ファン投票の結果に基づいて収録・・・ですが・・・
Title:MISIA THE GREAT HOPE BEST
Musician:MISIA
MISIAデビュー25周年を記念したオールタイムベスト。ちょうど10年前の2013年に、15周年記念のオールタイムベストをリリースしていますので、ちょうど10年ぶりのオールタイムベストアルバムとなります。たった10年のインターバルでオールタイムベスト再び・・・という印象もあるのですが、彼女の場合、この10年間でオリジナルアルバム4枚、カバーアルバム1枚、ジャズアルバム1枚、CDシングル7枚、配信限定シングル12曲をリリースと、この10年でも積極的な活動を続けていましたので、ベスト盤のリリーススパンが10年というのは、さほど違和感はありません。
ただ今回、選曲に関してはファン投票を実施し、その結果に基づいて、ということになっていますが、少なくともWebで調べた限りにおいては、その結果は発表されていません。一方、収録曲に関しては前回のオールタイムベストリリース後の10年間の曲が多く、そこらへんは政治的(?)判断が加味されたんだろうなぁ、ということを漠然と感じてしまいます。ここ10年でも「アイノカタチ」のようなヒット曲もあるんで、極端に初期楽曲に偏ることはないんだろうなぁ、とは思うのですが、ただ、おそらくファン投票の結果を上位から並べると、15周年ベストとかなりの部分、被ってしまうんでしょうね。実際、ファン投票の結果を反映させた、という選曲については、初期の曲がやはり多いように感じてしまいますし。
実際、初期のMISIAというと、「つつみ込むように…」が話題になったころは、いわゆるクラブ系の色合いが強いシンガーというイメージがありました。それに比べて最近の曲に関しては、一般的なJ-POP色が強くなってきたような印象を受けます。それこそ「アイノカタチ」や「好いとっと」なんか作曲がGReeeeNですし・・・って、最初期の彼女の印象からすると、一番遠い立ち位置のミュージシャンだよな・・・。
その結果、と言ってしまっていいかは微妙ですが、正直、最近の曲も含めて、ベスト盤全体的に「大味」という印象を受けてしまいました。良くも悪くもMISIAのパブリックイメージに沿ったような、パワフルに歌い上げるミディアムテンポの曲が中心。アレンジもストリングスやピアノを取り入れたスケール感あるものがメイン。決して悪くはないのですが、ちょっとベタすぎないか?というのは率直な感想として持ってしまいました。
オリジナルアルバムとしての直近作「HELLO LOVE」でも同じようなことを感じてしまいましたし、ここ最近のMISIAの方向性としてちょっと心配です。申し訳ないのですが、ここらへん、「売れ線」方向に簡単にシフトしてしまうあたりが、自分が作曲やプロデュースを手掛けていないミュージシャンの限界なのかも、とすら感じてしまいました。もうちょっと新しい方向性にも挑戦してほしいところなのですが。
評価:★★★★
MISIA 過去の作品
EIGHTH WORLD
JUST BALLADE
SOUL QUEST
MISIAの森-Forest Covers-
Super Best Records-15th Celebration-
NEW MORNING
MISIA 星空のライヴ SONG BOOK HISTORY OF HOSHIZORA LIVE
MISIA SOUL JAZZ SESSION
Life is going on and on
MISIA SOUL JAZZ BEST
So Special Christmas
HELLO LOVE
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