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2022年8月 2日 (火)

2022年上半期 邦楽ベスト5

昨日に引き続き、本日は上半期邦楽ベストアルバムです。

5位 七号線ロストボーイズ/amazarashi

聴いた当時の感想は、こちら

コロナ禍の中で、コロナ禍をテーマとしたアルバムをリリースしてきたamazarashiですが、そんな彼らの最新アルバムは、彼らの出自である青森をテーマとした作品。タイトルの「七号線」は、青森を走る国道7号線から取られたもののようですし、そのほか、青森の具体的な固有名詞が数多く登場しており、あらためて彼らの原点に立ち返ったとも言える作品になっています。そんな中で懸命にその日を暮らす人々に対する視点は相変わらず。特に歌詞については今まで以上にインパクトが強く、文句なしの傑作に仕上がっていました。

4位 Muddy comedy/山中さわお

聴いた当時の感想は、こちら

the pillowsの山中さわおによるソロアルバム。ここ最近はソロ作でもバンドサウンドを前に押し出した作品をリリースしていましたが本作も同様。さらに、ソロ作ではthe pillowsの作品以上に、山中さわおの歌いたいことを前に出した内省的な歌詞が特徴的なのですが、今回の作品もthe pillows以上に山中さわおらしい歌詞が特徴的。the pillowsが好きなら、かなりはまりそうな作品になっています。ちょっとこれをthe pillowsで演ってほしかったなぁ、という感じもしないではないのですが、彼のトータルキャリアの中でも指折りの傑作でした。

3位 物語のように/坂本慎太郎

約6年ぶりとなる坂本慎太郎のニューアルバム。空間を生かすシンプルにまとめたサウンドと、人なつっこさがありつつも、どこか一筋縄ではいかない「ポップ」なメロディーラインが相変わらずの独特の空間を醸し出しています。さらに今回のアルバムはコロナ禍の中で作成されたということもあって、そんな現状を反映された歌詞も特徴的。いままで以上に歌詞は具体性を増したようにも感じられ、より心にストレートに響いてくるような、そんな傑作に仕上がっていました。

2位 ネオン/水曜日のカンパネラ

まさかのコムアイ脱退&詩羽の2代目ボーカリスト就任により、あらたなスタートを切った水曜日のカンパネラ。そんな新生水カンの第1作は、まずは挨拶代わりの配信限定アルバムとなるのですが、あらためて水曜日のカンパネラらしい作品を、新たなボーカルにより提示したような作品。彼女たちの王道路線とも言える作品なのですが、一方、新たなボーカリストを入れることにより、新鮮味も復活しています。なにより、ケンモチヒデフミの作る水カンのサウンドに詩羽のボーカルがピッタリマッチしているところが素晴らしいところ。文句なしの傑作でした。

1位 BADモード/宇多田ヒカル

聴いた当時の感想は、こちら

最近ではシンガーソングライターとして、ある意味「すごみ」すら感じさせる宇多田ヒカル。今回のアルバムでも、独特な歌詞の言い回しや、今時なサウンドを取り入れつつ、ともすれば歌謡曲的とも感じられる日本人の琴線に触れそうなメロディーラインを歌いあげるスタイルは、他を寄せ付けない圧倒的な独自性と実力を感じます。特に今回のアルバムでは、エレクトロサウンドやジャズなどといった最近のサウンドも積極的に取り入れており、海外との同時代性を感じさせる作風も魅力的。デビュー作から天才少女と言われた彼女ですが、それから20年以上を経て、このクオリティーを維持するあたり、とんでもないミュージシャンだということをあらためて感じてしまいました。

ほかのベスト盤候補としては・・・

NIA/中村佳穂
OVERHEAT49/百々和宏
アダプト/サカナクション
レキシチ/レキシ
笑い死に/般若
春火燎原/春ねむり
クモヨ島/幾何学模様
ALONE/OMSB

全体的には上期に関して、かなり豊作だったように感じます。上位では、1位から3位までが、かなり順位を迷うような同レベルの傑作。4位、5位と、OMSBの「ALONE」が、同じくらいのレベルの傑作だったように感じます。他に、事実上、シングルと同水準のEP盤だったのでベストアルバムには選びませんでしたが、イズミカワソラの「Continue」とTHE BAWDIESの「FREAKS IN THE GARAGE -EP」は、この水準でフルアルバムをリリースしてこれば、文句なしに年間1位2位クラスになりそうな傑作でした。

あらためてベスト5を振り返ると・・・

1位 BADモード/宇多田ヒカル
2位 ネオン/水曜日のカンパネラ
3位 物語のように/坂本慎太郎
4位 Muddy comedy/山中さわお
5位 七号線ロストボーイズ/amazarashi

最近、再びひどくなってきたコロナ禍ですが、とはいえ、ライブも普通に開催されるようになったり、少しずつ以前に戻りつつある点、ミュージシャンにとっても音楽活動を活発化させ、それが傑作のリリースにつながっているのでしょうか。下期の動向も楽しみです。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  
上半期
2021年 年間1  上半期

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