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2022年10月28日 (金)

力の入れようを感じるセルフタイトル作

Title:Legend
Musician:John Legend

約2年3ヶ月ぶりとなるJohn Legendのニューアルバム。事実上のセルフタイトルのようなアルバムになっていますが、今回のアルバムは全24曲1時間20分にわたるボリューム感ある内容。CDでは2枚組となり、その力の入れようがうかがえます。2組のCDで「Act-1」「Act-2」とわけられた本作は、本人曰く「1枚目は土曜日の夜のパーティーなバイブスで僕のパーティーな面を表現している。2枚目はどちらかというと日曜日の朝のバイブスで、1枚目に比べると大人しめな曲が多くなっている。この2枚のアルバムが僕のさまざまな側面を映し出してくれていると感じている」だそうで、2枚のCDで異なったJohn Legendの作風が楽しめる作品となっています。

実際、Act-1に相当する1枚目は、リズミカルな作風の曲が目立つ構成になっています。冒頭を飾る「Rounds」こそ伸びのあるボーカルで歌いあげるミディアムソウルのナンバーとなっていますが、続く「Waterslide」も、スタートこそ彼のファルセットボーカルでしんみり聴かせるスタートとなっているのですが、すぐにテンポのよいビートが入ってきて、リズミカルな作品にチェンジします。

続く「Dope」も強いビートのナンバー。John Legendはファルセット気味の伸びやかなボーカルを聴かせてくれるのですが、ラッパーのJIDも参加し、軽快なラップを聴かせてくれます。その後もちょっと80年代を彷彿とさせる軽快なダンスチューン「All She Wanna Do」やファルセットのボーカルを美しく聴かせつつも、軽快なビートの入った「You」など、リズミカルな作品が目立ちます。

その後は、Jazmine Sullivanが参加した「Love」のようなソウルバラードのナンバーもあるのですが、最後は再びダンスチューン「All She Wanna Do」の女性ラッパーのSaweetieをゲストに迎えたバージョンで締めくくり。アルバム全体としてダンスチューンが大きなインパクトを感じる作風となっていました。

一方後半は、彼自身が語るとおり、おとなしめのナンバーがメイン。ギターサウンドでしんみり聴かせるソウルバラード「Wonder Woman」、彼の王道とも言うべきアーバンなソウルチューン「Honey」や、昔ながらのメロウなソウルチューン「Good」など、ストレートなソウル、R&Bの楽曲が目立ちます。ここらへんはJohn Legendの本領発揮とも言うべきナンバーでしょう。

ただ、この2枚目についてはソウル、R&Bという枠組みに留まらないJohn Legendの音楽性を感じさせます。「I Want You To Know」はレゲエのリズムを取り入れていますし、アコギのアルペジオも入ってしんみり聴かせて「Memories」などはフォーキーな要素も感じさせます。ソウルシンガーという一言で留まらないJohn Legendの魅力を感じさせる作品となっています。

またあえていえばAct-1はサウンド的に比較的、「今風」を感じさせる作風。一方、Act-2については昔ながらのサウンドといった印象を受けます。ただ全体的にはサウンドに目新しさはなく、その点、若干残念に感じる部分もなきにしもあらずでした。もっとも、その分、安心して聴けるアルバムになっており、John Legendの魅力をしっかり生かされているアルバムにも感じました。2枚組で、事実上のセルフタイトルということで彼の力の入れようがわかる傑作アルバム。売上の側面では最近、若干低調気味な彼ですが、その実力に衰えはないことを感じさせる作品でした。

評価:★★★★★

John Legend 過去の作品
once again
WAKE UP!(John Legend&The Roots)
LOVE IN THE FUTURE
DARKNESS AND LIGHT
A Legendary Christmas
Bigger Love


ほかに聴いたアルバム

Will Of The People/MUSE

イギリスのロックバンド、MUSEによる約4年ぶりのニューアルバム。MUSEといえば、分厚いバンドサウンドをこれでもかというほどゴリゴリに押し付け、ダイナミックな楽曲を聴かせるバンド。良くも悪くも胸焼けしそうなこってりサウンドが特徴的なバンドですが、今回のアルバムも、いつものMUSE同様、バンドサウンドに打ち込みやピアノなども取り入れて、これでもかというほど分厚くダイナミックなサウンドを聴かせてくれます。MUSEとしての目新しさはないけれども、聴いた後にMUSEを聴いたな、という満足感は間違いなく感じることの出来る作品になっていました。

評価:★★★★

MUSE 過去の作品
The Resistance
The 2nd Law(邦題 ザ・セカンド・ロウ~熱力学第二法則)
Live at the Rome Olympic Stadium
Drones
SIMULATION THEORY

I Am The Moon:Ⅳ.Farewell/Tedeschi Trucks Band

全4作からなる「I Am The Moon」プロジェクトの最終章となる作品。前半は力強さを感じるバンドサウンドを聴かせる作品になっており、一方後半は、哀愁感たっぷりのメロディーを聴かせる内容になっています。この力強いバンドサウンドと哀愁感あるメロディーといえば、テデスキの魅力を端的にあらわした要素。そういう意味ではプロジェクト最終作にして、テデスキの魅力であり特徴を、わずか6曲の中で凝縮させた作品ともいえるかもしれません。

評価:★★★★

TEDESCHI TRUCKS BAND 過去の作品
Revelator
MADE UP MIND
Let Me Get By
Signs
I Am The Moon:Ⅰ.Cresent
I Am The Moon:Ⅱ.Ascension
I Am The Moon: III. The Fall

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