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2022年3月

2022年3月31日 (木)

注目シンガーの新作が1位獲得

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今、最も話題のSSWの一人の新作が、1位獲得です。

今週、1位を獲得したのは藤井風「LOVE ALL SERVE ALL」。昨年末には紅白に出場し、「きらり」も大ヒットした、今もっとも話題のシンガーソングライターの一人と言える彼の新作が、見事1位を獲得しました。CD販売数、ダウンロード数及びPCによるCD読取数いずれのチャートでも1位獲得。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上14万3千枚で1位を獲得しています。ビルボードチャートでは前作「HELP EVER HURT NEVER」に続く1位獲得。オリコンでは本作が初の1位獲得作に。前作「HELP EVER HURT NEVER」の初動売上は2万枚(2位)でしたので、そこから約7倍という大幅増での1位獲得となりました。

2位はゆず「PEOPLE」が初登場。CD販売数及びダウンロード数2位、PCによるCD読取数7位。オリコンでは初動売上3万5千枚で2位初登場。「YUZUTOWN」の5万9千枚(2位)からダウン。昨年10月から25周年イヤーに突入した彼らの約2年ぶりとなるアルバム。横浜の路上でのストリートライブが話題になってから、もうそんなになるんですか・・・。

3位初登場は「戦姫絶唱シンフォギア キャラクターソングコンプリートBOX」。テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズのキャラクターソングを網羅したCDボックス。全9枚組16,500円というボリューム感ながらも、CD販売数3位、PCによるCD読取数13位、オリコンでも初動売上1万4千枚を売り上げて3位にランクインするという結果になっています。この手のファンは金に糸目をつけないのでしょう。

続いて4位以下の初登場盤です。4位に女性アイドルグループ私立恵比寿中学「私立恵比寿中学」がランクイン。CD販売数4位、ダウンロード数15位、PCによるCD読取数31位。オリコンでは初動売上1万3千枚で4位初登場。前作「playlist」の3万3千枚(2位)からダウン。

5位にはロックバンド10-FEET「10-feat」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数13位、PCによるCD読取数25位。こちらも2022年にバンド結成25周年を迎えた彼らが、アニバーサリー・イヤーの第1弾としてリリースした、様々なミュージシャンとのコラボ曲をおさめたアルバム。オリコンでは初動売上1万枚で6位初登場。直近のオリジナルアルバム「Fin」の初動4万3千枚(2位)からダウン、またコラボレーションアルバムとしての前作「6-feat 2」の1万6千枚(11位)からもダウンしています。

8位にはfripSide「infinite synthesis 6」が初登場。アニソンを中心に歌う男女2人組ユニットの新作。CD販売数10位、ダウンロード数16位、PCによるCD読取数23位。オリコンでは初動売上8千枚で7位初登場。直近作はベスト盤「the very best of fripSide 2009-2020」で、同作の9千枚(8位)からは若干のダウン。オリジナルアルバムの前作「infinite synthesis 5」の9千枚(9位)からも若干のダウンとなっています。

初登場最後10位にはDA PUMP「DA POP COLORS」がランクイン。CD販売数9位、ダウンロード数49位、PCによるCD読取数92位。2018年に「U.S.A.」の大ヒットで再び注目を集めた彼ら。そんな彼らの、なんと2005年の「LEQUIOS」以来、約17年ぶりとなるオリジナルアルバムとなります。ちなみに「U.S.A.」も収録。若干、遅きに失した感もあるのですが、それでもベスト10入りしてくるあたり、根強い人気も感じさせます。オリコンでも初動売上7千枚で10位初登場。「U.S.A.」ヒットの最中にリリースされたベスト盤「THANX!!!!!!!Neo Best of DA PUMP」の初動4万9千枚(2位)よりダウンしています。

また今週はベスト10圏外からの返り咲きも1枚。Ado「狂言」が先週の11位から9位にランクアップし、2週ぶりにベスト10返り咲き。また、ベスト10ヒットも、これで通算8週目となりました。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日!

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2022年3月30日 (水)

比較的新譜が多め

今週のHot100

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今週は比較的新譜が多めのチャートとなっています。

まずそんな中で1位を獲得したのは乃木坂46「Actually...」。CD販売数及びPCによるCD読取数1位、ダウンロード数12位、ラジオオンエア数43位、Twitterつぶやき数8位、You Tube再生回数11位。オリコン週間シングルランキングでも初動売上46万3千枚で初登場1位を獲得。前作「君に叱られた」の初動53万5千枚よりダウン。

2位はKing Gnu「カメレオン」がワンランクダウンながらも2位をキープ。ダウンロード数は1位から2位、ストリーミング数は2位から3位、You Tube再生回数も4位から7位とダウンしていますが、まだまだ強さを感じさせる結果となっています。ただし、今週、新譜が多めだった影響で、いままでロングヒットを続けてきた「一途」が13位に、「逆夢」も12位にそれぞれダウン。連続ベスト10記録はそれぞれ15週、12週でストップしています。

一方、「一途」「逆夢」とデッドヒートを繰り広げていたAimer「残響散歌」は今週3位にランクアップ。2週ぶりのベスト3返り咲きとなり、その人気のほどを、というよりも「鬼滅の刃」の相変わらずの人気の高さを裏付ける結果となっています。特にストリーミング数は今週3位から2位にアップ。これでベスト10ヒットは16週連続、ベスト3ヒットも通算15週となっています。

続いて4位以下の初登場曲です。4位に男性アイドルグループINI「CALL 119」がランクイン。オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」から誕生したグループで、4月20日にリリース予定のシングル「I」からの先行配信曲となっています。ストリーミング数は本作が1位獲得。Twitterつぶやき数も1位、You Tube再生回数は6位にランクインし、総合順位はこの位置に。

8位にはMr.Children「永遠」がランクイン。Netflix映画「桜のような僕の恋人」主題歌。配信限定のシングルで、ダウンロード数は本作が1位に。ラジオオンエア数25位、Twitterつぶやき数19位にランクインし、総合順位はこの位置に。小林武史が7年ぶりに編曲に加わった作品になっており、相変わらずストリングスを入れまくりのアレンジは良くも悪くも彼らしい感じが・・・。

さらに10位には藤井風「まつり」が初登場。3月23日にリリースし、今週のHot Albumsへもランクインしているアルバム「LOVE ALL SERVE ALL」からの先行配信として3月20日にリリースされた楽曲。ラジオオンエア数で1位を獲得したほか、You Tube再生回数が5位にランクイン。ほか、ダウンロード数13位、ストリーミング数33位、Twitterつぶやき数21位で、総合順位は見事ベスト10入りを果たしました。

続いてロングヒット曲ですが、今週も優里の曲が2曲ランクイン。ただ、なんと「ドライフラワー」が先週と変わらず6位をキープしているのに対して、「ベテルギウス」が5位から7位にダウン。結果、両者の順位が逆転することになりました。これで「ドライフラワー」は連続71週、「ベテルギウス」は連続21週目のベスト10ヒットに。まだ「ドライフラワー」は今週もカラオケ歌唱回数で1位を獲得し、連続1位記録を60週に伸ばしています。

また今週、Saucy Dog「シンデレラボーイ」が9位にランクインし、これでベスト10ヒットを通算8週目としました。Saucy Dogは結成9年目となるスリーピースロックバンド。この曲はもともと昨年8月18日に配信開始された楽曲なのですが、イラストレイターのますだみくが手掛けたMVが徐々に話題を集めロングヒット。今年1月の「ミュージックステーション」出演を機に一気に順位をあげてベスト10ランクイン。その後、現在までヒットを続けています。ただ、ストリーミング数で7位にランクインしているものの、ここ最近は7位→7位→9位と下降気味。特に4位までランクをあげたYou Tube再生回数が21位までダウンしており、若干、厳しい状況となっています。

一方、今週は新曲のランクインに押し出される形でKing Gnuの2曲がベスト10落ちしているほか、先週、ベスト10に返り咲きたマカロニえんぴつ「なんでもないよ、」が11位にダウン。ベスト10ヒットは通算13週でストップしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年3月29日 (火)

良くも悪くもビーイング系らしい

Title:慈愚挫愚 参 -夢幻-
Musician:-真天地開闢集団-ジグザグ

フルアルバムとしては4作目となる本作が、いきなりビルボードチャートでベスト3入りし、突然のヒットとなったヴィジュアル系バンド、-真天地開闢集団-ジグザグ。ちなみに読み方は「しんてんちかいびゃくしゅうだん じぐざぐ」と読むそうです。日本の神道的なイメージを突き詰めてヴィジュアル系にしたようなコンセプトのいで立ちに、ライブを「禊」と読んだり、ファンを「参拝者」と読むような独特の世界観を貫いているようなバンド。この独特の世界観がユニークに感じられたので、チャートインする前には一切、音源等を聴いたことのないバンドだったのですが、今回、はじめてアルバムを聴いてみました。

で、このバンドがどういうバンドか調べていく過程で少々驚くことがありました。このレコードの販売元が、GIZA Studio参加のCRIMSONというレーベルだったということ。要するに、彼ら、いわゆるビーイング系のバンドということ。ビーイング系といえば、特に90年代後半、CMソング向けに作られたような異様にキャッチーなサビを持つ画一的なJ-POPサウンドで一世を風靡したグループ。良くも悪くも「売れる」ことに主眼を置いたようなポップソングはヒットチャートを席巻し一時代を築くものの、音楽的な評価は一部のミュージシャンを除き、決して高いものではありませんでした。

そんな画一的なポップソングが特徴的なビーイング系なだけに、彼らのような独特の世界観を持つようなヴィジュアル系バンドを擁している点に少々驚きつつ、ビーイング系も変わったんだなぁ、と思いつつ、アルバムを聴いてみたのですが・・・確かに、ビーイング系のミュージシャンのアルバムになっていました。

その独特のビジュアルイメージとは相反するように、サウンド的には至って爽やかなポップ路線。「タガタメ」などではメタルの色合いが強かったり「死神」「Requiem」ではデス声などを取り入れたハードコアな路線も目立つのですが、基本的に歌がスタートすると非常にポップで、良くも悪くもキャッチーなメロディーラインが特徴的。「昴」のように和なサウンドをふんだんに取り入れつつ哀愁たっぷりに聴かせる楽曲にも彼ららしさを感じるのですが、アルバム全体としては良くも悪くも聴きやすいポップな路線にまとまっており、「ビーイング系」のイメージを大きく逸脱するものはありませんでした。

最初からこのような路線のバンドだったのか、それとも売り出される過程でこのようなサウンドに変わっていったのかはわかりません。ただ、メタルやハードコアからの影響も強く感じられるだけに、いかにも悪い意味でJ-POP的な、キャッチーだけど平坦なメロディーラインのポップ路線は、個人的には物足りなさを感じます。和風の要素を取り入れた独特の世界観を打ち出しているバンドなのに、メロディーはよくありがちなJ-POPという路線は、ちょっともったいなくも感じてしまいます。

ただ一方、メタルやハードコアの要素だけではなく、ラストの「ナニモシタクナイ」ではパンクの要素も感じられたりと、なにげにユニークな音楽性にはバンドとしての面白みも感じられました。それだけに、いかにもJ-POP的なサウンドとメロディーにまとめ上げられている点はバンドとしてプラスだったのか、かなり微妙な印象も。こういう売れ線な曲の作り方を、ともすれば30年以上、貫きとおすあがりが逆にビーイング系のすごさとも言えるかもしれませんし、こういう売り方しかできないという点がビーイング系の限界とも言えるのかもしれませんが・・・。

ちなみにボーカルの命-みこと-はWANDSのボーカルとしても活動しているそうで、当たり前ですが声が完全に一緒です(笑)。WANDSのボーカルとしては、かなり物足りなさを感じていたのですが、ジグザグでは全く違和感がなかった点、こういうタイプの曲の方が合っているんだろうなぁ、と思ってしまいます。ここらへんの「使いまわし」もある意味、ビーイングらしい感じなのですが。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Kirari Remixes(Asia Edition)/藤井風

藤井風の大ヒットナンバー「きらり」をアジアで活躍するミュージシャンたちがリミックスを手掛けたナンバー。ソウルや台北、インドネシアや中国など、日本ではあまりなじみがないもののアジア各地で活躍するミュージシャンたちが「きらり」の作品をリミックス。エレクトロサウンドが主体な中でも、ラテンな要素があったり、チップチューン的な曲があったり、トランシーに仕上げてきたり、それぞれの個性を感じさせるのがおもしろいところ。「きらり」という曲を素材にしつつも様々な調理が可能ということを実感できるユニークなリミックス盤でした。

評価:★★★★

藤井風 過去の作品
HELP EVER HURT NEVER
HELP EVER HURT COVER

30Years 30Hits/THE YELLOW MONKEY

30hits 

今年、デビュー30周年を迎えるTHE YELLOW MONKEYが、サブスク限定でリリースしたベストアルバム。タイトル通り、30曲のヒットソングがつまった内容に。いずれもリマスタリングが施されているため、ファンにとってはとりあえずはチェックしておきたいアルバムかも。THE YELLOW MONKEYについては、既に何枚もベスト盤がリリースされているだけに目新しさはないのですが、歌謡曲とグラムロック的な要素を上手く融合させた独特のロックチューンは、やはり何度聴いても魅力的。最新のベスト盤として、今の時点の入門盤としては最適かも。

評価:★★★★★

THE YELLOW MONKEY 過去の作品
COMPLETE SICKS
イエモン-FAN'S BEST SELECTION-
砂の塔
THE YELLOW MONKEY IS HERE.NEW BEST
9999
Live Loud

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2022年3月28日 (月)

いかにも「ヒット」しそうなアルバム

Title:
Musician:優里

おととしの10月にリリースした配信シングル「ドライフラワー」が驚異的なヒットを続ける男性シンガーソングライター優里。ビルボードのHot100では、2020年の11月以来、1年以上にわたってランクインし続けるという大ヒットを記録しています。ただ、女性スキャンダルが影響したのか、昨年末の賞レースでは、ほとんど「なかったもの」として扱われ、さらには紅白にも落選という自体となってしまい、自業自得の感は否めませんが、若干不遇な境遇である感じもします。とはいえ、今年に入って「ベテルギウス」も「ドライフラワー」並みのロングヒットを記録。待望のデビューアルバムとなった本作も大ヒットを記録するなど、「ドライフラワー」の一発屋かと思いきや、ミュージシャン優里の人気も確実に獲得しつつあります。

さて今回紹介するのはそんな大ヒット中の本作なのですが、大ヒットした「ドライフラワー」や「ベテルギウス」をはじめとして、確かに全体として、この2曲に負けないインパクトある曲も多く、曲に対してではなくミュージシャンに対して人気を得ているのもわかる気がします。特に本作では大ヒットしている2曲「ベテルギウス」「ドライフラワー」をいきなり冒頭に持ってきているあたり、その自信のほども感じさせます。

楽曲的には、あくまでも「ドライフラワー」「ベテルギウス」もそうですが、シンプルに歌を聴かせるミディアムテンポのナンバーがメインなのですが、まず目立つのはオルタナ系のギターロックからの影響を受けているような楽曲。大ヒットしている「ドライフラワー」など、まさにギターロック路線の典型例なのですが、「飛行船」などは疾走感あるギターロック路線でBUMP OF CHICKENからの影響がかなり顕著な作風に。もともと優里自体、THE BUGZYというロックバンドのボーカリストだったらしく、そんなバンド時代からの継続性を感じさせる曲調の作品も少なくありません。

また中盤「レオ」「ピーターパン」のように哀愁たっぷりのメロディーラインの曲も並び、ここらへんは歌謡曲的な側面も。さらに中盤以降でインパクトが強かったのが「かごめ」で、静かなピアノをバックにシャウト気味の力強いボーカルと胸をかきむしるような哀愁たっぷりのメロディーや社会への焦燥感を歌った歌詞が強く印象に残ります。特に、比較的シンプルなラブソングを歌う中で、この自らの焦燥感をつづった歌詞のインパクトはかなり強く、優里の音楽性の幅広さも感じさせる1曲となっています。

