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2022年2月 8日 (火)

突き抜けた「大いなるマンネリ」

Title:egomaniac feedback
Musician:TK from 凛として時雨

ミュージシャン名義からしてそのままなのですが、ロックバンド、凛として時雨のボーカリスト、TKによるソロ作。2011年より、凛として時雨と並行してソロ活動を続けている彼。通常、バンドメンバーのソロ活動というと、バンドが活動休止中などに断続的に活動を行うのが常なのですが、彼の場合、完全にバンド活動と並行して活動を続け、積極的にアルバムもリリースしています。特にここ最近では、バンドとして活動しつつも、むしろソロの方が本業になっているのでは?と思うほどリリースペースにすらなっています。

本作はそんな彼のソロ活動10周年を総括するベストアルバム。2枚組となっている本作の1枚目は彼の代表作がほぼリリース順に並んでいる一方、2枚目には様々なミュージシャンとのコラボ作が並びます。湯川潮音とコラボした「white silence」やCharaとのコラボ作「Shinkiro」のほか、今回のベスト盤リリースに伴う新作のコラボ作も収録。阿部芙蓉美とのコラボ「Super bloom」、UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介とのコラボ作であり、SMAPへの提供曲のセルフカバー「掌の世界」、miletとのコラボ「Future Tone Bender」を収録。さらに1枚目にも、このベストアルバムと同時リリースのシングル曲ともなったアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」EDテーマの「will-ill」が収録されています。

さて、そんな彼のソロ作ですが、以前から彼のソロ作はコンスタントに聴いていて、その時も既に同じことを書いているのですが、大いなるマンネリとして、むしろ突き抜けたような作風になっていまう。ハイトーンボイスのボーカルに、これでもかというほどメランコリックで焦燥感あるメロディーラインとサウンド。デビュー時点は3ピースバンドにこだわらないような作風となっており、ソロとバンドと明確に区別があったのですが、最近になってくると、作風として正直、凛として時雨とどこに差異を置いているんだろう?と思うような方向性になっています。最近、バンドよりもソロが活動の中心になりつつあるのですが、ひょっとしたら彼としてもバンドを維持している意味がちょっと低下してきてしまっているのかもしれません。

そのためこのベストアルバム、1枚目16曲、2枚目11曲というかなりフルボリュームの内容なのですが、かなり似たような曲が並んでしまっている内容になっています。ただ、だからといって聴いていて飽きてくるかというと、これだけフルボリュームながらも飽きることなく最後まで楽しめる内容になっています。それは、上にも書いたのですが、大いなるマンネリながらも、それが突き抜けたような内容になっているから、というのが大きいのではないでしょうか。これでもかというほどメランコリックなメロディーラインは確かにインパクトも強く耳に残ります。焦燥感あるサウンドもメロディーラインともマッチ。コラボ作にしてもハイトーンのボーカリストとのコラボも多く、作風にも非常にマッチしています。

要するに、彼の書くソロ作は、様々な面で楽曲の中でのミスマッチが生じていません。ある意味、期待するサウンド、期待するメロディー、期待するボーカルがちゃんと要所要所に配されている構成。もちろん、楽曲の中に生じるある種のミスマッチが楽曲のおもしろに繋がっている作品も一般的には多く、その意外性を聴かせるミュージシャンも少なくありません。そういう意味では期待通りの彼の作品は、ある種の面白みは少ないといえるのかもしれませんが、反面、非常に安心して聴ける作品になっており、かつ強烈なインパクトがゆえに、大いなるマンネリだとしても、飽きることなく最後まで聴ける内容になっていました。

本当だったら、そろそろ違う作風の・・・と言いたいところなのですが、彼に関しては、ここまで突き抜けた「マンネリ」作が続くのならば、今後もこの方向を続けてほしいかも、とも思ってしまいました。今後はソロを続けるのか、再びバンドとして活動をはじめるのかわからないのですが・・・TKの今後の活躍に期待したいところです。

評価:★★★★

TK from 凛として時雨 過去の作品
flowering
contrast
Fantastic Magic
Secret Sensation
white noise
彩脳
yesworld


ほかに聴いたアルバム

ブーツを鳴らして-EP/SHISHAMO

ガールズロックバンドSHISHAMOの、イントロを除いて実質3曲入りとなるEP盤。表題曲「ブーツを鳴らして」はこの寒い季節にピッタリのウインターバラードで、ストリングスも入れてスケールを感じる作品に。「マフラー」は力強いギターロックで、バンドとしての実力を感じさせる作品。ラストの「ミルクコーヒー」はちょっぴり切ないラブソング。それぞれがSHISHAMOらしさを感じる曲が並びます。寒い季節にピッタリのEP盤でした。

評価:★★★★

SHISHAMO 過去の作品
SHISHAMO 3
SHISHAMO 4
SHISHAMO 5
SHISHAMO BEST
SHISHAMO 6
SHISHAMO 7

ケツノポリス12/ケツメイシ

昨年3月にリリースされたベストアルバム「ケツノパラダイス」では、コロナ禍ということでメンバーが、いつもジャケット写真を撮影する首里城に赴けず、等身大パネルを置いての撮影となりましたが、今回のアルバムでは無事、メンバー本人が首里城で撮影。「いつものジャケット」になっています。ただ一方、首里城の火災の影響で、バックにはその工事の風景が収められており、奇しくも、この時期を象徴するようなジャケットになっています。

さて、そんなケツメイシのニューアルバム。非常にバラエティー富んだ内容で、彼ららしいアルバムになっていました。王道とも言えるレゲエのサマーチューンからエレクトロのダンスチューン、パーティーチューンやアコースティックなナンバー、メロウな楽曲など音楽性も広く、また、歌詞も前向き応援歌からラブソングやコミカルな作品までこちらも幅広い作風が特徴的。存分にケツメイシらしさを生かしたアルバムになっていました。

評価:★★★★

ケツメイシ 過去の作品
ケツノポリス5
ケツノポリス6
ケツノポリス7
ケツの嵐~春BEST~
ケツの嵐~夏BEST~
ケツの嵐~秋BEST~
ケツの嵐~冬BEST~

KETSUNOPOLIS 8
KETSUNOPOLIS 9
KTMusic(KTMusic)
KETSUNOPOLIS 10
ケツノポリス11
ケツノパラダイス

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