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2023年3月14日 (火)

ロックオペラ第2幕

Title:ATUM-actⅡ
Musician:The Smashing Pumpkins

以前も紹介したスマパンがはじめたプロジェクトの第2弾。昨年11月に「ATUM-actⅠ」として配信限定のアルバムをリリース。全3部作となる同プロジェクトは、1月に第2幕、4月に第3幕がリリースされ、第3幕リリースと同時に3枚組のCDをリリースという壮大な「ロックオペラ」となっています。そして、予定通り配信限定でリリースされたのが第2幕となる本作。無事、リリースされました。

ある意味、スマパンらしいともいえる重厚なプロジェクトである本作。静かな森の中にいるようなイントロからスタートする冒頭の「Avalanche」は、途中からシンセを主導としつつダイナミックなアレンジを展開。続く「Empires」は一転、ヘヴィーなギターリフ主導のハードロック風のナンバーへと続きます。ただ、いずれも重厚さを感じるアレンジとメランコリックなメロディーラインという点は共通。「actⅠ」も同様でしたが、ある意味、非常にスマパンらしいといる作風になっています。

その後も、「Neophyte」「Night Wave」「Every Morning」のようなシンセを主体にドリーミーに聴かせる作品を軸にしつつ、その間に「Moss」「Beguiled」といったヘヴィーなギターリフ主導のハードロックな作品が交互に展開されるような構成に。ある意味、夢見心地なサウンドで夢の世界にリスナーをいざないつつ、ヘヴィーなサウンドでガツンとリスナーの目を覚ます、といった感じでしょうか。アルバム全体としての統一感を持たせつつ、リスナーを飽きさせない展開を聴かせてくれる作品になっています。

最後はシンセでニューウェーヴ風の分厚いサウンドを聴かせつつ、メランコリックなメロディーラインをしっかり聴かせる「The Culling」、ピアノとアコギというアコースティックなサウンドで暖かくも切ないメロを聴かせる「Springtimes」で締めくくり。最後まで美しいメロの曲をしっかりと聴かせる点、スマパンらしい締めくくりと言えるかもしれません。

そんな訳で「actⅠ」に続く同作。基本的には前作から引き続き、分厚いサウンドとメランコリックなメロに実にスマパンらしさを感じさせる作品になっていました。ただ、前作から引き続き、ということはつまり逆に言うと、前作の気になったについてもそのままということ。シンセのアレンジはちょっとチープに感じてしまいますし、ダイナミックなアレンジはちょっと大味に感じてしまいます。そういう点を含めてもスマパンらしいといえばらしいのかもしれませんが・・・。

評価:★★★★

The Smashing Pumpkins 過去の作品
Teargarden by Kaleidyscope
OCEANIA
(邦題 オセアニア~海洋の彼方)
Monuments to an Elegy
SHINY AND OH SO BRIGHT,VOL.1/LP:NO PAST.NO FUTURE.NO SUN.
CYR
ATUM-actⅠ

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