シンプルなポップソングがメインであり、メロディー的にも歌詞の表現的にも目新しいものは見当たらないですし、優里だけの個性がどれだけ出ているかと言われると、少々疑問な部分も否めなかったのですが、確かにインパクトのあるメロディーとそれなりにバリエーションある展開が楽しめるアルバムで、こういう楽曲がヒットするんだろうな、とある種の納得感を覚えるアルバムになっていました。おそらく、今後もコンスタントにヒットを続けていきそうな感があります。今後、どのような活躍を見せるのか、注目していきたいミュージシャンです。

評価:★★★★

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2022年3月27日 (日)

レコ大受賞で勢いにのるバンドの新作

Title:ハッピーエンドへの期待は
Musician:マカロニえんぴつ

昨年はレコード大賞の最優秀新人賞を受賞。いかにも事務所の力関係で決まりそうなレコ大新人賞は、近年、ほとんどアイドル系で占められているため、彼らみたいなバンド系が新人賞を受賞したのは異例中の異例でかなりビックリしました。おそらくバンド系がレコ大の新人賞を受賞するのは1990年のたま以来では?それに伴い、今年の年初からレコ大受賞曲の「なんでもないよ、」がロングヒットを記録。いままで、アルバムではヒットを飛ばしていたものの、シングルで大きなヒットのなかった彼らですが、まずはようやくヒット曲を出すことが出来ました。

さて、そんな勢いのある中でリリースされたのが今回のアルバム。フルアルバム前作「hope」は彼らの勢いを反映されたような傑作に仕上がっていた反面、前作との間にリリースされたミニアルバム「愛を知らずに魔法は使えない」は正直なところ、期待はずれの凡作に仕上がっていました。ただ、それに続いた今回のフルアルバムは、前作「hope」と同様、今、脂にのっている彼らの勢いを反映されるような傑作に仕上がっていました。

まず冒頭からインパクトある彼ららしいポップチューンが仕上がっています。タイトルチューン「ハッピーエンドへの期待は」に、アニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のオープニングにも起用された「生きるをする」、さらに「八月の陽炎」とポップなメロディーがインパクト満点のギターロックナンバーが続きます。「生きるをする」はミニアルバム「愛を知らずに~」にも収録されており、あのアルバムの中ではちょっと平凡なJ-POPにも感じたのですが、今回の冒頭3曲の流れの中では彼ららしいポップチューンとしてしっかりとはまっていたように感じます。

基本的にその後も冒頭3曲のような、シンプルなギターロック路線にポップなメロディーラインという曲が並んでおり、非常にシンプルなポップソングというのが大きな特徴となっています。ただ一方、特に後半になるとサウンドにバリエーションが出てきて、それがひとつのインパクトとなっていました。ピアノを主導とした分厚いサウンドを聴かせる「はしりがき」、アコギ弾き語りでフォーキーに聴かせる「キスをしよう」、軽快なギターロックかと思えば途中、ダブ的なサウンドやジャジーなサウンドが飛び出してくるユニークな展開の「トマソン」に、ヘヴィーメタル風の「TONTTU」と続きます。

前作「hope」でもノベルティー的な要素がひとつの魅力となっていたのですが、今回もこの「トマソン」や「TONTTU」が非常にコミカル。ちょうどアルバムの中盤にこういうコミカルな曲が入ることによって、リスナーの耳をアルバムに惹きつける大きな要素となっている構成も見事。そして、そんな中、後半に登場するのが大ヒットした「なんでもないよ、」。ピアノやシンセのサウンドを入れて分厚くまとめたサウンドも印象的ですし、シンプルな日常を描いたラブソングも魅力的。確かに非常に良くできたポップソングになっており、新人賞受賞や大ヒットも納得です。

「hope」に引き続き、今の彼らの勢いを感じさせる傑作アルバム。比較的シンプルながらもほどよくポップなメロディーラインに、過剰になりすぎずも、それなりに分厚いサウンドが耳に残るバラエティーに富んだサウンド、さらに嫌味にならない程度のノヴェルティー要素と、いずれもバランス良く、良くできたポップアルバムといった印象を強く受ける作品になっています。逆に、ここらへんのバランスが崩れると・・・という懸念もあるのですが、そのバランスをいかに保てるかが、今後の彼らの課題でしょうか。ともかく、大ヒットも納得の1枚でした。これからの活躍にも期待です。

評価:★★★★★

マカロニえんぴつ 過去の作品
season
hope
愛を知らずに魔法は使えない

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2022年3月26日 (土)

細野晴臣関連作品が2作

今回紹介するのは、昨年末にリリースされた細野晴臣関連の作品2作。

Title:Swing Slow(2021 mix)
Musician:Swing Slow

まずは細野晴臣が、女性シンガーソングライターのコシミハルと組んだユニットSwing Slowのアルバムです。もともと1996年にリリースされたアルバムなのですが、それがこのユニットにとって唯一のアルバムとなってしまいました。リリースから約25年という月日が経過し、「伝説のユニット」となってしまったSwing Slowですが、今回、あらたにミックスされた「2021 mix」としてリリースされました。

このSwing Slowについてはリアルタイムではノーチェックになっており、今回はじめてアルバムを聴いてみました。このジャケットの雰囲気に加えて、1曲目「Western Bolero」からして、コシミハルのハイトーンのフランス語ボーカルでちょっとジャジーに聴かせる楽曲だったということもあり、正直、バタ臭い、あか抜けた感じのおしゃれさんのポップソング、ではないか、と予想しつつアルバムを聴き進めていました。

確かに実際、ジャズやボッサなど、いかにも洒落た都会的な楽曲が多い印象を受けるアルバムなのは間違いありません。ただ一方でバラエティー富んだ作風も印象的であり、細野晴臣らしいアイディアにあふれた作品にもなっていました。様々なサウンドをサンプリングした「Time Scan 2021」からハワイアンテイストの「I'm Leaving It All Up To You」、細野晴臣がメインボーカルを取りジャジーにちょっとファンタスティックな感じの「Good Morning, Mr.Echo」にラテンテイストのリズムが加わる「Capybara」などなど。全体的には洒落たポップソングというイメージは一貫していますが、その一方で様々な音楽的要素も感じられる作品でした。

特に全体的に薄くですがワールドミュージック的な要素が共通項として感じられるのも印象的で、この点も細野晴臣らしい感じがあります。ハイトーンのコシミハルのボーカルと細野晴臣の渋みのあるボーカルを上手く組み合わせているのも印象的。25年も前のアルバムながら、現在聴いても全く古さを感じさせません。

ちなみにオリジナルとの聴き比べはしていないのですが、アレンジも若干、変更が加わっているとか。今なお輝く傑作の1枚。さすがに再結成とかはない・・・とは思うのですが、これ1枚で終わってしまったのを残念に感じてしまいました。

評価:★★★★★

Title:Music for Film 2020-2021
Musician:細野晴臣

そしてこちらが、細野晴臣の最近の映画音楽作品を網羅したアルバム。昨年公開されたライブドキュメンタリー映画「サヨナラ アメリカ」のために書き下ろされた「Sayonara America,Sayonara Nippon」からスタート。2019年に公開された、細野晴臣のドキュメンタリー映画「NO SMOKING」のほか、映画「Malu 夢路」、Netflix映画「彼女」、短編映画「+81FILM (Gravity)」で使用された楽曲を収録しています。

その1曲目「Sayonara America,Sayonara Nippon」以外はインストの楽曲が並んでいる本作。基本的には、いかにも映画音楽らしい、映像を背景として必要以上に目立たせないBGMが並びます。ただ、ワンアイディアの短い「音の羅列」で終わっているような曲はなく、どれもしっかり1つの曲として成立し、メロディアスでどこか暖かみも感じさせる細野晴臣らしい曲が並んでいます。

映画のサントラ集というと、それだけ単体で聴くとちょっと辛いな、というパターンも少なくないのですが、本作に関しては、しっかりと曲として成立しており、映画を観ていない人でも十分楽しめる内容だったと思います。細野晴臣の世界を楽しめるサントラ集でした。

評価:★★★★

細野晴臣 過去の作品
細野晴臣アーカイヴスvol.1
HoSoNoVa
Heavenly Music
Vu Ja De
HOCHONO HOUSE
HOSONO HARUOMI Compiled by HOSHINO GEN
HOSONO HARUOMI Compiled by OYAMADA KEIGO
あめりか/Hosono Haruomi Live in US 2019

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2022年3月25日 (金)

25年ぶりの「FRIENDS」シリーズ!

Title:FRIENDSIII
Musician:B'z

B'zが1992年以来続けているコンセプトアルバムシリーズ「FRIENDS」。映画のサントラ盤を意識したような構成に、冬をテーマとした心象風景を描いた内省的な歌詞とサウンドが特徴的なアルバムで、1992年に「FRIENDS」、1996年に「FRIENDSII」がリリースされ、さらにそこから25年という月日を経て、「FRIENDSIII」がリリースされました。今回のアルバムは昨年1月、松本孝弘がアメリカから帰国した時にコロナ禍の影響で2週間の隔離生活となり、その隔離生活を利用して「1日1曲」と決めて楽曲づくりをスタートさせたそうです。そのような中で生まれたのが今回のアルバムということで、そういう意味ではコロナ禍の副産物と言えるでしょう。

楽曲的には全編、AORのテイストと歌謡曲のテイストを強く感じる楽曲が並びます。良くも悪くも松本孝弘らしいフュージョン風のインスト「harunohi」からスタートし、ホーンセッションで分厚いサウンドを聴かせる哀愁感たっぷりの「シーズンエンド」から、本作唯一のアップテンポナンバー「ミダレチル」と続くのですが、こちらもホーンセッションを主軸としてメランコリックなメロを聴かせるナンバーとなっており、稲葉のボーカルスタイルこそハードロック風なのですが、サウンド的にはいつものB'zらしいハードロックテイストは抑え気味。

ピアノ弾き語りのインスト曲であるタイトルチューン「FriendsIII」を挟み、アコースティックなサウンドの「Butterfly」は女性視点のウェットな歌詞を含めて歌謡曲テイストの強い楽曲に。同じくミディアムチューン「こんな時だけあなたが恋しい」はギターサウンドが目立つ、本作の中では比較的ハードロックテイストの強い作風になっており、ラストの「GROW&GROW」はストリングスを入れてメランコリックな雰囲気に仕上げた作品で、日常生活を描きつつも前向きな未来を描いた歌詞もまた、B'zらしい感じがします。

ここ最近、よりハードロック志向の強い作品が続いていたB'zですが、その路線とは大きく異なる、AOR志向かつ歌謡曲志向の強い作品が並んだ本作。いかにも「FRIENDS」的な作風なのですが、松本孝弘が曲づくりをスタートした段階では特に「FRIENDS」を意識した訳ではなさそうで、結果としてこのような曲が生まれてきたらしいので、最近、ハードロック志向な曲が続いてきた反動なのかもしれません。また、コロナ禍での隔離生活の中で作品だったので、楽曲的にもより内省的な曲調になったのかもしれません。いずれにしろ今回の「FRIENDSIII」は間違いなく、コロナが起こったからこそ誕生した作品であり、歌詞的にコロナを意識したような作品はありませんが(最後の「GROW&GROW」は意識したもの、と読み取れないことはありませんが)いろいろな形で今回のコロナ禍が音楽作品に影響を与えているのは興味深く感じます。

ただ、全体的にはちょっと地味な作品だったかな、という点は否めません。もちろんミディアムテンポ中心の「FRIENDS」シリーズに派手な作品は望むべくもありません。しかし、1992年の「FRIENDS」には彼らの代表曲ともなった「いつかのメリークリスマス」も収録されているなど、インパクトの強い作品も残してきました(もっとも、リアルタイムに1992年の「FRIENDS」を聴いた時には、「かなり地味なアルバムだな・・・」と思ったのは今でも覚えていますが)。そういった意味では今回のアルバム、全体的には卒なくまとめている点も否めず、ハードロック志向は弱いとはいえ、いままでのB'zの曲にも登場してきたような曲調の楽曲がメイン。そういう意味でも全体的な印象はちょっと薄めでした。

直近のオリジナルアルバム「NEW LOVE」でも、楽曲のインパクトが弱めだっただけに、勢いの衰えはちょっと気になるところなのですが、それでも一定以上の水準の作品を作ってくるのはさすがといった感じでしょう。次はまたグイグイ派手なギターを聴かせるハードロック路線を期待したいところですが、たまにはこのような作品も聴いてみたい感もします。彼らの音楽的な幅も感じさせるミニアルバムでした。

評価:★★★★

B'z 過去の作品
ACTION
B'z The Best "ULTRA Pleasure"
B'z The Best "ULTRA Treasure"
MAGIC
C'mon
B'z-EP
B'z The Best XXV 1988-1998
B'z The Best XXV 1999-2012

EPIC DAY
DINOSAUR
FRIENDS

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2022年3月24日 (木)

新譜ラッシュ

今週のHot Albums

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今週はベスト10のうち8枚までが初登場という新譜ラッシュとなりました。

そんな中、1位を獲得したのは韓国の女性アイドルグループTWICE「#TWICE4」が1位を獲得。CD販売数1位、ダウンロード数4位、PCによるCD読取数14位。ベストアルバム「#TWICE」シリーズの第4弾。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上6万5千枚を売り上げて、1位初登場となりました。直近は韓国盤「Formula Of Love:O+T=<3」で、同作の2万4千枚(2位)からはアップ。日本盤では直近のオリジナルアルバム「Perfect World」の初動6万5千枚(1位)から横バイ。「#TWICE」シリーズの前作「#TWICE3」の10万9千枚(1位)からはダウンしています。

2位初登場はFling Posse・Division Leaders「キズアトがキズナとなる」。CD販売数2位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数8位。声優によるラッププロジェクト「ヒプノシスマイク」に登場するユニットによるアルバムで、2021年1月より開幕した第二回バトルトーナメント“ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- ≪2nd D.R.B≫”で優勝したFling Posseによる優勝記念CDだそうです。オリコンでは初動売上4万枚で2位初登場。ヒプノシスマイク関連では直近作、Buster Bros!!!、麻天狼、Fling Posse名義による「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 2nd Division Rap Battle 『Buster Bros!!! VS 麻天狼 VS Fling Posse』」の初動6万1千枚よりダウンしています。

3位は韓国の男性アイドルユニット、東方神起「Epitaph」が初登場。CD販売数3位、ダウンロード数1位、PCによるCD読取数16位。日本盤では初となる6曲入りのミニアルバム。オリコンでは初動売上3万6千枚で3位初登場。前作「XV」の初動15万5千枚(1位)から大きくダウンしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にJUJU「ユーミンをめぐる物語」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数11位。カバーアルバム「Request」シリーズが大ヒットした女性シンガーJUJUによる新たなカバーアルバムで、タイトル通り、松任谷由実/荒井由実の作品をカバーした曲。なんと、松任谷正隆・由実夫婦によるプロデュースというかなり豪華なカバーアルバムとなっています。オリコンでは初動売上2万9千枚で5位初登場。直近作は同じくカバーアルバム「俺のRequest」で、同作の初動2万3千枚(7位)からはアップしています。

5位はEve「廻人」が初登場。ボカロPなどで活躍していたネット初シンガーソングライターによる新作。CD販売数4位、ダウンロード数8位、PCによるCD読取数6位。テレビアニメ「呪術廻戦」の主題歌となった「廻廻奇譚」も大ヒットした彼ですが、同作を含むニューアルバムがこの位置に。オリコンでは初動売上3万3千枚で4位初登場。前作「Smile」の2万7千枚(2位)よりアップ。

6位初登場は「『ウマ娘 プリティーダービー』WINNING LIVE 04」。CD販売数8位、ダウンロード数7位、PCによるCD読取数23位。競走馬を擬人化した「ウマ娘」を育成するスマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」のゲーム内の楽曲を収録したミニアルバム。オリコンでは初動売上8千枚で8位初登場。同シリーズの前作「『ウマ娘 プリティーダービー』WINNING LIVE 03」の初動9千枚(6位)からダウン。

7位には「BanG Dream! Dreamer's Best」が初登場でランクイン。CD販売数6位、PCによるCD読取数28位。アニメキャラによるガールズバンドプロジェクト「BanG Dream! プロジェクト」の7周年及び「バンドリ! ガールズバンドパーティ! 」の5周年を記念してリリースされたベスト盤的なアルバム。オリコンでは初動売上9千枚で6位初登場。「BanG Dream」「バンドリ」関連では「バンドリ! ガールズバンドパーティ! カバーコレクション Vol.6」の初動1万枚(4位)からダウン。

初登場最後は9位。ナイアガラ トライアングル「NIAGARA TRIANGLE Vol.2 40th Anniversary Edition」がランクイン。同作は1982年に大滝詠一の主催するナイアガラレーベルから発売されたアルバムの40周年記念盤。CD販売数7位、PCによるCD読取数49位。オリコンでは初動売上9千枚で7位に初登場しています。

さて、今週ですが、その新譜ラッシュにはじかれる形で、先週までロングヒットを続けていた優里「壱」が15位までランクダウン。ベスト10ヒットは連続9週でストップしてしまいました。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2022年3月23日 (水)

アイドル系を下して見事1位獲得!

