スピッツの秘密ライブ
昨日の「ドキュメント サニーデイ・サービス」に続き、今日も最近見た、音楽関連の映画の紹介です。
実は、その「ドキュメント サニーデイ・サービス」と同じ日に見たのですが・・・こちらはスピッツの映画「劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro」です。
もともと2022年1月にWOWWOWで放送されたライヴ番組「優しいスピッツ a secret session in Obiriro」に、当日のドキュメント映像と、監督である松居大悟とスピッツのメンバーによるアフタートーク集が加わった特別版として編集され、映画として公開された作品となります。
このライブのもともとのきっかけとしては、映画タイトルの元とまっている2019年のスピッツのヒット曲「優しいあの子」。この作品は、北海道・十勝地方を舞台としたNHK連続テレビ小説「なつぞら」の主題歌として起用されました。これをきっかけに、スピッツの帯広でのライブが予定されていたそうですが、コロナ禍により延期となってしまいます。
そのため、今回のオリジナルライブの舞台として選ばれたのが帯広。大正11年に建設され、現在は国指定の重要文化財となっている旧双葉幼稚園園舎にて、この映像のためだけのライブが行われました。舞台となったのは、その幼稚園で遊戯室として使用されていた八角形の小さなホール。そこにスピッツのメンバーが円形に集まり、ライブを行いました。
基本的にはこの映画、スピッツのライブ演奏を淡々と撮るようなスタイルが続きます。まずユニークだったのがその音の響き。音楽ホールではなく小さな遊戯室でのライブということでまわりの壁に音が反響していました。草野マサムネ本人も「昔やっていた学園祭のライブみたい。音楽について配慮していないホールで行うライブのような」と言っていましたが、まさにそんな雰囲気になっていました。
また、メンバーが向かい合ってのセッションということもあって、1曲1曲、メンバー同士の会話が入り、ちょっとまったりした雰囲気でライブは進みます。そういう意味では本格的なライブというよりは、リハーサルのセッションといった雰囲気のあるライブになっていました。「a secret session」というタイトルの通り、「秘密のライブ」を意識した感じの、ちょっと覗き見したような感じのあるカメラワークも目立つ構成となっていましたが、まさにそんなスピッツのライブリハーサルを覗き見しているような、そんな映像になっていました。
セットリストは「つぐみ」からスタートし、「冷たい頬」、そしてちょっと意外だったのがライブではかなり久しぶりに披露となった「ハヤテ」へと続きます。比較的全体的に懐かしいナンバーが目立つ感じもありました。中盤では大定番の「空も飛べるはず」や、今回のライブのきっかけとなった「優しいあの子」なども披露。さらに後半には、北海道に因んで、この曲は是非演りたかったという「雪風」も。最後はかなり初期のナンバー「名前をつけてやる」から、最後は「運命の人」で締めくくり。「優しいスピッツ」というタイトルの通り、比較的優しい、メロディアスに聴かせるタイプの曲が目立ったセットリストとなっていました。
映画自体は基本的にはライブ映像。前述のように隠し撮り的なスタイルを意識したショットもありつつも、基本的にはシンプルにメンバーの演奏を撮影するスタイルであり、途中、いきなり画像サイズを1対1にするような飛び道具もありつつも、比較的シンプルな映像で、十分スピッツのライブを楽しめる映画になっていたと思います。
映画化にあたっては、前述の通り、当日のドキュメンタル映像と監督とメンバーとのアフタートーク映像を入れています。ただ、この特典映像については正直、DVD化されたような時についてくる特典映像レベル。WOWWOWで見た映像を、あらためて映画館で見れる、というメリットはあるものの、WOWWOWで見た人にとっては、あらためて、この追加映像目当てに映画館に足を運ぶほどではなかったと思います。
もっとも個人的にはWOWWOWを見ていなかったのでこのライブ映像を見るのはこの映画がはじめて。もちろん、存分にスピッツのライブ映像を楽しむことが出来ました。あらためてやはりスピッツはいいバンドなぁ、と感じられたライブ映像。満足して映画館を後にすることが出来ました。
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