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2023年8月 4日 (金)

2023年上半期 邦楽ベスト5

火曜日に引き続き、今回は邦楽の上半期ベスト5です。

5位 タオルケットは穏やかな/カネコアヤノ

聴いた当時の感想は、こちら

アルバムをリリースする毎に安定した傑作アルバムを聴かせてくれる女性シンガーソングライターの新作。ギターサウンドやバンドサウンドを前面に押し出したサウンドと、対照的なフォーキーなメロディーライン、さらにそれに負けない力強い彼女のボーカルが印象的で、ロックで、時としてサイケな色合いの強いサウンドをバックにしながらもしっかりと「歌」を届けてくれる1枚となっていました。

4位 映帶する煙/君島大空

聴いた当時の感想は、こちら

こちらは今、注目の男性シンガーソングライターによる1枚。ヘヴィーなギターサウンドを用いた曲があったり、アコースティックな楽曲があったり、さらにはエレクトロサウンドを取り入れたり、様々なサウンドをサンプリングした曲があったりと、実に自由度の高い作風。さらにハイトーンボイスで静かに聴かせる彼のボーカルも印象に残る作品に。毎回、傑作をリリースし続けてきた彼ですが、現時点での集大成とも言える作品に仕上がっていました。

3位 12/坂本龍一

聴いた当時の感想は、こちら

以前から癌による闘病生活を続けている中、今年3月、惜しまれつつこの世を去った坂本龍一の、最後となったオリジナルアルバム。本作は彼の闘病生活の中で日記を描くように作成された作品で、それぞれ作成した日付が曲名となっています。ピアノの音色をひとつひとつ紡いで作り上げたアンビエントな作品で、メロディアスな作品がありつつも、あくまでも「音」の美しさを追求したような作品となっており、最後の最後まで音楽家としての意欲が失われていなかったことを感じさせます。あらためて惜しい天才を亡くしたことを感じさせる作品でした。

2位 e o /cero

聴いた当時の感想は、こちら

おそらく、「2023年を代表するアルバム」として今後も聴き継がれそうな予感のする傑作アルバム。もともとアルバム毎に高い評価を更新してきた彼らが、2023年にあらたに生み出した、バンドとしてさらなる高みに到達したアルバム。前半はサウンドと歌声が融合した、最小限に絞ったサウンドが広い空間を作り出しているような作品に、一方後半は歌を前に出してきたメロディアスな楽曲が続き、アルバムの幅を作り上げています。文句なしに今年を代表する傑作です。

1位 RABBIT STAR★/水曜日のカンパネラ

聴いた当時の感想は、こちら

ceroの新作に大絶賛を与えつつ、2023年上半期に文句なしに一番はまったアルバムは本作。水カンで上半期1位となるのは2017年の「SUPERMAN」以来なのですが、詩羽にボーカルがチェンジして2年弱。すっかり水カンのボーカル=詩羽となったことを実感させられますし、なによりも楽曲の楽しさという意味ではコムアイ時代の曲に勝るとも劣らない名曲揃いで、6曲入りのアルバムなのですが最後まで耳を離す瞬間のない充実作に仕上がっていました。詩羽のボーカルとしての実力もさることながら、ケンモチヒデフミの衰えない才能にも驚愕させられる、文句なしの傑作アルバムでした。

ほかのベスト盤候補は・・・

あのち/GEZAN with Million Wish Collective
今の二人をお互いが見てる/aiko
イノセント/スガシカオ

率直に言うと、邦楽について数的にはちょっと不作気味だったように感じます。ただ、上位5枚については、おそらくどの年でも上位に食い込んでくるような傑作が並んでいたと思います。あらためて5枚を並べると

1位 RABBIT STAR★/水曜日のカンパネラ
2位 e o/cero
3位 12/坂本龍一
4位 映帶する煙/君島大空
5位 タオルケットは穏やかな/カネコアヤノ

下期はさらなる傑作の登場を願いつつ・・・

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