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2022年5月 2日 (月)

実に13年ぶりのニューアルバム

Title:THE NEW ALBUM
Musician:スケボーキング

なんと、あのスケボーキングが帰ってきました!!・・・・・・といっても、特に若い世代にとっては、「スケボーキング・・・誰?」という方も少なくないかもしれません。1995年に結成した彼らは、いわゆるミクスチャーロックにカテゴライズされたバンド。1999年に、Dragon Ash主催のイベント「TMC」に出演し知名度を上げ、さらに2001年には小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」をサンプリングしたシングル「TOKYO LV」が大ヒットを記録しました。

ただ、その後、活動休止期間などを挟み2010年に解散。初期の彼らは、どちらかというとポップス寄りのミスクチャーロックバンド、その後、エレクトロ方面にシフトし、若干迷走気味のアルバムをリリースしていましたが、ラストアルバムとなる「RETURNS」は、そこまでの実験性と、初期の彼らのポップな方向性が見事にマッチした傑作に仕上がっており、それだけにこのタイミングでの解散は非常に惜しく感じたことを覚えています。

それから10年。なんと2020年に、解散時のメンバーにより活動再開を発表。配信限定のシングルなどをリリースしつつ、今回、実に13年ぶりとなるニューアルバムをリリースしました。その名も、そのまま「THE NEW ALBUM」。そっけないタイトルながらも、どこかユーモラスを感じさせるものが彼ららしさを感じさせます。

さて、そんな待望となるニューアルバムですが、解散前最後はエレクトロ方面にシフトしていた彼ら。活動再開後はどの方面のアルバムを聴かせてくれるのか、期待しつつ作品を聴いたのですが、方向性としては、比較的初期の彼らに近い作風になっており、いわば原点回帰的な作品。ミクスチャーロックというよりは、もともとビースティーボーイズからの影響が大きい彼らなだけに、作品的にもビースティーズの影響を強く感じるような、オールドスクールなHIP HOP、あるいはロックのサウンドを取り入れたHIP HOPという方向性の強い作風に。タイトルそのまま「ビートとベースとスクラッチ」などは、そのタイトルのまま、オールドスクールの要素の強いHIP HOPチューン。先行シングルとなっている「キャプテン隊長」「不気味の谷」にしても、軽快なリズムでオールドスクール的なHIP HOPの楽曲に仕上げています。

そのほかにも、解散前に目指していたエレクトロの方向性を取り入れた「Out of Known」やメロウなサウンドを取り入れて、最近の流行で言えば、シティポップ的な要素も感じられる「sign」といった楽曲もあり、アルバムにインパクトを加えているほか、さらにDragon Ashとのコラボで、お互いの名義で作品をリリースし続けている「EPISODE」シリーズの最新作「EPISODE 7」も収録されて大きな話題となっています。

率直に言ってしまって、サウンド的には目新しさはありません。このアルバムで聴かせるオールドスクール的なサウンドは、残念ながら今でも「一回り周って新しい」といった感じはなく、ただ「懐かしい」という感情を抱いてしまいます。しかし一方、コミカルな要素を含めてポップでいい意味で最高に聴きやすいという点は大きな魅力。特にスケボーキングの特徴であるSHIGEOのハイトーンボイス、SHUNのロートーンのボーカルという対比は今回のアルバムでもうまく生かされています。さらに「不気味の谷」のような、どこかコミカルな楽曲も少なくなく、スケボーキングらしさはしっかりと出ていたように感じます。

13年ぶりのアルバムということで、まずはスケボーキングらしさをしっかりと発揮させた、復帰後のあいさつ代わりの1枚といった感じでしょうか。そして、しっかりとスケボーキングの魅力が出ていた傑作アルバムに仕上がっていたと思います。今後はコンスタントに活動を続けていくのでしょうか?これからの彼らの活躍に期待したいところです。

評価:★★★★★

スケボーキング過去の作品
ZOMBIE BEST
RETURNS


ほかに聴いたアルバム

東京/SUPER BEAVER

結成17年目で、そろそろベテランの領域に入るバンドながら、ここ最近、人気が上昇してきている4人組。それなりにヘヴィーなバンドサウンドを聴かせつつも、いまひとつルーツレスなサウンドや、ちょっとベタなメロディーラインはいかにもJ-POP的。前作「アイラヴユー」では骨太な路線に進むのか、軽快なギターロック路線に進むのか、中途半端な立ち位置といった印象を受けたのですが、よりポップな方向性に進んだような印象も。良くも悪くも、確かに売れ線といった感じなのですが。

評価:★★★★

SUPER BEAVER 過去の作品
アイラヴユー

The Best&More 2001~2022/CHEMISTRY

活動20周年を記念してリリースされたCHEMISTRYのベスト盤。ただ、単純に過去の代表曲を並べた作品ではなく、Disc1は「PIECE OF A DREAM」「Point of No Return」といった代表曲をmabanuaやKan Sanoといったミュージシャンを迎えてリメイクした内容。Disc2は、メンバー2人それぞれがセレクトした知る人ぞ知る的な曲を並べた「裏ベスト」的な内容となっています。リメイクの方は、若干、最近の流行のシティポップ的な要素も混ぜ合わせ、最近の音にアップデートした内容に。Disc2の曲は、スタンダードな作風ながらもしっかりと歌声とメロディーを聴かせる良曲が並んでいます。どちらも卒のない内容ながらも、抑えるべきところはしっかりと抑えた作風といった感じでしょうか。CHEMISTRYの今の魅力をしっかりと感じさせるベストアルバムでした。

評価:★★★★★

CHEMISTRY 過去の作品
Face to Face
the CHEMISTRY joint album
regeneration
CHEMISTRY 2001-2011
Trinity
はじめてのCHEMISTRY
CHEMISTRY

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