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2022年5月15日 (日)

今回も、日本人好みなエモコアに

Title:sore thumb
Musician:Oso Oso

ニューヨークを拠点に活動するエモバンド、Oso Osoのニューアルバム。前作「Basking In The Glow」で話題を集め、同作はインディー系バンドとしては珍しく、国内盤までリリースされるなど注目を集めたバンドとなりました。実際、あえて日本でも国内盤をリリースして売ろうとするレコード会社側の意図はよくわかります。いわゆるJimmy Eat WorldやThe Get Up Kidsなどの直系とされるエモコアのメロディーラインはメランコリックで、間違いなく日本人の壺をつきそうなもの。これを聴いて日本でも、となった発想はよくわかるような気がします。

今回のアルバムでも、1曲目「computer exploder」でいきなり心をつかまれたリスナーも多いのではないでしょうか。最初はアコギをかき鳴らしつつ、非常にキュートでポップなメロディーラインからスタート。その後は分厚いバンドサウンドが入って、いっきにダイナミックに繰り広げられる構成は見事。途中、シャウトも入り、ロックバンドらしいダイナミックさとポップなメロディーラインの妙が絶妙にマッチした名曲になっています。

その後も分厚いバンドサウンドにキュートなメロを聴かせるエモコアなナンバーが続きます。途中、箸休め的なデモ音源風のインターリュード「all love」に続く「fly on the wall」も勢いのあるパワーポップ的なナンバーで、ポップなメロが耳を惹きます。後半はミディアムチューンの「describe you」「sunnyside」や軽快なポップチューンの「because i want to」、ピアノの音色を加えて独自性のあるサウンドを聴かせる「pensacola」などバリエーションあるポップを聴かせつつ、「nothing says love like hydration」は、また前半と同様、王道とも言えるポップなメロと分厚いサウンドによるエモコアのナンバー。本領発揮とも言える楽曲で再びリスナーの耳を一気に惹きつけます。

ラストの「carousel」はギター弾き語りでしんみり聴かせる楽曲。ある意味、チルアウト的と言えるかもしれません。最後は静かな雰囲気でアルバムは終了。40分弱という短さでしたが、ポップなメロと分厚いサウンドが心地よいエモコアの王道とも言えるナンバーからバリエーションも多く聴かせてくれ、最後まで一気に楽しめるアルバムになっていました。

今回のアルバムも前作に引き続き、微妙にメランコリックなメロディーラインがいかにも日本人好みといった感じのアルバムで、前作同様、エモコア好き、あるいはパワポ好きには無条件でお勧めできそうな傑作アルバムに仕上がっていました。個人的にも壺にはまり、年間ベストクラスの内容だったかも。ただ、国内盤がリリースされた前作に比べると、本作は国内盤リリースの情報はなく、ちょっと寂しい感じが。前作が思ったほど売れなかったのでしょうか?しかし、これは是非とも日本でも注目されてほしいバンド!要チェックです。

評価:★★★★★

Oso Oso 過去の作品
Basking In The Glow

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