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2022年12月12日 (月)

昭和のレア・グルーヴ企画拡大版 その4

前回に引き続いてカルト昭和歌謡のオムニバス盤「GROOVIN'昭和アーカイブス」シリーズ。今年6月にリリースされた第2弾から、残り2枚です。

Title:GROOVIN'昭和アーカイヴス9 魅惑の女性シンガーvol.1

vol.7,8と男性シンガーで来たのですから、当然vol.9,10は女性シンガー編。1曲目はあの山本リンダが歌う「世界の国からこんにちは」からスタート。山本リンダのイメージとはちょっと異なるようなかわいらしい曲調も印象的ながら、三波春夫の原曲のイメージからも異なり、こんな曲があったんだ、とちょっとビックリしました。

この女性ボーカル編の特徴なのは、ムード歌謡曲の割合が多かった男性ボーカル編に比べると、曲調にバラエティーが多かった点。レモンレモンズの「夢みるツイッギー」は60年代の洋楽のガールズポップを彷彿させる内容。司美智子の「あなたっていいわ」はセクシーなボーカルが魅力的な歌謡曲。西崎緑の「ちいさなプリンセス」は子供からの視点がユニークなかわいらしいキッズソング。加賀ひとみの「東京フラメンコ」はラテン調のサウンドが特徴的。女性らしいかわいらしさやセクシーさを強調した曲が多いのですが、全体的に男性編よりもバラエティーに富んだ曲調が特徴的でした。

一方、いかにもな珍曲はあまり見受けられません。あえていえばセクシーなスキャットの間に、ただ「東京」とだけ歌われる北沢マリ「Dubi Dub 東京」は珍曲と言っていいかもしれません。全体的に男性ボーカル曲と女性ボーカル曲の方向性の違いがわかる構成に。なぜ、方向性に違いが出てくるのかは不明ですが、なかなか興味深く感じられました。

評価:★★★★

Title:GROOVIN'昭和アーカイヴス10 魅惑の女性シンガーvol.2

そして、こちらはその女性ボーカル編の第2弾。特徴としては第1弾と同じく、バラエティーに富んだ音楽性。可愛らしくもちょっとエッチなフラワー・メグの「ベッドにばかりいるの」、エロっぽい歌詞と小唄調の曲調のギャップもおもしろい五月みどり「ブギウギ小唄」、典型的なムード歌謡曲ながらもサビでいきなり浪曲風に変化するのがどこかコミカルな上原ことみ「女なんです」、ムードたっぷりでエロティシズム満開なフラワー・メグ「ジュテーム」などなど。まさにバラエティー富んだ作風の曲が並びます。

全体的には特にセクシーなエロっぽい曲が目立ったような印象も。特にフラワー・メグなどは可愛らしくもエロっぽい歌詞とボーカルが耳を惹きます。彼女、1年程度活躍した後、20歳の若さで引退したそうですが、ここ最近、彼女への再評価に伴い復活したとか・・・確かに、この2曲だけでも、時代を超えて評価される彼女の魅力を感じることが出来ます。

どちらのアルバムも、ともすれば男性視点からの偏見まじりの「女らしさ」を強調した曲が目立つのもまた、「時代」ゆえでしょうか。良くも悪くも昭和らしさを感じさせる曲の並んだ女性ボーカル編。私の生まれる前の曲がメインですが、懐かしさも感じさせる作品でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2021 “202020 & 55 STONES” Live at 東京国際フォーラム 2021.10.31/斉藤和義

毎回恒例の斉藤和義のライブアルバム。今回は、「KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2021 “202020 & 55 STONES”」のツアーファイナル、東京国際フォーラムのライブ音源をおさめたアルバム。コロナの影響でアルバム「202020」のツアーが順延になった影響で、「202020」と「55 STONES」2枚のアルバムを元としたツアーで、この2枚のアルバムがいずれも傑作だったことから、ライブ盤もかなりの充実ぶりとなっていました。彼のライブ盤はMC部分が省略されるのですが(とても音源に残せない下ネタが多いため・・・)、今回はコロナ禍で声が出せない状況であることを語ったMCが収録されているなど、時代を反映された記録的な側面もあるライブ盤になっています。次のライブ盤は、観客の歓声もしっかりと入っている作品になるといいのですが。

評価:★★★★★

斉藤和義 過去の作品
I (LOVE) ME
歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007
Collection "B" 1993~2007
月が昇れば
斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば 弾き語る~
ARE YOU READY?
45 STONES
ONE NIGHT ACOUSTIC RECORDING SESSION at NHK CR-509 Studio
斉藤
和義

Kazuyoshi Saito 20th Anniversary Live 1993-2013 “20<21" ~これからもヨロチクビ~ at 神戸ワールド記念ホール2013.8.25
KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2014"RUMBLE HORSES"Live at ZEPP TOKYO 2014.12.12
風の果てまで
KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2015-2016“風の果てまで” Live at 日本武道館 2016.5.22
斉藤和義 弾き語りツアー2017 雨に歌えば Live at 中野サンプラザ 2017.06.21
Toys Blood Music
歌うたい25 SINGLES BEST 2008~2017
Kazuyoshi Saito LIVE TOUR 2018 Toys Blood Music Live at 山梨コラニー文化ホール2018.06.02
KAZUYOSHI SAITO 25th Anniversary Live 1993-2018 25<26 〜これからもヨロチクビーチク〜 Live at 日本武道館 2018.09.07
小さな夜~映画「アイネクライネナハトムジーク」オリジナルサウンドトラック~
弾き語りツアー2019 "Time in the Garage" Live at 中野サンプラザ 2019.06.13
202020
55 STONES
KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2020 "202020" 幻のセットリストで2日間開催!~万事休すも起死回生~ Live at 中野サンプラザホール 2021.4.28

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