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2023年4月16日 (日)

90年代オルタナ系を総花的に紹介

今回は、最近読んだ音楽系の書籍の紹介。

「90年代ディスクガイド USオルタナティヴ/インディ・ロック編」。タイトルそのまま、90年代のアメリカのオルタナ系ロック、インディー系ロックのアルバムを紹介するディスクガイド。音楽評論家の松村正人氏編集による1冊です。

内容も基本的にはタイトルそのまま。1990年代のオルタナ系ロックシーンのミュージシャンについて、最初は「Pre90s」として90年代以前のミュージシャンながらもその後のシーンに影響を与えたミュージシャンからスタートし、1990年代について1年毎に区切り、その年にリリースされたアルバムについて紹介。主要なミュージシャンについては個別にページを設定し、そのミュージシャンに関連するアルバムも含めてまとめて紹介しています。

ちなみに個別に取り上げたミュージシャンはSonic Youth、Pixiesからスタート。その後はNirvana、Pearl Jam、スマパンにR.E.M。Dinasour Jr.、Beck、レッチリ、Beastie Boys、NINなど大物をしっかり取り上げつつ、全体的にはインディー系のバンドを多く取り上げている印象があります。一方、有名どころは抑えつつもアルバム単位では取り上げられていたものの、Rage Against The MachineやWEEZERについては個別のページで取り上げられていないのはなぜ?

一方、ディスクガイドとして取り上げられているアルバムについては比較的、総花的に取り上げられている印象も。帯にも書いてありますが、ハードコアやパワーポップから、ポストロックまで幅広いミュージシャンが紹介されており、オフスプ、KORNのような、正直、サブカル的にはあまり評価の高くないようなバンドまでしっかりと取り上げられていました。

また、インタビュー記事としてボアダムスのEYヨとOGRE YOU ASSHOLEの出戸学へのインタビューも実施。こちらは音楽ファン的なマニアックな視点からの切り口はユニークでありつつ、非常に独自性のあるインタビューにもなっていました。どちらかというと出戸学へのインタビューはOGRE YOU ASSHOLEの音楽の源流として、なかなか興味ある内容になっていたように感じます。

個人的には90年代のオルタナ系ロックは以前から好みのジャンルではあり、いろいろなミュージシャンを積極的に聴いていたのですが、それでもまだ、知らないミュージシャン、アルバムも多く、まだまだ勉強不足も実感させられました。このディスクガイドを読んで、興味の出てきたミュージシャンも少なくなく、いろいろと聴いてみたく感じたディスクガイド。このジャンルが好きな方には、とりあえずはお勧めできる1冊だと思います。

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