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2022年8月13日 (土)

不穏なビートがカッコいい

Title:NOTHING TO DECLARE
Musician:700 Bliss

アメリカはフィラデルフィアを拠点に活動するDJ Haramと、同じくフィラデルフィアを中心に、ミュージシャンとしてだけではなく詩人としても活躍するMoor Motherによるユニット700 Bliss。もともと2014年に結成されたユニットだそうですが、結成から8年、ようやくリリースに至ったデビューアルバムが本作だそうです。

基本的にエレクトロやハウス、HIP HOPを軸としたユニットで、勝手なイメージかもしれませんが、この手のユニットで女性2人組というのは珍しいという印象があります。また、これも勝手な印象ではあるのですが、女性のユニットというと、どうしてもメロウなボーカルを力強く聴かせる・・・というイメージがあるのですが、このユニットはそういったイメージとは全く異なります。

アルバムが始まるといきなりスタートするのは非常にヘヴィーでアップテンポなエレクトロビート。ここにラップのようなボーカルが加わり、非常に不穏な空気が漂います。この1曲目であり、タイトルチューンである「Nothing To Declare」から、続く「Totally Spies」も同じく不穏な雰囲気の漂う楽曲。ここにゲストのLafawndahによる清涼感のあるボーカルが加わります。

その後も、「Nightflame」ではよりトライバルなビートを展開したり、続く「Anthology」ではトランシーなビートが加わったりと、不穏な空気を漂わせつつ、様々なサウンド、ビートを取り入れてアルバムは展開していきます。その後もノイズが加わる「Candace Parker」や、スペーシーなサウンドが特徴的な「No More Kings」「Capitol」とバラエティーのある構成に。ラストを締めくくる「Lead Level 15」も様々なサウンドをサンプリングし、フリーキーな雰囲気を残しつつ、アルバムを幕を下ろします。

16曲入りながらも、わずか38分弱ですから、1曲平均3分もない構成。次から次へと新たなサウンドが繰り広げられる作風は魅力的で、最後まで飽きることはありません。全編通じて一貫する不穏な雰囲気と強いエレクトロビートも魅力的。尖ったエネルギッシュな作風が強いインパクトとなっています。

今回、前情報なしで完全にはじめて聴いたのですが、その強烈なビートとサウンドに一気に魅了された作品。文句なしにカッコいい傑作アルバムです。カッコいいお姉様の作品を聴きたい方は是非。お勧めです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Hyponos/Ravyn Lenae

故Aaliyahを彷彿とさせるジャケットの「Sticky」でも話題になったR&Bシンガーのフルアルバムとしてはデビュー作。ハイトーンでメロウなウィスパー気味のボーカルに、エレクトロサウンドも入るものの、全体的に暖かい雰囲気を持ったサウンドが魅力的な作品。ミディアムテンポで聴かせる曲がメインなだけに、決して派手さはありませんが、いい意味で安心して聴けるR&Bの良作になっていました。

評価:★★★★★

Crule Country/Wilco

アメリカのインディーロックバンド、Wilcoによる12枚目となるアルバム。楽曲的にはもともとの彼らの原点であるカントリーロック、フォークロックに回帰したような作品が多く、原点回帰という感もある作風に。美しいメロディーラインが耳を惹く楽曲も多く、ポップアルバムとしても十分楽しめる一方で、アコースティックなサウンドを主軸にしつつ、サイケな作風も混ざっており、一筋縄ではいかない点が彼ららしい感じが。毎回、良質な傑作アルバムをリリースし続ける彼らですが、本作もそれに違わない傑作に仕上がっていました。

評価:★★★★★

WILCO 過去の作品
Wilco(This Album)
THE WHOLE LOVE
Star Wars
Schmilco
Ode To Joy

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