2022年年間ベストアルバム(邦楽編)その2
昨日から引き続き、私的ベストアルバム邦楽編。今日は5位から1位の紹介です。
5位 Betsu No Jikan/岡田拓郎
聴いた当時の感想は、こちら
2010年代前半に大きな評判を呼んだバンド、森は生きているのメンバーによる2枚目のソロアルバム。全編「歌モノ」のポップだった前作とは対照的にインストのアルバムに。全編、ジャズ色の強いアルバムになっていながらも、同時に様々な音楽がコラージュ的にちりばめられている実験性の高い作品になっています。ただ、同時にポピュラリティーのあるメロディーラインが確実に流れており、実験性とポピュラリティーを両立させた傑作に仕上がっていました。
4位 物語のように/坂本慎太郎
聴いた当時の感想は、こちら
アルバムをリリースする毎にシーンに衝撃を与えるような傑作をリリースし続けている坂本慎太郎の約6年ぶりとなるニューアルバム。最小限にまとめられたサウンドに歌謡曲やハワイアン、トロピカルなムードも加味したメロディーラインというスタイルはいままでの彼と同様。さらに今回のアルバムは歌詞の世界もメロディーラインもわかりやすさが増した感じがします。いままで以上にポピュラリティーが増した作品は今回ももちろん傑作に。さらに広い層にアピールできそうな作品になっていました。
3位 ネオン/水曜日のカンパネラ
聴いた当時の感想は、こちら
まさかのコムアイ脱退&詩羽の2代目ボーカリスト就任となった水曜日のカンパネラ。バンドの顔とも言えるボーカリスト変更で心配されたのですが、これが今や詩羽なしじゃ水カンが成り立たない、と感じさせるほどのはまりようになっています。コムアイ時代の水カンの魅力も残しつつ、詩羽のボーカルとして全く新しいスタイルも同時に提案している作品に仕上がっており、水カンがさらなる進化を遂げたように感じさせます。まずはEP盤ですが、来るべきフルアルバムも楽しみになってくる傑作でした。
2位 Long Voyage/七尾旅人
聴いた当時の感想は、こちら
東日本大震災の時の義援金プロジェクトやコロナ禍でのフードレスキューの活動など、以前から社会派な活動も目立つ七尾旅人。今回の新作はいままで以上に社会と強くリンクした作品に仕上がっており、コロナ禍での人々の描写や在日差別、さらには外国人差別などにも踏み込む作品になっています。そんな歌詞の主張を前面に押し出すためか、メロディーやサウンドは比較的シンプルな内容に。それだけに七尾旅人の包容力ある歌声が心に響いてくる作品になっています。まさに今の時代だからこそ生み出された傑作アルバムでした。
1位 BADモード/宇多田ヒカル
聴いた当時の感想は、こちら
2022年の年間1位は文句なしにこの作品でしょう。ここ最近、シンガーソングライターとしてのある種のすごみを感じるようになってきた宇多田ヒカルのニューアルバム。歌謡曲的な要素も感じる日本人の琴線に触れそうなメロディーを書きつつ、サウンド的には海外のポップスシーンとダイレクトにリンクしている作品を作り上げています。なんとPitchforkの年間ベストで31位にランクインしてくるなど世界水準で高い評価を得ている本作。名実共に2022年の日本のポップシーンを代表するアルバムと言えるでしょう。
そんな訳で、洋楽もそうでしたが邦楽に関しても傑作が揃った充実した1年となった2022年。特に1位宇多田ヒカル、2位七尾旅人の2枚は文句なしに頭1つ出ていた感がありますし、3位の水曜日のカンパネラも、次のフルアルバムでは再び年間1位獲得か??というほどの充実ぶりを感じさせます。
あらためて1位から10位を並べると・・・
1位 BADモード/宇多田ヒカル
2位 Long Voyage/七尾旅人
3位 ネオン/水曜日のカンパネラ
4位 物語のように/坂本慎太郎
5位 Betsu No Jikan/岡田拓郎
6位 正気じゃいられない/マハラージャン
7位 Muddy comedy/山中さわお
8位 七号線ロストボーイズ/amazarashi
9位 Awakening:Sleeping/MASS OF THE FERMENTING DREGS
10位 DOKI DOKI/サニーデイサービス
他のベスト盤候補としては・・・
NIA/中村佳穂
OVERHEAT49/百々和宏
アダプト/サカナクション
レキシチ/レキシ
笑い死に/般若
春火燎原/春ねむり
クモヨ島/幾何学模様
ALONE/OMSB
SOFTLY/山下達郎
HOWL/ROTH BART BARON
SONGS/スカート
Les Mise blue/syrup16g
あらためて充実ぶりを感じさせる2022年の音楽シーン。この勢いが今年も続けばいいのですが。今年もたくさんの素晴らしいアルバムに出会えますように!
ちなみに過去のベストアルバムは
2007年 年間1 2
2008年 年間1 2 上半期
2009年 年間1 2 上半期
2010年 年間1 2 上半期
2011年 年間1 2 上半期
2012年 年間1 2 上半期
2013年 年間1 2 上半期
2014年 年間1 2 上半期
2015年 年間1 2 上半期
2016年 年間1 2 上半期
2017年 年間1 2 上半期
2018年 年間1 2 上半期
2019年 年間1 2 上半期
2020年 年間1 2 上半期
2021年 年間1 2 上半期
2022年 上半期
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コメント
ゆういちさん、こんばんは。
昨年の1位は宇多田ヒカルでしたか!デビュー当時に天才少女と持て囃されて20数年…劣化どころかいまだに過去最高の作品を作り続けているとは…いやはや脱帽です。恐れ入りました。
ちなみに僕の個人的ベスト3は…
1位 ネオン/水曜日のカンパネラ
2位 BADモード/宇多田ヒカル
3位 アイキッドとサイボーグジョー/ザ・リーサルウェポンズ
水カンと宇多田は正直迷いましたが、個人的に詩羽加入である意味パワーアップした感のある水カンに軍配をあげました。そしてザ・リーサルウェポンズは昨年1番の掘り出し物でした!音楽的には乱暴に言えば“80年代洋楽に傾倒したブリーフ&トランクス”といった感じです(個人の感想です。間違っていたらスミマセン)。長文失礼致しました。今年も傑作揃いの一年でありますように。
投稿: 通りすがりの読者 | 2023年2月 7日 (火) 00時09分
>通りすがりの読者さん
ザ・リーザルウェポンズは全く初耳です。ちょっと一度聴いてみたいですね!
投稿: ゆういち | 2023年2月11日 (土) 00時04分