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2022年11月27日 (日)

強烈なビートでインパクトの塊

Title:MATA
Musician:M.I.A.

Mata

イギリスを拠点に活動するタミル系スリランカ人の女性シンガーソングライターM.I.A.の最新作。前作「AIM」から実に6年ぶり、少々久しぶりのニューアルバムとなりました。ただ、前作「AIM」の時に「これがアルバムのフォーマットとして最後のリリースとなる」とアナウンスしていたのですが、結局、新作も無事、アルバムの形でのリリースとなりました。もっとも今回は、CDというフォーマットでのリリースはなく、配信オンリーのリリースだったようですが・・・。

さて、そんな久々となった今回のアルバムでしたが、今回もまた、ムーンバートンやバンガラといったジャンルの影響を取り込みつつ、強烈なトライバルなビートの連続に、とにかく胸湧き踊るような、そんなアルバムに仕上がっています。

オープニング的な「F.I.A.S.O.M.Pt1」に、続く「F.I.A.S.O.M.Pt2」は彼女の雄たけびからスタートする、まさにアルバムのスタートを飾るにふさわしいような作品に。さらに「100% Sustainable」は子供たちのコーラスラインと彼女のラップのみというフィールドレコーディングのような作品になっており、トライバルな要素がより強い作品となっています。

そして序盤の軸となっているのが先行シングルにもなっている「Beep」。彼女らしいトライバルな強いビートとハイテンポなラップが繰り出される強烈なリズムのナンバーが強いインパクトに。ただ、その2曲先、こちらも先行シングルとなっている「The One」は今時なトラップ的なサウンドを取り入れた曲になっており、ちょっと意外性も。もっともアルバムの中のひとつのピースとしてはしっかりとはまっている1曲にはなっています。

さらにここから先は同じような強烈なリズムのトライバルなエレクトロビートとラップを組みわせた彼女らしい作品が続きます。このアルバムに収録されているもう1枚の先行シングル「Popular」などはまさにそんなタイプのナンバーで、リズミカルでトライバルなエレクトロビートが印象的なナンバー。その後も終盤まで似たようなエレクトロビートが強烈なナンバーが続いていきます。

しかしラスト「Marigold」では雰囲気が一転。厳かな雰囲気もある合唱も加わったサウンドにメランコリックに歌い上げる楽曲に。強烈なビートが印象に残ったアルバムでしたが、最後の最後は彼女の歌が印象に残る楽曲で締めくくられていました。

そんな訳で、今回の作品もM.I.A.らしい強烈なトライバルビートが強く印象に残るインパクトの強い作品に・・・ある意味、インパクトの塊とも言うべきアルバムになっていました。正直なところ、全体的には目新しさもなく、少々強烈なビート一本やりな部分もなきにしもあらずな感も否めなかったのですが、ただ、そんな点を差し引いても最後まで耳の離せない、強烈なインパクトを与える傑作になっていたと思います。しかし本作は非常に残念なことに全くというほどヒットせず、全英チャートもビルボードも圏外だったとか・・・。売上面ではかなり残念な結果ではありましたが、しかしアルバムとして素晴らしいのは間違いないわけで、いままでのM.I.A.が気に入っていたのならば要チェックの1枚です。

評価:★★★★★

M.I.A. 過去の作品
KALA
MAYA
MATANGI
AIM

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