デビュー50周年のオールタイムベスト
Title:Greatest Hits
Musician:Aerosmith
日本でも高い人気を誇るロックバンド、エアロスミス。1973年にデビューした彼らは、今年デビュー50周年の年を迎えたそうです。そのデビュー50周年を記念して、彼らの全キャリアを網羅したオールタイムベストがリリースされました。通常盤はCD1枚。ただ、Deluxe EditionとしてCD3枚に収録したバージョンがリリースされたほか、日本独自企画として、それにライブアルバムをつけ、最大、CD6枚組となるバージョンもリリースされたそうです。今回は、私はCD3枚組のDeluxe Editionをチェックしました。
エアロスミスというと、典型的なハードロックバンドというイメージが強くあります。特に最近では本作にも収録されている映画「アルマゲドン」のテーマ曲「I Don’t Want To Miss A Thing」のイメージも強く、スケール感のあるバラードであるこの曲の印象から、スタジアムロックバンド的なイメージも強くついている感じもします。ただ、「I Don't Want To Miss A Thing」は、もう25年も前の曲になるのですね・・・。
今回のベスト盤、3枚組のDeluxe Editionでは全44曲が発表順に並べられています。そのため、バンドとしての歩みがよくわかるような構成になっているのですが、確かに、典型的なハードロックといった印象の曲も少なくありません。例えば「Let The Music Do The Talking」などは、まさに典型的なハードロックといったナンバー。比較的最近の曲だと「We All Fall Down」もスケール感もって聴かせるハードロック的なバラードナンバーとなっています。
ただ一方ではこのベストアルバムを聴いて、エアロスミスを典型的なハードロックバンドと単純視できたい音楽性も感じました。そもそも80年代前半に人気が落ち込んでいた彼らを復活させた「Walk This Way」はHIP HOPユニット、Run D.M.C.とのコラボでしたし(正確にはRun-D.M.C.が「Walk This Way」をサンプリングした形ですが)、最初期のナンバー「Dream On」などはむしろフォークロック的な雰囲気すらあります。
もっとも顕著なのはルーツロック、ロックンロールからの影響で、「Adam's Apple」「Bright Light Fright」のようなロックンロール亭なナンバーは少なくありません。「Dude(Looks Like Lady)」なんかはローリングストーンズ的な雰囲気も感じさせます。最近の曲になればなるほど、比較的、いかにもなハードロックナンバーは多く、良くも悪くもベテランらしいベタなスケール感を覚えるのですが、最後に収録された「Just Push Play」など、軽快なギターリフが躍動感のあるロックナンバーに仕上がっており、いまだに若々しさを感じられる曲になっていました。
もちろん、力強いギターリフ主導のハードロックナンバーも文句なしにカッコいいのも事実。音楽的な幅広さを含めて、あらためてやはりロックバンドとしてのエアロスミスのカッコよさを感じられたオールタイムベストだったと思います。50年間の活動は伊達じゃない、と思い知らされたアルバムでした。
評価:★★★★★
AEROSMITH 過去の作品
Devil's Got A New Disguise(エアロスミス濃縮極極ベスト)
Music From Another Dimension!
ほかに聴いたアルバム
Live in Brooklyn 2011/Sonic Youth
2011年8月12日にニューヨークのブルックリンで行われたライブの模様を収録されたライブアルバム。バンドはその後、南米をツアーした後に解散を発表していますので、まさにバンドとして最終期のパフォーマンス。ある意味、非常に貴重な音源となっています。ただ、パフォーマンスとしては、決してこれが最後といった雰囲気はなく、30年以上、活動を続けたバンドなだけにいい意味で安定感のあるパフォーマンス。激しいノイズは圧巻で、ライブを一度見たかったな、と感じてしまいました。
評価:★★★★★
Sonic Youth 過去の作品
The Eternal
In/Out/In
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