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

強力な男性アイドルのシングル曲を下しての、見事1位獲得です。

今週1位はKing Gnu「カメレオン」が先週4位からランクアップ。見事1位に輝きました。フジテレビ系ドラマ「ミステリと言う勿れ」主題歌。今週、CDがリリースされ、CD販売数が2位にランクインし、大きくランクアップ。ダウンロード数も2位から1位にアップしたほか、You Tube再生回数も4位にランクインしてきています。ほかにはストリーミング数2位、ラジオオンエア数9位、PCによるCD読取数3位と軒並み上位にランクイン。Twitterつぶやき数だけは50位と奮わなかったものの、圧倒的な強さを見せた結果となっています。オリコン週間シングルランキングでは初動売上2万3千枚で2位初登場。ただ、前作「一途」の4万7千枚(1位)からはダウンしています。

ちなみにKing Gnuは、その前作「一途」が6位から10位に大きくダウン。一方「逆夢」は先週と変わらず9位をキープし、再び両者の順位が入れ替わっています。これで「一途」は15週、「逆夢」は12週連続のランクイン。これで3週連続の3曲同時ランクイン。ただ、どちらも後がなくなってきています。

2位は先週1位のBE:FIRST「Bye-Good-Bye」がワンランクダウン。ただ、ダウンロード数こそ1位から9位に大幅ダウンとなったものの、ストリーミング数、ラジオオンエア数、Twitterつぶやき数、You Tube再生回数は先週から変わらず1位をキープし、まだまだ人気の強さを感じさせるチャートとなっています。

3位にはKinki Kids「高純度romance」が初登場でランクイン。CD販売数及びPCによるCD読取数1位、ラジオオンエア数14位、Twitterつぶやき数35位。今回は作詞を松本隆が担当。作曲は「ハナミズキ」のヒットで知られるマシコタツロウが手掛ける、正統派な歌謡曲といった様相の作品になっています。オリコンでは初動売上16万5千枚で1位初登場。前作「アン/ペア」の初動17万枚(1位)からダウンしています。

続いて4位以下ですが、今週は初登場曲は3位のKinki Kidsのみ。他はロングヒット曲がメインのチャートとなっています。その中で1曲、返り咲き曲が。マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」が先週の11位から8位にランクアップ。2週ぶりのベスト10返り咲きとなり、これでベスト10ヒットを通算13週に伸ばしています。

ほかのロングヒット曲ですが、まずAimer「残響散歌」が今週は2位から4位にランクダウン。残念ながらベスト3ヒットは連続14週でストップ。ただ、ダウンロード数は3位から2位にランクアップしているほか、ストリーミング数、You Tube再生回数も先週から変わらず3位をキープしており、まだまだ強さを感じさせます。これでベスト10ヒットは連続15週となりました。

そして優里「ベテルギウス」が先週と変わらず5位をキープし、これでベスト10ヒットは連続20週に。また今週「ドライフラワー」が8位から6位にランクアップ。こちらはベスト10ヒットがついに連続70週となりました。ちなみにカラオケ歌唱回数は今週も1位をキープし、連続1位記録を59週に伸ばしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年3月22日 (火)

ワクワク楽しいポップソングの連続

Title:JAPANESE SINGLES COLLECTION-GREATEST HITS-
Musician:WHAM!

先日もBilly Joelのバージョンを紹介しました「JAPANESE SINGLES COLLECTION」シリーズ。今回紹介するのはWHAM!の日本でのシングルをまとめたベストアルバムです。WHAM!は1981年から1986年にかけて活動し、数多くのヒット曲を生み出した、ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーによるポップドゥオ。活動期間はわずか5年と非常に短かったのですが、数多くのヒット曲を生み出して一世を風靡しました。解散後も、ジョージ・マイケルのライブにアンドリューが参加するなど、再結成という話も出ていたこともあったようですが、2016年にジョージ・マイケルがわずか53歳という若さで急逝。再結成という話は実現しませんでした。

WHAM!が活動していたころは、私はまだ小学校低学年であり、彼らのヒット曲をWHAM!としてリアルタイムでは意識的に聴いたことはありません。ただ、おそらく私のようなアラフォー以上の世代の方にとっては、WHAM!といえば「Last Christmas」とすぐに思い起こされるのではないでしょうか。WHAM!が1984年にリリースし、全英1位の大ヒット曲になった同曲は日本でもヒットし、日本でも山下達郎の「クリスマス・イブ」と並んで、特に90年代にはクリスマスとなると毎年チャートの上位に入ってくるクリスマスの定番ナンバーになりました。さすがに最近ではベスト10にまで上がってくることはなくなりましたが、それでも直近の2021年12月29日付Billboard Hot 100では50位にランクインしており、いまでもクリスマスソングの定番として聴かれていることが伺えます。

個人的にも、そういう「Last Christmas」のWHAM!というイメージでこのアルバムを聴き始めたのですが、聴いてみると実はこれってWHAM!の曲だったんだ!という「知っているヒット曲」があまりに多く収録されていてビックリしました。例えばイギリスのみならずアメリカでも1位を獲得した「Wake Me Up Before You Go-Go」や、CMソングにもなったという「Freedom」など、何度も聴いたことある陽気なこれらのナンバーがWHAM!の曲だったということを今回はじめて知りましたし、「Careless Whisper」のイントロのサックスのフレーズなど、あまりにも有名(正確にはジョージ・マイケルのソロ名義ですが)。哀愁たっぷりのサビの部分も何度も聴いたことありますし、同じメランコリックなナンバーといえば「Where Did Your Heart Go?」も同様に聴きなじみのある楽曲です。

おそらくリアルタイムでもテレビやラジオで何度も流れていたのでしょうし、またテレビ番組のBGMとしても、何度も繰り返し使用されてきたこれらの曲。それを何度も聴く機会が多く、WHAM!の曲と認識しないままに、いつの間にか耳なじみのある曲となったのでしょう。それだけWHAM!がリアルタイムでヒットを飛ばしてきたということでしょうし、またインパクトのある曲を書いてきた、ということなのでしょう。

そして実際にこのベストアルバムを聴いてあらためてWHAM!の曲に魅了されました。彼らの曲は聴いていて、とにかくワクワク楽しく聴くことが出来ます。もともと80年代のポップソングといえば底抜けに明るいポップソングが目立つ訳ですが、彼らの曲はそんな中でも特に楽しく、ウキウキさせるようなインパクトある曲が並んでいますし、そのような中に「Careless Whisper」のような哀愁感たっぷりの曲が入ってくる訳ですから、これは聴いていてどんどん魅了されない訳がありません。

ちなみに今回はPVを収録したDVDもついてくる訳ですが、こちらも80年代の明るさを象徴するようなPVばかりで見ていて存分に楽しめます。いままでWHAM!はほとんど意識して聴いたことなかったのですが、あらためて実に魅力的なポップミュージシャンなんだということを実感できました。いい意味で実に80年代らしい陽気なポップソングの連続の1枚。リアルタイムで聴いたことない方、特にポップソングが好きという方には文句なしにお勧めできる作品で、WHAM!入門としても最適なアルバムでした。

評価:★★★★★

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2022年3月21日 (月)

トンネルの向こうの光を目指して

Title:Dawn FM
Musician:The Weeknd

前作「After Hours」から約2年ぶりとなるカナダ出身のシンガーソングライターThe Weekndのニューアルバム。今回「Dawn FM」というタイトルがつけられたアルバムとなっていますが、タイトル通り、アルバム1枚を「FMラジオ」にみたてた作品に仕上がっています。そのため、1曲目は、DJのナレーションからFMのジングルが入ってスタートしたり、途中にDJのナレーションが入ったりして、アルバムを聴いているとFMラジオを聴いているような感覚となる作品です。ちなみに冒頭のFMのジングル、日本のFM局で聴きなじみのあるジングルと全く同じで、あのジングルって、アメリカでも共通なんだ(というか、日本のFM局がアメリカのFM局のジングルをパクったのでしょうが)という感覚に陥ります。

そして今回のアルバムにテーマがあって、それが「煉獄」だとか。日本人にとってはなじみのない言葉ですが、「カトリック教会の教義で、この世のいのちの終わりと天国との間に多くの人が経ると教えられる清めの期間」だそうです。いわば「トンネルの終わりの光」に向けての旅と途中というイメージだそうで、前作「After Hours」の続編的な位置づけのアルバムになっているとか。今のコロナ禍の状況は、まさに暗いトンネルにいるような状況。そんな中、その向こうに見える光を強く望んでいる、そんなアルバムと言えるかもしれません。

ただ、そんなイメージのアルバムだからでしょうか、メランコリックな雰囲気を醸し出しつつ、今回のアルバムはトンネルの向こうの光を見据えたかのような、いままでのThe Weeknd以上にポップで明るいアルバムになっています。まず前半は80年代の明るいポップチューンを彷彿とさせるようなエレクトロポップの楽曲が並びます。「Take My Breath」はまさに80年代ポップスそのままな明るいエレクトロチューン。続く「Sacrifice」も同じくエレクトロサウンドがスペーシーで近未来的な雰囲気を醸し出す、明るく軽快なエレクトロポップスに仕上がっています。

そして今回のアルバムで、特に日本において話題になっているのが中盤の「Out of Time」。メロウなシティポップ風の楽曲なのですが、この曲、亜蘭知子の「Midnight Pretenders」がサンプリングされています。最近、日本のシティポップが海外でも高く評価されているそうですが、それがよくわかるサンプリングに。続くTyler,the Creatorが参加した「Here We Go…Again」も同じくメロウに聴かせる作品。中盤は、よりメランコリックに聴かせる楽曲が並んでいます。

さらに後半で特にポップでインパクトがあったのが事実上のラストチューンとなる「Less Than Zero」でしょうか。爽やかなエレクトロサウンドとメロディーラインの軽快なポップチューン。爽やかな中にちょっと切なさを感じさせるメロディーもインパクトがあり、印象に残ります。

全編にわたる軽快なエレクトロポップチューンを素直に楽しめる傑作アルバム。内容的には哲学的なテーマがあったり、歌詞の側面では「死」を彷彿させる内容があったりと、いろいろと考察できる要素も多いアルバムのようで、英語詞ゆえに歌詞の内容がストレートにわからないのは残念なのですが、楽曲自体のポピュラリティーと相反して、いろいろと聴きどころの要素も多いアルバムのようです。そういう奥深さも感じられる作品ながらも、そこを考慮せずとも良質なポップアルバムとして難しいこと抜きに楽しめる作品に仕上がっていました。彼らしさが詰まった、素直で素敵なポップス作でした。

評価:★★★★★

The Weeknd 過去の作品
Kiss Land
Beauty Behind The Madness
STARBOY
My Dear Melancholy,
The Weeknd In Japan
After Hours
The Highlights


ほかに聴いたアルバム

JAPANESE SINGLE COLLECTION-GREATEST HITS-/KENNY LOGGINS

ソニーミュージックから企画盤としてリリースされている、日本でリリースされた洋楽シングルをまとめた「JAPANESE SINGLE COLLECTION」シリーズ。本作は主に80年代に一世を風靡したシンガーソングライター、KENNY LOGGINSのシングルを集めた作品。KENNY LOGGINSについては「名前くらいは聞いたことあるけど・・・」程度の認識だったのですが、あの渡辺美里のデビューシングル「I'm Free」はもともと彼の楽曲だったんですね(!)。もちろん、同作も収録。全体的にはいかにも80年代的なポップでキャッチーな曲調の中、AORやロック、また楽曲によってはファンクなどの要素を取り入れて、良くも悪くも雑多な印象を受けるのがオールラウンドなヒットを目指す80年代らしい感のある曲調。「I'm Free」以外にも「この曲も彼の曲だったんだ」と聴いたことある曲も何曲かあり、知らず知らずのうちに彼の曲に触れたことがあったことを認識するとともに、80年代はもっと洋楽が私たちの身近で流れていたんだ、ということを実感させられるアルバムでした。

評価:★★★★

Toy:Box/David Bowie

David Bowieが2001年のリリースを予定しておきながら、諸般の事情によりリリースされず、「幻の作品」と言われていたアルバム「Toy」。それが20年以上の月日を経て、ようやく日の目を見ました。今回はこの「Toy」の別バージョンやアコースティックバージョンを加えたCD3枚組の「Toy:Box」としてリリース。「Toy」の方は、ギターロックをメインとしつつ、中盤以降はメランコリックに聴かせるナンバーも目立つ、全体的に落ち着いた印象を受けるアルバム。派手さはないのですが、じっくりと聴けば、そのメロディーの妙にはまってしまうアルバムになっています。2枚目3枚目の別バージョンも魅力的な作品が多く、特に3枚目のアコースティックバージョンでは「Toy」の本質に迫るようなアレンジに。どれも「幻の作品」とは思えないほどの完成度で、これがいままで未リリースだったのが不思議に感じてしまいます。David Bowieの実力をあらためて実感した作品でした。

評価:★★★★★

David Bowie 過去の作品
The Next Day
Black Star

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2022年3月20日 (日)

今回もボリューム満点で

今回は、最近見た、音楽系のDVD/Blu-ray作品の紹介です。あのマキシマム ザ ホルモンが約6年2ヶ月ぶりに映像作品をリリースしてきました!

