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2023年8月12日 (土)

サニーデイの魅力を存分に感じる

今回は最近見た、音楽関係の映画の紹介です。

映画「ドキュメント サニーデイ・サービス」。AV監督としても知られるカンパニー松尾監督による、タイトル通り、サニーデイ・サービスの歩みを追ったドキュメンタリー。もともとは2020年からスタートする予定だったサニーデイ・サービスのライブツアーのドキュメントを撮る予定だったそうですが、コロナ禍でライブツアーは延期となり、結果としてサニーデイの活動自体のドキュメンタリー映画となったそうです。

そのため映画は、まずコロナ禍直前、新メンバーの大工原幹雄の加入シーンからスタート。しかし、その後、コロナ禍が襲ってライブツアーは延期となり、コロナ禍の中で開店した曽我部恵一のカレー屋で、彼自ら厨房に立つという、なかなか衝撃的なシーンも映し出され、図らずも、コロナ禍の中での苦境も記録するドキュメントとなっています。

Sunnydaymovie1 その後、前半はサニーデイの歩みを追ったドキュメンタリーが続き、中盤以降後半は、おそらく当初の予定だったサニーデイ・サービスのライブツアーの模様を追ったドキュメンタリー映画という構成となっていました。前半については、サニーデイのメンバー、曽我部恵一と田中貴によるインタビューを中心に、サニーデイにゆかりのある関係者に対するインタビュー、さらには初期サニーデイの貴重なMVやライブ映像なども加えた映像となっています。

この前半の関係者に対するインタビューでは、個人的に懐かしい!と感じるミュージシャンが続々と登場してきます。NORTHERN BRIGHTの新井仁や、SUGIURAMNこと杉浦英治(なぜか劇中にSUGIURAMNという言葉は出てきませんでしたが・・・)、さらにホフディランの2人も登場し、サニーデイに関しての思い出を語っていました。

このドキュメンタリーでは初期サニーデイの音源も登場していたのですが、いかにも当時流行りだった「渋谷系」を模倣しただけといった感じの曲調で、劇中でもやついいちろうがコメントしていたように、当時、評価が悪かった理由は今でもわかります。ただ、こんな音源でも、劇中にも登場していたMIDIレコードのディレクター、渡邊文武は契約したんですよね・・・あの中から、あとにつながる曽我部恵一の才能を見出すというのは、驚きすら感じさせます。

さて、そんな関係者のインタビュー+当時の映像というスタイルはこの手のドキュメント映画でよくありがちな構成で進むのですが、このドキュメンタリーでとてもよいなと感じたのは、曽我部恵一の持つ、天才肌の職人気質な側面と、サニーデイ・サービスのバンドとしての側面をしっかりと捉えていた、という点だと思います。

サニーデイ・サービスといえば、とかく曽我部恵一のワンマンバンドと見られがちです。ただ、バンドとしてのドキュメントなので当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、田中貴や丸山晴茂、さらには新メンバーである大工原幹雄にもしっかりとスポットがあてられており、特に最初のサニーデイのグルーヴ感は、あの3人だったからこそ奏でられた、ということも強調されています。田中貴のインタビューもドキュメンタリーの中心軸となっているのですが、プロのミュージシャンなのである意味当たり前なのですが、彼もまた、曽我部恵一とは別の側面で、いい意味で癖のある一本の筋の通ったミュージシャンなんだな、ということを感じさせます。

Sunnydaymovie2

さらにバンドとして印象的だったのが丸山晴茂追悼コンサートのシーン。ドラムレスで曽我部恵一と田中貴の2人のみでのステージだったのですが、2人のプレイに非常に鬼気迫るものがあり、この2人のプレイヤーとしての側面によりスポットのあたったステージングとなっていました。この映画の中でも非常に印象に残るシーンのひとつとなっていました。

そして、そんなバンドとしてのサニーデイと同時に描かれていたのが、曽我部恵一の天才肌の職人気質な側面。特に、ライブのリハーサルシーンにおいて、曽我部恵一が田中貴にかなり厳しい指示を飛ばすシーンも写されています。最初の活動休止直前は、バンドメンバーの仲も見るからに悪かったという表現もあり、曽我部恵一の頭の中で鳴っている音を、バンドが表現できないもどかしさがあった、という証言もありました。一方で、若いころは音源の音が絶対的な正解と思っていたが、今はバンドとして正解はいろいろあると考え方が変化した・・・という曽我部恵一本人の証言もあり、やはり年をとって、いい意味で考え方が変化したことをうかがわせます。だからこそ、新生サニーデイは順調に、既に再結成前により長いこと活動を続けているんでしょうね。

サニーデイ・サービスというバンドの持つ、様々な側面、魅力をしっかりとらえられていた、とてもよいドキュメンタリー映画だったと思います。2時間半という長丁場の映画だったのですが、途中、飽きることなく最後まで楽しむことが出来ましたし、見終わった後、あらためてサニーデイのアルバムを聴きたくなるドキュメンタリーでした。

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