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2022年7月18日 (月)

30年目のミスチル

2001年、2012年と、ほぼ10年毎にベストアルバムをリリースしてきたMr.Children。デビュー30周年となる今年、事実上、3度目となるベストアルバムをリリースしました。

Title:Mr.Children 2011-2015
Musician:Mr.Children

まずはこちら、「Mr.Children 2011-2015」。2011年から2015年の間に発表された楽曲が収録されています。ただし、一番前の作品は2012年リリースの「hypnosis」で、2011年に唯一リリースされた配信シングル「かぞえうた」は未収録となっています。

Title:Mr.Children 2015-2021&NOW
Musician:Mr.Children

こちらはタイトル通り、2015年から2021年にリリースされた楽曲が収録。さらに「&NOW」ということで、新曲「永遠」「生きろ」の2曲が収録されています。

今回、2枚同時リリースされたベストアルバムの大きな特徴は、CD2枚+DVDの全3枚組ということ。このうちDVDは、ミスチルのメンバーによる今とこれからについて語る座談会になっており、レコーディング風景やライブを収録した映像作品が多い中、メンバーの語りが聴けるという意味で貴重で興味深いDVDに仕上がっています。

また、CDのうちDisc2は「Mr.Children 30th giving」として、彼らの代表曲に係る過去のライブ音源が収録されています。「2011-2015」のDisc2、「Mr.Children 30th giving 1」は、2001年にリリースしたベストアルバム「1992-1995」「1996-2000」の範囲の曲のライブ音源が、「2015-2021&NOW」のDisc2、「Mr.Children 30th giving 2」では、ベストアルバム「2001-2005」「2005-2010」の範囲の曲のライブ音源が収録。この全4枚のCDを聴くことによって、事実上のオールタイムベスト的な構成になっています。

そして、正直言ってしまうと、今回のベスト盤、このDisc2のライブ音源の方が、どうしても耳が惹かれる曲が揃っている、と思ってしまいました。特にこの10年間、リリースされたアルバムはわずか4枚ですし(その前の10年間は7枚で、さらにその前の10年間は9枚(!))、その4枚のCDから、CD2枚分の選曲を行うわけですし、どうしてもセレクトに物足りなさは残ってしまいます。

また、ピアノやストリングスも入って、これでもかというほど分厚くスケール感を出したサウンドは、良くも悪くもいかにもスタジアムロック然とした印象は否めず。これを含めてミスチルらしいといえば非常にミスチルらしいのですが、残念ながら大いなるマンネリという印象も否めませんでした。

そうとはいってもインパクト満点のメロディーラインはいまでもしっかり健在で、個人的には特に「2015-2021&NOW」の方が、「fanfare」「Your Song」「Birthday」など、昔の彼らの曲に勝るとも劣らない楽曲が多く収録されていたような印象を受けます。直近のオリジナルアルバム「SOUNDTRACKS」は個人的にはあまりピンと来ないアルバムでしたが、こう並べると、彼らの勢いが今となっても衰えていないことを感じます。

そして何よりもライブ盤が名曲揃い。「CROSS ROAD」がバラードアレンジで、原曲と雰囲気が異なる点を除いて、基本的に原曲準拠のアレンジになっており、懐かしい名曲の数々をあらためて味わうことが出来ます。個人的には90年代の楽曲が、やはり思い出補正も合わせて感慨深いものもありますが、それ以降の楽曲も名曲揃い。あらためてMr.Childrenが優れたバンドであることを再認識しました。

このベスト盤を機に、あらたな10年の活動に入る彼ら。次の10年にも新たな名曲が続々と誕生しそうな予感もします。これからも彼らの活躍に期待したいところです。

評価:どちらも★★★★★

Mr.Children 過去の作品
SUPERMARKET FANTASY
SENSE
Mr.Children 2001-2005<micro>
Mr.Children 2005-2010<macro>

[(an imitation) blood orange]
REFLECTION
重力と呼吸
SOUNDTRACKS

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