それがこの「Dhurha Vs Dhurha~ヅラ対ヅラ」。前作「Deka Vs Deka 〜デカ対デカ〜」はDVD3枚、Blu-ray1枚、CD1枚の計5枚組というとんでもないボリュームのアルバムになっており、なおかつ映像を見るのにはDVDによるゲームをクリアする必要がある、というとんでもない内容になっていました。今回の映像作品はBlu-ray1枚とDVD1枚の2枚組という内容。前作と比較してしまうと、見劣りしてしまうかもしれませんが、それでも2枚共、3時間に迫る内容で、合計6時間に迫るというとんでもないフルボリュームの作品に仕上がっています。ちなみに今回は前作のような「ゲームを見ないとコンテンツを見れない」ということはなく・・・と言いたいのですが、DVDの方に若干、コンテンツを見るためにゲームをクリアしないといけないものがあります。まあ、もっともゲームをクリアするのは容易なのですが。

肝心の内容ですがBlu-rayの方は、昨年6月に行われた配信ライブ「全席・顔面指定席ライブ『面面面~フメツノフェイス~』」に未公開映像が加わったフルバージョンで収録されているほか、ホルモンが抽選で選ばれた「腹ペコ(=ファン)」3組の前だけで行われたライブの模様を「個別・対面独占ライブドキュメント『TOKYO NEO SOCIAL DISTANCE〜潮吹〜』」を収録。さらにMVを2曲収録という内容になっています。

配信ライブの方はリアルタイムでも見ていたのですが、その迫力あるパフォーマンスは2度見ても全く飽きません。何より今回うれしかったのは、「TOKYO NEO SOCIAL DISTANCE」も含めて、フル演奏でのパフォーマンスが見れたという点。前作「Deka Vs Deka~デカ対デカ~」では、あれだけフルボリュームながら、ライブ演奏がフルで見れたのはBlu-rayに収録されたZepp Tokyoでのライブの模様とMVのみで、DVDに収録されたライブイベントのパフォーマンスについてはフル収録となっていなかった点、また映像作品のボリュームの割りには、フルパフォーマンスの映像が比率的に少なかった点、若干の不満が残りました。ただ今回に関しては、2枚組のうち1枚はまるごとフル演奏でのパフォーマンスとなっており、ホルモンのライブが十分堪能できた点、非常に満足することが出来ました。

一方、DVDの方は、You Tubeで配信された企画「ホルモンの新曲俺ならこう歌う選手権!!」の返答企画「俺ならこう歌うをホルモンがそう歌う!!」を収録。これはホルモンの新曲「KAMIGAMI-神噛-」のサビのバックトラックをミスチル桜井和寿や奥田民生という豪華なミュージシャンたちに提供し、それをもとに原曲を推理してもらい歌ってもらうという企画「ホルモンの新曲俺ならこう歌う選手権!!」。この時にそれぞれのミュージシャンたちが推測した曲調でホルモンがあらためて歌うという企画が収録されています。

また「腹ペコ」たちにホルモン愛をテーマとした創作物を製作してもらう「腹ペコアワーズ」の優勝賞品として実施された、ダイスケはんの実家へのお泊り会の模様を撮影したドキュメンタリー「20代女子2人と行くダイスケはん実家お泊り会」。そして、「メンバー3人に初めて『面面面〜フメツノフェイス〜』を観せてみた時の貴重映像!!」といった、どちらかというとバラエティータッチのコンテンツが収録。その他にもオフショット映像なども収録されており、かなり豪華で盛りだくさんなコンテンツとなっています。

この中で一番印象深かったのが「メンバー3人に初めて『面面面〜フメツノフェイス〜』を観せてみた時の貴重映像!!」でした。これは「面面面」を亮君を除くメンバー3人が初めて見てその反応を楽しむ・・・ということもあるのですが、それ以上に主眼となっているのが、映像にほどこした亮君のこだわりを彼自ら解説しているという点。この配信ライブを実施した後に亮君自身「お金がかかりすぎて、もう出来ない」と話していました。その時は正直、どこにそんなにお金がかかったんだろう?とちょっと不思議にも感じていたのですが、ただこの「貴重映像」を見てはじめて、細かい点を含めて亮君の映像に対するこだわりがつまっていたんだということを感じました。正直なところ、若干過剰演出気味なこだわりよりも、その分、もう1回、配信ライブを見たかった・・・と思わないこともないことはないのですが、ただ、このこだわりが、亮君が亮君たる所以であり、かつ、彼の、ひいてはホルモンの大きな魅力の要因なんだろうなぁ、とは強く感じます。そんな亮君のこだわりを強く実感できた、まさに「貴重映像」でした。

隠しコンテンツ含めてボリューム満点の映像作品。個人的には亮君のこだわり部分がちょっと強すぎる感もあった「Deka Vs Deka」よりも、ライブの部分やバラエティー的な部分のバランスもちょうどよく、よく出来た映像コンテンツになっているように感じました。なによりも6時間に迫る内容ながらも、全く見ていて飽きることなく最後まで一気に楽しめた作品になっており、ホルモンの魅力をあらためて実感した作品でもありました。個人的には次はアルバムを・・・なんてことも思ったりするんですが、それもまたこだわりたっぷりの内容になりそうだなぁ。ともかく、次のホルモンのコンテンツがどういう形になるにしろ、非常に楽しみ。まだまだ彼らからは目が離せないようです。

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2022年3月19日 (土)

趣味性の強いソロデビュー作

Title:犬は吠えるがキャラバンは進む
Musician:小沢健二

今回紹介するのは、シンガーソングライター小沢健二が1993年にリリースしたソロデビュー作の再発盤となります。小沢健二は1989年に、フリッパーズ・ギターとしてデビュー。その後、1990年代にはソロミュージシャンとして活躍し、特に1995年、1996年には「紅白歌合戦」に2年連続の出場を果たし、お茶の間レベルでの人気を確保するようになりました。ただ、2000年に入るころから事実上の引退状態となり、断片的にその現状が話題になる程度となってしまいました。しかし、2010年代後半から徐々にミュージシャンとして活動を再開。2019年には実に13年ぶりのフルアルバム「So kakkoii 宇宙」がリリースされて大きな話題となりました。

その後もコンスタントにシングルのリリースを続けている彼ですが、このたび、デビューアルバムが再発されました。もともと、1993年にリリースされた後、1997年には「dogs」と改題されて再発。ただ、2000年代に同作に使用されていたカラープラスチック版が製造中止となったため、アルバムの製造中止に。本作はオザケンの意向もあって配信やサブクスでのリリースもされていないということもあり、現在では「幻の名盤」と呼ばれているとか・・・・・・という風にメディアの紹介文には書かれているのですが、実際はリアルタイムにそれなりに売れたこともあって、中古盤としての入手は比較的容易ですので、少なくとも入手困難な「幻のアルバム」ではありません。

ただ、実は私、本作を聴くのは今回がはじめて。オザケンのアルバムは、大ヒットした「LIFE」以降は前作聴いているものの、いままでなぜか、本作は聴き逃していました。正直言うと、今回のアルバム、基本的にはその「LIFE」と同系統のアルバム、と期待して聴き始めたのですが、そのイメージと全く異なる内容に、まずは驚きました。1曲目「昨日と今日」は、オザケンの歌うメロディアスな歌は流れるものの、ソウルなベースラインとファンキーなギターが重なるソウルテイストの強い楽曲。続くソロデビューシングル「天気読み」もミディアムテンポのちょっと切なさを感じるポップなメロが魅力的ながらも、ヘヴィーなベースラインにホーンセッションはソウルミュージックのテイストが強く感じられます。

オザケンらしいポップなメロディーラインは流れているものの、全体的にはソウルやブラックミュージックの要素を強く感じさせる、彼らしい趣味性の高い音楽性が特徴的。もちろん、その次の作品「LIFE」もブラックミュージックの要素をかなり取り入れた作品になっていますが、こちらはもっとポップの要素が強い作品になっており、本作は、よりソウル的なグルーヴ感がアルバム全体を流れており、突き抜けた明るさのあった「LIFE」と比べると本作のメロディーラインはちょっと地味目。ただ、ファンキーなリズムが楽しい「暗闇から手を伸ばせ」は明確に90年代のオザケンのヒット曲と密接に結びつくようなポピュラリティーがありますし、ムーディーなサックスの入りAORテイストも強い「天使たちのシーン」の切ないメロディーラインは胸に響きます。間違いなくオザケンの優れたポピュラーセンスを感じさせるアルバムになっています。

しかし、今となってはオザケンのブラックミュージックからの影響は明確なので、こういうアルバムをリリースしてきても驚きはしないのですが、当時「フリッパーズ・ギター」のイメージでアルバムを聴き始めたファンは驚いただろうなぁ・・・と思います。もっとも、先行シングル「天気読み」は、明確にソウルミュージックからの影響を感じさせる曲なだけに、ある程度の予想はついたのかもしれませんが。

正直なところ、私も最初は、全体的にちょっと地味かな、という印象を受け、期待していたほどでは・・・と思ったのですが、そのグルーヴ感のあるサウンドと、オザケンらしいポップで、時としてキュートとも言えるメロディーラインのマッチングにはまり、知らず知らずにはまってしまったアルバムになりました。はっきりいって、「LIFE」のようなわかりやすい派手さがない分、逆に中毒性の高いアルバムに感じます。

ただ、今回のアルバム、CD2枚組となり、特典CDには1995年に発売された映像作品「VILLAGE "the video"」に収録されている「天使たちのシーン」のライブ音源が収録されています。ただ、特典CDはこの1曲のみ。18分に及ぶ音源とはいえ、決して充実した内容とは言えません。それにも関わらず、定価6,050円というのはちょっとぼったくり過ぎでは??さらに「完全生産限定盤」のため、また再び廃盤となってしまうようです。ひょっとしたら、もうちょっとしたらCD1枚で3,000円くらいでの「通常盤」がリリースされるのかもしれませんが・・・。

下記の評価はあくまでもアルバム自体の評価。ただ、この再発盤の企画自体は、値段の高さもあり、ちょっと納得できない部分も。このアルバムに興味を持った方は、オリジナルの中古盤を買った方がよいかも。本人の意思ということもあって、ダウンロード販売や配信は期待できないのですが、せめて3,000円の通常盤をリリースしてほしいなぁ。もちろん、アルバム自体は文句なしの傑作アルバム。オザケンを知らない世代にも是非聴いてほしいポップスの名盤です。

評価:★★★★★

小沢健二 過去の作品
我ら、時
So Kakkoii 宇宙

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2022年3月18日 (金)

貴重な音源ではあるが・・・

Title:広い世界と狭い世界
Musician:レイハラカミ

1998年にアルバム「Unrest」でデビュ―。1999年にリリ―スされたアルバム「Opa*q」や2001年にリリ―スされたアルバム「Red Curve」が高い評価を得て、一躍、注目のミュ―ジシャンとなったレイハラカミ。ぬくもりのあるような独特のエレクトロサウンドと、叙情あふれるメロディ―ラインが大きな魅力となり、矢野顕子はじめ多くのミュ―ジシャンたちともコラボ。リミックス作品を含めて、数多くの名曲を世に送り出してきました。

しかし、2011年、脳出血のため、わずか40歳という若さで急逝。そのあまりにも早い死は多くの人々に大きな衝撃を与えました。私もその突然の訃報にショックを受けたことを覚えています。

そんな彼の急逝から11年を経て、このたび、あらたなアルバムがリリースされました。死後に未発表音源がリリ―スされるというケ―スは少なくありませんが、今回の本作に関しては、いわゆる未発表音源ではなく、もともと彼がデビュ―前に、映像作家原神玲として活動していた時代の音源をカセットテ-プに収録し、ごく一部にリリ―スしていたもの。「広い世界」としてリリ―スされた1989年から1991年の作品と、「rei harakami selected works 1991〜1993」としてリリ―スされた1991年から1993年の作品を2枚組のCDとして収録しています。

デビューから5年以上前の作品を収録したアルバムとなる訳で、レイハラカミの源流と言える作品になるかもしれないのですが・・・率直に言って、内容的には厳しすぎます。内容的には、一介の素人の学生が身内ノリで作ったデモ音源集・・・厳しい言い方になるかもしれませんが、正直、そんな作品になっています。

Disc1「広い世界」の方は、前半は、いかにも学生が作ったかのようなチープなデモ音源風の作品が並び、後半はフリーキーな作風の曲が続きます。Disc2の「せまい世界」の方も、非常にチープな、学生が「現代音楽」を思いつきでまねたかのようなちょっと痛い感じすらする作品が並びます。当時は映像作家としての活動がメインだったようですので、映像を見て、それに音楽を合わせるとひょっとしたら印象が変わるのかもしれませんが、はっきりいって素人の学生レベルを超えていない音源を聴く限りだと、映像も推して知るべしといった感じで、映像まで見てみたいとは到底思えません。

こういうデビュー前の作品の感想だと、よく「後の才能の片りんが見える」という言い方をするのですが、残念ながらこのアルバムを聴く限りでは、後のレイハラカミにつながるような片りんはほとんど感じられません。あえていえば最後の最後「キャッチボールのテーマ」のアコースティックでメロディアスな作品に、若干、のちのレイハラカミにつながるようなメロディーセンスは感じられなくはないような・・・。

確かにこの作品は非常に貴重な音源ですし、一度は世に出ている以上、「未発表曲」でない以上、CDでリリースされても文句は言えないかもしれません。ただ正直、内容的にはフリーもしくは安価でのダウンロード販売で十分で、定価3,300円の価値があるとは到底思えません。この出来の作品をわざわざ掘り起こしてリリースすることをレイハラカミが望んでいたかどうかもかなり微妙な感じもします。少なくともレイハラカミの新作としては全くオススメ出来ません。レイハラカミの熱烈なファンで、世に出ている彼の音源をすべて聴いてしまったあとに、「レイハラカミの名前がつけばなんでも聴きたい」という意気込みの上で、はじめて聴いてみてもいいかな?くらいのレベルの作品。そうでなければ、この音源を手に取る必要性はありません。

純粋に音源の出来のみで言えば完全に★★程度の内容。ただ、それでもあのレイハラカミの貴重な音源だから、という意味でひとつ追加という評価で・・・。正直、全くオススメできない作品。あのレイハラカミの、というだけで間違えて聴かないように要注意です。

評価:★★★

レイハラカミ 過去の作品
あさげ-selected re-mix&re-arrangement works/1
ゆうげ-selected re-mix&re-arrangement works/2

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「虚」「実」の男性アイドルが1位2位

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は1位2位に男性アイドルが並んだのですが、1位ジャニーズ系に対して、2位はVTuberのアイドルと、ある意味、「実」と「虚」のアイドルが並ぶチャートとなっています。

まず1位初登場はジャニーズWEST「Mixed Juice」が獲得。CD販売数及びPCによるCD読取数で1位獲得。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上21万3千枚で1位初登場。前作「rainboW」の初動24万6千枚(1位)よりダウンしています。

そして2位は葛葉「Sweet Bite」が初登場。こちらはVTuberグループ「にじさんじ」に所属するバーチャルライバー。CD販売数2位、ダウンロード数1位、PCによるCD読取数10位。本作がソロでのデビュー作となります。オリコンでは初動売上5万2千枚で2位初登場。

3位は森口博子「GUNDAM SONG COVERS 3」がランクイン。CD販売数3位、PCによるCD読取数6位。ガンダムの主題歌のみを集めたカバーアルバムの第3弾。今回はガンダム主題歌の中から男性ボーカル曲のみをセレクト。特に「BEYOND THE TIME 〜メビウスの宇宙を越えて〜」では原曲のミュージシャンであるTM NETWORKとコラボを行っており、話題となっています。オリコンでは初動売上2万9千枚で3位初登場。シリーズの前作「GUNDAM SONG COVER 2」の3万2千枚(3位)より若干のダウン。もともとガンダム主題歌の「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」をヒットさせており、その歌唱力には定評のある彼女ですが、このガンダムソングのカバーシリーズはかなり好評な模様。その影響もあってか、昨年8月には実に24年ぶりとなるオリジナルアルバム「蒼い生命」をリリースしています。ただ、「蒼い生命」は初登場17位、初動売上4千枚と「GUNDAM SONG COVERS」シリーズに比べると、かなり落ち込んでしまいました。もっとも、それでもベスト20ヒットするあたりは、やはり「GUNDAM SONG COVERS」シリーズで、あらためて彼女の歌手としての才能が知れ渡った影響でしょう。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位には菅田将暉「COLLAGE」がランクイン。CD販売数及びダウンロード数4位、PCによるCD読取数14位。これが3枚目のオリジナルアルバムとなりますが、基本的には前作との間にリリースされたシングルや配信シングルなどをまとめた、ある意味「シングル集」的な内容になっています。オリコンでは初動売上1万8千枚で4位初登場。前作「LOVE」の4万8千枚(3位)よりダウンしています。

7位初登場はmilet「Flare」。CD販売数6位、ダウンロード数7位、PCによるCD読取数38位。2月にオリジナルアルバム「visions」をリリースしたばかりの彼女ですが、早くもニューアルバムのリリース。ただ、本作は4曲入りのEP盤で、実質的にはシングルに近い感じの収録内容になっています。オリコンでは初動売上5千枚で6位初登場。「visions」の2万6千枚(5位)からはさすがに大幅のダウンとなっています。

8位にはロックバンドハルカミライ「ニューマニア」が初登場。CD販売数8位、ダウンロード数82位、PCによるCD読取数20位。本作がメジャー3枚目となるフルアルバムとなります。オリコンでは初動売上5千枚で7位初登場。前作「THE BAND STAR」の1万枚(5位)からはダウン。

最後10位にはDECO*27「MANNEQUIN」がランクイン。CD販売数11位、ダウンロード数12位、PCによるCD読取数34位。いわゆるボカロPとして活動を続ける男性ミュージシャンの新作。オリコンでは初動売上4千枚で9位初登場。前作「アンデッドアリス」の3千枚(22位)からアップしています。

今週の初登場盤は以上。一方、ロングヒット盤では優里「壱」が先週から変わらず9位をキープ。これでベスト10ヒットを連続9週に伸ばしています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評は来週の水曜日!

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2022年3月16日 (水)

K-POPに対抗できるのか?

