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2023年8月 8日 (火)

コラボ作を集めた久々のニューアルバム

Title:Open The Window
Musician:RHYMESTER

約6年ぶりとなるRHYMESTERのニューアルバム。各曲にゲストミュージシャンを招いた作品で、タイトルの意味も「ベテランだからこそ、今までやったこと無いことをやる=新しい窓を開けていく」という意味だそうです。

今回のアルバム、Amazonのレビューを見る限りではそこそこの好評価のようですが、発売直後では、Twitterで評判が悪く、ちょっとバズったアルバムになってしまいました。低評価の理由としては、久々のニューアルバムであるにも関わらず、既発表のシングル曲が多かった点、及びゲストの参加が多すぎたため、3人だけでの楽曲を聴きたかったという点があげられています。

実際、全11曲中、先行シングルは8曲にも及び、今回のアルバムでの純粋な新曲はたったの3曲。基本的に客演を迎えての楽曲が並ぶという点もあわせて、オリジナルアルバムというよりもむしろ、RHYMESTERの客演集を集めた「ベストバウト」シリーズに近いのでは?とすら思ってしまいます。久々のニューアルバムとしては物足りなさを感じてしまう、という低評価の理由にも納得感があります。

また加えて今回のアルバムに関して私が感じたのは、全体的にポップ過ぎるのではないか、という点でした。先行シングルを多く収録しているということが大きな要因とは思うのですが、良くも悪くも聴きやすい楽曲が並んでいます。結果としてHIP HOPが持っていた「ヤバさ」のような部分があまり感じられません。まあ、ラップがここまで市民権を得た今となって、いまさら「ヤバさ」どうこうというのはそれほど重要ではないかもしれませんが・・・悪い意味でちょっとポップ過ぎないかなぁ、ということは感じてしまいました。「2000なんちゃら宇宙の旅」とか、Eテレのキッズアニメの主題歌で、アニメに沿った内容なだけに、正直、アルバムに収録されるとは思わなかった・・・。

そういったマイナス点はありつつ、ただ、アルバムを聴き終わったトータルの印象としては、よく出来たアルバムという印象を受けました。その大きな理由としてはゲスト陣の参加がプラスに働いている点。アルバム全体としてバラエティー富んだ曲調が大きな特徴となっています。Nulbarichが参加してネオソウル風の「Open The Window」やジャジーな「初恋の悪魔 -Dance With The Devil-」。完全にクレイジーケンバンドの世界になっている「世界、西原商会の世界!」など、ゲスト陣の作風に沿った形での様々な作品が続いていきます。個人的には岡村ちゃんとのコラボ「マクガフィン」が秀逸。岡村ちゃんらしいファンキーな作品がカッコいいナンバーです。

ただ、ゲスト陣についてもちょっと気になる点はあって、正直なところ、ちょっと目新しさはありません。まあ、ジャンル問わず様々なミュージシャンとコラボを行っているRHYMESTERなので、いまさら「意外性のあるゲスト」はなかなかいないかもしれません。しかし、そんな中で注目したいコラボが「Forever Young」でのスチャダラパーとのコラボ。ご存じの通り、RHYMESTERとスチャダラパーといえば、共に、日本のHIP HOP界の黎明期を築いてきたユニット。方向性としては微妙に異なるユニットだっただけに、これがはじめてのコラボのようですが、その両者が手を組んで曲をリリースするということに胸が熱くなります。

全体的に気になるマイナス点も少なくなく、物足りない点があったのも否めないのですが、全体としてはRHYMESTERらしさもはっきりとあわられていたアルバムになっていましたし、何より最後まで楽しむことが出来た作品という意味でも十分「傑作」と言える作品になっていたかと思います。ただ、次回作は、もうちょっと短いスパンで、今後は3人だけでの新曲をもっと聴きたいな、とは感じてしまいましたが。

評価:★★★★★

RHYMESTER 過去の作品
マニフェスト
POP LIFE
フラッシュバック、夏。
ダーティーサイエンス
The R~The Best of RHYMESTER 2009-2014~
Bitter,Sweet&Beautiful
ダンサブル
ベストバウト2 RHYMESTER Featuring Works 2006-2018
MTV Unplugged:RHYMESTER

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