ポップで心地よいガールズロック
Title:Wet Leg
Musician:Wet Leg
今、最も注目されているイギリスのギターロックバンドのデビューアルバム。イギリスはワイト島出身の女性2人組ロックデゥオで、デビュー作となる本作は、いきなり全英チャートで1位を獲得。その名前を大きく轟かせました。日本でも先日、日テレの「スッキリ!」に出演し注目を集め、初来日ツアーの東京公演のチケットもあっという間に売り切れるなど、高い注目を集めています。
楽曲は、基本的に王道を行くようなオルタナティブ系のギターロック。デビューシングルとなっている「Chaise Longue」はメロディーラインとバンドサウンドが淡々として進む中、サビで流れてくるメロディアスなギターフレーズがいかにもオルタナ系のギターロックらしく、ポップでメロディアスで、おそらくロックリスナーの壺にはまりそう。これに続くシングルとなった「Wet Dream」はテンポよくダンサナブルなリズムが心地よい作品で、ほどよく分厚いサウンドにポップなメロディーラインがリズムにもピッタリとマッチしたギターポップのナンバーに仕上がっています。
他にも「Being In Love」や「Convincing」のようなノイジーなバンドサウンドをちょっと気だるく聴かせつつ、一方で「Ur Mum」など、彼女たちのハイトーンボイスを心地よく聴かせるギターポップチューンで、ここらへんはガールズバンドとしての本領発揮といった感じでしょうか。このポップな曲に続く「Oh No」は、逆にダイナミックなギターサウンドを聴かせるヘヴィーな作風の曲で、ガールズバンドといってなめちゃいかんよ、と主張されているかのようです。
一方では「Loving You」ではファルセットボイスでメロウに聴かせるミディアムチューンの楽曲。「Piece Of Shit」もアコースティックギターも入って、しっかりと「歌」を聴かせる楽曲に。最後を締めくくる「Too Late Now」もリバーブきかせたギターサウンドをバックに、しんみりと歌を聴かせるスタートに。最後は分厚いバンドサウンドで締めくくるのですが、基本的に「歌」を聴かせるというスタンスも強く感じさせます。
ほどよくヘヴィーでノイジーなオルタナ系のギターサウンドに、ポップでメロディアスなメロディーライン。さらにガールズロックらしいキュートなボーカルも相まって、難しいこと抜きに素直に心地よいギターロックを楽しめる傑作に仕上がっていました。チャットモンチーあたりが好きなら間違いなく気に入りそう。いい意味で広いリスナー層に支持を受けそうなサウンドなだけに、日本でも今後、人気をさらに集めそうな予感もします。これからも楽しみになってくるガールズロックバンド。ギターロック好きなら要注目です。
評価:★★★★★
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