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は話題のアイドルグループが1位獲得です。

今週1位を獲得したのはBE:FIRST「Bye-Good-Bye」が獲得。SKY-HIが自腹で開催したオーディション番組「THE FIRST」から誕生したアイドルグループで、世界で活躍できるグループというコンセプトが話題となっています。本作は5月18日リリース予定のシングルからの先行配信。ダウンロード数、ストリーミング数、ラジオオンエア数、Twitterつぶやき数、You Tube再生回数でいずれも1位を獲得。ランキング対象外だったCD販売数、PCによるCD読取数、カラオケ歌唱回数以外、すべて1位獲得という快挙を成し遂げました。ただ、楽曲的にはK-POPをなぞっただけといった印象も否めず、海外にアピールできそうな要素も薄い印象が・・・。本当に「世界を目指す」のなら、早い段階で海外を意識した作品を作った方がいいと思うのですが・・・。

2位はAimer「残響散歌」が先週と変わらず。ただ、先週1位から2位にダウンしたダウンロード数、ストリーミング数、You Tube再生回数は軒並み3位にダウン。PCによるCD読取数は4位となりました。ただし、ベスト10ヒット&ベスト3ヒットはこれで14週連続となります。

3位はSKE48「心にFlower」が初登場でランクイン。CD販売数は1位を獲得しましたが、ラジオオンエア数93位、PCによるCD読取数18位、Twitterつぶやき数15位といずれも奮わず。総合順位はこの位置に。オリコン週間シングルランキングでは初動売上21万3千枚で1位初登場。前作「あの頃の君を見つけた」の18万7千枚(1位)からアップしています。

続いて4位以下の初登場曲ですが、今週、初登場はあと1曲のみ。10位にOWV「You」がランクイン。CD販売数は2位でしたが、ラジオオンエア数15位、PCによるCD読取数50位、Twitterつぶやき数25位、その他のチャートは圏外となり、総合順位もこの位置に。オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」から誕生した男性アイドルグループ。オリコンでは初動売上2万4千枚で4位初登場。前作「Get Away」の初動2万1千枚(5位)からアップしています。

続いてロングヒット曲ですが、まず優里「ベテルギウス」はこちらは先週と変わらず5位をキープ。ベスト10ヒットを連続19週に伸ばしています。ただ、ダウンロード数は14位から18位、ストリーミング数は3位から4位、You Tube再生回数も12位から13位と全体的にダウン傾向となっていまう。一方、「ドライフラワー」は先週の10位から8位とここに来て再びアップ。ストリーミング数は8位から9位とダウンしている反面、You Tube再生回数が11位から10位とアップ。カラオケ歌唱回数は58週連続の1位となり、ベスト10ヒットは連続69週と伸ばしています。

一方、King Gnu「一途」が8位から6位にアップ。「逆夢」は7位から9位にダウンと再び順位が入れ替わっています。「一途」はここに来てYou Tube再生回数が9位から4位にアップ。これで「一途」は14週連続、「逆夢」は11週連続のベスト10ヒットに。さらに先週2位にランクインした「カメレオン」も先週から2ランクダウンの4位にランクイン。これで2週連続の3曲同時ランクインとなりました。

そんなロングヒット勢の活躍が目立つ中、先週までロングヒットを続けていたマカロニえんぴつ「なんでもないよ、」は9位から11位にランクダウン。ベスト10ヒットは通算12週でストップ。ロングヒットは記録しましたが、残念ながら上位には食い込めずランクダウンとなってしまいました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年3月15日 (火)

新たな挑戦は買いたいが・・・

Title:effector
Musician:androp

フルアルバムとしては前作「cocoon」から約3年9ヶ月ぶり、ミニアルバム「daily」からもちょうど3年ぶりとなる、ちょっと久々のandropのニューアルバム。コロナ禍の中でも配信シングルの発表やオンラインを含むライブの実施などはコンスタントに行っていたようですが、レーベル移籍などもあった影響か、新曲としては久しぶりとなるリリースとなりました。

さて、andropといえばそのフルアルバムとしての前作「cocoon」は非常にバラエティーに富んだ作品になっていました。ギターロックという彼らの主軸になるような楽曲に加えて、エレクトロやポップス、シティポップやHIP HOPまで挑戦した傑作に仕上げてきました。それに続く本作も、非常にバラエティーに富んだ作品になっていたのが大きな特徴。特に1曲目「Beautiful Beautiful」はいきなりトラップを取り入れたHIP HOP風の楽曲に。途中からはメランコリックな「歌」がはじまるのですが、冒頭は「誰の曲だ?」と驚いたほどでした。

その後も「Chicago Boy」はラテン風のリズムが加わる陽気な楽曲に。「Lonely」は打ち込みも入ったダウナーな雰囲気のポップス、「Water」はムーディーなホーンセッションの流れるシティポップ風の作品、「Gain」は再びトラップ風のリズムにサンプリングの要素も加えたHIP HOP的なサウンド、「Iro」は再びメロウなシティポップ風の作品と続いていきます。

今回のアルバムは、サブスク等では10曲のみ配信され、CD盤では4曲追加という構成になっているのですが、特にサブスクで聴くことが出来る10曲については、シティポップやHIP HOP的な要素が強かったのが大きな特徴。「Moonlight」のようなバンドサウンドを取り入れた曲もあったのですが、全体としてはバンド色が弱めの構成となっていました。

ただ、この様々な作風への挑戦というのは非常におもしろいのですが、アルバム全体としては非常にチグハグ感の否めない内容になってしまったように思います。特にHIP HOPやシティポップに挑戦しているのですが、そちらに振り切れているわけでもなく、彼らの持ち味であった「歌」も全体的には抑え気味。全体的には物足りなさを感じてしまいました。

特に前作「cocoon」でもアルバムの軸となっていたのがCreepy NutsやAimerとのコラボ曲であり、若干「ドーピング気味」と言えなくもない内容にもなっていました。そういう意味では今回の曲はそんなドーピングがなかった反面、アルバム全体としてのインパクトも薄くなってしまったのかな、と感じてしまう作品でした。

様々な作風への挑戦心は買いたいのですが、個人的には次はシンプルなギターロック路線の曲も聴きたいような。ちょっと惜しい感の強い作品でした。

評価:★★★★

androp 過去の作品
door
relight
one and zero
period
androp
best [and/drop]
blue
cocoon
daily

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2022年3月14日 (月)

「カセットテープ」も付いたボリューミーなベスト盤

Title:総合
Musician:東京事変

椎名林檎が2003年に結成したロックバンド、東京事変。2012年に一度活動を休止するものの、その後2020年に再度活動を始動。その年には「紅白歌合戦」に東京事変として初出場を果たした後、2021年には約10年ぶりとなるオリジナルアルバム「音楽」をリリース。さらに今年、初となるオールタイムベストである本作「総合」がリリースされました。この「総合」というある種、そっけなさを感じるタイトルも東京事変らしい感じがしますが、この「総合」というタイトルは、何よりも東京事変の音楽性を示すにはピッタリの表現かもしれません。

東京事変といえば、椎名林檎のバンドというイメージが強いですし、実際、そうやって「売っている」ものの、どのメンバーもそれぞれ十分ソロで活躍できるほどの実力を持ったメンバーが揃っています。そんなスーパーバンドである彼らは非常に多彩な音楽性を聴かせてくれます。ロック、ポップスはもちろん、ファンク、ラテン、サイケなどの要素も垣間見れます。もっとも、椎名林檎のソロでもこの多様な音楽性を感じることが出来ますので、バンドメンバーの意向以上に椎名林檎の意向も強いのでしょうが。

ただ、そんな中でこのバンドの大きな軸となっている点として、今回のベストアルバムではジャズの要素を強く感じました。特にメンバーチェンジにより伊澤一葉が加入してからその傾向が強くなるのですが、Disc1でも「秘密」はそのジャジーなピアノが強く印象付けられた作品。特にジャズの要素が強くなるのはDisc2以降の作品で、椎名林檎が色っぽくムーディーに聴かせる「天国へようこそ」や、スウィング調で軽快な「女の子は誰でも」など、いかにもジャズ的な側面を前に出している曲もありますし、「ドーパミント!」のように、基本的に軽快でリズミカルなロックチューンでも、ジャズ的なリズムが入っている曲もあったりします。

そもそも椎名林檎のソロ曲でもジャズ的な志向を感じる曲は少なくありませんし、特に彼女の歌う「歌謡曲」的な要素が入った曲は、ベタな浪花節な節回しというよりも、ムーディーでジャジーなあか抜けた感のある曲調がメイン。彼女の好みとしても、このジャズの要素が強いのかもしれません。今回のベスト盤を聴いて、そんな椎名林檎の、そして東京事変のひとつのベクトルを強く感じることが出来ました。

一方、東京事変のベスト盤を聴いて、もうひとつ感じるのはこの多様な音楽性を個性あふれるバンドメンバーによって奏でることにより、良くも悪くもバラバラな感があるという点でした。正直、いままでの東京事変のアルバムに関しても、1曲1曲は強いインパクトを抱き印象に残るものの、アルバム全体の印象としては椎名林檎のソロ作の方がインパクトを強く感じてしまったところがあります。今回のアルバムであらためて東京事変の代表曲を聴くと、椎名林檎の歌詞とボーカルによって、それなりの統一感は保たれているものの、やはり全体的にはバラバラな印象を抱きます。もっとも、このバラバラ感はひとつの魅力でもあるとは思うのですが、アルバム全体としての印象を若干薄くしてしまっている感は否めませんでした。

さて今回のベストアルバム、基本的にはCD2枚組なのですが、初回限定盤がかなり豪華。DVD2枚組のオールタイムPV集「Prime Time」に、砂原良徳リミックスによる音源がカセットテープに収録された「噂のミックステープ」がついてきます。このMVの方は、かなり凝った映像によるものが多く、彼女たちのこだわりを感じさせる内容になっており、見ごたえも十分。合計2時間半というかなりボリューミーな内容ですが、最後までほとんどダレずに楽しむことが出来ます。ただ、最後の特典映像「『2020・7・24閏visions特番ニュースフラッシュ』スクリーン映像」は、さすがにスクリーン映像だけ切り取って流されても、さすがにちょっと退屈でしたが・・・。

ただ、この初回限定盤、CD2枚組+DVD2枚組+カセットテープというボリューム感ながらも、11,000円というかなりお高いお値段となっていました。さらに「UNIVERSAL MUSIC STORE限定版」として、オリジナルデザインのポータブルカセットテーププレイヤーがついて19,800円というお値段設定のものも・・・(ちなみにポータブルカセットプレイヤーは現在でも普通に販売されており、通常3,000円~5,000円程度なので、「限定版」の事実上8,800円というのはかなりの高額です)。最近は、コアなファン向けとしてリリースされる「初回盤」の値段設定がどんどん高価になっているケースが目立つのですが、それにしても高いなぁ・・・。

そんなことを考えつつも、やはりベスト盤として魅力的な作品が揃っていましたし、MV集も見ごたえ十分な内容。ボリューミーな内容でしたが、文句なしに最後まで楽しめる内容でしたし、あらためて東京事変の魅力を再認識できたベスト盤でした。今後、さらに活動を本格化していくのでしょうか。これからの活動も楽しみです。

評価:★★★★★

東京事変 過去の作品
娯楽
スポーツ
大発見
color bars
東京コレクション
深夜枠
ニュース
音楽

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2022年3月13日 (日)

祈!一般流通!!

Title:METAATEM
Musician:METAFIVE

 Metaatem

昨年2020年に起きた音楽をめぐる残念な話題というと、コーネリアス小山田圭吾を巡る騒動でした。おそらく、当サイトに来てくださっている方なら間違いなくご存じの話とは思いますが、1994年1月号の「ROCKIN'ON JAPAN」と1995年8月発行の「Quick Japan」に掲載された、過去のいじめを告白するインタビュー記事が、東京オリンピック開会式で彼の音楽が使用されると報道されたことをきっかけに大炎上。国民的レベルでの大バッシングへと発展しました。その結果、彼が参加するMETAFIVEのアルバムも、当初8月11日のリリースを予定していたものが発売中止に。小山田圭吾自身も、事実上の音楽活動停止に追い込まれてしまっています。

ただその後、その余波をかって中止となっていた昨年7月26日のKZ Zepp Yokohamaでのライブが、無観客で実施されており、その模様が11月に配信ライブとして公表され、そのチケット購入者特典として、発売中止となっていたMETAFIVEのニューアルバムがリリースされました。私もその配信ライブに参加し、CDも入手。販売中止になったアルバムなのですが、普通にワーナーのロゴにバーコードも付いており、そのまま販売できる態勢となっており、ギリギリで販売中止になったという事実をジャケットからも感じてしまいます。

そのMETAFIVEですが、ご存じの通り、高橋幸宏を中心に結成され、小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、LEO今井、ゴンドウトモヒコという5人組によって結成されたバンド。もともと2014年に活動を開始し、2016年にはアルバムをリリースしたものの、その後、活動休止状態に。ただ2020年に突然、配信シングル「環境と心理」をリリースし、活動を再開しましたが、例の小山田騒動に巻き込まれる形となり、約4年9ヶ月ぶりにリリースされるはずだったニューアルバムも販売中止に追い込まれてしまいました。

ただ、そんな曰くつきのアルバムでしたが、肝心の内容については文句なしの傑作アルバムに仕上がっていました。METAFIVEのアルバムと言えば、高橋幸宏とYMOチルドレンの豪華なミュージシャンたちが緩く結び合ったバンド。アルバムは、メンバーそれぞれの個性を表に出しつつ、YMOチルドレンという共通項によって緩く連帯する作品というのが特徴的でした。

今回のアルバムもそんな特徴が反映された作品になっています。アルバム全体としてはエレクトロサウンドを入れたニューウェーヴ的なバンドサウンドが主軸。その一方でメンバーそれぞれの個性が楽曲にしっかりと反映されており、まず「The Paramedics」ではLEO今井らしいファンキーなボーカルに強烈なエレクトロビートがインパクトある作品。先行配信となった「環境と心理」はエレクトロなサウンドも含めて、完全に小山田圭吾の曲になっていますし、「May Day」は高橋幸宏らしいメロディーとサウンドが大きな特徴となっています。

今回、唯一、TOWA TEIが作曲を手掛けた「Wife」はユーモラスな歌詞も含めて、彼らしさを感じるエレクトロサウンドに。一方、砂原良徳が手掛ける「Snappy」は、彼らしい温度感の低いエレクトロサウンドに仕上がっています。ただ、アルバム全体としては全12曲中10曲までが、共作詞・共作曲含め、なんらかの形でLEO今井が関与しており、彼の歌うファンキーなボーカルがアルバムの中の一本の筋となっていました。

全体としてもバンドの一体感も覚える作品になっており、バンドとしての勢いすら感じさせます。2020年に脳腫瘍の手術を行った高橋幸宏の復帰作という意味合いもあるだけにメンバーの力の入れようもうかがえます。文句なしの傑作アルバムで、本作がいまだに一般の市場に流通していないのが残念になりません。せめて配信でリリースして、多くのリスナーの耳に入るようにしてほしいのですが・・・。

評価:★★★★★

METAFIVE 過去の作品
META
METAHALF

さて、このアルバムの紹介を機に、いまさらながら例の小山田騒動に関して思うことをちょっと記しておこうと思います。

続きを読む "祈!一般流通!!"

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2022年3月12日 (土)

ボリューム満点の配信ライブ

クイズ3年B組馬八先生

KAN/馬場俊英/TRICERATOPS

会場 オンライン 日時 2022年2月27日(日)19:00~

正月以降のオミクロン株流行により、再びコロナ禍の患者数が増加し、ライブに足を運びにくい状況に戻ってしまっています。そんな中、今回参加したのは配信ライブ。KANが馬場俊英と一緒に実施していた配信シリーズの第4弾となります。今回はゲストがTRICERATOPSということもあり、この配信ライブ、はじめて視聴してみました。

このタイトル通り、「3年B組金八先生」のパロディー的な作りのイベント。スタートは、その「金八先生」を彷彿とさせるようなオープニング映像も流れ、馬場俊英の「貰う言葉」という、完全な「贈る言葉」のパロディー的な(ただそれなりによく出来ている)曲からスタートします。しかしそこから一転、1曲目を飾るのはいきなりTRICERATOPSの「Raspberry」からスタート!久しぶりに聴いたのですが、やはりテンションがあがります!

