テイラー・スウィフトも参加!
Title:First Two Pages of Frankenstein
Musician:The National
アメリカのインディーロックバンドThe National。最近、その名前を聴く機会が増えたような印象を受けます。といっても理由は明確で、メンバーのアーロン・デスナーが、アメリカの国民的SSW、テイラー・スウィフトのアルバムにプロデューサーとして参加したため。また彼は、Bon Iverのジャスティン・ヴァーノンとBig Red Machineというプロジェクトも手掛けており、The National本体以上に積極的な活動が目立ちます。
そんな中リリースされたThe Nationalとして約4年ぶりとなるニューアルバム。アルバムをリリースする毎に、高い評価を得ている彼らですが、今回のアルバムもいつもの彼ららしい、いい意味で安定感のある傑作アルバムに仕上がっていました。
今回のアルバムで大きな魅力となっているのは、ピアノやギター、あるいはストリングスなどでしんみりと聴かせつつ、一方でダイナミックなバンドサウンドを聴かせる、この対比が非常に耳を惹く作品となっていました。例えば1曲目の「Once Upon A Poolside」はピアノで静かに聴かせる、ある種の荘厳さも感じさせる曲なのですが、続く「Eucalyptus」は分厚いバンドサウンドを聴かせるダイナミックな楽曲に。かと思えば続く「New Order T-Shirt」は打ち込みのリズムを入れつつも、基本的にはアコギで爽快に聴かせるナンバーになっています。
後半も、「Grease In Your Hair」は力強いバンドサウンドをダイナミックに聴かせるメロディアスなナンバーになっているかと思えば、続く「Ice Machines」はアコギのアルペジオをバックにフォーキーにしんみりと聴かせてくれます。
また、メロディーは全体的にメランコリックなメロディーラインの曲が多く、派手さはないものの十分なインパクトもあり、いい意味で広い層にアピールできるポピュラリティーをしっかり併せ持っています。この耳に残るメロディーも彼らの大きな魅力と言えるでしょう。
そして今回も豪華なゲスト陣も魅力的。「Once Upon A Poolside」ではSufjan Stevensが、「This Isn't Helping」「Your Mind Is Not Your Friend」ではPhoebe Bridgesが参加しているほか、なんといっても「The Alcott」ではテイラー・スウィフトが参加!ピアノでゆっくりフォーキーに歌い上げる曲なのですが、テイラー・スウィフトのボーカルもとても魅力的な楽曲となっています。
ただ、今回も魅力的な作品なのですが、売上面では最高位14位と、ここ数作続いていたビルボードチャートのベスト10入りが途切れる結果に。テイラー・スウィフトへのプロデュースの参加など、話題性には欠かないと思っていたのですが・・・そんな売上面では気にかかる結果となっているのですが、アルバムとしては非常に魅力的なのは間違いありません。ポップスが好きなら幅広いお勧めしたい1枚でした。
評価:★★★★★
The National 過去の作品
Sleep Well Beast
I Am Easy To Find
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