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2022年8月29日 (月)

ボカロP時代の曲をカバー

Title:MEMORIES2
Musician:ネクライトーキー

ポップスバンド、ネクライトーキーのニューアルバムは全8曲入りのミニアルバム。ネクライトーキーといえば、もともと「石風呂」名義でボカロPとして活躍していた朝日が、「石風呂」での楽曲をバンドで演奏するためにはじめたバンドだとか。本作は、その朝日が、ボカロP「石風呂」名義で発表した曲を、ネクライトーキーがカバーしたアルバム。インディーズ時代の2019年に第1弾がリリースされており、本作はその第2弾アルバムとなるそうです。

個人的に今回のアルバムで一番うれしいかったのが1曲目「君はいなせなガール」で、元東京カランコロンのせんせいこと日本松ひとみがボーカルとして参加しています。もともと朝日がこの頃、東京カランコロンの曲をよく聴いており、この曲も、ボーカルとしてせんせいをイメージして作られた曲だとか。個人的にここでもよく取り上げていたとおり、東京カランコロンは大好きなバンドだったのですが、ネクライトーキーも東京カランコロンの影響を受けていたバンドだったとは・・・。どちらもいい意味で底抜けに明るいポップソングを奏でるバンドなだけに共通項も強く感じます。

この曲に限らず、ほかの曲もネクライトーキーらしい、陽気で楽しいポップソングばかり。前述の通り、もともとネクライトーキーが石風呂の曲を歌うために結成されたバンドなだけに当たり前なのですが、ネクライトーキーの曲として全く違和感もありませんし、曲調とボーカルもっさの声質もピッタリとマッチしています。「ロック屋さんのぐだぐだ毎日」みたいなバンドサウンドを力強く聴かせつつコミカルに聴かせる曲も、ネクライトーキーらしさを感じますし、「午前3時のヘッドフォン」「壊れぬハートが欲しいのだ」のような分厚いバンドサウンドを押し出したギターロックチューンなどは、ロックバンドによるカバーならではといった感じもします。

ポエトリーリーディング的な要素を入れた「深夜の街にて」ような曲もはさみつつ、最後の「だれかとぼくら」もダイナミックなバンドサウンドを入れつつ、メロディアスでポップなメロと力強いボーカルが印象的。最後まで石風呂こと朝日の書く、底抜けに楽しくポップなメロディーラインに、バンドの奏でる明るくも分厚いバンドサウンド、そしてもっさのアニメ声っぽさも感じるかわいらしいボーカルがピッタリとマッチした曲が並びます。ネクライトーキーの曲として文句なし楽しめるアルバムでした。

個人的に直近のオリジナルアルバム「FREAK」ですっかりネクライトーキーにはまってしまったのですが、今回のアルバムでよりネクライトーキーの魅力を強く感じることが出来ました。そして個人的には東京カランコロンとのつながりを知れたこともうれしかった・・・。これからの彼女たちの活躍も楽しみになるミニアルバムでした。

評価:★★★★★

ネクライトーキー 過去の作品
FREAK


ほかに聴いたアルバム

ミックスナッツEP/Official髭男dism

現在、大ヒット中の「ミックスナッツ」を含む、ヒゲダンの4曲入りのEP。表題曲はジャズの要素をしっかりと入れつつ、幅広くアピールできるインパクトあるポップチューンにまとめているあたりヒゲダンの力量を感じます。微妙に複雑なコード進行に耳が惹かれる「Anarchy」に、ピアノとホーンで楽しくまとめたポップチューン「Choral A」、そしてちょっとジャジーな要素を入れつつメロウに聴かせる「破顔」まで、それぞれヒゲダンの魅力をしっかりと感じられる曲が並びます。まだまだ彼らの勢いを感じさせるEPでした。

評価:★★★★

Official髭男dism 過去の作品
エスカパレード
Traveler
TSUTAYA RENTAL SELECTION 2015-2018
Official髭男dism one-man tour 2019@日本武道館
Traveler-Instrumentals-
HELLO EP
Editorial

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