その後、檀上の幕があがると、教室のようなセットが登場し、馬場俊英が先生役、TRICERATOPSとKANみんなが生徒役での学園コント風な寸劇がスタート。比較的ふざけたコメディーの展開になるかと思いきや、「数学の時間」という名目で、意外とまじめな「分数コード」についての説明がはじまり、そのままKANと馬場俊英が参加する形で分数コードを多用したTRICERRATOPSの「GREEN」へ。さらにKANのピアノ弾き語りで、サビがすべて分数コードで構成された「Day By Day」へと続きます。

次は「国語の時間」で、トライセラのメンバー全員とKANが「卒業」をテーマにワンフレーズの歌詞を事前に用意。その後、それぞれのフレーズを上手く組み合わせて「卒業」をテーマとした1曲分の「歌詞」を作り上げました。和田唱の用意したフレーズが、かなり「臭い」フレーズで、和田唱らしさを感じました(笑)。

続いては「美術の時間」ということで、くじ引きで決められたミュージシャンの似顔絵をトライセラのメンバー+KANで描きます。みんなが似顔絵を描いている間に馬場俊英がアコギ弾き語りで「I HAVE A DREAM」という曲を1曲披露。さらにTRICERATOPSの「僕らの一歩」とバラードが続き、しんみり聴かせます。

その後は似顔絵をみんなで見せ合い、誰かを当てあいました。ちなみにトライセラ吉田佳史が「ベートーヴェン」、林幸治が「マイケル・ジャクソン」、和田唱が「スティーヴィー・ワンダー」、KANが「平井堅」、馬場俊英が「ジョンレノン」。みんなさすがに「アーティスト」ということで、絵心があって、みんな結構、絵も上手い・・・。答えにボケが入りつつも、その絵心にはちょっと感心してしまったりして。

ここから話題はTRICERATOPSのメンバーのソロ活動の話へ移り、メンバーそれぞれのソロをトライセラ+KAN+馬場俊英というメンバーで演奏するという貴重なステージに。まず林幸治がシンガーソングライターの菅原龍平と組んだNorthern Boysの「チーズケーキ」を。貴重な林幸治ボーカルで聴かせるのですが、意外と洒落た感じのポップソングで、ボーカルもピッタリとマッチ。とても素敵な楽曲でした。続いては和田唱のソロ「Vision Man」。一つの循環コードだけで作られている曲になっているそうで、こういうシンプルなコード進行ながらもしっかりとメロディアスな曲を作ってくるあたり、和田唱の実力を感じさせます。

その後は社会の時間ということで、女子高生の流行言葉クイズのコーナーを挟んだ後は、林幸治と吉田佳史によるインストの演奏。ベースとドラムスのみによる演奏で、本人たちも語っていたような非常にグルーヴィーな演奏がカッコいいステージ!これはまた、この日の配信ライブならではの貴重なパフォーマンスを聴くことが出来ました。

さらに「卒業制作」ということで、「国語の時間」で作った「歌詞」にみんなで曲を付けます。完全に1からの作業を配信時間中に実施するという挑戦的な試みで、Aメロを馬場俊英、Bメロを和田唱、そしてサビはKANがつくっていきます。コード主体で曲が徐々に出来上がる様子がかなり興味深く、リアルタイムに曲が徐々に出来上がるという、かなりスリリングな体験が出来る時間になっていました。タイトルも「空飛ぶ半人前」とつけられ、演奏もしっかりつけられたちゃんとした「曲」として仕上がっており、メンバーの実力を感じさせます。

曲作りが終わると、「卒業証書授与」が行われた後、「卒業ライブ」ということで、KANがTRICERATOPSと共演した「君のマスクをはずしたい」を全員で披露。ヘヴィーロック的な演奏で迫力満点の演奏を聴かせてくれます。その後は馬場俊英の「ケムシのうた」を披露し、は配信時にTwitterで受け付けていた、「誰が学ランを一番着こなしていたか」の発表が。見事、KANが1位を獲得していました。

そしてラストはTRICERATOPSの「Shout!」で締めくくり。全3時間超にも及ぶ、長丁場の配信イベントは幕を下ろしました。

さすがに3時間超に及ぶイベントは長かった・・・。個人的にはもうちょっと「曲」を聴きたかったかも、と思うような部分もあったのですが、ただ、バラエティー的な企画あり、寸劇的な企画あり、さらに貴重なパフォーマンスや曲が生まれる瞬間に立ち会うという挑戦的な企画もあり、と非常にボリューミーな内容の配信ライブでした。特にTRICERATOPSのパフォーマンスは久しぶりに見れたのはうれしかったなぁ。また彼らのライブにも足を運びたい!かなり長丁場でしたが、最後まで楽しめた配信ライブでした。

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2022年3月11日 (金)

趣味性の強い「KING」の傑作

Title:KING Deluxe Edition
Musician:忌野清志郎

RCサクセションのデビュー50周年を記念し、ベスト盤をはじめとして、RCサクセションや忌野清志郎にまつわる様々なアイテムがリリースされていますが、本作はその第5弾アルバムとなります。2003年にリリースされた忌野清志郎のソロアルバム「KING」のデラックスエディション。オリジナルアルバムを最新技術でリマスターした上に、彼のプライベートスタジオ「ロックンロール研究所」で発見された未発表音源を追加。さらに通常盤では発表直前にNHK-FMで行ったスタジオライブ音源を追加しているほか、限定盤ではアルバム発売直前に日比谷野外音楽堂で行われたライブの模様の音源も収録されています。今回は、私が聴いた通常盤での紹介となります。

実はこのアルバム、2003年にリリースされた時にリアルタイムで聴いていました。その時の感想は、「ゆういちの音楽研究所」の旧サイトにも載せました。今回、再掲しようかと思って、ログをひっくり返して読んでみたのですが・・・すいません、あまりにも感想が拙くて、載せるのを躊躇していまいました・・・あらためてこのアルバムを聴いた感想を書こうと思います。

この「KING」というアルバムを聴いてあらためて思うのは、忌野清志郎のルーツに対する趣味趣向がかなりダイレクトに反映されたアルバムだったな、という点でした。冒頭の「Baby何もかも」からして、まるっきりオーティスレディングなスタートですし、「WANTED」もホーンセッションやブギウギ的なピアノも入った、60年代あたりを彷彿とさせるような軽快なロックンロールナンバー。暗喩的な歌詞がユニークな「HB・2B・2H」は昔ながらのブルースロック的な楽曲ですし、今の時代を彷彿とさせるような「ウイルス」もホーンセッションが入って、軽快な70年代ソウルなナンバーに仕上がっています。

後半には「約束」のようなフォーキーなナンバーや、有名な反戦歌でありフォークソングである「花はどこへ行った」のカバーなどフォークの色合いの強い曲や、ハードロック的なヘヴィーなギターを聴かせる「モグラマン」や軽快なギターロックナンバーの「胸が張り裂けそう」のようなストレートなロックナンバーも少なくありません。ただ、全体的には軽快なホーンセッションやピアノの音色はストレートにサザンソウルからの影響を強く感じさせ、全体的には彼のルーツの影響を強く感じさせる作風になっていました。もちろん、ソウルやブルースからの影響はRCサクセションの曲にも強く感じられるのですが、ソロアルバムということからでしょうか、そういうルーツからの影響をより強く前面に押し出した作品になっており、そういう意味ではソロらしい、趣味性の高いアルバムと言えるのかもしれません。

ちなみにDisc2のNHK-FMでのライブ音源も、これまた素晴らしい内容に。RCサクセション時代の「スローバラード」「キモチE」なども披露。2003年の頃は実は私は何度か忌野清志郎のライブを見たことがあるのですが、イベントライブの一環の30分程度のステージだと、当時は「君が代」や「あこがれの北朝鮮」のような、ちょっと飛び道具的な曲が並んでしまっていたのですが、やはりソロライブだとじっくりとRC時代の曲も含めて、魅力的な曲を聴かせるナンバーが並んでいます。結局、清志郎のソロワンマンライブにはいかなかったのですが、このライブ音源を聴くと、やはり一度行っておくべきだったな・・・ということを今更ながら感じてしまいました。

またこの「KING」の中には「奇妙な世界」という反戦歌も含まれています。「自分の国しか知らない人 自分の事しかわからない人」とそういう戦争を起こすような人に対して強烈な皮肉が込められている清志郎らしい作品になっています。先日、ロシアがウクライナに対して侵略戦争をしかけ、現在、世界は非常に混沌とした状況になってしまっています。こんな時代、清志郎だったらどんな歌を歌うのだろう・・・あらためて、今の時代、清志郎が不在であるという事実が残念に感じてしまいます。

あらためて彼のソロアルバムを聴いて、忌野清志郎の魅力を感じることが出来ました。「KING」というタイトルはかなりふてぶてしいタイトルですが、まさに彼こそがロックンロールの「KING」にふさわしいといえるでしょう。そのことを強く感じさせる傑作です。

評価:★★★★★

忌野清志郎 過去の作品
入門編
忌野清志郎 青山ロックン・ロール・ショー2009.5.9 オリジナルサウンドトラック
Baby#1
sings soul ballads
ベストヒット清志郎
COMPILED EPLP ~ALL TIME SINGLE COLLECTION~

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2022年3月10日 (木)

K-POPのアイドル勢が1位獲得

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は韓国の男性アイドルグループが1位獲得です。

今週1位を獲得したのは、TREASURE「THE SECOND STEP:CHAPTER ONE」。先週の34位からランクアップし、ランクイン3週目にして1位獲得。CD販売数1位、PCによるCD読取数45位。輸入盤のためビルボードでは集計対象外のはずが、また何故かCD販売数でもランクインを果たし、1位獲得です。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上4万2千枚で1位初登場。前作「THE FIRST STEP:TREASURE EFFECT」の国内盤売上の初動5万6千枚(1位)からダウンしています。

2位は刀剣男士 formation of 心覚「ミュージカル『刀剣乱舞』-東京心覚-」。CD販売数2位、ダウンロード数47位、PCによるCD読取数15位。ゲーム「刀剣乱舞」を元としたミュージカル「『刀剣乱舞』-東京心覚-」の曲を集めたアルバム。オリコンでは初動売上2万6千枚で2位初登場。同ミュージカルからリリースされた前作、刀剣男士 team新撰組 with蜂須賀虎徹「ミュージカル『刀剣乱舞』~幕末天狼傳~」の1万1千枚(5位)からアップしています。

3位初登場はLiella!「What a Wonderful Dream!!」。アニメキャラによるアイドルプロジェクト「ラブライブ!」シリーズの第4弾「ラブライブ!スーパースター!!」から登場したアイドルグループによるデビュー作。CD販売数3位、ダウンロード数8位、PCによるCD読取数13位。オリコンでは初動売上1万9千枚で3位初登場。今週、この「ラブライブ!」関連のアルバムがもう1枚ランクインしており、それが10位初登場の国木田花丸(高槻かなこ)「LoveLive! Sunshine!! Second Solo Concert Album ~THE STORY OF FEATHER~ starring Kunikida Hanamaru」で、「ラブライブ!!サンシャイン!!」からアイドルグループAqoursのメンバーによるソロコンサートアルバム。CD販売数9位、ダウンロード数46位、PCによるCD読取数71位。オリコンでは初動売上6千枚で8位初登場。同シリーズの前作、黒澤ダイヤ(小宮有紗) from Aqours「LoveLive! Sunshine!! Second Solo Concert Album ~THE STORY OF FEATHER~ starring Kurosawa Dia」の初動5千枚(3位)からは若干のアップ。

続いては4位以下の初登場盤です。まず6位にMORE MORE JUMP!「MORE MORE JUMP! SEKAI ALBUM vol.1」がランクイン。スマホゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」に登場するキャラクターによるアルバム。CD販売数5位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数19位。オリコンでは初動売上9千枚で5位初登場。

7位には槇原敬之「Bespoke」がランクイン。CD販売数7位、ダウンロード数10位、PCによるCD読取数22位。槇原敬之が様々なミュージシャンに提供した楽曲のセルフカバー曲を集めたアルバム。もともとは2020年3月4日にリリースされる予定だったのですが、彼の覚せい剤所持による逮捕が原因で発売が中止になっていた作品。当初のリリース予定から、2年の月日を経て、無事リリースとなりました。この手の事件で発売延期となった作品は、結局発売されないか、別の形でリリースされるかのどちらかというケースが多い中、このような当初の形のままでリリースされたというケースは珍しいのではないでしょうか。2020年の槇原敬之逮捕の件については、結局、その後のCDなどの回収も行われず、復帰後のアルバムも逮捕前と同じレーベルからリリースされるという、ここ最近の事例に比べると珍しく、楽曲自体に罪はない、というスタンスを貫かれた処置になったように感じます。オリコンでは初動売上7千枚で6位初登場。直近のオリジナルアルバム「宜候」の1万3千枚(6位)からはダウンしています。

さらに今週はベスト10圏外からの返り咲きも。8位にHKT48「アウトスタンディング」がランクイン。昨年の12月8日付チャート以来13週ぶりのベスト10返り咲き。チャート圏外からCD販売数がいきなり6位にランクインしてきたことを原因するもので、おそらくイベント参加権のついた劇場盤CDの通販送付に合わせてのランクアップと思われます。まだ凝りもせずこの手のドーピングをやっていたんだ、と思ってしまうのですが・・・。

また今週、優里「壱」が9位にランクイン。これでベスト10ヒットを連続8週に伸ばしており、ロングヒットとなっています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2022年3月 9日 (水)

ついに1位陥落

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週まで7週連続1位を続けていたAimer「残響散歌」は今週、ついに3位にダウン。先週1位だったダウンロード数、ストリーミング数、PCによるCD読取数及びYou Tube再生回数のいずれも2位にダウンしています。ただベスト10&ベスト3ヒットはこれで13週連続となります。

一方、今週1位を獲得したのはジャニーズ系アイドルグループSixTONES「共鳴」が見事1位を獲得。日テレ系アニメ「半妖の夜叉姫」オープニングテーマです。CD販売数、PCによるCD読取数及びラジオオンエア数で1位獲得。Twitterつぶやき数4位、You Tube再生回数53位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上40万枚で1位初登場。前作「マスカラ」の49万6千枚(1位)からはダウンしています。

さらに2位にはKing Gnu「カメレオン」が初登場。ダウンロード数及びストリーミング数は同作が1位を獲得。ラジオオンエア数2位、Twitterつぶやき数26位で総合順位はこの位置に。フジテレビ系ドラマ「ミステリと言う勿れ」主題歌で3月16日リリース予定のCDからの先行配信となります。ちなみにKing Gnuは「逆夢」が8位から7位にアップ。一方「一途」は6位から8位にダウンと順位が入れ替わりながらも、この2曲もランクインを続け、今週、King Gnuは3曲同時ランクインとなりました。これで「逆夢」は10週、「一途」は13週連続のベスト10ヒットとなりました。

続いて4位以下の初登場曲です。といっても、初登場曲はあと1曲。4位にハロプロ系アイドルグループBEYOOOOONDS「英雄〜笑って!ショパン先輩〜」がランクイン。CD販売数は2位でしたが、ダウンロード数12位、ラジオオンエア数26位、PCによるCD読取数11位、Twitterつぶやき数75位で総合順位はこの位置に。タイトルからしてある程度想像がつくのですが、ショパンの「英雄ポロネーズ」と「ノクターン」を使用した楽曲になっています。オリコンでは初動売上7万7千枚で2位初登場。前作「激辛LOVE」の6万6千枚(1位)からアップしています。

さらにロングヒット曲ですが、まずは優里「ベテルギウス」は3位から5位にランクダウン。ダウンロード数は先週から変わらず14位をキープしましたが、ストリーミング数は2位から3位に、You Tube再生回数も10位から12位にダウンしています。ただ、ベスト10ヒットはこれで連続18週に伸ばしています。一方「ドライフラワー」は今週9位から10位にダウンと、いよいよ後がなくなりました。ただし、圧倒的な強さを誇るカラオケ歌唱回数は今週で57週連続の1位。「ドライフラワー」のベスト10ヒットも68週連続に伸ばしています。

マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」は今週7位から9位にダウン。ストリーミング数が3位から4位にダウンしたほか、ダウンロード数が42位から50位、You Tube再生回数も27位から29位にダウン。これで通算12週目のベスト10ヒットとなりましたが、いまひとつ上位には食い込めず終わってしまいそうです。

