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2022年6月 7日 (火)

とにかくカッコいい!!

Title:Fear Of The Dawn
Musician:Jack White

ソロ名義としては約3年ぶり。今や既にギターレジェンドとしての風格すら感じさせるJack Whiteの4枚目となるソロアルバムがリリースされました。もともと、彼の名前が世に広まったThe White Stripesの時代から、ブルースロックの影響を強く感じるガレージロックでロックリスナーを虜にしてきた彼。今回のソロアルバムに関しても、まずはロックリスナーからしてみれば、無条件でカッコいい!!と叫びたくなるようなロックが繰り広げられています。

彼の楽曲でカッコいいと思わせる最大の要素は間違いなく、そのギターのリフでしょう。1曲目「Taking Me Back」の思いっきりエフェクトをかけつつもヘヴィーに展開するギターリフにまずはグッと来るでしょうし、「The White Raven」のノイジーなギターリフも大きなインパクトに。「That Was Then,This is Now」も意外なポップなメロディーラインが耳を惹くのですが、ここでもメロディーに合わせたテンポ良いギターリフが耳に残ります。

ギターリフ主導のガレージロックで、昔ながらもハードロックの要素を強く取り入れているというのも大きな魅力なのですが、一方でギターサウンドにエフェクトも多く取り入れており、時としてサイケ的な要素も感じられる独特の音楽性も大きな魅力。特に「Eosophobia」の冒頭ではダブ的な要素も取り入れており、音楽性の幅広さを感じさせます。

また、「Hi-De-Ho」では、冒頭、歪んだギターサウンドでサイケ的にスタートしつつ、A Tribe Called QuestのQ-Tipがゲストで参加し、ラップが展開されています。さらに「What's the Trick?」ではヘヴィーなギターリフにシャウト気味なラップが入るミクスチャーロックなナンバー。さすがにHIP HOPやミクスチャーロックだけで「今風」といった時代ではないのですが、ただ、エフェクトを加えたギターサウンドといい、単純なルーツ志向とは少々異なった音楽性も大きな特徴となっています。

さらにグイグイと食い込んでくるヘヴィーなサウンドと反して、メロディーラインについては意外とポップな印象を受けるのも特徴的。特に「Morning,Noon and Night」ではヘヴィーなサウンドをバックに、意外とポップなメロを繰り広げていますし、ラストの「Shedding My Velvet」でもピアノも取り入れて聴かせるメランコリックなメロディーが印象に残ります。

前作「Boarding House Reach」ではさらにゴスペルやラテンなどの要素を取り入れて、自由度の高い音楽性が魅力的な作品になっていました。今回のアルバムに関しても、前作から引き続きHIP HOPの要素を取り入れるなど、様々な音楽性は感じさせます。ただ、前作に比べると、アルバムとしての統一感は増し、グッと引き締まったアルバムになったようにも感じます。ちなみに7月には、早くも今年2枚目となるアルバム「Entering Heaven Alive」もリリースも予定されているとか。かなり精力的な活動を続ける彼。その理由もわかる充実作でした。

評価:★★★★★

Jack White 過去の作品
BLUNDERBUSS
Lazaretto
Boarding House Reach


ほかに聴いたアルバム

GOLD/Alabaster DePlume

イギリスはロンドンを拠点に活動を続けているサックスプレイヤーによるニューアルバム。サックスでムーディーに聴かせる作風で、くすんだ雰囲気も魅力的。所々入るトライバルなサウンドも魅力的で、独特のサウンドを聴かせる構成は非常に魅力的。また、フォーキーだったり、哀愁感たっぷりだったりするメロも意外とポップで聴きやすさも感じます。ただ、19曲1時間強という構成は、長すぎるとい感じではないものの、似たタイプの曲が多く、ちょっと最後の方は飽きが来てしまった感も・・・。12曲程度の構成だったら、文句なしの傑作だったと思うのですが。

評価:★★★★

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