宇宙から来た3人組
Title:地球ノミナサンコンニチハ 〜LOVE JETS ANTHOLOGY〜
Musician:LOVE JETS
「2002年、突如飛来した異星人がロックンロールで地球人との交信を試みた。PURAHA、PYE-RON、PRINCIPALの3人から成るユニットLOVE JETS。」というコンセプトでスタートしたスリーピースバンド、LOVE JETS。メンバーそれぞれ、「忌野清志郎、KANAME(元COSA NOSTRA etc.)、阿部耕作(元コレクターズetc.)ではないか?と言われたが真相は未だ謎とされている。」そうですが、要するに、忌野清志郎の別働的バンドなのですが、このたび、忌野清志郎のデビュー50周年記念企画の「番外編」として同作がリリース。PYE-RON、PRINCIPAL立会の下で制作されたそうです。
LOVE JETSについては今回、完全に聴くのははじめて。忌野清志郎関連の作品は、当時から一通りはチェックしていたとは思うのですが、なぜか本作はチェックから漏れていました・・・。ただ、当時はラフィータフィー名義での作品があったり、ミツキヨとしての活動があったり、脂ののって積極的な活動を行っていた時期で、いかにも「企画モノ」的な雰囲気だった本作は、なんとなくスルーしていたのでしょうか。今となっては全く覚えていないのですが。
ただ、今回あらためて聴くと、とにかく非常に楽しいポップチューンがつまっており、素直にわくわくしながら聴けるような作品が並んでいました。オープニングを挟んで事実上の1曲目である「LOVE JETSのテーマ」から、シンセでちょっとスペーシーさを出しつつ、基本的には軽快でポップなギターロック。「SPACE DISCO」もLOVE JETS風のディスコチューンになっており、ちょっとコミカルながらもダンサナブルなリズムが楽しめる曲に。同じく「POP PEOPLE POP」もリズミカルでポップなダンスチューンに仕上がっており、忌野清志郎のソロ作ともちょっと違った作風に仕上げています。
忌野清志郎としての作品は、ソウルやブルースの影響を強く受けたような作品が目立つのに対して、LOVE JETSとしての作品については、ブラックミュージックからの影響を前に押し出した作品があまりない、という点も大きな特徴でしょうか。「青い星」などはビートルズっぽさを感じますし、「シスター・アンドロメダ」もサイケな作風ながらも、こちらもビートルズからの影響を感じます。
また、そのほかにも神楽的な要素を取り入れた「UFO神社」や、Disc2に収録されたレアトラック集には、「UFO神社」のスカバージョンやラテン風の「コスモポリターナ DEMOver.」なども収録。全体的に企画モノユニットらしい、自由な遊び心と、そんな自由さに起因した挑戦心を感じさせる作品になっています。そんな遊び心や挑戦心を含めて、ワクワクする楽しいアルバムに仕上がっていました。
ちなみに楽曲の間には、LOVE JETSとしてのインタビューも収録。LOVE JETSのコンセプトに従った回答がユニークなのですが、微妙にグダグダな感じもまたユーモラスな内容に。そんなグダグダなインタビューを含めて、聴きどころが多く、非常に楽しい作品となっていました。
リアルタイムでスルーしていたのは、今となってはもったいなかったなぁ・・・と思うのですが、こういう遊び心あふれる楽しいポップアルバムも易々とつくってしまう忌野清志郎の実力をあらためて感じさせるアルバムになっていました。ワクワクするようなポップソングを素直に楽しみたいのなら、文句なしにお勧めの作品です。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
風色のしおり/熊木杏里
ちょうど2年ぶりとなるニューアルバム。コロナ禍がはじまって間もなかった前作では、コロナを真正面からとらえたような作品が特徴的でしたが、続く本作は「ここにある今日」という楽曲からスタートしている点も象徴的に、いつも通りに今の自分を描いたアルバムに回帰。全体的にアコギやピアノでフォーキーに聴かせる作風は、派手さこそありませんが、いつもの熊木杏里というイメージを強く受けるアルバムになっていました。これといった特徴は薄かったような気もするのですが、派手さはなく、シンプルながらも暖かさのある作風が彼女らしいともいえる作品になっていました。
評価:★★★★
熊木杏里 過去の作品
ひとヒナタ
はなよりほかに
風と凪
and...life
光の通り道
飾りのない明日
群青の日々
殺風景~15th Anniversary Edition~
人と時
熊木杏里 LIVE “ホントのライブベスト版 15th篇" ~An's Choice~
なにが心にあればいい?
United/ビッケブランカ
4曲入りのEP盤。爽やかでメロディアスな「This Kiss」、ピアノバラードの「魔法のアト」、メランコリックなミディアムチューン「Changes」に、ボイスチェンジャーを使ってコミカルな「Treasure」と、四曲四様にビッケブランカの魅力を伝えてくれる魅力的な内容に。2021年11月に行われたLINE CUBE SHIBUYAでのライブ録音がボーナストラック的についてくるのですが、こちらもベスト盤的な選曲が魅力的。どちらもビッケブランカの魅力をしっかり感じれる内容になっていました。
評価:★★★★★
ビッケブランカ 過去の作品
FEARLESS
wizard
Devil
HEY
BYE
FATE
BEST ALBUM SUPERVILLAIN
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