そしてしぶとい人気を見せていたback number「水平線」は今週11位にダウン。ベスト10ヒットは通算27週で一度ストップとなりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年3月 8日 (火)

ジャズ、HIP HOP、ソウル、ファンクを縦横無尽に

Title:Drones
Musician:Terrace Martin

アメリカ西海岸出身のプロデューサー、Terrace Martinのニューアルバム。もともとはSnoop Doggのライブバンドのメンバーとして活動を開始したそうですが、その後、プロデューサーとして頭角を現し、かのケンドリックラマーのアルバムでもプロデューサーとして参加。さらにロバート・クラスパーによるグループR+R=NOWにも参加するなど、今、最も注目を集めるプロデューサーの一人です。

R+R=NOWとしての作品は、いままで何枚か聴いているのですが、Terrace Martinソロ名義でのアルバムを聴くのはこれがはじめて。ただ、聴いていて非常に心地よいサウンドが楽しめるアルバムになっており、すっかりはまってしまいました。Terrace Martin自体は、もともとサックス奏者であり、分野的にはジャズをメインフィールドとするミュージシャン。ただ、もともとはジャズとHIP HOPを自由に行き来するようなプロデュースワークが大きな話題となったようですが、このアルバムについても、ジャズやHIP HOP、さらにはソウルやファンクといった音楽を自由に行き来する、レイドバックなサウンドが非常に魅力的な作品になっていました。

まずイントロ的な1曲目に続くのがタイトルチューンの「Drones」。ファンキーなリズムにメロウな歌が重なる楽曲で、バックにはジャジーなピアノが流れています。この曲にはケンドリックラマーが歌で参加、さらにSnoop Doggも語りで参加するなど、豪華な作品に。「Work It Up」もリズミカルでファンキーなエレクトロサウンドが特徴的ですが、Cordaeのラップが加わるなどHIP HOP色も強い楽曲になっています。

さらに「Griots of the Crenshaw District」では、R+R=NOWの盟友、ロバート・クラスパーに、カマシ・ワシントンも参加。エレクトロの強いビートの中で、カマシ・ワシントンのジャジーなサックスが鳴り響く、ジャズ的要素の強い作品になっていますし、続く「Evil Eyes」も女性ボーカルが入って、メロウでジャジーに聴かせる作品になっています。

他にも、エレクトロサウンドをより前に押し出した「Tapped」や、伸びやかに歌い上げるボーカルにゴスペル的な要素も感じられる「Reflextion」などバリエーション豊富に展開していきます。ただ、そんな作風の中でアルバム全体の軸となっているのがメロウに聴かせる歌とレイドバックなサウンド。終始、非常に心地よい歌とサウンドに身をゆだねる、そんな作品になっていました。

ジャズ、HIP HOP、ソウル、ファンクといったジャンルをエレクトロサウンドをベースとしつつ、縦横無尽に行き来するそのスタイルは、いかにも今風という印象も受けるこのアルバム。一方で、昔ながらのソウルミュージックの王道的な要素はしっかりと残しており、そういう点でも非常に魅力的な傑作アルバムでした。2021年の作品をいまさらながら聴いたのですが、これは2021年のベスト盤候補の1枚だったなぁ、ということを感じさせる傑作アルバム。そのサウンドに酔いしれた1枚でした。

評価:★★★★★

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2022年3月 7日 (月)

エキゾチックな香り漂う

Title:Raise The Roof
Musician:Robert Plant&Alison Krauss

ご存じレッド・ツェッペリンのボーカリスト、ロバート・プラントと、ブルーグラス/カントリーの女性シンガー、アリソン・クラウスによるコラボアルバム。ロック界、それもハードロックの祖とも言えるレッド・ツェッペリンのボーカリストと、カントリー系の女性ミュージシャンという異色の組み合わせとも言えるのですが、ご存じの方も多いと思いますが、もともと2007年にこのコンビでアルバム「Raising Sand」をリリース。同作がグラミー賞の最優秀アルバム賞と最優秀コンテンポラリー・フォーク/アメリカーナ・アルバム賞を受賞するなど大きな評判を呼び、さらに「ローリング・ストーン誌」が選出した「2000年代のベストアルバム100」の55位にランクインされるなど、高い評価を得ているようです。

前作「Raising Sand」については私は未聴なので、今回のアルバムでこの2人のコンビのアルバムについてははじめて聴くことになりました。アルバムのスタイルとしては、基本的にアリソン・クラウスによるボーカルが主軸となっており、ロバート・プラントのボーカルがそれに重なる形というスタイルがメイン。もっとも、何曲かは、ロバート・プラントがメインを取っています。アリソン・クラウスの歌声は今回はじめて聴いたのですが、非常に清涼感あふれるボーカルが魅力的。また、同時に包容力も感じさせます。さらにロバート・プラントのボーカルもアルバムの中で大きな魅力に。ロバート・プラントといえば、レッド・ツェッペリンで聴かせる伸びやかなハイトーンボイスが特徴的で、今回はさすがにツェッペリンばりの張り上げるようなボーカルはないのですが、齢73歳という年齢を感じさせない、艶のあるボーカルを聴かせてくれています。

楽曲としては、全体的に落ち着いた、ちょっと語弊のある言い方かもしれませんが「大人の音楽」を聴かせてくれています。「Last Kind Words Blues」「My Heart Would Know」はアコースティックでカントリー色が強い作風で、アリソン・クラウスの趣向が強い感じでしょうか。逆に、ロバート・プラントがメインでボーカルを取る、ブルージーな「You Led Me to The Wrong」や、ブルースロックの「You Can't Rule Me」などは、完全にロバート・プラントの趣向が強い感じがあります。

ただ、アルバムの中でひとつ大きな特徴として感じたのは、全体的にどこかエキゾチックな香りが漂っているという点。アルバムの冒頭「Quattro」のイントロの哀愁感たっぷりのギターからして、まずはエキゾチックですし、続く「The Price of Love」も郷愁感ただようヘヴィーなサウンドにエキゾチックな印象も。また、その後も「It Don't Bother Me」のリズムにもトライバルな要素を感じますし、ブルージーな「You Led Me to The Wrong」にもトライバルなリズムが加わっており、エキゾチックなムードが漂います。

また本作でユニークな点といえば、カントリーとブルース、全く違うジャンルからの影響をダイレクトに受けた曲が並んでいるにも関わらず、アルバム全体としてしっかりと統一感があるという点でしょう。その両者をむすびつけるのが、まさにエキゾチックな要素という部分なのかもしれませんが、もともとアメリカの昔からの音楽ということで両者がそれぞれ影響を与え合ったという歴史もあるそうです。そういう意味では白人ルーツのカントリーと黒人ルーツのブルースと、全く正反対の音楽性のようで、実はそれなりに音楽性に近いものがある、ということを、このアルバムで感じました。

ロバート・プラントとアリソン・クラウス、それぞれ全く異なるジャンルの音楽を奏でる2人ですが、なにげに強い共通項も感じられる作品に。なによりも2人とも歌声に惹かれる内容になっていました。決して目新しさはないのですが、2人のボーカリストに魅了される「大人な」1枚でした。

評価:★★★★

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2022年3月 6日 (日)

注目度上昇中のインディーフォークミュージシャン

Title:無限のHAKU
Musician:ROTH BART BARON

現在は三船雅也のソロプロジェクトとなっているROTH BART BARONのニューアルバム。前作「極彩色の祝祭」も大きな話題を呼んだのですが、残念ながら現時点ではノーチェック。とはいえ、その評判は随所で聴いていましたので、今回の約1年2ヶ月ぶりとなるニューアルバムで、アルバム単位でははじめて彼らの曲を聴いてみました。ちなみに2008年に結成しているので、既にキャリア10年以上を誇る中堅ミュージシャンとも言えます。

このROTH BART BARONについて、ジャンルとしてはインディーフォークという風にカテゴライズされているようです。基本的にしんみり聴かせるフォーキーな様相のメロディーラインがメイン。ただ、その中で大きな特徴なのは、ホーンやストリングス、ピアノさらにはエレクトロサウンドなどの楽器をふんだんに取り入れて、幻想的な独特の音世界を作り上げている点でした。

例えば1曲目「Ubugoe」ではしんみりフォーキーな曲調なのですが、エレクトロサウンドとトランペットのサウンドが、楽曲に奥行を与えています。「みず/うみ」でも、軽快なドラムのリズムに重なるストリングスやピアノの音色が楽曲に独特の幻想感を与えることに成功しています。「霓と虹」もノイジーなギターの音色と美しいストリングスの音の対比が見事で、ギターの音が鳴り響きつつも、一種の清涼感を作品に与えています。

他にもエキゾチックな雰囲気の「Helpa」やホーンセッションを入れて爽やかで伸びやかに聴かせる「鳳と凰」など、様々な楽曲を取り入れてバラエティー富んだ作風が楽しめる作品になっていました。

ただそんな中でROTH BART BARONの音楽性を形作っているのが、ボーカルもつとめる三船雅也のファルセットボイス。そのハイトーンボイスから繰り出される歌が、サウンドとの相乗効果により幻想的な音楽性を作り上げています。また、凝ったサウンドの中で流れてくるメロディーラインはメランコリックで、どこか暖かさと懐かしさを感じさせます。ここらへんのメロディーラインがインディーフォークである所以なのですが、決して派手ではないメロディーラインながらも、しっかりとリスナーの心に残る歌を聴かせてくれています。

個人的に、先日の2021年の年間ベストの中で次点候補として本作を入れていましたが、最後の最後までベスト10入りを迷ったアルバムで、そういう意味では間違いなく年間ベストクラスの傑作アルバムだったと思います。三船雅也のソロプロジェクトとなったのは本作からなのですが、それだけにまだ今後の音楽的な広がりも感じさせます。まだまだこれからが楽しみになってくるミュージシャンです。

評価:★★★★★

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2022年3月 5日 (土)

デビュー20年を前に、脂ののった傑作

Title:SNS
Musician:アナログフィッシュ

約3年ぶりとなるアナログフィッシュの新作は、前作に引き続き、またもや傑作アルバムに仕上がっていました。アナログフィッシュというと、デビューは2003年と、来年には早くもデビュー20周年を迎えるという、既にベテランの域に入りつつあるバンドです。ただ、ここ最近、バンドとして円熟期に入ったかのような傑作リリースが相次いでおり、むしろデビュー20周年に近づくにつれ、バンドとしての脂がのってきたという感覚すらあります。今回のアルバムに関しても、そんな彼らの勢いを感じさせる傑作アルバムに仕上がっていました。

前作「Still Life」ではメロウなシティポップの作品の中に、感じられる泥臭い要素が彼らの大きな魅力に感じられました。今回もシティポップの要素が大きな魅力となっていました。本作で言えば、まず2曲目「U.S.O.」。メランコリックなメロも印象的で、テンポよいギターの音色も印象的なシティポップ。ラストを飾る「Can I Talk to You」もメロウなメロディーラインが印象に残る作品になっていす。

さらに今回は打ち込みのリズムもアルバムの中で上手く生かした作風になっていました。例えば「うつくしいほし」は打ち込みのリズムでテンポよく聴かせる疾走感ある楽曲に仕上がっていましたし、「Moonlight」もシンセの軽快なサウンドが楽しいポップチューンに。さらに一番印象的だったのが中盤の「Saturday Night Sky」でしょう。リズミカルなアナログフィッシュ風のディスコチューンに仕上がっており、アルバムの中ではひとつの核となっています。

そして、そのようなエレクトロサウンドとシティポップ的な要素を両立させつつ、今回のアルバムでは彼らのギターロックバンドとしての側面が比較的前に出ていたように思います。1曲目の「Miharashi」からして、まずはギターロックの楽曲からのスタートとなっていますし、後半の「Yakisoba」「さわらないでいい」も同じく、ギターロックを前に押し出したような作風になっています。最近は、よりシティポップ路線にシフトした感のある彼らでしたが、その路線を維持しつつ、ギターロックバンドとしての原点に回帰したような印象も受ける作品にあんっていました。

ただ、それ以上に今回のアルバムで印象に強く残ったのがメロディーラインの良さ。決して派手ではないもののメランコリックなメロディーラインが強く印象に残る曲が目立ちます。まずは冒頭の「Miharashi」。ノスタルジックな感覚が切なく、胸がキュンとなるようなメロディーラインが印象的。さらに印象的だったのが「Yakisoba」で、ノスタルジックなメロディーラインがこちらも胸にグッと来るナンバー。どこかにいる好きな人を思い出しつつ、焼きそばを食べるという日常を描いた歌詞がまた、非常にノスタルジーあふれてメロディーもピッタリとマッチしています。以前のアナログフィッシュというと、サウンド的には良いもののメロディーのインパクトが今一つ、という印象があったのですが、いつの間にか、メロディーラインに関しても一級品を聴かせてくれることが出来るバンドになったんだな、ということを感じます。

デビュー当初は注目のバンドとしていろいろと取り上げられることも多かった彼らですが、残念ながら最近は、メディア等で大きく話題になることは少なくなってしまいました。ただ個人的には、今、もっとも過小評価されているバンドと言ってもいいかもしれません。1回聴いた時の印象で、年間ベストには挙げなかったのですが、あらためて聴くと、年間ベストの候補の1枚だったかも・・・。今、非常に脂にのっているバンドなだけに、次回作も期待です。

評価:★★★★★

アナログフィッシュ 過去の作品
荒野/On the Wild Side
NEWCLEAR
最近のぼくら
Almost A Rainbow
Still Life


ほかに聴いたアルバム

伝説の夜を君と/a flood of circle

結成15年目だった2021年の最後にリリースされたa flood of circleのオリジナルアルバム。直近作「GIFT ROCKS」がゲストを迎えての企画盤でしたのでオリジナルアルバムとしては「2020」以来となります。その「2020」が、彼らの持ち味だったガレージサウンドとポップなテイストを上手く折り合わせた傑作だっただけに、続くオリジナルも期待したのですが・・・今回はグッとポップ色に戻ってしまい、また、以前と同じく、ポップス路線のa flood of circleは駄作が多かったのですが、今回のアルバムも正直・・・。「2020」が良かっただけに残念なのですが、また次回作に期待といったところで。

評価:★★★

a flood of circle 過去の作品
泥水のメロディー
BUFFALO SOUL
PARADOX PARADE
ZOOMANITY
LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL
FUCK FOREVER
I'M FREE
GOLDEN TIME
ベストライド
"THE BLUE"-AFOC 2006-2015-
NEW TRIBE
a flood of circle
CENTER OF THE EARTH
HEART
2020
GIFT ROCKS

dear,deer/tacica

ギターロックバンドtacicaが結成16年目にしてはじめてリリースされたベストアルバム。以前から分厚いオルタナ系ギターサウンドとメロディアスなメロディーラインは魅力的ではあるものの、良くいるタイプのギターロックバンドという印象は否めず、tacicaならではの特徴が薄い・・・という印象を受けていたバンドですが、ベスト盤であらためて過去の曲を振り返っても、その印象は変わりませんでした。というよりも、1曲1曲のインパクトはあるものの、やはりこれといった特色の薄い楽曲が目立つ、という点では、その印象をより強化することになったベスト盤といった感じになってしまいました。ノイジーなギターロック路線は、素直に楽しめるといえば楽しめるのですが・・・。

評価:★★★★

tacica 過去の作品
jacaranda
jibun
HOMELAND 11 blues
LOCUS
HEAD ROOMS
新しい森
panta rhei

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2022年3月 4日 (金)

偉大なSSWの全シングル+MVを網羅

Title:JAPANSESE SINGLES COLLECTION-GREATEST HITS-
Musician:Billy Joel

今回紹介するのは、日本でも高い人気を誇るシンガーソングライター、Billy Joelのデビュー45周年を記念してリリースされたベストアルバム。日本でリリースされた全シングル曲とこれまでに発表されたすべてのミュージックビデオを網羅したシングルコレクション。もっとも、Billy joelのために企画されたアルバムではなく、主に80年代に人気を博したミュージシャンについて企画されたシリーズものの一環としてリリースされたもの。なかなかおもしろそうな企画のため、私も他のアルバムも聴いているのですが、もともとこの企画を知ったきっかけはこのビリーのベストアルバム。この手の企画モノのベストアルバムは、洋楽邦楽問わず様々な形でリリースされ、正直なところほとんどは話題にならず終わっていくのですが、ただ、このビリーのベストアルバムに関しては、音楽雑誌などでも比較的大きく取り上げられ、なおかつオリコンでもランクインしてくるなど、「ヒット」を記録しています。現在もライブ活動は断続的に実施しているBilly Joelですが、「現役のミュージシャン」からの引退は宣言しており、2001年のアルバム「Fantasies & Delusions」以来、アルバムのリリースはありません。今回のこのベスト盤のヒットは、そんなビリーへの根強い人気と、やはり新曲を聴くことが出来ない渇望によるものではないでしょうか。

