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2022年11月20日 (日)

マイペースな活動は続く

Title:Island CD
Musician:ホフディラン

ちょっと前の話になるのですが、テレビからいきなりホフディランの「スマイル」が流れてきて、ちょっとビックリしたことがあります。ご存じとは思いますが、女優森七菜がホフディランの1996年のデビュー曲「スマイル」をカバー。ホフディランもプロデューサーを手掛けたのですが、同作がスマッシュヒットを記録し、話題となりました。

そんなホフディランは2002年に一度活動休止となり2006年に活動を再開したのですが、そこからは比較的マイペースな活動を続けています。前作「帰ってきたホフディラン」も5年ぶりとなるアルバムだったのですが、その後もあまり彼らの活動を聞かなくなり、今回のアルバムも実に5年ぶりとなるニューアルバム。この10年でアルバムリリースが2枚のみというスローペースな活動となっています。

さて、ホフディランといえばメンバーのワタナベイビー、小宮山雄飛いずれも作詞作曲をてがけるユニットなのですが、比較的、楽曲のクオリティーが安定している雄飛に対して、ベイビーは曲の出来不出来が激しい、という特徴があります。そのため、いままでのアルバムに関しては、ベイビーの曲の出来が良ければ傑作、そうでなければ・・・というイメージがありました。

ただ、久しぶりとなった今回のアルバムはベイビーの曲は良くも悪くも安定してしまっているといった印象。「デジャデジャブーブー」も彼らしい明るいポップソングですし、特に「スレンダーGF」はワタナベイビーらしい、ユーモアなポップスながらも、どこか毒をはらんでいる雰囲気もある楽曲になっています。「ガンバレ小中学生」もタイトル通り、小中学生へのエールというユーモラスな観点の曲がベイビーらしいですし、かもめ児童合唱団とのコラボとなった「キミが生まれたから」は、子どもに対してささげた親としての視点が、ポップな曲調ながらもちょっとしんみりさせる作風もまた、ベイビーらしい暖かみを感じさせる曲となっています。

そんな感じで、全体的にはベイビーらしい曲が並んでおり、安定感がある反面、良くも悪くもぶっ飛んだような曲はなかったかな、という印象もあります。良くも悪くもベテランとなった今、安定感が増したといった感じでしょうか。もっとも卒ない作風とはいえ、ベイビーらしさは強く感じさせる曲が並んでいました。

一方、今回のアルバムに関して、残念ながら雄飛の作品に関しては、インパクト不足を感じます。ちょっとビートルズっぽさを感じる軽快なギターロック「生まれ続ける僕たち」や明るく軽快なギターポップチューン「風の誘いで」のように、それなりに卒なくこなしている感はあるのですが、無難にまとめているという印象が強く、勢いという観点では失速気味。全体的に物足りなさを感じてしまいました。

とはいえ、雄飛らしい魅力的なメロディーラインは随所に感じられ、特にバラードナンバー「花」などは、そんな彼のメロディーメイカーとしての実力が光る楽曲。小宮山雄飛らしい魅力はアルバムの中でしっかり感じることが出来ました。

正直、今回のアルバムに関しては、ベイビーも雄飛も勢い不足な感は否めず、傑作といった印象は受けませんでしたが、一方で、ベイビー曲も雄飛曲も、それぞれの魅力を卒なく伝えており、良くも悪くもベテランらしい安定感を覚える良作といった印象を受けます。マイペースな活動の中で久々のアルバムにしては・・・といった感も否めませんが、少なくともホフディランというミュージシャンの魅力はしっかりと伝わってくるアルバムではあったと思います。今のホフディランをしっかりと伝える1枚でした。

評価:★★★★

ホフディラン 過去の作品
ブランニューピース
13年の金曜日
14年の土曜日
15年の日曜日
2PLATOONS
帰ってきたホフディラン
帰ってきた多摩川レコード
帰ってきたWashington, C.D.
帰ってきたホフディランIII
帰ってきた31ST CENTURY ROCKS
帰ってきたPSYCHO POP KILLER BEE


ほかに聴いたアルバム

one-man tour 2021-2022-Editorial-@さいたまスーパーアリーナ/Official髭男dism

今を時めく人気バンドヒゲダンことOfficial髭男dismが昨年から今年にかけて行ったライブツアーより、さいたまスーパーアリーナでの公演を収録したライブアルバム。全2枚組22曲の収録曲にはおなじみのヒット曲も満載。2019年の「Pretender」の大ヒットから、急激に人気と知名度があがった彼らですが、パフォーマンスもその人気にしっかりとついてきているようで、ライブ音源を聴く限り、スーパーアリーナというキャパに全く負けていない力強くスケール感を覚える演奏を聴かせてくれています。ある種の人気バンドとしての余裕や貫禄すら感じられるライブパフォーマンスに。いい意味ですっかり「大物ミュージシャン」の仲間入りを果たしたことを感じさせるライブアルバムでした。

評価:★★★★

Official髭男dism 過去の作品
エスカパレード
Traveler
TSUTAYA RENTAL SELECTION 2015-2018
Official髭男dism one-man tour 2019@日本武道館
Traveler-Instrumentals-
HELLO EP
Editorial
ミックスナッツEP

魔法の手 Deluxe Edition/古内東子

彼女のデビュー30周年記念プロジェクトの第2弾。1998年にリリースされて、現時点で彼女の唯一のチャート1位獲得作のリマスタリング盤。彼女の脂ののった時期の作品ということもあって、彼女らしい切ない恋の歌を、ちょっとジャジーな雰囲気のアレンジに載せてメランコリックに歌い上げる、ある意味、古内東子の王道ともいえる作品。個人的には彼女のベスト作・・・といった感じではないと思うのですが、古内東子の魅力がつまった作品で、彼女の最初に聴くアルバムとしても最適な1枚かも。

評価:★★★★★

古内東子 過去の作品
IN LOVE AGAIN
The Singles Sony Music Years 1993~2002
Purple

透明
夢の続き
and then...~20th anniversary BEST~
Toko Furuuchi with 10 legends
After The Rain
誰より好きなのに~25th anniversary BEST~
体温、鼓動

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