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2022年4月 5日 (火)

結婚・出産・育児を経ての久々の新作

Title:HELLO WOMAN
Musician:つじあやの

なんと、純然たるオリジナルアルバムとしては2010年の「虹色の花咲きほこるとき」以来、実に約11年4か月ぶり。その後、リリースされた「Oh!SHIGOTO Special」からも約9年2ヶ月ぶりというインターバルを経てリリースされたつじあやののニューアルバム。その前作「Oh!SHIGOTO Special」リリース後、2015年には結婚、2017年には出産という大きなイベントを経た彼女。2017年に産まれた子供ももうすぐ5歳ということで、ようやくミュージシャン活動を再開させることが出来た、ということなのでしょう。無事、ミュージシャン活動に復帰、ということでホッとしました。

さて、つじあやのといえばウクレレによる弾き語りで、シンプルで暖かみのあるポップソング、というのが大きな特徴。アコースティックベースのシンプルな作風というのが彼女の特色でした。ただ、今回のアルバムに関しては、そんな印象がグッと変わります。1曲目「アンティーク」から、シンセも加わった分厚いサウンドが特徴的。続く「明日きっと」は暖かみのあるポップソングはつじあやのらしいメロディーなのですが、ストリングスやホーンセッションも加わった賑やかなサウンドになっています。

後半も「朝が来るまで」など疾走感あるバンドサウンドのギターロック路線になっていますし、「にじ」にしてもストリングスやサックスも入った分厚いサウンドに。オリジナルアルバムとしての前作「虹色の花咲きほこるとき」もバンドサウンドなどを取り入れて、比較的分厚いサウンド構成になっていた作品でしたが、今回のアルバムは、その傾向がより強く表れた作品になっています。

もっとも一方ではQueenのカバー「Killer Queen」はウクレレ弾き語りでシンプルに聴かせる作品になっていますし、「お別れの時間」もウクレレを聴かせつつ、比較的シンプルなサウンドの曲に。ウクレレの音がほとんど入っていなかった「虹色の花~」に比べると、そういう意味ではつじあやの=ウクレレのイメージに沿った作品は少なくありませんでした。

また、結婚・出産・育児を経た、今の彼女らしさを反映させた曲もあり、特にそれが顕著だったのが「にじ」でしょう。

「そう君が生まれてから
毎日がジェットコースター
穏やかで静かな一時なんて
夢のまた夢の話」
(「にじ」より 作詞 つじあやの)

なんて、まさに育児を経験した方にとっては、かなり共感を得ることが出来そうな歌詞ではないでしょうか。

メロディーラインにしろ、所々に流れてくるウクレレにしろ、つじあやのらしさは強く感じる一方、個人的にサウンドに関しては若干トゥーマッチだったような印象を受ける作品。ただ、何よりも、久しぶりにつじあやのの歌声が聴けたことが非常にうれしくなるアルバムでした。今後はコンスタントに活動を続けてくれるのでしょうか。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★

つじあやの 過去の作品
Sweet,Sweet Happy Birthday
COVER GIRL2
つじギフト~10th Anniversary BEST~
虹色の花咲きほこるとき
Oh!SHIGOTO Special

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