さて今回のベストアルバム、「日本でのシングル曲」という縛りはあるものの、彼の代表曲は網羅しており、実質的に「オールタイムベスト」と言っていいような内容になっています。そんな彼の代表曲を今回あらためて聴いてみた訳ですが、月並みな言い方ですが、非常にインパクトあるメロディーラインが耳に残り、何度聴いても彼の書いたポップソングは色あせないな、ということをあらためて感じました。

そんな中で今回聴いていて感じたのは、特に彼の初期のヒット曲について、胸の中で懐かしい気持ちがこみあげてくるような感情でした。彼の初期のヒット曲がリリースされたのは、ともすれば私が赤ちゃんの頃でしたので、リアルタイムに聴いた記憶はありません。ただ、彼の楽曲のメロディーラインがもともとも持っているメランコリックなフレーズ、さらにいかにも80年代を象徴するようなサウンドが、懐かしい気持ちが沸きあげてくる大きな要因でしょうし、またひょっとしたら、親が見ていたテレビ、聴いていた音楽の中で、知らず知らずのうちに彼の曲をリアルタイムで聴いており、その時の記憶が懐かしさとして蘇ってきたのかもしれません。

また楽曲自体もそうですし、MVを見ていても感じるのは、楽曲全体を流れる底抜けともいえる明るさでした。これはBilly Joelの曲に限らず、80年代のポップミュージックに共通して言える話なのですが、世間の風潮として全体的に明るい空気が漂っていたということなのでしょうか?まだ80年代だった私が小学生の頃は、東西冷戦も終結しておらず、決して脳天気に世界が明るい雰囲気で漂っている、という感じではなかったようにも思うのですが。ただ、ポピュラーミュージックというジャンルにおいては、どんどん市場が広がり、全体的にイケイケドンドンという空気だったのかもしれません。そんな流れからはみ出たミュージシャンたちが、90年代のグランジへのつながっていくのでしょうが。

そのように80年代という時代のなつかしさを感じつつ、Billy Joelの楽曲自体についてあらためて感じるのは、キャッチ―なポップソングを主軸にしつつ、意外と様々な音楽性を取り入れており、その音楽的な貪欲さを強く感じます。特に初期の作品については、ポップスにロックの要素を加えているだけなのですが、「This Night」ではドゥーワップを取り入れ、同じく「The Longest Time」でもボイスパーカッションにアカペラを取り入れています。「A Matter of Trust」ではハードロックなギターを取り入れていますし、「This Is The Time」やレイ・チャールズも参加した「Baby Grand」ではジャズやAOR的な要素を強く感じます。さらに「The Downeaster"Alexa"」ではエキゾチックな要素も加えるなど、特に中盤から後半にかけては、様々な音楽への挑戦を感じさせます。

結果として現時点でのラストアルバムとなった「Fantasies & Delusions」はクラシックのアルバムになるなど、若干「行きすぎちゃった感」もありますし、ひょっとしてポピュラーミュージックのミュージシャンとして「芸術音楽」に対する後ろめたさみたいなものがあったのかもしれませんが、ただ、そういった彼の幅広い音楽的な興味はこのベスト盤の中でも存分に感じられます。

さらにそのような中でも彼のすばらしさは、様々な音楽的な要素を取り入れつつも、基本的にはあくまでもポップでキャッチーなメロディーラインを最後まで貫き通していたという点でしょう。件のラストアルバムはともかくとして、基本的にポップスとして作成した曲に関しては、変なスノッブに陥ることなく、最後までメロディアスで魅力的なポピュラーミュージックを作り続けています。今回のベストアルバムは全39曲というボリューム感ある内容でしたが、最後まで全く飽きることなく、その魅力的なポップソングを楽しむことが出来ました。

あらためてBilly Joelというポピュラーミュージシャンの素晴らしさを実感することが出来たベストアルバム。MV集も魅力的でしたし、ファンとしては間違いなく「買い」の作品でしょう。現在、齢72歳の御方。昔ならともかく、現在ではまだまだ現役で活躍を続けているミュージシャンも少なくありません。是非また、ポップスの「新曲」を聴きたいところですが・・・まあ、こればかりはファンの身勝手な要望ということで。今は彼の珠玉のポップソングに魅了され続けたいと思います。

評価:★★★★★

BILLY JOEL 過去の作品
LIVE AT SHEA STADIUM
She's Always a Woman to Me:Lovesongs
A Matter of Trust: TheBridge to Russia
Live Through the Years

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2022年3月 3日 (木)

CDリリースで見事1位獲得

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

配信先行リリースのアルバムとなりましたが、CDリリースで見事1位獲得です。

今週1位は宇多田ヒカル「BADモード」が獲得。CDリリースによりCD販売数がチャートに加味され、先週の22位から大きく順位を上げて4週ぶりのベスト10返り咲き&初の1位獲得となります。今回、2月23日付でCDリリースとなりましたが、それに先立ち、1月19日に先行配信。先行配信時では最高位2位に留まりましたが、今回は見事1位獲得となりました。

CDリリースの前にアルバム全体を先行配信でリリースするというケースは決して珍しくはないものの、日本で宇多田ヒカルクラスの大物ミュージシャンがこの手法を行うのは珍しい感があります。特にDVD+Blu-rayが付属した初回盤は6,800円というお高めの値段設定となっており、配信で聴くライトなファン層と、CDまで買うコアなファン層を区別してリリースして感もあります。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上9万1千枚で1位初登場。直近作は「エヴァンゲリオン」に提供した曲を集めた企画盤EP「One Last Kiss」で同作の初動6万1千枚(2位)よりアップ。ただ、前作「初恋」の20万3千枚(1位)より大きくダウン。約3年半ぶりのリリースで、この間、音楽の視聴環境が大きく変わった影響もありますが、やはり先行配信の影響は大きいのでしょう。もっとも、彼女自身、もう「CDで売る」という意識はないのかもしれません。

2位はTHE ALFEE「天地創造」がランクイン。CD販売数2位、PCによるCD読取数13位。ダウンロードもストリーミングも行っているようですが、ダウンロード数は圏外。配信を意識したリリース形態だった宇多田ヒカルに対して、おそらくファン層の多くがダウンロードもストリーミングも行っていないようなTHE ALFEE。チャートもその結果が強く反映されていました。オリコンでは初動売上3万5千枚で2位初登場。前作「Battle Starship Alfee」の3万6千枚(3位)より微減。

3位には「ENDWALKER:FINAL FANTASY XⅣ Original Soundtrack」が初登場。CD販売数5位、ダウンロード数では見事1位獲得。「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」のサントラ盤。オリコンでは初動売上2万4千枚で3位初登場。「FFXⅣ」関連音源では、前作「Death Unto Dawn:FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」の初動1万1千枚(3位)よりアップしています。

続いて4位以下の初登場盤ですが、まず4位にロックバンドSUPER BEAVER「東京」がランクイン。CD販売数3位、ダウンロード数6位、PCによるCD読取数10位。オリコンでは初動売上2万枚で4位初登場。前作「アイラヴユー」(2位)からは横バイ。

6位にはAvril Lavigne「Love Sux」が初登場。カナダ出身のシンガーソングライターによる、ちょうど3年ぶりとなるニューアルバム。CD販売数6位、ダウンロード数4位、PCによるCD読取数36位。オリコンでは初動売上9千枚で7位初登場。前作「Head Above Water」の1万3千枚(7位)からダウンしています。

7位初登場は鈴木雅之「DISCOVERY JAPAN DX」。CD販売数7位、ダウンロード数5位、PCによるCD読取数39位。「日本のうた」再発見というコンセプトのもとにリリースしているカバーアルバム「DISCOVERY JAPAN」シリーズ。本作は、過去3作品から厳選した曲に加えて、新たにレコーディングした曲を加えた3枚組。布施明の「君は薔薇より美しい」や坂本九の「涙くんさよなら」といった昔の曲から、主に90年代J-POPあたりまでがメインなのですが、なんとYOASOBI「怪物」のカバーにも挑戦していたりもします。オリコンでは初動売上9千枚で9位初登場。直近作はベスト盤「ALL TIME ROCK'N'ROLL」で同作の初動6千枚(4位)からアップ。また、「DISCOVERY JAPAN」シリーズの前作「DISCOVERY JAPAN III~the voice with manners!」の3千枚(11位)からもアップしています。

8位にはGYROAXIA「Freestyle」がランクイン。CD販売数4位、ダウンロード数19位。アニメやゲームなどによるボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」に登場するバンドによるメジャーデビューミニアルバム。オリコンでは初動売上9千枚で8位初登場。

最後、9位にはFull Throttle4「FT4」が初登場。CD販売数8位、ダウンロード数18位、PCによるCD読取数34位。クリエイターユニットHoneyWorkの手掛けるプロジェクト「告白実行委員会~アイドルシリーズ~」に登場するアイドルグループによるデビュー作。オリコンでは初動売上1万枚で6位初登場。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2022年3月 2日 (水)

7週連続1位!

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

圧巻の強さで6週連続の1位獲得となりました。

今週もAimer「残響散歌」が1位を獲得。これで7週連続の1位。先週1位だったダウンロード数、ストリーミング数、PCによるCD読取数、You Tube再生回数に加え、今週、ラジオオンエア回数も20位から大幅にアップして1位を獲得。各種チャート8部門中5部門で1位という圧倒的な強さを見せつける結果となりました。これで12週連続のベスト10&ベスト3ヒットとなります。

2位は初登場。NMB48「恋と愛のその間には」がランクイン。CD販売数1位、PCによるCD読取数20位、Twitterつぶやき数38位。オリコン週間シングルランキングでも初動売上15万2千枚で1位初登場。前作「シダレヤナギ」の初動13万3千枚(2位)よりアップ。

3位は優里「ベテルギウス」。先週の2位からワンランクダウンながらもベスト3をキープ。ただ、ストリーミング数は2位をキープしているのですが、ダウンロード数が9位から14位、You Tube再生回数も6位から10位とそれぞれダウンしています。一方、「ドライフラワー」は先週と変わらず9位をキープ。カラオケ歌唱回数も56週連続の1位をキープしています。これで「ベテルギウス」が17週連続のベスト10ヒット&通算5週目のベスト3ヒット。「ドライフラワー」は67週連続のベスト10ヒットとなります。

続いて4位以下の初登場曲ですが、4位にENHYPEN「Always」がランクイン。日テレ系ドラマ「ムチャブリ! わたしが社長になるなんて」主題歌の配信限定シングル。ダウンロード数3位、ストリーミング数6位、ラジオオンエア回数2位、Twitterつぶやき数21位。

一方、ロングヒット曲ですが、まずKing Gnu。今週「一途」は7位から6位にアップ。「逆夢」も先週と同じく8位をキープしています。ただ、「一途」はストリーミング数が6位から7位、You Tube再生回数も4位から6位にダウン。一方「逆夢」はストリーミング数5位、You Tube再生回数3位と先週と同順位をキープしています。これで「一途」は12週、「逆夢」は9週連続のベスト10ヒットとなりました。

マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」は5位から7位に再度ダウン。ストリーミング数は3週連続の3位となっていますが、ダウンロード数は37位から42位、You Tube再生回数は23位から27位とダウン。これで通算11週目のベスト10ヒットとなりましたが、全体的には伸び悩んでいる感があります。

逆にしぶとい人気を見せているのがback number「水平線」。今週も10位と先週から同順位をキープしています。これでベスト10ヒットは通算27週となりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年3月 1日 (火)

「卒のない」傑作

Title:Turntable Overture
Musician:カーネーション

途中、ベスト盤のリリースを挟みつつ、オリジナルアルバムとしては「Suburban Baroque」から4年2ヶ月ぶりとなるCarnationのニューアルバム。2018年には結成35周年のベスト盤「The Very Best of CARNATION "LONG TIME TRAVELLER"」をリリースしていますから、来年にはまさに結成40周年という超ベテランバンドになる彼ら。毎回、非常に良質で安定感のあるポップソングを聴かてくれる彼らですが、今回のアルバムに関しても、そんな期待にそぐわない作品を聴かせてくれました。

基本的に「ロック」をベースとしつつも、様々な音楽的要素を卒なく取り込んだ楽曲が大きな魅力の彼ら。今回のアルバムもまず1曲目「Changed」では、非常に力強いベースラインやドラムスを聴かせてくれ、ベテランとは思えない迫力あふれるサウンドで現役感を聴かせてくれます。続く「SUPER RIDE」「その心の果て」はどちらかというとAORの枠組みになりそうな聴かせる大人な雰囲気を醸し出す楽曲になっていますし、かと思えば「BABY BABY BABY」はホーンセッションも入れて賑やかなサウンドが楽しめます。

「Highland Lowland」は一転、オルタナ系のギターロックバンドを彷彿とさせるようなノイジーなギターを主軸に聴かせる楽曲になっていますし、「霧のスーヴェニール」はストリングスを入れたムーディーな雰囲気の曲調に。同じくAOR的な「マーキュロクロムと卵の泡」が続いたかと思えば、「Rock On」「I Know」はどちらもヘヴィーなサウンドを聴かせるロックチューンへと変化していきます。最後はフォーキーに聴かせる「海の叙景」からピアノも入ってメロディアスに聴かせるギターロック「Blue Black」へ続きアルバムは幕を下ろします。

正直言うと、様々な音楽性を取り入れているのですが、全体的には目新しい感じはありませんし、どちらかというとベテランバンドらしい「卒のなさ」を感じる展開になっています。ここでも何度か書いたかと思うのですが、雑誌「Rockin' On JAPAN」に良く取り上げられるバンドのことを「ロケノン系」と言ったりしますが(といっても、同誌は最近すっかりアイドル雑誌に変貌してしまいましたが)、彼らに関しては、良くも悪くもMusic Magazine誌が好みそうなタイプのバンドだな、ということを毎度思ったりします。

そういう卒のなさは今回も感じつつ、やはりバラエティー富んだ音楽性、その中でもほどよく迫力と若手に負けない現役感を覚える力強いロックサウンド、さらにキャッチーではないもののそれなりにインパクトを持ってポップにまとめあげているメロディーラインと、作品として非常に優れた内容になっているのは間違いありません。そういう意味では、間違いなく「傑作」としての評価以外できない作品になっていました。やはり凡百のバンドとは大きく異なる実力を感じさせる作品になっていました。

ちなみにここ最近の恒例なのですが、本作もDisc2としてインスト盤もついてきます。こちらも彼らのバンドとしての自信を感じさせる内容に。バラエティー富んだ音楽性がよりはっきりと理解できる作品となっていました。あらためて彼らの実力を実感できた傑作でした。

評価:★★★★★

カーネーション 過去の作品
Velvet Velvet
UTOPIA
SWEET ROMANCE
Multimodal Sentiment
Suburban Baroque
The Very Best of CARNATION "LONG TIME TRAVELLER"


ほかに聴いたアルバム

TK WORKS ~TETSUYA KOMURO HITS NONSTOP MIX~

タイトル通り、小室哲哉プロデュースの楽曲36曲をノンストップミックスでつないだDJ盤。ミックスはあのTRFのメンバーであるDJ KOOとゆけむりDJsが担当しています。ただ、基本的には小室哲哉プロデュースの作品を並べただけといった感じで、これといって新しい発見はありません。また、おなじみの大ヒット曲は、それなりにおさえてはいるものの全体的には「さほどヒットしなかった」プロデュース曲も多く、おなじみのヒット曲が並んでいるか、と言われたら若干の物足りなさも・・・。ただ、純粋に小室哲哉のオムニバスとしては楽しめる内容にはなっていました。

評価:★★★★

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