックをベースとしたスタイルのため、同時にロックの要素も強いステージ。コンゴの音楽の強烈なリズムとグルーヴ感に、ロック的なダイナミズムが加わった感じで、最初から最後までクライマックスが続くような、テンションあがりまくりのステージになっていました。

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ボーカルはジュピターのみならず、他のメンバーも交互にボーカルを取っていた感じ。むしろジュピター本人は、曲に合わせて踊りまくっていた姿の方が印象的。電気の瀧みたいな感じ??

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途中から日本人のプレイヤーも演奏に参加。彼女に感じては特にアナウンスがなかったのですが、以前もライブでお見掛けしたような気が・・・。ちなみに途中のMC、ジュピターの英語はおそらくフランス語か現地語まじりなのかでちょっとわかりにくかったのですが、(現地の)「リンガラ語は日本語と似ているため覚えやすい」と話していたそうで、彼女が通訳してくれていました。

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後半にはさらに観客をステージ上にあげて盛り上げます。SabalikanのMAYUもステージ上に登場!

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子供たちもステージ上に参加。メンバー誰かのご子息でしょうか?

そんな大盛り上がりのステージが、最後までテンション途切れることなく、一気に繰り広げられました。本編は約1時間強。もちろんアンコールが起きます。ただ、比較的時間も押していたようで、早めにメンバーが再度登場してきました。もちろんアンコールも大盛り上がり。途中、ジュピターが客席に下りてきます。

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最後は、会場全体が最高潮に盛り上がりつつライブは終了。アンコール含めて1時間半弱のステージ。最後の最後まで大盛り上がりの文句なしの素晴らしいパフォーマンスでした。

最初にも書いた通り、コンゴ音楽のトライバルでグルーヴィーなリズムに、ロック的なダイナミズムが加わった、まさに身体が知らず知らずに動き出すようなそんなステージ。本当にあっという間の1時間半でした。まだ、この後も行く予定のライブはあるのですが、現時点で暫定今年のベストアクト!大満足のパフォーマンスでした。

2組のステージで終わったのは10時ちょっと前。合わせて3時間弱のライブだったのですが、あっという間に過ぎ去った素晴らしいステージ。心の底から楽しめたパフォーマンスで、派生イベントとはいえ、やはりスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドは素晴らしいなぁ、と感じました。来年もまた名古屋でもイベントをやってほしいし、また砺波にも行きたい!そう強く感じた夜でした。

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