世界的に大ブレイク!
Title:RUSH!
Musician:Måneskin
前作「Teatro d'ira: Vol. 1」が大きな話題を呼んだロックバンド、マネスキンのニューアルバム。出身国が「イタリア」という珍しさもさることながら、この時代にハードロック路線を前面に押し出した、その音楽性も大きな話題になっています。一方で、ベースのヴィクトリアはバイセクシャルを公言したり、トップレスの衣装でパフォーマンスを行ったりと、現代的なLGBTにもつながるスタイルも話題を呼んでおり、ある意味、オールドファッションな楽曲を演奏しつつ、そのスタンスは現代につながっている、そんなバンドということでも大きな話題となっています。
本作は、そんな彼らの最新作。日本でも昨年、サマソニに来日し、そのパフォーマンスも大きな話題となりましたが、本作ではビルボード、オリコン共にベスト10ヒットを記録。日本だけでなく、イギリスのナショナルチャートでもベスト10ヒット、アメリカのビルボードチャートでも18位と、なんだ、みんな結局、こういうロックが好きなんじゃない、と思うような結果になっています。
また、そんな言わば「昔ながらのロック」を演りつつも、一方ではロックという枠組みの中でも意外とバラエティー富んだ曲調が魅力的で、今回のアルバムでも1曲目「OWN MY MIND」はヘヴィーなギター主体のハードロック風のナンバー、続く「GOSSIP」もかのトム・モレロをゲストに迎えて、ヘヴィーなギターリフが主導なヘヴィーロックとなっていますが、続く「TIMEZONE」は分厚いバンドサウンドでメロディアスに聴かせる、むしろパワーポップの色合いが強いような楽曲となっています。
その後もリズミカルなドラムが特徴的な「FEEL」や他にも「KOOL KIDS」は疾走感あるサウンドで、むしろパンクの色合いが強い楽曲に。「MARK CHAPMAN」も駆け抜けるようなサウンドが心地よいロックチューンに仕上がっていますし、リズミカルな「MAMMAMIA」あたりはオルタナ系の影響も感じさせます。また「IF NOT FOR YOU」のようなギターで静かに聴かせる曲も間に挟まっており、アルバムの中でちょうどよいインパクトとなっています。
ただ、アルバム全体としては何よりもギターを前に押し出したヘヴィーなバンドサウンドという点で統一されており、ロックのダイナミズムを体現化している点が大きな魅力。前作同様、いかにもロック然とした曲は、聴いていて素直に気持ちよいですし、やはりこういう難しいこと抜きに爆音を聴かせてくれるロックが好きなんだ!ということをあらためて実感できるアルバムになっていました。前作に続き、文句なしの傑作。世界レベルで注目を集めており、今後、ますます大きな存在になっていきそう。これからも気持ちよいロックを世界に広めてほしいです。
評価:★★★★★
Måneskin 過去の作品
Teatro d'ira - Vol.1
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