2023年上半期 洋楽ベスト5
灼熱の日が続いていますが、今年も半分以上が経過。早くも恒例、上半期私的ベストアルバムの紹介です。
5位 Did you know that there's a tunnel under Ocean Blvd/Lana Del Rey
聴いた当時の感想は、こちら
最近、積極的なアルバムリリースが続き、なおかつどの作品も傑作揃いというLana Del Rey。本作も前作からわずか約1年半というインターバルで届けられたニューアルバム。全体的にシンプルで、あくまでも彼女の美しい歌を聴かせようとするスタイルのアルバムに仕上がっているのですが、シンプルな内容ながらも最後まで全くダレることなく一気に聴くことが出来るあたりに、彼女の実力を感じさせます。安定の傑作です。
4位 After the Magic/Parannoul
聴いた当時の感想は、こちら
最近は日本のみならず世界で高い人気を誇るK-POP勢ですが、本作はそんなアイドルポップから一線を画する韓国発の宅録系ミュージシャンのアルバム。シューゲイザーにダイレクトに影響を受けた作品で、終始、ギターのホワイトノイズで埋め尽くされたサウンドに、バックでキュートなメロディーラインが鳴り響くという、シューゲイザー好きならたまらない楽曲が繰り広げられています。ちなみに同作のキャッチコピーは「このアルバムは、あなたが期待するものではなく、私がいつも望んでいたものです」と、いかにもオタク志向の発想は、世界共通なんですね。
3位 the record/boygenius
聴いた当時の感想は、こちら
それぞれがソロミュージシャンとしても活動しているPhoebe Bridgers, Julien Baker, Lucy Dacusから結成されたスーパーグループ。3人とも、それぞれ個性が異なるミュージシャンで、オルタナ系ギターロックからフォーキーでアコースティックな作品まで、3人の個性がそのまま反映された内容が非常にユニーク。それぞれの個性をしっかりと際立たせつつ、アルバム全体としてなぜか統一感も覚えるのが不思議。本作はビルボードチャートでも上位にランクインし、人気の面でもブレイクした作品になっていますが、その人気のほども納得の傑作でした。
2位 10,000 gecs/100 gecs
聴いた当時の感想は、こちら
100 gecsはアメリカのハイパーポップデゥオ。様々なポップチューンがつまった非常に楽しいアルバムで、ベタな表現をすれば「おもちゃ箱をひっくり返した」ようなアルバム。エレクトロやハードコア、HIP HOPやスカなどを1枚のアルバムにまとめて、まさしく何でもありな1枚。アルバムの長さも10曲27分という短い内容で、あっという間に曲が展開していくスリリングな作品に仕上がっています。コミカルな作風も楽しく、なによりも純粋に音楽の楽しさを感じさせてくれる傑作でした。
1位 Rat Saw God/Wednesday
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昨年、上期洋楽ベストで1位を獲得したのはMJ Lendermanの「Boat Songs」でした。そして、その彼が所属するバンドがWednesday。今年は、そのWednesdayのニューアルバムが1位です!MJ Lendermanの「Boas Songs」同様、シューゲイザーや、80年代インディーロックの影響を色濃く受けたサウンドに、一方では暖かいカントリーの作風を融合し、独特のサウンドを作り上げています。時にはダイナミックに、時には懐かしさも感じさせる曲調が特徴的。文句なしに上半期に一番はまった傑作アルバムでした。
そんな訳で上半期ベスト5を並べると
1位 Rat Saw God/Wednesday
2位 10,000 gecs/100 gecs
3位 the record/boygenius
4位 After the Magic/Parannoul
5位 Did you know that there's a tunnel under Ocean Blvd/Lana Del Rey
ほかのベスト盤候補を並べると・・・
Ever Loser/IGGY POP
This Stupid World/Yo La Tengo
Desire,I Want to Turn Into You/Caroline Polachek
Dogsbody/Model/Actriz
First Two Page of Frankenstein/The National
Multitudes/Feist
But Here We Are/Foo Fighters
今年も結構、傑作の多い上半期になったと思います。特に5位のLana Del ReyとYo La Tengo「This Stupid World」は、最後までどちらを5位にするか迷った、まさに同率5位とも言える内容の傑作。下期も、このペースで数多くの傑作アルバムに出会いたいです!
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コメント
「上半期ベスト10」(BEST ALBUMS 2023 So Far)で、
ゆういちさんと被っているのはboygeniusとWednesdayの2枚。
〈Revolution 0〉の元タイトルが「Paul is Dead」だったとは!
20代後半の彼女たちが「ポール死亡説」を知っていることに驚きです^^
カーリー・ハーツマン(Karly Hartzman)は〈Formula One〉の中で、
米作家リチャード・ブローティガンの詩を引用しています。
半年遅れでフィジカル化(LP・CD)したリトル・シムズ(Little Simz)の《No Thank You》(Forever Living Originals)も外せません。
投稿: sknys | 2023年8月 3日 (木) 21時04分
>sknysさん
boygeniusとWednesdayのアルバムは非常に素晴らしかったです。まあポール死亡説の都市伝説は、有名な話ですからね~。
投稿: ゆういち | 2023年8月17日 (木) 23時57分