ワクワク楽しいポップソングの連続
Title:JAPANESE SINGLES COLLECTION-GREATEST HITS-
Musician:WHAM!
先日もBilly Joelのバージョンを紹介しました「JAPANESE SINGLES COLLECTION」シリーズ。今回紹介するのはWHAM!の日本でのシングルをまとめたベストアルバムです。WHAM!は1981年から1986年にかけて活動し、数多くのヒット曲を生み出した、ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーによるポップドゥオ。活動期間はわずか5年と非常に短かったのですが、数多くのヒット曲を生み出して一世を風靡しました。解散後も、ジョージ・マイケルのライブにアンドリューが参加するなど、再結成という話も出ていたこともあったようですが、2016年にジョージ・マイケルがわずか53歳という若さで急逝。再結成という話は実現しませんでした。
WHAM!が活動していたころは、私はまだ小学校低学年であり、彼らのヒット曲をWHAM!としてリアルタイムでは意識的に聴いたことはありません。ただ、おそらく私のようなアラフォー以上の世代の方にとっては、WHAM!といえば「Last Christmas」とすぐに思い起こされるのではないでしょうか。WHAM!が1984年にリリースし、全英1位の大ヒット曲になった同曲は日本でもヒットし、日本でも山下達郎の「クリスマス・イブ」と並んで、特に90年代にはクリスマスとなると毎年チャートの上位に入ってくるクリスマスの定番ナンバーになりました。さすがに最近ではベスト10にまで上がってくることはなくなりましたが、それでも直近の2021年12月29日付Billboard Hot 100では50位にランクインしており、いまでもクリスマスソングの定番として聴かれていることが伺えます。
個人的にも、そういう「Last Christmas」のWHAM!というイメージでこのアルバムを聴き始めたのですが、聴いてみると実はこれってWHAM!の曲だったんだ!という「知っているヒット曲」があまりに多く収録されていてビックリしました。例えばイギリスのみならずアメリカでも1位を獲得した「Wake Me Up Before You Go-Go」や、CMソングにもなったという「Freedom」など、何度も聴いたことある陽気なこれらのナンバーがWHAM!の曲だったということを今回はじめて知りましたし、「Careless Whisper」のイントロのサックスのフレーズなど、あまりにも有名(正確にはジョージ・マイケルのソロ名義ですが)。哀愁たっぷりのサビの部分も何度も聴いたことありますし、同じメランコリックなナンバーといえば「Where Did Your Heart Go?」も同様に聴きなじみのある楽曲です。
おそらくリアルタイムでもテレビやラジオで何度も流れていたのでしょうし、またテレビ番組のBGMとしても、何度も繰り返し使用されてきたこれらの曲。それを何度も聴く機会が多く、WHAM!の曲と認識しないままに、いつの間にか耳なじみのある曲となったのでしょう。それだけWHAM!がリアルタイムでヒットを飛ばしてきたということでしょうし、またインパクトのある曲を書いてきた、ということなのでしょう。
そして実際にこのベストアルバムを聴いてあらためてWHAM!の曲に魅了されました。彼らの曲は聴いていて、とにかくワクワク楽しく聴くことが出来ます。もともと80年代のポップソングといえば底抜けに明るいポップソングが目立つ訳ですが、彼らの曲はそんな中でも特に楽しく、ウキウキさせるようなインパクトある曲が並んでいますし、そのような中に「Careless Whisper」のような哀愁感たっぷりの曲が入ってくる訳ですから、これは聴いていてどんどん魅了されない訳がありません。
ちなみに今回はPVを収録したDVDもついてくる訳ですが、こちらも80年代の明るさを象徴するようなPVばかりで見ていて存分に楽しめます。いままでWHAM!はほとんど意識して聴いたことなかったのですが、あらためて実に魅力的なポップミュージシャンなんだということを実感できました。いい意味で実に80年代らしい陽気なポップソングの連続の1枚。リアルタイムで聴いたことない方、特にポップソングが好きという方には文句なしにお勧めできる作品で、WHAM!入門としても最適なアルバムでした。
評価:★★★★★
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